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・・・ザスパ草津 賢持社長の辞任を受けて・・・
ザスパ草津再建企画 パート2


短期にザスパが選択すべき道
〜等身大の現実的な経営の必要性〜



横棒


まずは経営の健常化を

ザスパ草津賢持社長が辞任しなければいけないほど、ザスパの経営は現在危機的状況にある。
なぜか?
理由は明白だ。これまで赤字をしてでも金をかけて戦力を集め、アマチュアから一気にJリーグというプロに入れさせたつけを、Jリーグに上がってもなお払いきれなかったからだ。

これまで異常だったザスパの経営を、これを機に立て直す必要がある。
どうすれば経営を健常化できるか?

このページではそのための短期的にとれる対策、ザスパが選択すべき手段を書きたい。


Jリーグに上がるためのリスク

ザスパは前身であるリエゾン草津(1995年発足)から2002年にザスパ草津に改名した年を機に、一気にJリーグ目指して突き進んだ。
鹿島アントラーズの絶対的な守備の司令塔であったDF奥野と、新島学園出身の元日本代表GK小島を呼び、大きな話題性と共に群馬地域リーグから戦いがはじまった。
その後、2003年関東リーグ、2004年のJFLと順調に昇格していき、各リーグで死闘を繰り広げた。

アマチュアレベルとはいえ、実績がないザスパが各リーグを戦い抜くためにはかなりの緊急的な戦力の補強を必要とした。
DF小田島、籾谷、MF鳥居塚、高須、依田など数多くの元Jリーガーを地域リーグレベルの時点で集め、JFLに上がった2004年は更にFW正美、MF山口貴之、小久保、DF小川、佐田など、J2をも視野に入れた本気の補強を行った。
その他特筆すべきことに、地域リーグレベルの時点で既にFWフラビオや鹿島、神戸、清水で活躍したMFサントスなど外国人助っ人を補強した事が挙げられる。
ほとんど収入の見込めないアマチュアレベルで外国人助っ人など有り得ない。
当然そのためには通訳も必要だし、助っ人に払う給料の何倍もの金が必要となるだろう。

その結果、ザスパは各カテゴリーを圧倒的な力で乗り越え、わずか3年でJ2昇格というプロ入りを遂げた。
これはあまりに大きな成果であり、大変評価すべき事だ。
この本気の姿勢に日本サッカー協会も突き動かされ、飛び入り昇級という特別制度を作らせたわけだ。

しかし、そのためのリスクはあまりに大きかった。
この3年間の間の無理に無理を重ねた経営ド返しの補強につぐ補強による散財。

全てはJリーグ入りし、”プロ”という多大な収入を得る事で精算できるはずだった。
しかし、そんなに甘くはなかった。

J2入りにより、それまで快進撃、連勝街道を歩み続けてきたザスパが急に弱小チームに成り下がった事により、一般観客の足はスタジアムから遠ざかった。

観客動員数はJFL時代よりむしろ減少し、スポンサー料など単価は上がったとしてもこれまでの赤字を補える収入が得られなかったわけだ。


単純に”経費”を見直す必要性

JFLまでのアマチュアレベルでは収入は頭打ちだ。
だからかなりの収入を期待できるプロに入るまでは全力で、最短で辿り着く。
この選択は正しいと思う。
そしてザスパはそのスタート地点に立てた。

ならば、いよいよ今年からはスタートとしてザスパは一度経営を見直すべきだった。
これまでのように勝ち進む必要はもはやない。
今年はまだ最下位になってもJFLに落ちる必要がない。
(案外、一般の方は「また落ちちゃうの?」と勘違いしている人があまりに多いが)
もう無理をする必要はない。

むしろJFL時代より戦力を落としてでも、まずはまっとうな、等身大の経費に落ち着かせるべきだ。
少しでも黒字経営にし、徐々にクラブとして力をつけ、そして時がきた時に再び戦力を増強させJ1を目指せばいい。


なぜまだ外国人を雇えるのか?

まず一番疑問に思う事は、なぜ未だ外国人助っ人、チカがいるのか?
もちろんチカのような日本人が手に入れる事のできない体格、能力を得る事は大きいが、それ以上に、外国人助っ人を抱えるための経費は莫大だ。
前記したとおり、通訳も一緒に雇うわけだし、おそらく外国への交通費などもある程度負担するのだろう。
そんな余裕があるのだろうか?無いから危機に陥っているわけだ。

先に述べたとおり、今そこまで無理をしてでも戦力を補強する必要はない。
J2レベルならば外国人の力を借りなくとも中位の戦い方は十分できる。

チカファンの方には大変申し訳ないが、これが今のザスパが冷静に見つめ直す”現実”だ。

※※※ チカについては有力な情報、御指摘を受けたのでここで訂正 ※※※

チカはチーム解散となった沖縄かりゆしから、あくまで練習生として昨年途中から入団したため、通訳がつかないことはもちろんの事、プロ契約でもないとのこと。(今年はもうしているかもしれないけど、昨年の実績からしても薄給には変わり無いでしょう。)

そういう扱いなのならば、通常の外国人プレーヤにかかる様々な経費が一切いらないわけで、ザスパはあれ程の高さ、能力のある選手を非常にお買得で保有していることになる。しかも移籍金など一切かからず。

いや〜苦労人とは去年から思っていたけど、まさかここまでとは。本当に頑張ってもらいたい。今年、来年の活躍次第では他のチームからも引き合いが来るだろう。しかも当然そこにはザスパへの移籍金という臨時収入ももたらしてくれるわけだし。

ザスパの選手はみんな本当に安い給料でよく頑張ってますよ。
やはり自分は超現場主義ですね。明日をかけて戦う選手達を応援し続けます。

それとサントスなどがいた頃は確かにスタッフに通訳の方がいたけど、すでに通訳を外していた事はちょっと安心しました。
さすがに社長が辞任するほどの状況で、そんな事くらいザスパ経営陣はわかっていたという事で。
今、経営スタッフはまさに選手以上に死闘を繰りひろげているとは思いますが、頑張って下さいの一言しか言えません。本当に頑張って下さい。

(05.08.21修正文追加)

ではまた話しは戻ります。

個に頼らないチームづくりを

Jリーグだからといって外国人を雇うのが当たり前ではない。
せめて自前のクラブハウス、練習場くらい持ってから外国人は雇うべきだ。

そもそも外国人の力に頼ってチームを勝たせようという、短絡な一時しのぎな考えは私は大嫌いだ。
自分はそんな名古屋グランパスのような、表面だけで中身・地力がすっかすかのチーム作りをザスパにはしてもらいたくない。

かつてジュビロはほとんど外国人の力を借りずに、日本人だけで明らかに当時のトルシエ率いる日本代表よりも強い黄金期を作り上げた。
それが可能なのがサッカーだ。
野球のように、個の力だけでどうにかなるものではない、チームとしての力が結集した時に魅せる個を上回る力。

まずはザスパはそんな安上がりで、しかも強いチーム作りを目指すべきだ。


現在の不可解なほど多い選手の数

次に不可解なあまりに多い選手の数。
現在トップチームは29人、チャレンジャーチームは13人。
それぞれ給料がたとえ安くとも、結局1人1人にかかる経費はかさんでいく。

ザスパのチャレンジャーチームは他のサテライトと違い草津温泉でのバイトを半分する事が義務付けられているので、トップとチャレンジャーチームの行き来が柔軟に対応できないシステムだ。
最近チャレンジャーチームから後藤涼、柳沢コ−タ、杉山が昇格したわけだが、だからといってトップチームからはチャレンジャーチームに入れ代わりで誰か降りるわけではない。

バイト以外にも、前橋から急に草津に行けというのも大変な話だが・・・
(この地域間の距離がザスパにとって一番の問題点なのかも?)

また、この夏から現役高校生FW反町も加わった事によりトップチームは29人と肥大化し、各ポジションで3名近くの選手がひしめく結果となってしまっている。

果たしてこれだけ多くの選手が必要なのだろうか?
各ポジションでのレギュラー争いは2人もいれば十分だ。
チーム内での競争は必要だが、ザスパの場合は同じ程度のレベルの選手が非常に限られたポジションを争っているため、多少結果を出しても次の試合ではまた他の選手が起用される。
そうしていつまでも試されてばかりで結局固定メンバー以外の選手達はどっちつかずの状態が続いている。

自分が思うに、選手が5人くらい多い。
もっと人員を削減し、チャレンジャーチームとの行き来を当たり前にしたフレキシブルな体制とするべきだ。
例えばトップチームは常に24人を上限(紅白戦ができる人数22人+α)とし、その枠をはみだす場合はチャレンジャーチーム行きとする。プロ野球の世界ではこの1軍と2軍の行き来は当たり前だ。
そしてチャレンジャーチームは16人程度。8対8のミニゲームができる程度の人数でいい。

まあ草津でのバイトの対応、前橋と草津との距離の問題をどう柔軟に対応させるかは難しい点だけど・・・
草津でのバイトは地域密着の観点からいってもザスパ独自のいい方法だと思っている。
だからといって1軍落とされたから即草津でバイトではあまりにハングリーすぎてサッカーに集中できないし・・・

とにかくそれくらいの人数でなければ、1軍でも2軍でも試合をさせられない程人数が余り気味になってしまう。今の人数オーバーの状態では1軍半の選手達は試合勘も鈍っていってしまう。


今でも疑問のシーズン途中の補強

上記の事を踏まえた上で非常に納得できない事が今シーズンあった。
FW樹森とDF斎藤竜の中途補強だ。

これは明らかに手塚氏が成績不振を選手の質のせいにし、点がとれないからFWを、失点が多いからDFを、それぞれフロントに要求したのだろう。
これほど多い選手を抱えながら、そのせっかくの能力の埋もれている1軍半の選手達を試そうともせずに安易に補強を要求する。
なんて愚かな、短絡的な考えだろうか!

そしてまた訳の分からない事に、その後チャレンジャーチームから涼、コ−タ、杉山をトップチームに上げた。
順番逆だろ!監督!フロント!

いったい何を考えているのか。
成績が悪く、何かカンフル剤を求めているのなら、なぜチャレンジャーチームの有望選手を最初に試してやらないのか?
一生懸命やっているサテライトの選手達も、自分達を差し置いて安易な補強なぞされてはたまったものではない。

と思っていたら、今度は十分多すぎるトップチームの選手が揃っているというのに3人も一気にトップに昇格。
あれは一体何の意図なのだろうか?
今でも全くわからない。


補強という無駄

補強とはそもそも勝つために、チームのレベルを一段上げるために行うはずだ。
しかし補強された樹森と竜はそんなに凄い選手だろうか?
どちらも他のザスパの選手と同じく、自分のチームでレギュラーになれずに、その能力を埋もらせていた1軍半の選手だ。

はっきりいって樹森は他のザスパのアタッカー陣である酒井と比べてそれほど格が上とも思えないし、竜は小田島と比べてそんなに凄いだろうか?
樹森、竜は確かに現在チームの核となり頑張ってくれているが、結局は監督が自分好みの、自分が呼んだかわいい選手だから核にしているだけで、本当にザスパを一段上のレベルにしてくれているだろうか?代わりに酒井や小田島が入ってもさして変わらないのではなかろうか?

酒井を不馴れな右ウィングバックで守備をやらせ、小田島を不本意なベンチ外におしやっている事は理解できない。

誰もが納得する、補強という成果がはっきり見えるようなレベルの高い選手を連れてこられるのならまだいい。
しかし、このような中途半端な補強はますますチーム内に不協和音をもたらすだけで何の意味も、効能もない。
同じような1軍半の選手を増やし、無駄なポジション争いを過剰な人数で行わせ、せっかくの能力が次々と埋もれていく。


埋もれていく1軍半の選手達

いい例がMF佐田だろう。
それまでほとんど試されずに、多少の結果を見せても次の試合ではベンチにも入れない日々が続いた。
このHPでも散々佐田をせめてベンチに置いておくべき主張をしてきたが、やっと使われた鳥栖戦、さっそく貴重な決勝点を挙げるという快挙をあげた。

このとおり、まだまだザスパの1軍半の選手達はその能力を半分以上埋もらせている。

試合で使われないのはもちろんの事、使われてもとても能力を発揮できる場面ではない投入や、不馴れなポジション、チームとして連係されない孤独な戦い。
あまりに起用のされ方が単発で、何の策もないため、1軍半の選手達はほとんど活躍できていない。

佐田のように、たまたまその少ないチャンスの時に強運もついてこなければあの手塚氏の頑強な壁を撃ち破れないのだ。

このように、不当な扱いを受け続ける1軍半の選手達。
結局は手塚氏のお気に入りかどうかだけの判断基準。
このままではそのうち、監督のお気に入りのメンバーだけでチームは構成され、昨年以前から在籍するザスパの選手達は次々と不当に追い出されてしまう事だろう。


今シーズン末の熾烈なリストラの必要性

先に述べたとおり、これ以上の補強は御勘弁願いたい。
最近のJリーグチームはどこもシーズンオフになると大量の選手の入れ替えを行う。
しかし結局同じような1軍半の選手達を入れ替えただけではチームは全く同じ失敗を重ねるだけだ。

我々ファンも、今出場している選手達が半分以上入れ代わってしまったら、いつまで気持ちを込めて応援できるだろうか。
この世の中の間違った風潮に流され、安易な補強、選手の入れ替えはやめて欲しい。

それよりも、現在多すぎる選手を冷静な目で振り分けリストラ、スリム化すべきだ。
選定する人数としては今の多すぎる人員は十分だ。これだけのプロ選手を集めておいて、この中では来年戦う戦力は選べない、とは言わせない。
他からの補強は目玉となるような選手を1、2名で十分だろう。
目玉とは本当に金とスカウト力をかけてチームを賭けて獲得すべき選手という意味だ。
その他は育英、前商から有望な選手を何人かとりあえずチャレンジャーチームに補強すればいいだろう。
育英のFW反町は是非とも欲しいが、あれほどの高校生なら他のチームも狙っているんだろうな〜
育英は全国のスカウトから毎年注目されているチームだし。

あとは群馬出身で他のチームから解雇となってしまった有望な選手をちらほら見つけられれば、拾ってやりたい。育英出身のJリーガーはかなり多いが、その中では最近試合に出ていない選手も結構い るから・・・
そういう選手の地元での最後の挑戦の場を与えるチームとしてもザスパは存在価値を持って欲しい。
その中には絶対まだまだやれるはずの選手が多いはずだ。
現に#19圭志などはFC東京ではほとんど出番がなかったが、ザスパに来たとたんに不調のチームを一気に立て直してしまうほどの活躍をみせた。

ザスパはそうやって金をかけずにうまく選手を活かしチームの地力を上げていくべきだ。


勝ち点ではなく、内容を、サッカーの熟成を

やはり地元群馬のチームは誰でも強くなってほしい。少しでも勝って順位を上げていって欲しい。
しかし、今は勝ち急いではいけない時期だ。
やっとスタート地点にたったザスパは、これから来るであろう降格制度の到来などの時期までにしっかりとした経営基盤とチームの地力をつけなくてはいけない。
それを、外国人などを大型補強し、一時凌ぎ的な強さ、幻想に一喜一憂していてはならない。

勝負事である限り、自分は負けてもいいとは言っていない。
しかし勝ち点よりは内容のあるサッカーをし、結果的に勝ち点がある程度ついてくればいいと思っている。
先に述べたとおり、サッカーは個の力だけではない。
各選手がチームとして十分に機能できれば、どんなチーム相手にも勝てる可能性があるのがサッカーの醍醐味だ。
確かに、昨年まではアマチュア相手に、プロの個の力でねじ伏せて来たのかもしれないが、今後自分としてはそんなチーム全体での良いサッカーをザスパには期待したい。

いずれザスパも本気でJ1を狙いに行く日も来るだろう。
もしくはJFLに落ちないように本気で残留を狙わなくてはいけない日も来るだろう。
その時まで、今は温存すべきだ。
まずは等身大の経営を確立し、チームを存続させていって欲しい。


ザスパが本当に群馬に愛されるチームとして

そしてサポータや一般の県民も、サッカーとは勝利だけではない、もっと崇高な面白さがある事を知っていって欲しいし、そういう意味での熟成を期待していきたい。
勝ったから、強いから行く、という観客ばかりではいずれすぐに潰れる。
波に乗っている時はいいが、波が引く時はあっという間だろう。
本当のサッカーを浸透させる必要がある。

勝たなくては観客が来ない→だから強くするべき→大型補強
という選択枝を要求する気持ちはわかるが、そんな博打的な経営はもう成り立たない。
そもそもそんな大型補強をできる財力とスカウト力がザスパにあるわけがない。
クラブハウスも練習グラウンドもないザスパにそんな大型補強選手がそもそも来るのだろうか?

広島カープなどはお手本とするべきいいチームだ。
地元のファンは特にカープに過剰な期待はかけない。
それよりも地域と密着した、勝つ事よりも存続する事に大きな意義を感じるあの広島県全体でのチーム愛。

そんな愛を得る事のできる熱いサッカーをやって欲しい。
せっかくザスパは地元群馬出身の選手を積極的に獲得する姿勢を見せている。
全国一の保守王国群馬の心を掴みとり、県民の心に浸透させていくべきだ。

しかし何よりもチームが存続しなくては何の意味もない。
まずはあせらず、とにかく来年も、再来年もザスパがあるように、現実的な方針変更をする。それが賢持社長の辞任の意味なのだろう。



(2005.08.20UP)






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