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ザスパ群馬出身メンバー紹介
元J2ザスパクサツ群馬→現JFLレイラック滋賀
MF14 白石智之
〜生粋の左サイドのスペシャリスト〜
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群馬の産んだ左サイドのスペシャリスト
白石 智之(しらいし ともゆき)
生年月日 1993年6月10日
身長/体重 174cm/63kg
血液型 A型
出身地 群馬県(高崎市)
利き足 左
前橋育英('09〜'11)
法政大学('12〜'15)
J3アスルクラロ沼津('16〜17)
J3グルージャ盛岡('18)
J3カターレ富山('19)
J2ザスパクサツ群馬('20〜23)
JFLレイラック滋賀FC
−公式戦戦績−
(数字が出場数 ( )内は得点)
JFL、J3アスルクラロ沼津
'16 JFL・17
'17 J3・20(4) 天皇杯・3
J3グルージャ盛岡
'18 J3・26(3) 天皇杯・1
J3カターレ富山
'19 J3・33(2) 天皇杯・2
J2ザスパクサツ群馬
'20 J2・15(2)
'21 J2・18(2) 天皇杯・2(1)
'22 J2・10・天皇杯・3
'23 J2・22・天皇杯・1
JFLレイラック滋賀FC
'24 JFL・
2021.11.7SC相模原戦 正田醤油スタ
相変わらず短い時間ながら、それでも何回も突破をみせたMF19白石智之
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シーズン前半、MF山中とのダブルレフティーアタックの破壊力を見せつける
2023シーズンの大槻ザスパは、6節のアウェイ清水戦から、アウェイ栃木戦、ホーム長崎戦、そしてアウェイ大宮戦と、これまで苦手としてきたアウェイスタジアムや天敵・長崎からなんと4連勝となり勢いに乗っていたが、サイドアタッカーを冷遇する癖のある偏った選手起用からアウェイいわき戦やホーム徳島戦で勝ち切れず勢いを失った。
そんな落ち込みがちの大槻ザスパだったが、12節のホーム甲府戦では攻撃陣に衝撃が走った。
前半こそウタカ、三平、宮崎純真といった甲府の強力攻撃陣に圧され、そして後半立ち上がりに三平に先制されてしまうが、MF17山中と、そして後半から投入されたMF14白石智之の2人のレフティーサイドアタッカーが揃ったことで相乗効果が生まれ、この2人の活躍により急に左サイドがリーグ屈指の破壊力となり、見事に難敵甲府相手に逆転勝ちを収めた。
結果的に言うと、この試合は白石がこのシーズンの中で唯一アシストを決めた試合であり、中央からゴール右に入れた白石のパスに、ニアのFW9北川が囮となり敵を引き付けてスルーしたことで、右サイドファーに入ってきたDF19岡本一真が決勝ゴールを決めたわけで、白石にとってはこのシーズンベストゲームがこの甲府戦だった。
この甲府戦で見せつけたように、白石、山中共にどちらも縦への突破とクロスを得意とするこの2人が左サイドを同時に駆け上がると、相手はどちらのマークに付いていいのかわからず、セオリー通りなら普通は大外を回ってきた方にパスを送るものの、なんとそれを囮にして自ら先にクロスを上げてしまうという、通常の常識を覆す攻撃を繰り出す。
それをお互いが交互にやれてしまう。まさに変幻自在。もはやどちらが突破するのかクロスを上げるのか、本人たちにしかわからない。
少しでもマークがズレた方が一瞬の隙も逃さずに突破なりクロスを上げてしまう。
これを私はダブルレフティーアタックを銘打ち、今シーズンのどのチームおよりも最強の攻撃パターンだと確信したものだった。
藤枝MYFC戦 2023.5.28
劣勢の中でも左サイドからの勝負で藤枝を苦しめたMF17山中
藤枝MYFC戦 2023.5.28
後半投入されトップ下の位置から左サイドに入ってはサイドを切り裂くドリブルでの仕掛けとクロスを送ったMF14白石智之
その後は2023も相変わらず不遇のシーズン・・・
その後の15節、アウェイ磐田戦では早々に4失点して試合が終わってしまうも、後半投入された山中、白石のダブルレフティーアタックは健在で、強豪ジュビロも最後まで手を焼き、FW10佐藤亮の活躍もあって2点返す反撃をみせたりもしたわけだが、結局のところ山中と白石の併用というシーンはごく限られたものであり、そもそも昨シーズン同様、白石にそれだけの出場時間が与えられないというジレンマが続いた。
相変わらず大槻監督のベンチワークには疑問ばかりであり、そもそもFW9北川を右サイドに、FW7川本リヨを左サイドにと、やたらとセンターFWが本職の選手をサイドで起用したがり、ベンチにはサイドアタッカーがほとんどいないという、他のチームでは考えられない選手登用を繰り返し、結局はセンターや守備的な選手ばかりをベンチに揃えるためにその結果交代がしずらくなり、結果的に交代枠を余らせるなど、なぜザスパの監督になるとこういった謎の無駄采配をしたがるのだろう・・・と毎試合はがゆい思い試合が続き、結局リーグ屈指の破壊力を持ったMF17山中とMF14白石智之のダブルレフティーアタックが見られたのも数試合だけだった。
もっとシーズンを通して、あの2人のコンビネーションを活かせなかったものか・・・
今でも本当にもったいないし、悔しく思う。
唯一の公式戦スタメンとなった天皇杯2回戦ヴェルディ戦では、右サイドハーフに入り、リーグ戦の鬱憤を晴らすように右サイドを躍動した白石は何度もチャンスを作り出し、前半から圧し込んだザスパは首尾よく前半のうちにFKでのDF4川上のヘッドから先制点を奪ったものの、その後はリーグ戦でも好調な(結果的に16年ぶりのJ1復帰を成し遂げた)ヴェルディの勢いに押され、不運なオウンゴールもあり逆転負けとなり、貴重な控え陣のアピールの場である天皇杯はわずか1戦のみとなってしまった点も白石にとって非常に痛手となった。
2023.6.7 味の素フィールド西が丘
この日は右サイドで躍動したMF14白石智之
そんな活躍の場も奪われた白石にとっては、その後の使われ方といえば、勝っている時の時間稼ぎでサイドで粘らせるだけだったり、負けている場面では相変わらず5分、長くても10分程度しか時間が与えらず、結局天皇杯1試合以外は、リーグ戦で一度もスタメン起用も無かった。
伝説のコーナー復活??
あまりにも不遇な扱いが続いた中、一つ懐かしい出来事が起きた。
FW9北川のチャントが、なんと昔懐かしい吉本淳と同じチャントを流用することとなった。
当時は嫁が大の吉本ファンであり、このHPを始めた当初に、嫁へのご機嫌をとるために、嫁への献上コーナー”今日の吉本”というコーナーを立ち上げ、そしてそれと時を同じくして、夫婦で応援していたキャプテン佐藤正美も同じく”今日の正美”というコーナーを立ち上げ、吉本と正美が試合に出ようが出まいが、ベンチに入ろうが入りまいが関係なく、とにかく2人のことについて毎試合必ず書き連ねてきた。
もう白石もザスパに在籍4年目となる2023シーズンは正直、白石も今季限りだろう・・・という悲しい悟りが開けており、途中から白石のプレーをザスパで観られるのはあと何試合だろうとずっと思い続けていた。
そこで、当時の吉本、正美と同じく、どんな状況であろうとも白石の事について毎試合書いていこうと、9月17日、35節のいわき戦から、”今日の白石”というページを立ち上げ、その後に怪我で今季絶望となりながらも、とにかく白石がもしいたら、こうやって試合に出ていればという妄想、希望も含めて最終節までコーナーを続けた。
この伝説のコーナーを復活させるほどに、白石智之という選手は正美以来の衝撃を私に与えていたのだと、このコーナーを最終節まで書き続けてきた中で、改めて感じた。
こうして終盤には怪我もあって、白石にとってのザスパ最後のシーズンは幕を閉じた。
この頃、同じくサイドアタッカーであるMF17山中やMF5エドオジョンらレギュラー組も一緒に怪我で離脱していた時期だったため、本来はここで出番が回ってくるチャンスだったが・・・昨年までもタイミングの悪いところでコロナ感染になったり、どうも白石という男はこの辺の運が無い。
まさに不遇。
運も実力のうちとは良く言ったもので、特にスポーツ選手とはどんなタイミングで活躍できるか沈むかが表裏一体であり、必ずしも実力に見合った活躍がいつもできるわけではないことを、この4年間白石を通して痛く学んだ。
白石のザスパを離れる決断・・・そしてJFL滋賀へ!!
そして、もう30歳を超えてくる白石にとって、残りの現役生活、それもピークを維持できる期間を考え、大槻監督が3年目の続投が決まった中では、プロとしてもう一花咲かせるためにも、このまま大槻ザスパにいては白石の本領は発揮できないことはあまりに明白だった。
自ら選手でありながら幼少の頃から地元ザスパのサポータである、サポ兼任選手と公言し、ファン、サポータからも絶大な人気を誇った白石。
例え短い時間でも、投入されればチームの雰囲気をガラッと変え、状況を打開してしまう説得力のある突破など、ピッチの内外、人気、実力共に本当に素晴らしい選手だった。
あれほどの選手はそうはいない。
20年に一人の逸材と言っていいほどの選手だった。
そんな白石についたチャントにある”群馬の誇り”は、まさに白石のためにあるような言葉だった。
自ら愛する地元クラブを出ていくからには、次の新天地ではフルに活躍してもらわなくては困る。
もはやザスパ度返しで、次に行くクラブでの白石を、私はこれからも全力で応援したい。
本当にありがとう、白石智之。
あの前橋育英2年生時に惜しくも全国の舞台で敗れた時、私の翌年の希望は白石、あなたがまだ3年で来年も残って活躍してくれることが唯一の希望でした。
横山翔平と共に臨んだ群馬県大会決勝で惜しくも敗れ、3年生時に全国には行けなかったけど・・・
あなたがザスパに来てくれて活躍してくれたこの4年間、私のザスパへの希望は常にあなたと共にありました。
どこのチームに行こうとも、そしていずれ現役を引退しようとも、間違いなくあなたは”群馬の誇り”であることに変わりはありません。
本当にこの4年間、ありがとうございました。
そして注目された移籍先だが、本当はJ3の沼津か相模原あたりに移籍して欲しかったが、なんとJFLの滋賀に移籍となった。
これまた先に田部井悠のところで書いたが、白石智之、田部井悠、五十嵐理人の前橋育英サイドアタッカートリオが揃い、そして平尾、久保田和音も揃うという、相当攻撃に特化した楽しみなチームとなるレイラック滋賀の2024シーズンは大注目となる。
必ずや、行ける試合は全て応援に行きたいし、必ず1年で昇格し、Jの舞台に帰ってきて欲しいと心から願うし、たぶんザスパ以上に応援する。
お、おー!
し〜らいし〜〜
華麗に舞え〜、決めてくれ!
お、おー!!
吠えろ!!!白石!!!!
群馬の誇〜り、よ〜
2023.7.23ジュビロ戦
MF14白石智之は相変わらず短い時間の投入ながらも存在感を魅せた。
(2024.3.11UP)
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怪我、ミスジャッジ、そしてコロナ感染・・・あまりに持ってなさ過ぎた2022シーズンの白石・・・
白石の2022シーズンの持ってなさ、不運の連続による不完全燃焼さについては、本当に残念でならない。
開幕からベンチ入りした白石だったが、開幕・山形戦は1−0で逃げ切る形だったため出番無く、第2節の金沢戦だけわずか3分間の出場。
しかし、白石のシーズンはこれからという第3節のアウェイ仙台戦のピッチアップでベンチ入りだった白石は怪我を負ってしまい、最初はそんなに重傷ではなかったはずだったが、なんとそこから3カ月間、白石はメンバー入りすることがなく、6月1日の天皇杯2回戦、アウェイ山形戦でようやく姿を見せ、それもいきなりスタメン起用で大いに活躍し3−1の快勝を掴み取る。
ここでようやくザスパに白石ありとアピールでき、次のホーム栃木戦からはいよいよ白石が大暴れ・・・と思ったら、どうやら控え陣中心だった山形相手の快勝は大槻監督にとってはカウントされなかったらしく、その成果をガン無視されリーグ戦にはベンチ入りすらさせてもらえなかった。
にっくき鶴岡将樹主審による独断と偏見のあり得ないミスジャッジで退場処分・・・???
そして6月22日の浦和レッズとの天皇杯3回戦で途中出場となった白石はレッズ相手にガンガン勝負を仕掛け、ここでも猛アピールしたことで、続く23節徳島戦から再びベンチ入りとなった。
ここから新潟戦、金沢戦と難敵を相手に徐々に後半からの出場時間を増やしていった白石は、この間チームも1分10敗と絶不調の時期であったため、なんとしてでもチームに変革と喝を入れたい大槻監督のニーズにも呼応する形で、26節ホーム町田戦に今季リーグ戦では初スタメンとなった。
ようやくスタメンで張り切る白石は守備の面でも勢い余ってイエローをもらったりしたが、まだまだここからが勝負だという後半11分だった。
FWドゥドゥの直接FKの壁に入った白石が手で防いだということでこの日2枚目となるイエローが提示され、なんと退場処分となったが、このハンドは同じく壁に入ったMF15風間宏希のハンドであり、白石ではなかった。
なぜ周りの線審などとも協議、確認もせずに、あれだけのミスジャッジをどうどうと兵器で押し切れるのか、鶴岡将樹主審のそもそもの人間性を激しく疑う。
あんな人がプロの、プロたちの人生が懸かった試合で笛を吹いてはダメだ。
絶対に、一生許せない。私は鶴岡将樹の名前だけは忘れないと、あのスタジアムで心に刻みつけた。
こうして、せっかくスタメンの座を掴み取り、今シーズンここからと思われた白石にケチが付いてしまい、累積出場停止から明けてもスタメンには戻れず、ベンチが続いた。
この裏にはちょうど大黒柱MF33細貝萌が怪我から復帰したことで、それまでボランチに入っていたMF15風間宏希を右サイドにスライド起用した事も影響した。
これも、本来は白石がスタメンで活躍していれば、こんなスライド起用をはねのけられたはずだったが、返す返すもあのミスジャッジにやられた。
そこからは白石にとって不遇の扱いが続き、出番が来ても3分間や10分前後程度といった相変わらず謎の短い起用時間ばかりで、これでは活躍しようもない。
そして9月4日の34節アウェイ栃木戦に途中出場した白石はチームに勢いをつけ、細貝のPKゴールによる劇的なドローのお膳立てを作った。
2022.9.4ザスパクサツ群馬vs栃木SC 気迫で攻めるMF14白石智之
劇的な同点ゴールに沸く選手達(サポータをあおるMF14白石智之)
最後はコロナ感染でシーズン終了・・・
栃木戦で喜び、そしてこの試合でようやく2年半ぶりの声出し応援解禁となって一気にモチベーションをアップさせたサポータ兼任白石の爆発に、この先残りの終盤ラスト8試合に期待できた矢先だった。
どこのチームにも訪れ、いつかいつかと恐れていたチーム内へのコロナ感染爆発がここで起きてしまい、35節アウェイヴェルディ戦で一気にMF14白石智之をはじめMF28長倉、MF27奥村、MF15風間宏希、DF17山中、DF2城和、GK21櫛引、GK1清水慶記と8名もの欠員となってしまった。
加入した途端に右サイドハーフの絶対的レギュラーとなったMF28長倉や、ボランチを外れ右サイドでの起用が多くなったMF15風間宏希、そして左サイドでの半レギュラーであったDF17山中と3名のレギュラー格のサイドプレーヤーが戦線を強制離脱となった中、ここで白石がいれば・・・といったところ、なんとその肝心の白石がコロナ感染の影響を最も強く受けてしまい、その代わりチャンスを掴んでアウェイ秋田戦では貴重な決勝点も決めたのはMF10田中稔也であり、本来はその稔也の活躍を白石が掴めるチャンスだったところが、逆に今シーズンの終止符となってしまうとは、本当に運が無い・・・
チームとしてはザスパのシーズン総括にも書いたとおり、最大のアキレス腱だったDF25小島の右アウトサイド起用が、DF19岡本一真の台頭により強制的に左サイドバックに移った事でこの課題が解消され、左サイドではMF42高木友也が持ち前の高速クロスでチームのストロングポイントとなって終盤になってチームは好調となり、わざわざ体調を崩した白石を無理に出させるような流れは来ないままシーズンが終わってしまった。
意地は見せたが・・・来年はどうか???
以上の通り、チャンスを掴みかけてはその矢先に怪我、誤審、感染と3つの壁に阻まれ、なかなかコンスタントな活躍ができなかった白石だったが、しかしレッズとの天皇杯でも見せたように、投入されれば誰よりも勝負にいき、そして突破し何度も決定機を作り出した。
その意地は例年になく、限られた時間ではあったが確かに見せられたシーズンでもあったし、奥野、久藤体制の時よりは、大槻監督はまだ白石の実力は多少勝っていた部分はあったと思う。
特に今シーズン新たな可能性をみせたのは右サイドでの起用であり、本来レフティーならではの突破力を活かした前橋育英時代からの左サイドのスペシャリストであった白石だったが、右サイドでもその突破力は変わらず、そして右足でも十分クロスを送れる能力の高さも見せたられた事は新たな発見だった。
もう29歳と選手としてもそろそろ己のピーク時期を見極めていく頃になってくる中、果たして白石はザスパに残ってくれるか。
最後は本人とクラブの意思にかかることとなるが、自分としてはもちろん1年でも長く、できればザスパで現役を全うして欲しいと願うばかり。
(2022.12.18UP)
追記で、12/25に無事、来年も白石智之、チームに残ってくれることとなりました!!
有難う白石!!
これで4年目、いよいよザスパの軸となる時が来たぞ!白石!!
本当、戦力的にももちろんだけど、サポータ兼任である白石がチームにいるかいないかでは、応援の熱の入れようが全く違います・・・
これでまだ1回も披露できていない、白石のチャントが歌える!!!
お、おー、し、らいし〜
華麗に舞え!決めてくれ!
お、おー!!吠えろ!!!白石〜
群馬の誇りよ〜!!!
(2022.12.25追記UP)
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暗黒の時代は続いた2021シーズンの白石
幼少の頃より応援したという郷土クラブのザスパに加入した2020シーズンに続き、2021シーズンも白石にとっては本当に理不尽で辛いシーズンとなった。
まずシーズンはじめを怪我で出遅れ、5月の12節あたりからようやくベンチ入りし、途中出場・・・それも後半35分を過ぎてからの遅すぎる投入ばかりが続いたが、出場3試合目の15節金沢戦、1点ビハインドの中、後半42分に投入されると、ロスタイム4分の最後の最後、右サイドMF8岩上からのロングスローをニアでMF11田中稔也が競りながら頭で後ろに落とすと、ここにダイビングで飛び込んだ白石が頭でねじ込み、残留争いの直接のライバル金沢を離さないドローで終えることが出来た。
この結果をもって、いよいよ白石も完全復活、ここからスタメン起用など一気に加速だろう・・・誰もがそう思ったが、奥野バカ殿監督の2021シーズンの采配はここからがカオスだった。
次の試合の栃木戦でも結局後半38分からしか投入されず栃木とドロー、そして次の水戸戦ではベンチに入っても使われず、京都戦は後半31分、町田戦は後半34分、ズタボロにやられた甲府戦ではやや長い後半23分で投入され、一矢報いる1点を決め、そして前半戦の最後、奥野バカ殿監督の最後の采配となったジェフ戦でも後半27分と、どんなに結果を出そうとも、扱いがあまりに低かった。
このジェフ戦での3連敗をもってして奥野監督が解任され、ヘッドコーチだった久藤監督に引き継がれ、これでようやく流れが変わるか、白石もその実力が認められ、もっと活躍の場を与えられるだろうと期待された。
久藤采配になっても変わらずだったが・・・残留に大きく貢献した白石
しかし・・・
変わらなかった。
結局のところ、久藤監督はあくまで奥野監督と一心同体のセットでやってきたヘッドコーチであり、基本的な選手起用の方針は変わらなかった。
ベンチ起用は変わらないまま、8/18の天皇杯4回戦でようやく今季はじめてスタメンで使われると、前半早々にマイナスの折り返しをきっちりゴールに決め、ここで白石智之、今シーズンようやくの本格始動!!!・・・と思わせたが、次の山口戦は後半18分からの長めの起用をされただけで、栃木戦はベンチに座らされたまま、金沢戦は後半31分、秋田戦は後半後半38分、甲府戦は後半36分と、相変わらず後半ギリギリの起用しかされなかった。
2021.8.18天皇杯4回戦大分トリニータ戦(正田醤油スタ)
この日も得点という結果を叩き出した、さすがのMF19白石智之
32節の北九州戦も後半36分からの起用だったが、相手のエース高橋大悟の連続得点で逆転され、このまま北九州を残留争いから抜け出させてしまうか・・・とガックリきた中で、ロスタイムの最後の最後に左サイド深くまで切れ込んだ白石からのクロスにファーでDF3畑尾が押し込み、本当にラストプレーで北九州とドローとなる。
今思えば、このドローが本当に貴重だった。
結局、この後も北九州はこの、しかもホームでの悪夢のドローが重くのしかかり、なかなか上昇気流に乗れず、名将小林伸二を持ってしてでも北九州を残留させることはできなかった。
18位のギリギリで残留したザスパにとって、この北九州があのまま勢いに乗って降格圏を外れれば、必然的にザスパが代わりに降格していたことは間違いない。
白石は愛するザスパを自らの力で残留させた。
だが、ここからがまた久藤采配の狂ったところ。
あれだけ貴重な働きをしたというのに、次の水戸戦では後半41分からで投入され1−2で負け、京都戦では後半44分から投入されドロー、山形戦ではベンチに座らされたまま負け、松本戦はようやく後半33分に使われ、その後は相模原戦で後半44分に使われただけで、長崎戦、町田戦、新潟戦、磐田戦とベンチのまま。
4連続引き分けの裏には白石の我慢の試合が続き、最後の大宮戦で後半36分からの投入が久々に長い時間使われた気がしたが・・・
最終節21.12.05大宮アルディージャ戦(ナック5スタ(
MF33細貝とMF19白石という、来期のザスパを攻守で支えて欲しい郷土プレーヤー2人の絡みも・・・こんなシーンをもっと日常茶飯事に観たかった・・・(涙)
それにしても2021シーズン、結局合計白石は何分、何試合分プレーしたのだろうか?
公式戦3得点1アシストという結果を出したが、出場時間で割れば、チーム随一の数字となるはずだが、なぜ、どこをどう評価したらこんなにも使われないものなのだろうか?
結果を出せば報いてくれるのがプロの世界ではないのだろうか?
それなのに、結果を出せば出すほど、次から使われなくなる・・・では、この2年間の白石はどうやったらもっと試合に使ってもらえたのだろうか?
特にラストの4引き分けの中でほとんど白石が使われなかったわけだが、なぜホームでの新潟戦などでドローで良しとするのか、ここで白石を投入し試合を決めれば、早々に残留を確定的にできたはずだった。
白石はまさに切り札であり、その切り札をどれだけのタイミングで使ったか、使えたかはチームのバロメーターともなった。
そのはずなのに・・・本当にこの奥野、久藤体制の2年間は暗黒の時代だった。
全ては安定、成熟度の名のもと、お気に入りの固定メンバーしか使われず、控えの選手はどんなに結果を出そうとも見向きもされず、何もなかったように次の試合からもベンチで、しかも使われない。
これほど控えの選手のモチベーションが上がらないサッカーが、クラブは過去に例を見ない。
本当に漆黒、暗黒の時代だった。
最悪の2年間だった。
まだ2017の森下体制の時の方が、後半からは色々と試しもしたが、この2年間はほとんど何も変わらないまま、とにかく守って守って、ギリギリ引き分けで繋ぎとめて残留できたことだけが奇跡の2年間だった。
暗黒の2年間を経て・・・こだわりの14番を背負い再出発!!
問題はこのオフシーズンの動きだった。
もし万一、久藤体制が2年目を迎えるとしたら、またしても白石が使われないシーズンが続いてしまうのではないか、そうなればいかにサポータ兼任を自称しチームを心から愛する白石と言えども、28歳と選手としてもピークに来るこの時期に、もう時間を無駄には出来ないだろうと、逆に沼津時代の恩師である吉田謙監督の秋田に呼ばれれば、迷いなく移籍してしまうのでは・・・と本当に気が気ではならなかった。
だが一気に潮目が変わったのは、久藤監督が金沢のヘッドコーチで呼ばれたことでチームを抜け、代わりに招聘されたのは元浦和レッズの監督で選手、サポータからの人気も高い大槻毅監督だった。
(それにしても信じられないのは、その久藤監督にクラブは残留要請をしたとメディアにあったことだが・・・何を考えて久藤監督であと1年やろうとした?気が狂っているのか?あんな何もかもかなぐり捨ててようやくギリギリ残留できただけの監督の何をどう評価して来年以降が見据えられたのか??)
その新たな監督の可能性を信じてくれたのか、白石もチームに残留、3年目を決め、そしてチームを抜けたFW50大前の50番を平尾が望んで番号変更したため、空き番となった14番を取得して白石は2022シーズンに望む。
14番は前橋育英の3年生時や沼津、富山で付けていた番号であり、やはり前橋育英出身にとって歴代の偉大なる中心選手たちが付けてきた伝統番号であるため、白石もかなりのこだわりがある。
暗黒の2年間を経て、ついにザスパの14番を付けてのシーズンとなる2022シーズン、ここが本当の白石にとっての勝負の年となるのは間違いない。
監督も代わり選手達は横一線となる中、激しいレギュラー争いになるのだろうが、この2年間、常に魅せてくれていたあの気迫あふれ、そして最大の集中力を持ったプレーを見せてくれれば、自ずと結果は付いてくるだろう。
2022シーズンの白石智之には期待しかない。
(2022.2.13UP)
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〜ザスパにとって奇跡的に必須な生粋の郷土プレーヤー〜
ザスパにとって奇跡的に重要な郷土プレーヤーである白石智之のページについて、アップしておきたい。
前橋育英時代、2年生にして絶対的な左サイドのエース
2010年、前橋育英の2年生だった白石は、当時1つ上の先輩だった3年の元ザスパFW小牟田、DF川岸(現・ザスパスタッフ)、そしてMF小島秀仁、MF湯川、DF北爪らを擁した相変わらずのタレント集団の中で2年生ながらも堂々たる左サイドの切り札としてレギュラーの座を張り、全国高校サッカー選手権でも第2回戦での室蘭大谷相手に後半に値千金の先制点を決め3回戦進出に大いに貢献し、そして宿敵とも言える流経大柏に第3回戦で惜しくもPK戦で敗退した。
翌年、3年となった白石は元ザスパのMF横山翔平というエースと共に再び全国の舞台を目指すも、ここに桐生一が立ちはだかった。
今や日本代表のエースになりつつあるFW鈴木武蔵に、左サイドアタッカー池田、司令塔MF金田を擁した桐生一は異様に総合力が強かった。
だが、育英側もさすがのタレント力を見せつけ、桐生一との決勝でも2点先制。
これで今年も前橋育英が全国に行くかと思われたが・・・後半26分、鈴木武蔵からのバックパスに対して激しく当たりに行ってしまった白石に2枚目のイエローが提示されてしまい、なんとイエロー2枚で白石が退場してしまう。
1人少なく、また主軸であった白石の退場は大変痛く、育英の攻撃は1トップの外山や司令塔横浜翔平が孤立無援となる中で、攻守に大変な存在感を示してきた金田やレフティーの切り込み隊長池田を中心に圧倒的に攻め込まれ、7分間で同点とされてしまう。
その後、決勝は同点のまま延長戦へと進み、結局は桐生一の主軸・金田に押し込まれる形で全国選手権を切符を逃す事になった育英。
この試合、白石の退場が一番の敗因である事は間違いないが、当時の育英も1人少ないとはいえ、残り時間を考えれば2点差をしっかり活かして守り切る粘り強さが欲しかった。
白石自身のこの試合の不用意なイエローによる退場は、深く心に刻む反省点となったことだろう。
3年生で全国に行けなかった白石は、高卒でそのままザスパに入った横山翔平を後目に、法政大に進学し、そして卒業後はまだJFLだったアスルクラロ沼津に入団となった。
沼津、盛岡、富山でのJ3での活躍
法政大卒業後に声がかかった沼津は1年目はJFLだったが、その1年目から17試合に出場し、J3への加入に貢献。
2年目、J3デビューとなった白石は20試合4得点の活躍でプロとしての自覚を深める。
そして3年目は盛岡(当時は岩手)へ。
ここでも26試合3得点と主力となって活躍した白石は徐々にキャリアアップする形で4年目は富山に移籍。
白石としてはこの沼津と岩手での働きながらサッカーをした経験が活きていると言い、特に岩手ではかつてのJFL時代までのザスパと同じく、温泉旅館で働きながらのサッカーだったということで、間接的にかつての草津魂を引き継ぐ形となる。
それに対し資金力のある富山ではサッカーに専念できる環境で33試合2得点と活躍をみせ、2020シーズン、いよいよザスパに移籍する事となった。
サポータ兼任選手としてのザスパ加入
ザスパ加入は白石智之というサッカー選手としては、1つのサッカー人生の目的だった節がある。
白石智之の高崎の実家は前橋育英練習場の近くだといい、白石がまだ小学校の頃、J2に上がって間もないザスパは、その頃メインの練習場は育英の練習場に頼っていたので、必然的に白石というサッカー少年はザスパというチームに触れ合うこととなって、当時からザスパサポとなる。
その幼少の頃よりサポだったザスパへの加入により、本人はサポータ兼任の選手だと公言する。
全く新しいタイプの選手であり、これほどにザスパに、群馬に愛を捧げてくれる選手もかなり珍しい。
不遇の時期を乗り越え、自らの力を証明してみせた2020シーズン
そうして念願叶いザスパに加入した白石にとって、ザスパ1年目はなかなかに複雑な1年だった。
特に奥野監督の不思議采配に振り回されたイメージが強い。
何度もこのHPで、なぜシンプルに白石を左サイドハーフ固定で使わないのかと嘆いてきた通り、なかなかスタメンで起用されず、スタメンで出るメンバーは奥野監督の謎の基準で選ばれたお気に入り選手ばかり。
特にFW林、MF内田を重用し、そして希代のアンカーであるMF岩上を右サイドバックに押しやっていたシーズン前半はひどいもので、チームは全く波に乗れなかった。
そんな中、ちらほらとベンチに入り、そして後半ほんのわずかな時間でしかプレーさせてもらえない白石の活躍の場は相当に限られ、シーズン中盤は怪我で離脱した時期もあったようであり、怪我から明けた9月、10月は本当に干されてしまった時期がつづいた。
この頃は白石本人も相当に悩んだ時期だったようで、なぜ使ってもらえないのか、自分はザスパに必要な選手なのだろうかとまだ追いやられた。
そしてもう今シーズン、白石は干されたままなのだろうかと絶望的になった11/21第35節の愛媛戦、白石は数か月ぶりにベンチ入りを果たすも、なかなか奥野監督のいつもの動きの悪さで交代が告げられず、後半36分にようやく声が掛かる。
するとその投入直後の2分後、CKの流れから右サイドからの平尾のクロスに送ると、ニアに詰めていった白石がダイレクトに右足で先制弾を蹴り込みゴール!!!
この白石の劇的なゴールにより、低迷を極めた奥野ザスパは実に7試合ぶりの勝利を収めることとなる。
ザスパクサツ群馬vs愛媛FC 2020.11.21第35節
試合後のヒーローインタビューでダゾーンデビューのMF19白石智之
2020.11.22上毛新聞 掲載記事
今シーズン、ついにザスパクサツにやってきた白石智之が、劇的な後半投入で決勝弾を決めた上毛新聞
そしてその次の大宮戦では加藤潤也が累積欠場という事もあって、白石はスタメンの座を射止め、後半26分に相手GKのはじいたボールに見事に反応し、頭で押し込み2試合連続得点を決める!!
ザスパクサツ群馬vs大宮アルディージャ 2020.11.25 正田醤油スタジアム
久々のスタメン復帰となり左サイドで躍動するMF19白石智之
ザスパクサツ群馬vs大宮アルディージャ 2020.11.25 正田醤油スタジアム
左サイドでのDF25小島とMF19白石智之
左サイドではなかなかサイド深くまで突破できないDF25小島に代わり、MF19白石の縦への突破が目立った
この2試合連続ゴールによって、これまでなぜ白石を頑なに使わなかったのか、使おうとしなかったのか、奥野監督の判断の間違いを、白石は本当に短い時間で自ら証明してみせた。
・・・だが、奥野馬鹿殿監督の凄いところは、2試合連続ゴールの男を加藤潤也が累積から戻った次の町田戦ではサクッとスタメンから外し、事もあろうに攻守の軸としてアンカーにおいていた岩上を右サイドハーフで起用。
・・・いや、だからそこは白石でいいじゃん・・・岩上はアンカーでいいじゃん・・・なぜわざわざ右サイドハーフに??
なんで内田使いたいために、わざわざそこまでしなきゃいけないの?
どんなに試合で活躍しようが、とにかく己の凝り固まった選手起用さえ守れればどうでもいい、ザスパ史上最悪の監督となったレジェンド奥野のおかげでまたしても出番を奪われた白石だった。
だが白石はめげなかった。
その次の松本戦、やっと後半42分に投入されると、果敢に前線からチェイシングを仕掛けていき、カウンターかドリブルなどを仕掛け、いきなり試合の流れに乗る。
すると44分、相手DF陣のクリアを、流れに乗っている男・MF19白石が頭でカットすると、そこからボールが繋がり、岩上の古巣への恩返し弾がさく裂し、見事な勝利を収める。
その後も後半の凄く短い時間だけしか出番を与えられない白石だったが、最終節の京都戦では、後半に川上の負傷退場で10人となってしまったあと、白石は持ち前の運動量と突破力で1人孤軍奮闘し、明らかに1.5人分の働きでチームを助け、虎の子の1点を守り切る大勝利に貢献した。
ザスパクサツ群馬vs京都サンガF.C. 2020.12.20 京都サンガスタジアム
10人になったザスパMF19白石、MF8岩上の京都に対する気迫のプレス
こうして、シーズン終盤になってチームに絶対必要であることを自ら、そして本当にごく少ない短い時間で証明してみせた白石は意気揚々と2021シーズンもザスパでの契約を更新してくれた。
2021シーズンはまだまだこれから・・・
そして現在2021シーズン・・・
奥野馬鹿殿監督の凝り固まった采配はいよいよ救いようのないレベルまで達し、どんなに結果や内容が伴ってなかろうとも、スタメンとベンチのメンバーをほぼ固定し、そして徹底して白石らのレフティーアタッカーをベンチに入れようともしない試合が続く。
本当に末期の状態であり、なぜまだ監督を続投させているのか、解任できないのか不思議で仕方ない。
だが、まだまだここからだ。
白石智之というサポータ兼任のチームにあれだけの愛情を持ってプレーしてくれる選手などそうはいない。
この奇跡的な存在である白石智之が、今シーズン4チームが降格するサバイバルシーズンにおいて絶対にプレーでも精神面でも必要な選手であることは疑いようが無く、監督の解任が一番良いが、残念ながら解任しなかろうとも、白石だけは起用され、そしてチームを救ってくれることを願ってやまない。
(2020.12仮アップUP)
(2021.4.30本アップUP)
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