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・・・ザスパ草津 賢持社長の辞任を受けて・・・
ザスパ草津再建企画 パート1


群馬にプロスポーツがあるという奇跡
〜せっかく手に入れたこの宝物を今一度見つめなおす〜



横棒


ザスパ草津 経営不振による賢持社長の辞任

7月27日、ザスパ草津の賢持社長が観客数減少による赤字経営の責任をとる、という理由から辞任となった。

ザスパ草津は地域リーグからJ入りを表明しわずか3年間でのJリーグ入りという快挙を果たした。
その快挙を果たすためには当然地域リーグ、JFLレベルを超越した戦力を揃える必要があり、元鹿島のDF奥野をはじめ、元日本代表GK小島、また”あの”鹿島や神戸などで活躍したサントスを入れるなど、かなりの無理をしてアマチュアレベルでは考えられない戦力を揃えた。

当然スポンサー料も観戦料も頭打ちの地域リーグ、JFLではこれらの戦力に対する代価を支払えるわけがなく、赤字経営だった。

だが、それもJリーグにさえ入れれば全てに精算がつく、そのはずだった。
スポンサー料や観戦料の純粋な底上げ、その他グッズやTV放映料などの収入は格段に増えるはずだったからだ。

しかし、一番の収入の根源である観戦料、つまり観客数があろうことかJFL時代よりJ2に上がってからの方がむしろ落ちた。

おそらくJ2に上がってからの今年の前半戦でのあまりの成績不振、不甲斐無い試合結果により、昨年までの連勝街道に慣れてしまった一般観客の足が遠ざかり、加えて群馬テレビでの全ホーム試合の中継がはじまったからであろう。

当然今年から観戦料も値上げされた。
Jリーグという”プロ”の試合をするのだから当然の事だが、この値上げに対しても一般客に対しては大きいマイナス要素だったのだろう。


どうせ勝てない試合を、テレビでもやっているのに高い金を払ってわざわざ観に行く意味がない。


考えてみれば至極当然の事だろう。


プロスポーツであるがゆえの可能性

しかし、そんな単純な事でこのまま群馬唯一のプロスポーツを失ってしまっていいのだろうか。

高い観戦料をとる事は、当然そこにそれだけの”価値”があるからだ。

アマチュアの試合では観る事のできない、サッカーだけで飯を喰っている者達の人生を賭けた真剣勝負を、そこでは観る事ができる。
仕事の片手間にサッカーをやるものと、サッカーだけを仕事にするもののレベルの差をまだ今のザスパに感じる事ができないのかもしれない。

しかし、いずれはザスパに戦力と資金が積み重ねってくれば、ゆくゆくは代表レベルの選手の保有、育成、外国人選手の補強など、優勝、そしてJ1への昇格へと夢は広がる。
そう、Jリーグに入ったからには、あとは結果さえついてくればJ1にも入れるのだ。
毎試合その模様は全国で中継され、ザスパの中からも日本代表が何人か選ばれるだろう。
マリノスのアンジョンファンや、ヴェルディのエジムンド、グランパスのストイコビッチなど、世界レベルの選手とも試合をしていくこととなる。

更にはJリーグを制すれば、翌年やってくるACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場することができ、韓国や中国らアジアの強豪クラブとの戦いを勝ち抜けば、年末にやってくる世界クラブ選手権に出られる。
そこでは南米のクラブ王者や、ヨーロッパの王者、つまりレアルやACミランやバルセロナといったチームと”本気”の対戦をでき、当然それに優勝すればザスパは世界一の称号を得る事になり、全世界にザスパ草津の名を知らしめる事となる。

これだけの無限の可能性を持てること。それがプロスポーツというものだ。


11月にはキングカズが群馬に来る!

話を誇張するため世界の事についてまで書いたが、もっと身近な事でいうとあのキングカズが同じJ2の横浜FCに移籍したため、11月の横浜FCとのホーム最終戦ではカズが敷島陸上にやってくることになる。
ちょっと前まで、あの敷島陸上にカズが公式戦で、本気の戦いをしにわざわざやってくるなどという事が想像できただろうか。
(まあ天皇杯なら可能性はあるけど)

Jリーグとは、プロスポーツとはそういうものだ。

J2ってJリーグなの?とはあまりサッカーを知らない方からよく聞かれるが、もちろんJ2は立派なJリーグであり、キングカズがやってくるように、J1とJ2はもはや紙一重といっていい。
今J1で優勝争いをしている鹿島アントラーズだって横浜マリノスだって、年間の成績が悪ければあっという間にJ2に降りてくる。現に浦和レッズは1回J2に落ちた。しかも現役日本代表の小野伸二を擁しながら。そして小野は1年間J2で戦いながら日本代表にも出場した。
来年にはそういうバリバリのJ1チームとザスパが戦う事だってあり得る。
もちろんJ2で2位以内、もしくは3位に入り入替戦に勝てればJ1にも上がれる。
(正確には今はまだスタジアムの問題などがJ1入りには満たないかもしれませんが)


Jリーグ入りという大きな壁

このように、あらゆる権限、可能性が既に与えられるのがJリーグであり、ザスパは幸運にもこの位置に最短で辿りつくことができた。

国内にはまだまだたくさんのJリーグ入りを目指しているアマチュアチームが数十とある。
Jリーグという”プロ”の資格を得るために、JFL以下のアマチュアリーグで頑張っているチームがいかに多い事か。
しかしJリーグに入るためにはサッカー協会の規定する様々な条件をいくつもクリアしないといけない。
スタジアムの規定を満たすための改修など、自治体からの支援、協力が不可欠であり、1企業の私設クラブチームではなかなかそこまでの”本気”の条件を揃えられない。
昔から大塚製薬などは四国No.1のチームとして長年JFLで戦い、そしてようやく悲願のJリーグ入りをザスパと共に果たした。
更にJリーグ創立前から強豪、名門として何人もの日本代表を送り続けた本田技研、今のホンダFCなどは未だにJFLでの戦いを余儀無くされている。
ザスパは昨年ホンダFCの最終戦にまさかの0−3の敗北を喫し、3位でJFLでの戦いを終えた。
本来なら2位のホンダがJ2に上がるべきなのだが、ホンダはJリーグ入りの条件を揃える事が間に合わなかったため、幸運にもザスパは3位なのにJ2入りを果たせた。

スタジアムの問題、自治体の協力体勢など様々な条件が必要なJリーグ入りはこのように大きな壁である。どんなにアマチュアで勝とうとも、その壁を超えない限り、Jリーグ入りはかなわない。
そこには大きなプロとアマチュアの壁を感じる。


奇跡的に群馬が手に入れた宝物

しかし、ザスパはその壁をあっさりクリアし、Jリーグ入りを果たせた。
様々な幸運が、サッカー協会の方針の変更など世の中の流れがザスパに味方した。
それはまさに奇跡としか言い様がない。
つい数年前まで群馬のサッカー関係者、ファン、サポータの誰もが、まさかここまで早くこの幸運を手に入れられるとは思ってもいなかった。
ホンダのようにどんなに勝とうとも叶わなかったその夢を、ザスパは手に入れる事ができたのだ。

同じように未だプロスポーツを持てない地域のファンやチームから垂涎の的であるのがザスパなのだ。

もうザスパは後ろを考える必要はない。
このままJ2の中で力を付けて行き、そして勝ち進めれば、勝ちさえすれば数年後にはJ1にも上がれる資格を得る事ができたのだ。



ザスパを失う事の意味の大きさ

これがどれだけ幸運なことか、幸せな事か群馬県民は理解する必要がある。
そして、この幸運を無に帰すような事があれば、もう何十年も群馬にプロスポーツがやってくる事も無いであろう事を認識する必要がある。

この先、どんなに前橋育英や前橋商業が全国選手権で活躍し、優勝しようとも、地元群馬にはJリーグチームがない。選手達は全国の他のJリーグチームへ出稼ぎに行かざるを得ない。
自分達のサッカーが大好きな子供達が、ハイレベルなプロのサッカーを群馬県内で直接観る機会もなくなる。
そんな群馬の子供達の夢が、希望がザスパの消滅と共に消えるのだ。

たとえサッカーに興味がない方であっても、これは決して無関係な話しではない。
群馬の明日を左右するビッグプロジェクトがザスパ草津なのだ。


群馬全体で考える必要のあるザスパ存続への道

これまで書いた事をもっと群馬県民全体が理解し、サッカーを知る人、知らない人、老若男女とも、意志を統一してザスパを盛り上げる必要がある。
辞任の際に賢持社長がコメントしたとおり、ザスパは県民みんなから愛され、協力してもらわないと存続していけない。

ザスパが盛り上がれば、当然その経済効果は高い。ザスパとうまく協働できれば例えば前橋市街地の活性化にも繋がる。
もっと県外からも客を呼べるようになれば交通費、食費、観戦料など多大な利益を群馬県は得る事になる。
ザスパの盛り上がりを逃す手はない。
全国へ宣伝広告をタダで出来る事もプロであるがゆえだ。
これまでも、これからもマスコミは勝手にザスパを、草津を、群馬を取り上げてくれる。
それを見のがす手はない。
いや、見逃してはならない。

プロであるがゆえ持つロイヤリティー、多大なる価値、可能性。



みんなで支える必要性

これほどの意味を持つ、ザスパのせっかくのJリーグ入りを、多少観戦料が高かろうと、負けが続いていようと、スタジアムに足を運ばない事がどれだけの損失を与える事か。

逆に言えば、今ザスパの試合にいくばくかの観戦料を落として行く事は、行く先々の群馬県全体の将来に必ずプラスになる事を、その意味を知って欲しい。
今はまだいない自分達の子供が、もしかしたら10年後ザスパから多大な影響を受けるかもしれない。ザスパ効果により成長した群馬の企業で働く事になるのかもしれない。

このように群馬の将来のために、今はザスパを盛り上げる必要がある事をみんなに知って欲しい。

奇跡的に手に入れたこの幸運。
そしてそれを一度失ってしまった場合の気付いてからでは遅い多大なる損失。

一度FLUGELSを失っている自分としては、もうこれ以上失いたくはない。
そして賢持社長の辞任は既にそのカウントダウンが始っている事を明確に示唆している。
その危機感を群馬は認識すべきだ。

ザスパを愛する事は群馬を愛する事。
ザスパを救う事は群馬を救う事。
全ての物事は通じている。
誰も無関係でない。
ザスパがこの先破滅の道を歩むのなら、群馬の未来は相当暗いものとなるだろう。


(2005.08.14UP)






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