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永遠の横浜フリューゲルスキャプテン
山口 素弘
横浜FCとの来季の契約更改なしを受けて・・・
そして現役引退を発表



横棒


J1横浜FC J2降格と共に山口らベテランを放出決定

2006シーズン、驚異的な失点数の少なさから負けない、勝てるサッカーで快進撃を続け、ついにはJ2優勝という結果を残してJ1に初昇格した横浜FC。

キャプテンマークを巻く山口素弘はチームの中心でセントラルMFとして鮮やかにゲームを攻守に渡りコントロールし、円熟味をますます増したプレーで魅了。
新潟と同様、わずか1年で横浜FC昇格の原動力となった。


しかしこれまた新潟の時と同様に、J1での激しいプレーの中でさすがに38歳という年齢もあり運動量が落ちている山口をなかなか指揮官も扱い切れず、2007シーズンは徐々に出番が少なくなっていった。


J1昇格の功労者高木監督も更迭となり、神戸とケンカ別れとなった元FLUGELSの三浦アツなど次々と選手を途中補強し、そしてたいていのチームがそうであるようにやはりシーズン途中のチームの変革がうまくいくはずもなく、そのまま横浜FCは引き分けでの勝ち点すら稼げないままダントツで低迷してしまった。


そうして5試合もまだ試合が残る中で早々にJ2降格が決まってしまい、早くも希望に満ちていたはずの2007シーズンが失意のシーズンとなることが決定。

チームは早々に来季のJ2での再度のJ1昇格に狙いを定め、山口をはじめ小村、藪田などのベテランを放出し、長いJ2を戦うために若く運動量が期待できるチーム作りに入ったようだ。


最終節・首位レッズから大金星

しかし、そのJ1最終節、首位浦和レッズとの対戦で最後に意地を見せた。

ACL、天皇杯などでの連戦に次ぐ連戦で疲弊しきっていたレッズは、最終節の横浜FCにさえ勝てば2連覇が決まるという大事な試合であり、優勝のかかるアジア王者の首位レッズとダントツ最下位の横浜FCではモチベーションの差も圧倒的では、と思われたこの試合、むしろモチベーションが高かったのは解雇も決まり逆に意気の上がる山口や小村などのベテラン勢率いる横浜FCだった。

動きの緩慢なレッズに対し、山口はプレスの弱いところでボールを巧みにコントロールし、次々と相手の空いているスペースにボールを供給し、健在ぶりをアピール。

そして前半に40歳のカズが左サイドを突破し、ゴール前に上がり込んできたMF根占にセンタリングを送り、根占がゴールに流し込んだところで、その後横浜FCは小村、岩倉など解雇が決まっている選手らが身体を張りゴール前を固め、3勝4分26敗の横浜FCがなんと最後の最後に4勝目を王者レッズから奪ってしまうという快挙で2007シーズンを締めくくった。(天皇杯はまだ勝ち残り)



来年の行き先がもしザスパならば・・・

さて山口本人はというと、やはり現役続投を希望しているとのこと。
最終節でまだまだ出来るというプレーを見せた事は最大のアピールとなる。

しかし、正直なところいい加減40を目前に控える山口を今更獲ろうというJ1チームは滅多にないだろう。

となると、やはりまだまだ山口の経験が欲しいJ2加入後まだ日が浅い若いチームあたりが最有力となってくるのではと思われる。

となると、やはりどうしても山口の故郷群馬に存在するザスパ草津などはどうなのだろう、と勘ぐってしまう。


もしも山口がザスパに来たならば・・・

ザスパにとって大きな財産となることは間違いない。

仮に今の布陣で山口をザスパに加えたならば以下のとおりとなるだろう。

9高田
35カレカ        6鳥居塚

18櫻田      30松下
MF山口
2寺田           7佐田
3尾本 4田中

1本田


山口の唯一の欠点運動量をカバーするためには、ACミランのピルロと同じく両脇にダイナモタイプのMF(ACミランでいうガットゥーゾとせードルフ)を置く事が望ましい。

そしてたまたまだが、その役割にぴったりな左のMF18櫻田、右のMF30松下という素晴らしい運動量と守備力、そしてテクニック等を兼ね備えたMFがザスパにはいる。

全力で追いすがらないといけないような場面はこの2人のMFに任せ、山口はクレバーな動きであくまで要所を抑えればいい。

そしていざ山口がボールを奪ったならば、すばやく前線のトップやサイドに効果的にボールを配給する。
セカンドボールの奪い合いの際も、山口は滅多にボールを失う事がないので(失うはずのない位置にしか山口はボールを置かない)中盤にこれ以上ない安定感をもたらす。

今シーズンのザスパの戦いぶりに山口というストロングポイントが加わったなら、必ずや中位以上を狙える。
そして共にプレーする櫻田や松下らは非常にたくさんのものを山口から学べることだろう。



また、なんといっても山口目当ての観客の増が見込める。
群馬の英雄である山口のプレーを一目見ようと、例年より一段階観客数がアップすることだろう。
チームの知名度の浸透、チームの格としてのアップにもつながる。
当然山口効果によるスポンサーの獲得も期待できる。

確かに山口の給料は高いだろうが、それを補うだけの収入増はある程度計算できるはずだ。



あまりの待遇面の悪さ・・・

想像するだけで非常に期待が持てるこの構想だが、では本当に山口がザスパに来る可能性があるかというと、その可能性は限りなくゼロに近いと思う。

当然山口というレベルの選手に見合うだけの金はザスパにはない。
待遇の面でいえば、もはや現役続投にこだわるという山口の熱意にのみ甘える他ない。(おそらく払えて500万か700万くらいがいいところ?)


そして金よりも大きな問題点として環境面の余りの悪さがある。

建設会社の好意で使用しているだけの枯れ芝のグラウンドの脇にプレハブが置いてあるだけの現在の練習場では、充実した環境が整った全日空のクラブチームからのこれまでの輝かしい経歴を辿ってきた元日本代表山口素弘とあまりに釣り合いがとれない。
できればちょくちょく使用している前橋育英グラウンド程度の環境は欲しい。
(逆に育英出身の山口にとっては懐かしいグラウンドといえるだろうか・・・今の育英の施設が山口の時代にあったのかは知らないが)

とにかく、せめて仮設ではなくまともに使えるシャワールームくらいは欲しいところだが、そんな施設を作れる場所はまだザスパにはない。
前橋南ICにベイシアが予定しているザスパ練習場の構想もまだ実現には数年かかるだろう。

もはやここら辺の点は「いいよいいよ、近くにある温泉施設もあるし」と山口が気さくに快諾するのを願う他ない。


指導者への道

そもそも40歳手前の山口が本当のところどこまで現役にこだわっているのだろうか。
山口クラスともなれば、そろそろ指導者への道に切り換え、ゆくゆくはトップレベルの監督になれる可能性が高い。
モダンサッカーの走りであったゾーンプレスをいち早く身につけるなど数々の戦術を数多くの名将から学び、数々のチームで長年キャプテンとしてチームを率いてきたカリスマ性を持った山口は、その経歴からも将来の指導者への道は輝かしく開けているようにみえる。

正直、現役としての最後の花道に横浜に戻る事ができ、そしてJ1にまで昇格させ今一度J1のピッチで戦う事ができたこの巡り合わせに、何かしらの因果関係を感じる。

長年活躍してきたこの横浜の地にいったんは腰を据え、横浜を足掛かりに指導者などの次のステップに移るのが山口にとって一番いい選択枝なのでは、とも私の頭の中でのもう一つの思考は冷静に分析してしまう。




まさに夢の話、されど・・・

以上の通り、山口素弘という人材がどれほどのザスパのプラスにつながり、そして補強できる可能性がいかに低いかを記述してみた。

あくまで夢の話であり、まあこんな妄想が抱けるのもひとえにザスパというチームが群馬にあるお陰と言いたい。


今季ある程度のレベルまで積み上げられたチームの核はそのまま残した植木ザスパは、更なるレベルアップのためにまた補強をするのだろうし、既に仙台を解雇となったMF熊林らの名前も挙がっているようだが、その選択枝の中でこういった夢のような補強策もそろそろあってもいいのかなと感じる。

新潟や横浜FCの事例のとおり”昇格請負人”の山口素弘がもしザスパに来たなら・・・
更なる夢を期待してもいいのかもしれない。





(07.12.05UP)










※※※その後12月14日に現役引退が発表された事を受けて以下加筆修正※※※





やはり・・・現役引退発表

上記の文章をしたため1週間とちょっとが経過した後の12月14日、山口素弘の現役引退が発表された。

やはり38歳という年齢に加え、上記に書いたとおりの節目を考えると当然といえば当然の決断といえる。
もはや山口に相応しい待遇、環境、条件を揃えるチームは見あたらない。


大ファンとしては残念でならないが、それも仕方ない。
いつかは来る事だ。
そして山口はここまで、本当に38歳という年齢までよくやってくれて、そしてファンを魅了させてくれた。

最後に横浜FLUGELSの後身である横浜FCを萬年J2下位争いから一変してJ1に昇格させた偉業はまさに山口の輝かしい功績に相応しい。
残念ながら1年でJ2に落ちてしまったが、最終節にアジア王者の浦和レッズに勝利するなど、まさに山口のラストを飾るに相応しい試合も飾れた。


もうこれ以上山口に何かを求めるのはあまりに我が儘な事であり、山口本人の事を考えれば指導者への次のステップを歩むのが至極当然であり、最善の道といえる。

横浜FLUGELS消滅以来、名古屋、新潟と渡り歩き、そして何の因果か横浜、三ツ沢に帰ってきた。
その横浜の名を背負うユニフォームで現役を終わらす事ができる意味合いは後に重要になってくるだろう。



ありがとう、山口素弘キャプテン。
それまでプロ野球しかスポーツなど見なかった18歳の青年は、横浜FLUGELSに興味を持ち、そしてあなたという存在を知り、あなたのプレーをつぶさに見る事によりサッカーに対する造詣を深める事ができました。

キャプテン翼などの派手なメディアでの影響で司令塔やFW、GKなどにしかなかなか興味が向かず、まだセントラルMFという言葉、考え方も無かった当時、あなたのボランチというポジションは非常に地味で目立たない存在でした。

実際過去のあなたのコメントでも、最初にプロに入り守備的MFで守りだけやっていたら当時の監督からお前が守ってパスをつないで、そしてシュートをするんだという言葉で目が覚めた、といったコメントがあったと記憶していますが、そのとおり、それこそが現在はある程度その考え方も確立されてきたセントラルMFという存在であり、あなたはまさにその走りであり、先駆者であったと私は認識しています。


そんなあなたのプレーを見てきたからこそ、今の私がいます。

今後はあなたのプレーではなく、指導者としての指揮で更なる知識を私に与えてくれるものと信じています。


偉大なるセントラルMF、そして永遠のフリューゲルスの象徴、そしてキャプテンである山口素弘。
私はプロのチームで指揮を執るあなたの姿を今から心待ちにしております。



白と水色のユニフォームの背中に燦然と輝く、あなただけのものだった不動の5番、そしてあの韓国戦での伝説のループシュートを決めた時の炎の代表ユニフォームに背負った6番を私は忘れない。








(07.12.18加筆修正UP)






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