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ルヴァンカップ1回戦を制したが・・・どう連戦を乗り切るか??大槻ザスパ
開幕からホーム鹿児島戦、アウェイ熊本戦と九州勢2連戦で2引き分け発進となっている大槻ザスパは、リーグの合間に開催されたルヴァンカップ1回戦で相模原と戦い、延長にもつれこむ苦戦を強いられながら、延長戦でのゴールで波に乗り、初のルヴァンカップ初戦を乗り切った。
しかし、スタメンこそ控え陣中心で臨んだものの、苦戦する後半はMF6天笠やFW7和田晶士、FW40佐川、DF3大畑ら主力を次々と投入することとなり、さらにスタメンでもセンターバックの層の薄さを露呈するようにDF2城和、DF24酒井がフル出場することになるなど、多くの主力を使った上での連戦となる状況となってしまった。
特に、DF22高橋ユリヤが復帰していればルヴァンカップでスタメン確実だっただろうに、姿を見せない事は・・・そんな選手が他にもFW18岩元ルナ、DF4船橋、DF5エドオジョンといった面子に見られ、公式発表こそないものの、ここら辺の選手はまだコンディションが厳しいことがよくわかった。
かたやルヴァンカップでの収穫といえば、やはり攻撃陣ではないだろうか。
2トップのFW23平松、FW9北川はまあ昨年度からと同じ通常営業だったが、両サイドの右のMF41永長鷹虎、左のMF17山中の2人のアタッカーは、明らかにこれまでの開幕2戦とは全く違うザスパの攻撃のあるべき姿を前半から見せてくれた。
特に山中の縦への突破の能力は昨年まででもわかっていたものの、開幕2戦は5分間や10分間といったわずかな出場時間しか与えられていなかったMF41永長鷹虎のプレーは目を見張るものだった。
やはりサッカーとはこうあるべきではないか・・・
なぜ大槻監督のザスパは前半を極端に面白くなく、ただただ相手をゼロに抑えることしか考えない、あまりにつまらないサッカーにこだわるのか・・・
本来のザスパ攻撃陣の力をもってすれば、あれだけ面白いサッカーが前半から出来るはずじゃないか・・・
連戦となる中、どうメンバーを組んでくるかもあるが、大槻監督には是非とも前半から面白いサッカーで相手を圧倒して欲しいものだ。
そうでないと、いつまでも観客数も増えない。
大槻ザスパ、連戦とルヴァンで活躍の選手をどう扱う?
冒頭のプレビューで述べたとおり、連戦をどう考慮するかの大槻ザスパだが、やはり後半から出場し2得点と結果も出したFW7和田晶士には注目となるだろう。
あとはなるべくターンオーバー、つまり前節と同じメンバーがベースとなるだろう。
以上が試合前のプレビューだったが、やはりだいたい予想どおりのメンバー。
ただ、ベンチにはルヴァンで結果を出したFW9北川が入らないのが不可解。
ではどうやったらメンバーに入れると??
8高澤
7和田晶士
11杉本竜士 10佐藤亮
15風間宏希 6天笠
36中塩 3大畑
2城和 24酒井
21櫛引
ベンチには、FW23平松、FW40佐川、FW41永長鷹虎、MF17山中、MF27藤村怜、MF29田頭、GK42石井僚
優勝候補ジェフ千葉
昨年小林慶行監督の元で6位に入りプレーオフも戦い大いに躍進したジェフは、ほとんどの主力が残りながら更に戦力が補強され、昨年トップ下で大活躍した風間宏矢がスタメンで出られないほどに戦力が増し、前節も難敵藤枝相手に4−0の快勝を収めている。
この清水に並ぶ優勝候補ジェフに対して、いかに戦えるかは今季の大槻ザスパの一つの指標となる。
以上がプレビューだったが、警戒していた藤枝から移籍してきたMF横山はアクシデントがあったのか、風間宏矢がスタメン。風間宏矢と風間宏希はまさに兄弟対決となる。
10小森
8風間宏矢
14椿 7田中和樹
33エドゥアルド 4田口泰士
67日高 2橋壱成
13鈴木大輔 22佐々木
1藤田
ベンチには、FW9呉屋、FW39新明、FW20高木俊幸、MF5小林祐介、MF11米倉、DF40メンデス、GK23鈴木椋大
風上ホームなのに圧倒される
相変わらず前半は低調なザスパ。
風上のピッチだというのに、まともに攻撃できず防戦が続く。
前半10分過ぎからようやく押し込めるようになり、13分にはFW7和田晶士のカウンターから遠目からでもシュートを放つが、これはGK藤田が抑える。
風が強いが、完全に北風というわけでもなく、双方苦労している様子。
その後、風上なのになかなか攻撃できないザスパ、20分には左サイドからMF14椿の高速クロスがゴール前を危うく通過し、22分には右サイドのクロスからMF33エドゥアルドのヘディングシュートをGK櫛引が左手一本でかろうじてCKに逃げる。
ついに力尽き先制される・・・
本当にワンサイドゲームが続き、29分にはDF2橋壱成のミドルシュートからリフレクションがあり、GK櫛引がかろうじてファインセーブではじく。
この左CK、MF4田口泰士のキックからゴール前でMF33エドゥアルドのヘディングシュートを一度はGK櫛引が止めるも、そこからDF22佐々木に頭で再度押し込まれゴールを決められる・・・
・・・・・・・・・・・・・!!!!??????・・・・・・・・・
やはりか・・・
サブ主体だった相模原とのルヴァンカップの前半とはまるで違う熊本戦と同様のワンサイドゲームの中での押し切られる形での先制点献上・・・
これのどこが戦術なのか。
守るだけの前半にいったい何の意味があるのか。
やはりルヴァンカップでみせた鷹虎、山中の両サイドからの攻撃、あれが本来のザスパではないのか。
城和痛恨のミスから追加点献上・・・
先制を獲られたあともワンサイドゲームが続き。このままでは・・・もう前半から鷹虎を出すくらいしないと・・・と思っていた矢先の38分だった。
右サイドからMF8風間宏矢に押し込まれ抜けてきたところをDF2城和がクリアできるところをゴールライン際でのボールの処理をとまどってしまい、そこの隙を突かれてMF8風間宏矢に拾われて決定的な折り返しを入れると、そこからファーに送られ、MF14椿に難なく押し込まれる・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おいおい、前半に2失点はあり得ないだろう!!!
城和の判断ミスによる失点があまりに痛すぎる・・・
それにしても、ついに露呈したかといった感じ。
昨年も秋過ぎの2/3のシーズンが過ぎた頃から、前半は攻めてこないザスパのやり方を研究され、どんどん押し込まれてついには残り3試合を3連敗で終わったザスパだが、まさにその停滞感しかないザスパがまざまざとこの試合で結果として出てしまっている。
つまりは鷹虎や山中のような縦にいく選手はリスクが高いので前半は縦にいかない杉本、佐藤亮、大畑らに任せているわけだろうが、結果的に杉本や佐藤亮などもほとんど活きてないし、結局何のための前半なのか意味がわからない。
大槻采配の疑問点を露呈する良い試合になっている。
こうして最悪の2点ビハインドでの前半折り返しとなる。
後半は頭から山中、鷹虎、そして佐川の投入しかないだろう。
後半頭から猛攻を仕掛け高澤が1点返す!!!
後半頭からやはり選手交代、FW7和田晶士、MF11杉本竜士に代えて、FW40佐川、MF17山中を投入。
ジェフもなぜか選手交代、DF67日高に代えてDF40メンデスを投入。
すると後半開始直後から猛攻のザスパ、開始1分過ぎで右サイドからDF3大畑が攻め込み、入れていったクロスからシュートをいったんGK藤田がMF17山中と交錯しながらはじき、さらにニアでFW40佐川が飛び込み、その裏に入っていたFW8高澤が見事にゴール右に決める!!
GOOAALLLL!!!!
まさかもう1点返すとは!!!
なぜ前半からこれが出来ないのか・・・
もっと出来るはずだ、前半から・・・
この1点で千葉も目が覚め、いきなり押し込まれFKとなると、こぼれ球からのミドルシュートが枠の左下を捉えるも、GK櫛引さすがのファインセーブ。もう何点止めているか・・・
7分にもザスパは右サイドからDF3大畑のクロスが中央に入り、押し込んだFW40佐川のシュートは入ったかに見えたが、なんとバーの左を直撃!!
惜しい!!!
さらに14分、右FKから入れていったクロスからゴール前であと一歩まで詰めるも惜しくもゴールならず。
鷹虎投入で再び押し込むも追加点を獲られる・・・
その後は千葉に再び押し込まれる時間帯も増え、ここで早く鷹虎を!!と念を込めていた25分、ついにFW10佐藤亮に代えてMF41永長鷹虎を投入!!
ジェフも厄介だったMF14椿に代えてFW2高木俊幸を投入。
30分、左FKを掴むと、MF41鷹虎の相変わらずの伸びのある左足のキックからゴールを襲うが、惜しくも先にはじかれる。
やはり風間宏希、佐藤亮よりも鷹虎のキックが一番の精度だと確信する。
32分、ジェフはMF8風間宏矢に代えてFW9呉を投入。
33分、左サイドからMF17山中のクロスがファーに流れ、これにMF41鷹虎が反応し折り返すも先にブロックされる。
35分、左サイドから再度山中がクロスを送ると、ニアに飛び込んだDF3大畑があと一歩のところまで詰める。
大畑のこういった思い切ったゴール前への仕事は相変わらずの迫力だ。
38分、ジェフはDF2橋壱成に代えてMF11米倉を投入。
39分、ジェフに右サイドから押し込まれクロスからのヘディングシュートをGK櫛引がファインセーブでふせぎ、いったんクリアするも、そこからセカンドでミドルを撃たれ、ゴール前でいったん収まってしまい、FW10小森に押し込まれる・・・
・・・・・・・・・・・・・!!!!??????・・・・・・・・・
なんと・・・さすがに3失点目は厳しい・・・
やはり前半の2点が余計過ぎた。
ザスパはMF15風間宏希、DF3大畑に代えてFW23平松、DF29田頭を投入しパワープレイに出る。
試合は6分のアディショナルタイムに入るが、ジェフの選手がかなり長い間倒れていたので、さらにロスタイムは長めで9分近く戦うが、ジェフも何度も選手が倒れたりわざとファールをもらってFKをもらって時間を稼ぐなど試合巧者ぶりをみせ、時間は過ぎて1−3の惨敗で試合は終わる。
前半守るだけの戦いは完全に手詰まり
この試合でハッキリしただろう。
誰でもわかる。
昨年から続いている、前半はとにかく守ってゼロに抑え、後半勝負という戦術が、いつまでも通じるわけがない。
実際問題、昨年の39節アウェイ水戸戦以来、ルヴァンカップでも90分では1−1の引き分けだったわけであり、ザスパは3分4敗、かなり長い間、90分間で勝てていないという事実をまずは認識するべきだ。
攻めてこないのがわかっているわけだから、相手としてはとにかく前半で勝負を決めにくる。
事実、昨年までは前半で先制を獲られることは少なかったが、今シーズンは既に熊本と千葉から前半のうちに先制を獲られ、ルヴァンカップではJ3相模原からも前半に先制をとられている。
豊富な攻撃陣をいかに活かせるか・・・
かたや、この試合、後半から左サイドにMF17山中が入った後のチームの激変ぶりは強烈なインパクトを与えた。
ルヴァンカップでもスタメンに左にMF17山中、右にMF41永長鷹虎が入ったことでの、あの前半の攻撃の素晴らしさは歴然のものがある。
後半、いきなり1点返したとおり、本来今シーズンのザスパはあれだけやれる攻撃の力があるというのに、なぜ前半はとにかくゼロに抑えることだけを狙い、縦を狙うことはかなり制約され、まるで攻撃になっていない。
ところで縦にいくことでボールを獲られ、そこからカウンターを喰らうことを警戒しての前半の作戦なのだろうが、だったらスタメンでMF41永長鷹虎くらいは入れるべきだ。
鷹虎の場合は2、3人に囲まれてもボールをキープし、滅多にボールを失わない、奪われたとしても下手に前に突っ込んですぐにボールをロストするようなカウンターを与えるようなタイミングでは決してボールを奪われない、大槻監督の前半は下手にボールをロストしない作戦にも合うはずだ。
さらに言うなら、明らかにFW7和田晶士が最大に活きるのは、MF41永長鷹虎と組ませた時だ。
鷹虎がボールをサイドで圧倒的にキープするため、そこに和田晶士が絡むことでボールを高次元で交換することもでき、鷹虎への1人のマークが2人になると相手は手に負えなくなり、さらにここにDF3大畑らが絡めば必ず突破できる。
今のまま和田晶士がスタメンを張るのなら、一緒に鷹虎も組ませるべきだ。
そして後半は佐川ら別の組み合わせで別の攻撃を仕掛けられるようにすればいい。
そこには佐藤亮だったり、山中だったりもある。
できればスタメンから左に山中も使うなら、サブに回ることになる杉本もいるし、怪我から復帰すればMF5エドもいる。
とにかく、攻撃陣は昨年より明らかに層が増し豊富なのに、それが全く活かせていない。
問題は変えようとしない大槻監督のマインド
明らかになってきた、今年の攻撃のポイントである左のMF17山中、右のMF41永長鷹虎という2人のアタッカーをどう最大限に活かしながら、前半からいかに戦えるチームとなり、そして後半にもさらに相手を圧倒できる試合を展開できるか。
そして怖いのが、そういった明らかな改善点がわかっていながら、変化を嫌い踏み込むことを嫌う大槻監督は、次の試合でも普通に、何のメンバー交換もなく、いつも通り前半はわざと抑えて戦うのではないかということ。
こういった改善点にすぐに着手できるかが、いわゆる名将、智将との差だろう。
もう一度言おう。
もはや前半守るだけのサッカーなんて、通用するわけがない。
今変革できないと、昨年終わりの3連敗と同じく、ズルズルいくだけだ。
全ては大槻監督のマインドにかかっている。
(24.3.10)
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