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ザスパクサツ群馬

J2リーグ 2023シーズン
〜前半戦〜
まとめ・総括・批評

横棒


ザスパ 大槻組長2年目シーズンのまとめ・総括・批評〜前半戦〜

大槻組長1年目の2022シーズンは開幕シーズンこそ好調だったものの、中盤での大連敗により一気に残留争いに落ち込み、そして最終節一歩前でようやく残留を決められるという、いつものザスパのギリギリの残留劇となってしまったが、2年目の2023シーズンは大いなる飛躍の年となった。

シーズン前の降格候補No.1のそしりを受けながらも開幕シーズンから好調が続き、そして松本強化部長体制に入ってからの悲願だった勝ち点50、16位以上のチーム目標を早々に達成し、シーズン終盤までプレーオフ圏内を争うほどの躍進となった。

ザスパサポ界隈としては、まさに偉業であることは間違いなく、元々からの大槻組長の人気も相まって褒めたたえる声が大半を占める中だが、自分としては確かに負けないサッカー、連敗をしないサッカーも重要だが、シーズン後半からはもっとプレーオフ圏内を本気で目指して、多少のリスクは背負っても勝ち切るサッカーに切り替えて欲しかった、本来はもっと勝ち点を獲れていて、プレーオフも戦えていたはず、というせっかくの千載一遇のチャンスを逃したという物足りなさも残るのは確かだった。

そんな光と影が色濃く出た飛躍となった大槻組長2年目の23023シーズンの前半戦を振り返りたい。

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2023.2.18 正田醤油スタジアム
2023.2.18ブラウリッツ秋田との開幕戦



順調な船出では無かった大槻ザスパだが、両サイドバックは開幕から最後まで攻守に安定感

大躍進となった今シーズンだが、大槻ザスパの開幕は決して順調なものではなかった。

昨シーズンから適用している守備時は4−4−2、そして攻撃時は右サイドバックが上がり、左サイドバックは左ストッパーとして移って3バックとなる3−5−2の可変システムはそのまま継承され、昨年はその左サイドバック兼左ストッパーをなぜかMF17山中が務めたりするミスマッチのため散々他のチームからもやられたわけだが、今シーズンは開幕から最後までこの左DFの席は一貫してDF36中塩が務めた。
高さがありセンターバックとして計算できながらも、時には正確な左利きを活かした攻撃参加からのクロスなどでサイドバックとしての一面も持つ中塩の存在は、この可変3バックシステムを支える今シーズンの堅守を誇った大槻ザスパの中で最も重要なキーパーソンだったのではと、今思えば考えさせられる。

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2023.2.18 正田醤油スタジアム
2023.2.18ブラウリッツ秋田との開幕戦
DF36中塩が開幕戦から左サイドバックでスタメン、やはり守備時の3バックに入る形で攻撃参加はあまり無く、シーズン前半戦は不安定な一面もあったが、シーズン後半は大槻ザスパにとって無くてはならないピースとなった

対して右サイドバックは高卒2年目ながらも副キャプテンともなったDF19岡本一真が第一レギュラーとなり、夏の怪我の期間を除き、これまた攻守に安定した働きをみせ、特に重要な場面での得点が多い印象だった。

ザスパクサツ群馬vs藤枝MYFC戦 2023.5.28 正田醤油スタジアム
2023.5.28 藤枝MYFC戦
高卒2年目ながら副キャプテンを務めたDF19岡本一真の存在はシーズンを通してあまりに大きく、シーズンを通して奇跡の存在とも言える活躍をみせた

この両サイドバックが非常に安定したことが今季の大槻ザスパを支えた。
正直、昨年はこの右サイドバックに、あまり縦に攻められない小島が入り、そこで攻撃がことごとくストップし、左サイドバックでは山中が狙われまくるという、そりゃ弱いよね、という状態で、岡本一真が台頭して右サイドバックに入り、小島が左サイドバックに移ってから昨年のチームは助かったが、今年は開幕から最後まで一貫して両サイドバックが安定した事が、今思えば一番の躍進の材料だったと考えられる。

この両サイドについては、新加入のMF5川上エドオジョンが左右両サイドを高次元でこなし、岡本一真の離脱の間の穴もしっかり埋めてくれた層の厚さも特筆に値する。

ザスパクサツ群馬vs栃木SC 2023.4.2 カンセキスタジアム栃木
2023.4.2栃木SC戦(カンセキ)
栃木戦、左サイドはFW7川本リヨではなく、サイドのスペシャリストMF5川上エドオジョンが入ったことがダービーを制する要因となった
岡本一真不在の間はエドにどれだけ助けられたか・・・
大槻チルドレンでもあるが、まさに監督との相思相愛といった抜群のチームへのフィット感をみせ、度々怪我にも苦しむ中、自身もキャリアハイとなるシーズンを通しての活躍となった


開幕から左サイドにFW7川本リヨを使う悪手・・・そしてシーズン最後まで続く・・・

最初から話が逸れてしまったが、開幕から既に固定された両サイドバックと、DF3畑尾、DF24酒井、そして守護神GK21櫛引のリーグ屈指を誇った鉄壁の守備陣以外は、開幕からいろいろと試行錯誤となった一面がある。

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2023.2.18 正田醤油スタジアム
2023.2.18ブラウリッツ秋田との開幕戦
開幕からDF2城和からスタメンの座を勝ち取ったDF24酒井

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2023.2.18 正田醤油スタジアム
2023.2.18ブラウリッツ秋田との開幕戦
今シーズンからGKの1stユニがピンクとなり、かなり目立つようになったGK21櫛引
紺色の十本指のチャント受け継ぐ、まさに守護神としての活躍を開幕でも見せゴールを死守した

1トップは開幕はFW23平松が入り、そしてその後はFW13武颯、FW9北川、FW7川本リヨと、いろいろと変わっていったが、結局最後まで、これといった1トップを据えられなかったことが今シーズンのザスパの堅守に対しての脆弱な攻撃陣を象徴した。

そして今シーズン最も大槻監督の悪手だったのは、左サイドにFW7川本リヨを開幕から最後までこだわったこと。
シーズン途中からは右サイドもFW9北川の起用にこだわったが、なぜセンターFWをサイドに置きたがるのか、本人たちにとっても得意なゴール前でのプレーから遠ざかり、シーズン途中は明らかに調子を落としている一面もみえ、最後の最後まで左に川本リヨ、右に北川のこだわりだけは大いに疑問のままシーズンを終えた。

このことに関しては、このHPで開幕からシーズン最後までしつこく書き続けたが・・・あれさえ無ければザスパはプレーオフに行けたと思うと、残念でならない。

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2023.2.18 正田醤油スタジアム
2023.2.18ブラウリッツ秋田との開幕戦
開幕から左サイドに入らされ、球際の強さから左サイドで起点を作ったFW7川本リヨだが、クロスなどでは当然貢献できず

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2023.2.18 正田醤油スタジアム
2023.2.18ブラウリッツ秋田との開幕戦
後半から投入のFW9北川とMF38天笠
FW7川本リヨは左サイド、FW9北川は右サイドで起用されがちとなった今シーズン、本来2人ともゴールに近いところでこそ力を発揮するタイプだったが・・・


特に開幕戦はサプライズなのか、ボランチでキャプテンMF33細貝萌と、武者修行から帰ってきたMF20中田湧大が驚きのスタメンとなったが、どちらも縦パスなどの組み立てを行うタイプではなく、攻撃が完全に鎮静化し、どうにか秋田とスコアレスドローでの始まりとなったが、2戦目のアウェイ町田戦では黒田監督のもと戦力をJ1仕様で固めてきた町田相手に完敗し、3戦目のジェフ戦では2得点を獲るものの2度追いつかれドローと、なかなか勝ち星が取れないもどかしい開幕シーズンの船出となった。



ボランチに入った天笠の躍動からチームは一気に波に乗る

だが、そんな苦しい中でも今シーズンの躍進の要因となった要素は少しずつ花開いていた。

特にシーズン序盤チームを牽引したのは、2戦目の町田戦からボランチに入ったMF38天笠だった。

コロナ真っただ中だった2020シーズン、関西大を中退しザスパに加入したのに、2021シーズン含めほとんど使われず、2022シーズンは主に左サイドハーフとして起用された天笠だったが、ようやく4年目となった今シーズン、2戦目から本職のボランチではじめて起用された。
天笠を本職ボランチで起用するべき、なぜ青森山田を全国制覇に導いたボランチを本職で使わないのかとは、2021シーズンからずっとこのHPでも言い続けてきたわけだが、それがようやく叶った。
あまりに遅すぎる。。。
少なくとも1年は遅いし、あと2年早くボランチで使って欲しかった。

その天笠、ボランチに入った途端の躍動ぶりは凄まじかった。

劣勢となった町田戦でも1人気を吐き何度もチャンスに絡み、そして相手の攻撃を摘み取った。
中盤は天笠の存在で常に数的有利を作れていたような印象だ。

そして3戦目のジェフ戦からは、いよいよ得点という結果で見え始め、ジェフ戦、そして4戦目の山形戦と連続で天笠の得意の左足からの強烈なミドルシュートからのこぼれ球からFW13武颯が押し込み2戦連続ゴールとなり、山形戦はその1点を守り抜く形で今季初勝利をチームにもたらした。

この勝利により、今シーズンの天笠の絶対的なレギュラーの座は確約され、狩人である天笠がボランチでバイタルエリアを埋めた事が今シーズンの堅守を支えた。

ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス 2023.3.29 正田醤油スタジアム
2023.3.29清水エスパルス戦(日本平)
宿敵清水からの勝利の影のMVPではと評価できるMF38天笠
縦横無尽に中盤を駆け回り、相手を囲ってボールを奪っては縦パスを入れていった



悪夢の日本平で快勝!!

ようやく4節山形戦で初勝利した大槻ザスパだったが、5節の仙台戦ではあまりに前半の出来が悪すぎ1−2の力負け。
これは今期数少ないホームでの負けゲームとなった。
攻撃陣があまりに低調で、前半何もできない展開は・・・あろうことかシーズン最後まで続いた。
この点についてはシーズン後半戦でまた力説したい。

そして迎えた6節、アウェイ清水戦。
アウェイ清水といえば日本平、日本平といえば2016年5月28日、当時の鄭大世や大前元紀らにボッコボコにされ、0−8のクラブワーストの大敗を喫した悪夢の地。
今季もJ1から落ちてきたばかりでFW9チアゴサンタナ、FW20ディサロなど強力な攻撃陣を擁し、今回も相当にやられる覚悟を持って乗り込んだものだった。

ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス 2023.3.29 正田醤油スタジアム
2023.3.29清水エスパルス戦(日本平)
2016年の悪夢の地・日本平

しかし、この清水戦には1つだけ好条件があった。
清水からレンタルのFW7川本リヨが出られないという”好条件”だ。

これまでの攻撃陣のアキレス腱となってきた謎の川本リヨの左サイド起用について、この試合だけは強制的に起用できないため、怪我から復帰してきたMF5川上エドオジョンが代わりにスタメンに入った。
これによってザスパの左サイドが急に活性化され、そしてサイドが活きると前線の2トップ、FW13武颯と、前線のフリーマンとなるFW28長倉が効きまくった。
また、この時期の清水はJ1から落ちてきたショックが抜け切れておらず、ボールをポゼッションすることだけにこだわって、ゴール前での迫力に欠けていた点も助かった。

結果として、なんとFW10佐藤亮覚醒の移籍後初ゴールを含む3得点の3−1での快勝となった。

ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス 2023.3.29 正田醤油スタジアム
2023.3.29清水エスパルス戦(日本平)
FW10佐藤亮の左足から放たれたCKにDF3畑尾の打点の高いヘディングが決まる!!

ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス 2023.3.29 正田醤油スタジアム
2023.3.29清水エスパルス戦(日本平)
移籍後の初得点で喜びを爆発させるFW10佐藤亮

ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス 2023.3.29 正田醤油スタジアム
2023.3.29清水エスパルス戦(日本平)
FW7川本リヨの代役として左サイドで起用されたMF5川上エドオジョンは、やはりサイドはサイドのスペシャリストであるべきといった、スピードを活かした攻守に渡る活躍で、見事に川本リヨからサイドのレギュラーを奪うべく、左サイドでの起点となり、守備でも貢献した。

ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス 2023.3.29 正田醤油スタジアム
2023.3.29清水エスパルス戦(日本平)
2022カタールW杯日本代表の守護神・GK57権田から、まさか3得点を獲れるとは・・・

ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス 2023.3.29 正田醤油スタジアム
2023.3.29清水エスパルス戦(日本平)
まさかの3−1という、完勝の試合となった。



天敵長崎からも勝利し3連勝!!

悪夢の地・日本平を歓喜の地へと変えたこの出来事は、大槻ザスパに一気に勢いを与えた。

左サイドのスタメンは当然MF5川上エドオジョンに固定としたまま、国体のために完成したばかりの栃木アウェイ、カンスタに乗り込んだ。

ザスパクサツ群馬vs栃木SC 2023.4.2 カンセキスタジアム栃木
2023.4.2栃木SC戦(カンセキ)
いつもの栃木グリスタではなく、国体で作られた新スタジアム・カンセキスタジアム栃木

アウェイ清水戦に続き、左サイドで形を作れるザスパは前線のFW28長倉らと共に、この試合は特にMF38天笠が中盤で猛威を奮ったことで栃木は手を焼き、そしてついに後半16分、相手のMF24神戸が思わず天笠をファールで引き倒し2枚目のイエローで退場となる。

だが、なんと10人の栃木相手に交代直後の守備の隙を突かれ先制されてしまうも、後半投入されたMF17山中が覚醒し、山中の左サイドからの仕掛けからFW10佐藤亮、MF15風間宏希の逆転弾まで演出してみせ、2−1でのダービー勝利を掴み、今季初の連勝を掴む。

これも同じ浦和ユース出身のMF5川上エドオジョンに触発された山中が奮起して覚醒するという相乗効果が見て取れた結果だった。

ザスパクサツ群馬vs栃木SC 2023.4.2 カンセキスタジアム栃木
2023.4.2栃木SC戦(カンセキ)
MF17山中、覚醒の左サイドからのクロス!!

ザスパクサツ群馬vs栃木SC 2023.4.2 カンセキスタジアム栃木
2023.4.2栃木SC戦(カンセキ)
勝利に喜ぶMF28長倉、MF15風間宏希、FW10佐藤亮


この難敵アウェイ2連勝は相当にチームに追い風を生んだ中での、続く8節のホーム長崎戦となるが、長崎といえば通算成績1勝1分14敗の天敵中の天敵であった中でも、MF5川上エドオジョンの左サイドからの切り返しによるクロスからFW10佐藤亮が押し込むという虎の子の1点を守り切る形でなんと3連勝となった。



ついにナクスタで初の勝利を収め4連勝!!・・・だが、相変わらず攻撃に難あり

非常に苦しい展開が予想された日本平、アウェイ栃木、そして長崎戦をまさかの3連勝で乗り越えてきた勢いは本物であり、過去天皇杯も含め1回も勝ったことがないアウェイ大宮・ナクスタでもFW23平松の虎の子の1点を守り抜き、初のナクスタでの勝利を挙げ、4連勝となる。
とにかく守備の堅さが半端なく、勝負強い。
かつてDF3畑尾を戦力外で放出した大宮と、その畑尾を中心にリーグ屈指の堅守をくみ上げてきたザスパの今季の差を白日のモノとする会心の勝利となった。

ザスパクサツ群馬vs大宮アルディージャ 2023.4.13 ナック5スタジアム
2023.4.12第9節大宮アルディージャ戦
ナック5スタジアムでの初勝利、勝利の草津節!!

4連敗も考えられた中での4連勝ということで意気揚々としていた大槻ザスパだったが、中3日の連戦となったいわきとのアウェイ戦では、初物に弱いザスパの悪癖が出る形で、また変革を嫌う大槻監督の悪癖もあってそのままのメンバーで臨んでしまい、案の定、いわきのアンダーアーマー仕込みのフィジカル全開の前線からのプレスに沈む形で1−2で敗戦となる。

そして続く11節、徳島戦でも、まだ今季1勝もあげていない絶不調の相手に対してついに点が取れずにスコアレスドロー。

この1分1敗の主要因として、ベンチにセンターFW2人、サイドアタッカー(山中か白石)1人、残り3人はMF6内田、MF33細貝、DF2城和と、守備的要員を3人も入れていたわけであり、なぜ3人も守備固め要員が必要なんだと、普通サイドバックの代えくらい入れるだろうとHPでも叫びまくった。
この辺の攻撃の点でなぜか守備的な意識に働く大槻監督の悪癖が色濃く見える。
こういった点がきちんと攻撃の方にベクトルを向けていれば、今季の勝ち点の積み上げはもっとできたはずであり、プレーオフに入れなかったのが本当にもったいないと今でも悔やむ。



幻に消えた白石と山中によるダブルレフティーアタック

そんな落ち込みがちの大槻ザスパだったが、12節のホーム甲府戦では攻撃陣に衝撃が走った。
前半こそウタカ、三平、宮崎純真といった甲府の強力攻撃陣に圧され、そして後半立ち上がりに三平に先制されてしまうが、MF17山中と、そして後半から投入されたMF14白石智之の2人のレフティーサイドアタッカーの活躍により急に左サイドがリーグ屈指の破壊力となり、見事に難敵甲府相手に逆転勝ちを収めた。
どちらも縦への突破とクロスを得意とするこの2人が左サイドを同時に駆け上がると、相手はどちらのマークに付いていいのかわからず、セオリー通りなら普通は大外を回ってきた方にパスを送るものの、なんとそれを囮にして自ら先にクロスを上げてしまうという、通常の常識を覆す攻撃を繰り出す。
これを私はダブルレフティーアタックを銘打ち、今シーズンのどのチームおよりも最強の攻撃パターンだと確信したものだった。


ザスパクサツ群馬vs藤枝MYFC戦 2023.5.28 正田醤油スタジアム
藤枝MYFC戦 2023.5.28
劣勢の中でも左サイドからの勝負で藤枝を苦しめたMF17山中

ザスパクサツ群馬vs藤枝MYFC戦 2023.5.28 正田醤油スタジアム

ザスパクサツ群馬vs藤枝MYFC戦 2023.5.28 正田醤油スタジアム
藤枝MYFC戦 2023.5.28
後半投入されトップ下の位置から左サイドに入ってはサイドを切り裂くドリブルでの仕掛けとクロスを送ったMF14白石智之

だが、続く13節の熊本アウェイでは、またしても連戦の影響を無視して少しも入れ替えることなく全く同じメンバーで挑み、そして昨年と同様にまたしても熊本相手に撃沈し、まだまだ続くゴールデンウィーク連戦の最終、14節のホーム山口戦では怪我から復帰したFW13武颯、MF5エドをいきなりスタメンに今日することでエドのアシストなどもあって勝利し、しかし次の15節のアウェイ磐田戦では早々に4失点して試合が終わってしまうも、後半投入された山中、白石のダブルレフティーアタックは健在で、強豪ジュビロも最後まで手を焼き、FW10佐藤亮の活躍もあって2点返す反撃をみせる。

16節のホーム水戸戦では先制されるも、FW23平松やMF5エドのJリーグ初ゴールの活躍などもあって逆転勝ちをし、ホームサポのヴォルテージは最高潮に。

だが、この勝利に味をしめてしまった大槻監督は、またしても連戦だというのに続く17節アウェイ岡山戦は1トップを水戸戦のヒーロー平松に代える程度でそのままのメンバーで臨み、先制されながらも佐藤亮のPKで追いつくが、終盤になってMF17山中に代えてなぜかMF14白石智之ではなくFW13武颯を投入して自ら翼をもぎ取り、そして岡山に再度の決勝弾を喰らって、交代枠を1つ余らせたまま敗戦という、いつもの謎パターンで自ら自滅する。

ベンチにサイドアタッカーをなかなか揃えなかったり、その上交代枠を余らせるなど、なぜザスパの監督になるとこういった謎の無駄采配をしたがるのだろう・・・と毎試合はがゆい思いばかりであり、結局リーグ屈指の破壊力を持ったMF17山中とMF14白石智之のダブルレフティーアタックが見られたのも数試合だけだった。
もっとシーズンを通して、あの2人のコンビネーションを活かせなかったものか・・・

この頃から深刻だったのは、どうしてもメンバーが固定化していったところ。
例えばシーズン通して重要なピースとなったDF36中塩だったが、この時期は連戦の疲れのためか精彩を欠いて致命的なパスミスやマークを外すことなどが散見され、他にもDF22高橋ユリヤなどがいるはずなのに、なぜ中塩の起用にそこまでこだわるのかと、本人にとっても決して好ましくないとみられる頑なな固定起用が続き、そしてマンネリ化が見られる攻撃陣においてもFW18岩元ルナや昨年までの攻守の主軸MF8岩上祐三などを使う事もなく、ただただ漠然と試合は続いていき、今季大方の予想を覆す快進撃をみせていた藤枝にはホームでスコアレスドロー、続くアウェイ金沢戦では1点ずつ分けての引き分けと、なかなか勝ち切れない試合が続いた。

ザスパクサツ群馬vs藤枝MYFC戦 2023.5.28 正田醤油スタジアム
藤枝MYFC戦 2023.5.28
惜しいシュートを決めきれなかったFW13武颯だが何度も藤枝ゴールに迫った
ザスパクサツ群馬vs藤枝MYFC戦 2023.5.28 正田醤油スタジアム
藤枝MYFC戦 2023.5.28
FW7川本リヨはこの日左サイドに投入され、まだ実力発揮とはいかなかった。
中央での起用を求めたい。

ザスパクサツ群馬vs藤枝MYFC戦 2023.5.28 正田醤油スタジアム
藤枝MYFC戦 2023.5.28
前線でしっかり起点となるクサビを受けていたFW23平松

ザスパクサツ群馬vsツエーゲン金沢戦 2023.6.3
藤枝MYFC戦 2023.5.28
久々登場のMF27奥村は投入後にキッカーも任されていた



天皇杯初戦でも敗戦し、控え陣の憂いは続く・・・

そんな前半戦終盤、今年も天皇杯の時期が訪れ、天皇杯といえば控え陣のアピールの場であり、毎年ここから頭角を現した戦力がシーズン後半戦に活躍するものだが、初戦の相手が今年こそ昇格をと躍進してきたヴェルディであり、その躍進を遂げていた陰に隠れていたヴェルディの控え陣であったMF9杉本竜士やMF山田剛綺、MF17加藤弘堅、DF38アルハンらの猛攻を受け、ザスパもFW18岩元ルナやMF14白石智之やすっかりと天笠の影に隠れたMF33細貝萌、DF4川上といった控え陣も奮闘するも、敢え無く敗退となる。

貴重な控え陣のアピールの場であった天皇杯の舞台が、わずか1試合で終わってしまったのも、後半戦の勢いといったところに影を落とすこととなった。

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
公式戦デビューとなったDF50菊池健太

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
この日は右サイドで躍動したMF14白石智之と、対峙するMF9杉本竜士、この後に夏の移籍でザスパに来ることとなるとは、この時は夢にも思わなかった

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
シュートは惜しかったが・・・久々登場のキャプテンMF33細貝萌

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
ザスパでの公式戦デビューとなった地元高崎出身の長身GK42石井

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
FW18岩元ルナは左サイドで何度も突破を魅せた

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
この日はなんとボランチで起用となったDF22高橋ユリヤ

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
DF4川上がファーで競り合う!!

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
後半投入されたMF27奥村にはもっと今シーズン期待したい

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
FW30小野関虎之介も公式戦デビュー!!

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
FW23平松は、この日前線で存在感を見せた

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
左からDF4川上、FW39高木彰人、MF20中田湧大、DF2城和

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
後半に右サイドバックに入ったMF8岩上祐三にはやはりアンカーで活躍して欲しい

ザスパクサツ群馬vs東京ヴェルディ 2023.6.7 味の素フィールド西が丘
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
右サイドバックに入ったMF41田部井悠にはもっと攻撃面で期待したい



尻つぼみのままリーグ前半戦は折り返し

天皇杯の後の20節ホーム大分戦では、下平監督の大胆なゼロトップ作戦に敗北し、そして前半戦最後のアウェイヴェルディ戦ではDF19岡本一真のプロ2点目の同点弾などがあって引き分けで、結局のところ天皇杯を含めて6戦勝ち無しのまま前半戦を折り返すこととなる。

ここで特筆したい残念なことといえば、天皇杯で負けはしたものの、左サイドにスタメン起用され、ヴェルディ相手に積極的な仕掛けで躍動する活躍をみせ、その成果が認められアウェイ大分戦でベンチ入りを果たしたFW18岩元ルナが、なんとこの1試合のみの起用でその後に1度も呼ばれなかったことだ。
エド、山中、白石とサイドアタッカー達が怪我で離脱の時も、なぜ呼ばれないのか、なぜ最後まで結果を出せなかったFW陣に代わってチャンスが与えられなかったのか、ガッカリでしかなかった。


アウェイ清水やアウェイ栃木、アウェイ大宮、天敵長崎を相手にまさかの快勝を遂げたことで10節を終えた時点で4位と大躍進を遂げていた大槻ザスパだったが、この足踏みにより10位にまで低下していたが、しかし裏を返すとここまで1回も連敗をしない勝負強さで勝てないまでもDF3畑尾を中心としたリーグ屈指の堅守を武器にしぶとく引き分けを掴んで勝ち点を積み重ねていった結果の10位とも言えた。

この堅守に、もっと攻撃陣の活性化さえあれば・・・

あまりに攻守のバランスの悪い、攻低守高の中で、それでも夢のプレーオフに向けた期待がまだあるリーグ後半戦へと折り返すこととなる。


後半戦へ続く。
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(22.11.21UP)

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