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本格推理
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横棒



森博嗣の作品群・批評


S&Mシリーズ(犀川創平&西之園萌絵)

※シリーズが分かれていても関連性があるため、まずはこちらのシリーズがお薦め

 第1弾「すべてがFになる」批評・解決編の解説UP!(08.11.02)   
四季シリーズを読んで加筆(09.12.08)



Vシリーズ(瀬在丸紅子)

 第1弾「黒猫の三角」批評・解決編の解説UP!(08.09.09)   

 第2弾「人形式モナリザ」批評・解決編の解説UP!(08.09.21)  

 第3弾「月は幽咽のデバイス」批評・解決編の解説UP!(08.10.02)  

 第4弾「夢・出逢い・魔性」批評・解決編の解説UP!(09.01.17)  

 第5弾「魔剣天翔」批評・解決編の解説UP!(09.01.31)  

 第6弾「恋恋蓮歩の演習」批評・解決編の解説UP!(09.02.27)  

 第7弾「6人の超音波科学者」批評・解決編の解説UP!(09.07.26)  

 第8弾「捩れ屋敷の利鈍」批評・解決編の解説UP!(09.08.08)  

 第9弾「朽ちる散る落ちる」批評・解決編の解説UP!(09.09.06)  

 第10弾「赤緑黒白」批評・解決編の解説UP!(09.11.02)  



このS&MシリーズとVシリーズは実はもの凄い繋がりがあります・・・


 短編集第3弾「今夜はパラシュート博物館へ」批評・解決編の解説UP!(09.12.27)  



四季シリーズ(真賀田四季)

 第1弾「四季・春」批評・解決編の解説UP!(09.11.03)   

 第2弾「四季・夏」批評・解決編の解説UP!(09.12.07)   

 第3弾「四季・秋」批評・解決編の解説UP!(09.12.12)   

 第4弾「四季・冬」批評・解決編の解説UP!(09.12.19)   


S&Mシリーズ、Vシリーズを繋ぎ、更に真相が次々と判明される天才・四季の物語
結局この一連の森作品は四季という天才を表現するためのみに存在する。



 短編集第4弾「虚空の逆マトリクス」批評・解決編の解説UP!(10.01.08)  



Gシリーズ(西之園萌絵、山吹、加部谷、海月)

 第1弾「φ(ファイ)は壊れたね」批評・解決編の解説UP!(10.01.16)  

 第2弾「θ(シータ)は遊んでくれたよ」批評・解決編の解説UP!(10.02.22)  



このシリーズはS&Mシリーズ読んだ人じゃないと意味ありません。。。









”理系”推理小説作家・森博嗣

森博嗣のミステリィは”理系”とよく言われる。
小説なのに理系って何だ?と最初誰もが思うが、要は森博嗣がデビュー当時本当の国立大学”工学部”助教授だったから。
実際、C言語での建築学の解析書なども出しており、まさに世間一般でいう森博嗣の代表シリーズといえるS&Mシリーズの国立大学建築学部助教授・犀川がそのまんま森自身のイメージなのだろう。


(ちなみに、工学部の助教授やりながらどうやったらあんなにハイペースで刊行できるのか、よっぽど本業の研究の方は止まっているんだろうな、と変な心配をしていたが、やはり現在は大学を辞めている)



小説の中に数々の理系な専門用語が普通に会話で出てきて、一般の読者からは英会話以上に理解困難な部分が多い。


私自身、一応学生時代は理系の端くれだったのだろうが、それでも大学の教授レベルの専門用語の読解はほぼ不可能。学生時代に聞いた覚えのあるわずかばかりの知識を紐解きながら、だいたいの流れを感じ取り、イメージするのがやっと。



また、森博嗣の作中では、まさに理系を駆使(?)した、これまでの昭和時代から脈々と流れてきた古典的なトリックを根底から覆すような現代的なトリックが見え隠れする事がある。
例えば、トリックのタブーともいえる遠隔操作できる小型殺人マシーンなども、あり得ない話ではない、というような記述すら平気で出てくる。

そんな眩暈しそうなタブーな言語をさらっと自然に並べられてしまうと、その後思考するのも億劫になり、いつの間にやら話が終わっている事もある。



まあ、そんな理系な部分については、ほとんど本筋とは関係ないことばかりなので読者はさらっと読み流し、純粋に推理に没頭されたい。
タブーなトリックが最初に可能性として暗示されても、それは脅しに過ぎず、一応メイントリックは他に、ギリギリ思考可能な範囲で用意されている。(と、信じて読み進めるべき)



ここまで書いたとおり、森博嗣の作品には森博嗣にしかあり得ない記述が多く、それが刺激的で斬新だ。

思考回路が別にあるそれぞれのシリーズの頭の構造が特殊な主人公達はともかく、それを取り巻くキャラクター達は個性豊かで面白い面々ばかりであり、読み物としても面白い。

トリックに妙なクセがあり、徐々に本格から叙述へとメイントリックが変わりつつある点もあるが、一応本格派推理小説として森博嗣の独特の作風はお薦めするに値する。







(2008.9.9UP)









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