TOPへ戻る>>ザスパ草津のページへ





ザスパ草津再建企画 パート4


長期にザスパが選択すべき道
〜高崎競馬場跡地利用がもしスタジアムならば〜



横棒


ザスパの財政はとりあえず落ち着いたが・・・

一昨年の夏、Jリーグに昇格したばかりのザスパだったが、賢持社長が辞任を表明し一気にザスパの財政問題が表面化。
ある程度予想はしていたものの想像以上に赤字だらけのその財政状況に青ざめた私は自分なりの再建案を短期、中期について書いてみた。

健常な経営を目指せば、まあとりあえず目先はこんなものかな、とひとまず筆(キーボード)を置き、最後に残った長期的な目標である”スタジアム問題”についてはいろいろ構想しつつも早2年が経ってしまった。

折しも2年前当時は高崎競馬場が廃止となり、その跡地利用としてあれだけ高崎駅という群馬随一の特等地の広大な敷地をどうするのか?と各所で紛糾していた中、やはりサッカーファンの自分としては当然今の競馬場の形を活かしつつスタジアム化すべき、と考え、将来あそこでザスパが試合を出来るようになればどれだけの利点があることか、と思いを馳せた。


その後、この2年の間にやはり時代はいろいろ動いた。

中でも、ザスパが故・大西新社長のもと、意外にも早く財政再建を実現でき、黒字ベースに乗せた事は特筆に値する。

しかし、肝心の収益の最もベースとなる観客数はJリーグ3年目も半ばを過ぎた今でも意外と伸びず、そして高崎競馬場跡地利用は予想以上に”全く”動いていないと言って過言ではない。


その2つの要素を考えるに、やはり高崎競馬場跡地にスタジアムが出来る事がどれほど有益な事か。

現時点で自分なりに整理したいと思う。



ホーム敷島の最大の欠点”利便性の悪さ”

まず、当然改善を求めるということは今の現状に不満があるという事。
現在のザスパ草津のホームスタジアムである県営敷島陸上競技場について、その欠点をまとめたい。


ただ、まとめるとはいってもその欠点とは・・・要するに”利便性の悪さ”だ。
この1点に尽きる。
あとは赤城国体以来20年以上経過する敷島陸上競技場自体の老朽化という点はあるにせよ、バックスタンドもできた事で特に他のJリーグチームのスタジアムとあまり変わりはない。
(松本のアルウィン、熊谷陸上と比べると・・・などとそんなに贅沢な事は言っていられない)


では、どう利便が悪いか。

1.最寄りの駅が遠い(更に最寄りの前橋駅は便がよくない)
2.駐車場が無い
3.周辺の道路の整備状況のキャパがない

・・・まあだいたいこんな所か。

先に2.と3.だけ検討するに、2.の駐車場の問題は自治体や地元の協力問題にあり、国体道路を挟んだ広大な利根川の河川敷を前橋花火大会の時のように広く利用できれば、実は割と簡単に片づくと思われる。
問題はむしろ3.の方で、その雄大な河川敷を持つ利根川に西側を抑えられ、南側にはすぐに渋滞しやすい大渡橋を擁しており、逃げ場の無い袋小路的な特殊な地理のためにすぐに大渋滞となってしまい、その渋滞を地元としては受け入れ難いために2.の駐車場も併せて容認はできない。(前橋花火など、歴史もある年に1回のイベントならともかく、月に2回も3回もって・・・)


利用しずらい駐車場・・・

だったらちょっと離れている北の群馬アリーナや、南のグリーンドームの立体駐車場のように渋滞の影響を受けないところで駐車場を開放してよ、という事で、現在は徒歩では厳しい距離の遠隔駐車場方式をとっている。

この”近くの駐車場が利用できない”という点が、現在の敷島での集客能力として大きな足かせとなってしまっている。

現に筆者の職場の同僚からも、ザスパをなかなか観に行けないのは車で行きづらいから、という声を真っ先に聞く。

この駐車場問題については、河川敷駐車場などの徒歩圏内の近場の駐車場を確保できるよう早期に対策をたてたいところだが、今のところ平行線なのだろう。


ところで現在の状況で特に疑問なのは、群馬アリーナなどから移動するためのシャトルバスが”なぜか有料である”ということ。
一般常識で考えれば、わざわざ渋滞回避のために遠くに停めてもらっているサポータに対して、更にシャトルバス料までとるという事はあってはいけないことだ。

当然、バスをきちんとチャーターで確保し、その分のチャーター費用を観客増の収益でカバーするべき。それこそ、補強などに使う金があったら試験的にこれくらいは実施するべきだ。だから何度もこのHPでも訴えているが、無駄な補強に使う金はザスパには無いはず、と言っているわけ。
この点については職場の同僚も声を大にして訴えていた。
せめてシャトルバスの無料化くらいは叶えて欲しいものだ。





駅から遠い敷島

さて、話を「欠点1.最寄りの駅から遠い」に戻そう。


敷島の最寄りの駅はどこか。
一応公式では前橋駅とあるものの、バスに乗って20分はかかる。
当然徒歩で行く事などあり得ず、まあ自転車ならばちょっとしたサイクリングといった感じ。

上信電鉄などは、利用者増加のための手段としてサイクルトレインを採用しており、自転車ごと電車に乗れるようだが、利用者の多いJRではそれは出来ない。

つまり基本的にはバス(またはやや高価だがタクシー)で行くしかなく、遠方からの観客は電車から降りてもなお時間の読みにくいバスの利用を強要される。

この、”徒歩圏内で行けるか”、”バスを利用しないといけないか”の違いがどれだけ大きな事か。

まずはこの点について述べたい。


各地のスタジアムと駅の関係

筆者は独身時代に浦和在住の頃、JRの駅がすぐそばにあったので大変良く電車を利用した。
群馬のように車だと、じゃあ、ああ行ってこう行って、どう渋滞を回避してどこに車停めて・・・といろいろと思案して気合いを入れないといけないが、電車という公共交通機関は素晴らしい。

身一つでぶらりと駅に行き、ちょっと電車を乗り継げば、東京近辺のあらゆるスタジアムに割とすぐに1時間圏内で行ける。
運転する必要がないためスタジアムでも気軽にビールを飲み、気軽に試合を観戦したあとにどんなに混んでいようともとりあえず帰りの電車に一度乗ってしまえば、あとは勝手に電車が連れていってくれる。


しかし、これほどサッカー観戦に有益である電車利用も、やはり”駅からスタジアムまで、徒歩(少なくとも30分圏内)で行ける事”という条件がある。

理想は千駄ヶ谷駅に近い国立や、飛田給駅からすぐの味の素スタジアム、または大宮駅から近くの大宮公園(現・NACK5スタジアム)。

やはりこれらの駅は徒歩30分圏内にあるため、非常に気軽に、思い立ったらすぐに観戦に行けた。


ぎりぎりなのは、等々力や平塚か。
やや距離があるためバスで行く人も多そうだが、かろうじて歩きでも行ける。

最悪だったのは市原。
あそこの臨海スタジアムにはバスに相当揺られて臨海地域にある遠いスタジアムまで行かなければいけなかった。
ジェフ千葉は近年フクアリが完成し、あそこでJリーグの試合は無いのだろうが、もう二度と行きたくない。

ちなみに横浜FLUGELSにとっての聖地・三ツ沢も駅からは若干遠い。
 坂の上にあるため、行きの歩きは厳しくほぼバスを利用するしかない。
しかし帰りは道も渋滞するため、祭の後のようにぞろぞろと行列をつくりサポータ達は坂道の歩道を下って駅まで帰る風景が常だった。
まあ帰りだけでも歩けるという点はぎりぎり合格といったところ。


なぜ”鉄”路か?

なぜ鉄道、いわゆる鉄路でないといけないのか?
そんなにバスではダメなのか?

これはもう、鉄路ゆえの”確実性(定時性)”、”信頼性”にある。

バスという、一般交通、一般車両の影響をもろに受ける乗り物では、特に帰り道に確実に渋滞に巻き込まれる。
バス専用レーンがあるような、特殊な恵まれた地域ならともかく、先程述べた三ツ沢のように、歩きのほうがよっぽど早い、という事態も起こりうる。

試合を観戦した後の熱気むんむんの大勢のサポータがすし詰め状態となり、いつたどり着くか分からない駅に向かっての渋滞する道路のテールランプをぼんやり見つめる事がどんなに虚しいか。
しかもそれが悲しくなるような敗戦の後とくれば・・・
一度でも経験した方ならおわかりだろう。

行きにバスを使うのも、試合開始前のスタジアムは駐車場を探し求める車両で渋滞することが通常であるため、最悪の場合試合開始に間に合わないというリスクも伴う。

だから健康と足には自信のある筆者はバスよりも多少無理しても徒歩にこだわる。


とにかくバスは極力利用したくない。
だから鉄路が欲しい。

そして、敷島には鉄路の恩恵があまりに乏しい。


前橋駅の限界

最寄り駅、”前橋駅”から遠いということは前述したとおりだが、そもそもこの前橋駅にも問題はある。

前橋という地がいかに鉄路の面で厳しいか。

前述のとおり東京近郊である埼玉南部地域で鉄道の恩恵を数年間受けた筆者は、改めて前橋の鉄路上の利便性の悪さを思い知った。

群馬県民の多くはマイカー移動がほとんどメインであるため、あまりこの鉄路という面で実感が無いのかもしれないが、前橋の置かれている状況はかなり厳しい。

例えば東京圏内から敷島に試合を観に行こうとしてヤフー鉄道検索でも何でも試しにシミュレーションをしてみればすぐにわかるが、驚く程の時間がかかる。

当然高崎線か新幹線でいったん高崎駅に行かなければならず、そこから上越線ではなく両毛線を選んで乗り換えなければ前橋駅には行けない。

おそらく上越線と両毛線のダイヤの数はほぼ半々。
両毛線の乗り継ぎを1本逃すと平均30分以上待つ事になるのではないだろうか。

そしてようやく前橋駅まで辿りついてから、更にバスに揺られて20分。
当然試合当日の直行バスがあったとしても10分以上は出発まで待つ事になるだろう。
国立ならば、このバスの出発を待つまでに既にスタジアムについて当日券を買い求めている頃だ。

ちなみに筆者としては前橋駅ではなく一歩手前の新前橋駅で降りて直行バスなどを利用する事をおすすめする。
新前橋駅(新前)までは上越線(吾妻線含む)、両毛線両方で行けるので、だいたい高崎駅で10分も待てば一本くらいは新前まで行ってくれる。
この高崎から新前までの本数の多さは東京近郊並であり、意外に群馬県民はこの事実にうとい。


高崎駅というターミナル駅の効果

もうここまで書けば言わずもがなだが、だったら仮にスタジアムが高崎駅から徒歩10分にあったならばどうだろうか?

高崎線一本、今ならば湘南新宿ライナーで神奈川からも行け、更に北の上越線、東の両毛線、西の信越線などからも一本で行ける。
マイナーなところでは埼玉西部からの八高線もある。

当然、それ以上に新幹線が止まるという利点は大きい。
未だJリーグチームの無い長野からもサッカーファンの集客が見込めるし、アウェイチーム、特に多数のサポータが押しかける仙台からも新幹線で簡単に、迅速に来る事ができる。


いかに高崎駅という、北関東トップクラスのターミナル駅が偉大であるか。
マイカー利用に慣れてしまっている群馬県民にはいまいちその凄さが伝わらない。


東京圏内からザスパ戦を観に行こうとしたときに、敷島と高崎競馬場に辿り着くまでの費用と労力と時間のイメージとしてほぼ”倍”の違いがあるのではないだろうか。
だいたい、新幹線を使わない場合、東京圏内から敷島までは3時間はかかり、高崎までは1時間半で行けると思う。
(新幹線使えば早いよ、という意見の方は現在の格差社会をよく理解されていない証拠。あんな高価な新幹線代金を20代のサッカーファンが払えるわけがない)

よく長距離通勤は片道1時間半以上、という定義があるので、高崎まではちょっと遠い”長距離通勤程度”のイメージだが、3時間かかる敷島までは完全に”小旅行”だ。


このイメージの違いがいかほどに大きな事か。

特にザスパは毎年熊谷陸上でホーム戦を開催するなど埼玉県北の地域からもファン層を獲得したい意志があるにも関わらず、ホームスタジアムが敷島では明らかに遠い。
逆に高崎なら1時間もかからずに行けてしまう。

 「高崎までせいぜい1、2時間か〜ちょっと行こうかな」、というイメージと、「敷島まで3時間以上か・・・行くだけで半日かかるな」、というイメージ。
集客の効果に与える影響は絶大だ。


現在の跡地利用の状況は・・・

これだけ大きな武器である高崎駅という北関東トップクラスのターミナル駅から徒歩10分以内という立地条件にあれほどの大規模の空地となった高崎競馬場跡地の意味は大きい。

現在のところJRAに貸与され場外馬券売場として週末は利用されており、とりあえず跡地としての利用は継続されている。

その間に群馬県、高崎市では旧高崎競馬場跡地利用検討連絡会議が立ち上げられ、いろいろな土地の所有に関する諸問題と、その後の最適な利用方法についてまとめており、今のところ文化施設、医療施設、スタジアムを意味するであろうスポーツ施設など多種多様なアイデアが出されている。

いろいろなアイデアはあるが、高崎競馬場跡地という土地が滅多に存在しないあまり貴重過ぎる土地のため、様々な利権も絡み合う中なかなか一本のアイデアに絞りきれない、といったところ。
高崎競馬廃止から3年が経ち、競馬ファンも是非とも再開を!という熱気ももはや冷め、ひとまず場外馬券売り場として落ち着いている感じであり、今のところ県、市とも静観している雰囲気が感じとれる。

本当に動き出すとなれば相当な労力と時間がかかる事は必至であり、それが動き出すためにはおそらく何か大きな流れ、力、動き、つまりは起爆剤がない限りはこの硬直状態はしばらく続きそうだ。



中心市街地活性化にも

同時に高崎駅から高崎線一歩東京寄りの倉賀野駅前のキリンビール工場跡地についても議論は起こっており、確かにこちらもスタジアムの建設などに適していそうだが、やはり高崎駅の方がより好ましい事は間違いない。

倉賀野駅は高崎線しか通らないため、群馬各地から行くにしても1回高崎駅で乗り換えが必要となり、遠方からの新幹線での来客もわざわざ乗り換えが必要だ。
(ちなみにこの文章を書いている間、9月2週目の新聞で森永製菓が工場用地としてキリンビールから買収することが公となった)


更に中心市街地の発展、という意味で、スタジアムが街にあるというイメージアップがどれほど大きい事か。
試合のある日の夜は観戦後のサポータで繁華街もにぎわうし、高崎駅周辺ならビジネスホテルなど宿泊施設も豊富だ。



改善される高崎駅周辺の道路事情

また、高崎競馬場跡地の利用で最大の欠点と思われるのが車での利用がしずらいのでは、という事になるが、高崎駅周辺には近年できた立体駐車場が意外に多い。
確かに高崎競馬場跡地だけでは十分満足のいく駐車台数の確保は難しいかもしれないが、これら周辺の駐車場の利用も併せれば、少なくとも今の敷島よりははるかに車での利用もしやすい。
(当然のことながら、本当にスタジアムが出来るとなれば、民間企業が東口のスタジアム近くにもう1つくらいは立体駐車場を作るだろう)

周辺の道路状況についても、東側に伸びる国道354号バイパスもついに高崎駅東口まで開通し、北側の県道前橋高崎線も本格的に拡幅事業に着手するようであるし、そこに隣接する長年工事していた現道の国道354号のJRとの踏切(有名な開かずの踏切)の立体化もいよいよ開通した。
外環道路である国道17号についてもこれまた長年工事していた和田橋交差点の立体工事が来年開通されるようだ。

どうやらこの周辺の道路整備の推進の裏側には来年の2008年3月から開催されるぐんま都市緑化フェアが影響しているらしく、その開催にあわせて高崎駅周辺はこれだけの道路事業が一気に開通となるのだろう。

これにより高崎駅周辺は、車でも電車でも便のいい地域となる。




もうここまで書けば十分だろうか。

高崎競馬場跡地という高崎駅から徒歩10分圏内にスタジアムができるということ。

ザスパ草津のホーム戦の集客が大幅増になる事は間違いなく、更には街の発展にも大いに貢献する。

前橋を愛する私だからこそ敢えて声を大にして言うが、もはや群馬の中心は高崎駅において他にない。
ザスパが今後発展する上で、この高崎駅に拠点がもてるという事がどれほどの大きな意味を持つか。

高崎がどうの、前橋がどうのではなく、ザスパが本当の意味で群馬の代表クラブチームとして日本を、はたまた世界を視野に入れた成長を成し遂げるとするなら、高崎競馬場跡地にホームスタジアムができるという要素を逃したくない。

逆にいえば、今の敷島のままでは先が見えているということ。
まあ先に述べた河川敷の駐車場解放など、車での利用環境が改善されればだいぶ変わるだろうけど。
でも、結局は車だけでの来場を見込むだけでは、とても広域的、多面的な集客は見込めない。
車での来客は渋滞を起こすだけ。
電車での来客の増加は街の活性化にもつながるという利点も手放す事になる。



以上が私が高崎競馬場跡地を是非ともスタジアムに!そしてザスパのホームに!と強く希望する要因の数々だ。

はっきりいってザスパという中小企業が動いたところで、結局は他力本願となる。

しかしはっきりとした意思表示、要望だけは何らかの形で示して欲しいものだ。

まあ、敷島陸上で既にバックスタンドを増設してもらったりなど、そんなに虫の良い事は言い出せない事情はあるのだろうけど・・・



ところでこのページの番外編として、ザスパ草津の発展にどうも阻害となっている気がしてならない、前橋市と高崎市の激しい対抗心についても、ちょっとまとめておきたいと思い、同時進行で下記リンク先のページも執筆してみた。
興味のある方は参照頂きたい。


 根深く残る前橋市と高崎市の対立 (07.09.14UP)







(2007.09.14UP)






TOPへ戻る>>ザスパ草津のページへ


inserted by FC2 system