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昨年と同じ負けないサッカーに固執するのか??大槻ザスパ
シーズン最後までプレーオフ圏内を狙える位置で戦った2年目の主力がほぼ残り、そこにさらに攻撃陣の新戦力がドンと加わったことで、いよいよ夢のプレーオフ圏内の期待がかかる大槻ザスパ3年目の開幕となったが、前半の内容はまさに昨年の試合のトレースであり、とにかく耐えて耐えて耐えまくる、ゼロにさえ抑えられればそれでOKといういつもの大槻ザスパの前半となった。
それに対して後半頭からフィジカルモンスターFW40佐川を投入すると、その圧倒的な前線での存在感から帰ってきたエースFW8高澤へのマークが薄れ、高澤が途端に生きるようになり、後方からも佐川と高澤がダブルターゲットとしているので多少ラフでも前線へボールを供給しやすくなった。
さらには左にMF17山中が加わると縦への推進力が加わり優勢に転じたが、しかし下手に先制を獲ったことで大槻監督の交代策が停滞し、結局終盤に同点に追いつかれてからの後半40分にようやくMF41永長鷹虎とFW7和田晶士の切り札2枚を投入という、あまりに遅すぎる後手を踏んだ采配となったことが本当に悔やまれるドローとなった。
あの永長鷹虎と和田晶士のダブルアタッカーが投入されてからの、わずか10分足らずのザスパ劇場は本当に痛快であり、あと投入が10分、いや5分でも早ければ決勝弾で突き放せる可能性は十分あった。
それだけの破壊力を開幕戦終盤のザスパは魅せてくれた。
大槻監督は、決してFW40佐川らの個人の力だけでなく、前半に捨て石となって泥臭く守った積み重ねがあってこそのものと、前半の戦いぶりも讃えたわけで、まあその側面は否定する気はないし、実際昨年はその退屈過ぎる前半を捨て石にする戦い方によってシーズン終盤まで一度も連敗をしない粘り強い戦い方であれだけの勝ち点を一歩一歩積み上げてきたのも事実。
だが、その引き分けベースの戦い方では、結局のところ自ら点を獲り、勝ち点3をとりにく、本来の昇格を狙うべきトップチーム達には追いつかないという事もまた事実。
なぜあれだけの攻撃のカードがありながら、後半40分まで使えないのか、昨年あれだけ大槻采配の犠牲となってきたMF14白石智之やFW18岩元ルナ、MF41田部井悠ら、極端に冷遇されたサイドアタッカー達の二の舞になるのかといったところ。
私はプレーオフ圏内に入るためにも、勝ち切るサッカーを、ワクワクする、観客を呼び込むサッカーを期待したいし、それがプレーオフ圏内を狙う一歩になるはずと確信する。
大槻ザスパ、開幕からのメンバー入れ替えは??
以上、冒頭に書いたとおり、開幕戦の攻撃陣の前半と後半を見れば、本来得点を狙いにいくメンバーはどうあるべきかは明らかであるが、それでもやはり昨年と同じだと、前半はとにかく守るんだというならばメンバーは変えないだろうし、確かに新戦力たちをもう少し活かすかとなればメンバーを入れ替えるだろう。
結果としてメンバーでの入れ替わりとしては、スタメンでFW23平松に代えてFW7和田晶士が入り、ベンチでは右サイドバックとしてDF4船橋に代えて大卒ルーキーながら昨年も特別指定で実績のあるDF29田頭を入れる。
8高澤
7和田晶士
11杉本竜士 10佐藤亮
15風間宏希 6天笠
36中塩 3大畑
2城和 24酒井
21櫛引
ベンチには、FW23平松、FW40佐川、FW41永長鷹虎、MF17山中、MF27藤村怜、MF29田頭、GK42石井僚
大木武率いる熊本
チームの主軸、MF平川怜のJ1ジュビロへの移籍と、右サイドアタッカーのMF島村拓弥がJ1柏に抜かれたのはかなりダメージがあると思われるが、5年目となる大木武監督のこれまでの実績を考えれば、そこそこ戦えるチームに仕立て上げていると思われる。
特にトップ下に入る形のFW18石川大地は昨年J3鳥取で15得点を挙げた実力者であり、要注意となる。
11ぺジョンミン
19古長谷 18石川大地
13岩下航 10伊東俊
21豊田歩 8上村周平
3大西 24江崎 5阿部海斗
1田代
ベンチには、FW20大崎舜、FW9大本、FW30東山、MF4藤田一途、MF17藤井、、DF6岡崎慎、GK23佐藤優也
狭いところでもパスを通してくる熊本
立ちあがり、左サイドからFW7和田晶士、MF11杉本竜士を中心に攻め込んだザスパだが、その後はホーム熊本に手数をかけられ攻め込まれ、実質5バックと2ボランチでバイタルを固めるザスパに対して狭いところをどんどん細かいパスで通してくる熊本、6分にはゴール前の密集地帯に速いボールを入れられ、そこにMF13岩下航が詰めてのシュートはわずかにバーの右を逸れていく。
いったん熊本の猛攻がやんでから、今度はビルドアップから攻め上がったザスパの裏を突き、17分には速攻からFW19古長谷に左サイドから攻め込まれ、強烈なシュートを浴びるも、GK櫛引がファインセーブで食い止める。
20分、熊本が子気味良く中盤でパスを回し、MF8上村に持たれたところで後方からスライディングでボールを奪いにいったFW8高澤にイエローが提示。
22分過ぎにも後方から一気に右サイドにパスを展開され、MF10伊東俊の折り返しからFW18石川大地のシュートはわずかにブロックしCKに逃げる。
相変わらず前半は薄氷の守備が続くザスパ。
え??オフサイドなのに熊本が先制・・・
その後も主導権はずっと熊本のままの中、35分に右CKを与え、MF21豊田からのキックの流れから一度は跳ね返すもセカンドを繋げられ、後方から再びMF21豊田が上げた左足からのクロスに一気にゴール前になだれ込んだ熊本選手達の中でFW18石川大地にヘディングを決められる!!
・・・・・・・・・・・・・!!!!??????・・・・・・・・・
え??あれってオフサイドじゃないの??
リプレイをみても、明らかにザスパDF陣より2、3人は前に熊本の選手が出ている中で、なぜあれがオフサイドじゃないのか???
これにはGK21櫛引らも審判団に猛抗議を送るも、残念ながらVARが無いJ2、ゴールはそのまま認められ先制という形になってしまう。
まあ仕方ない、J2ではよくあること。
ここは後半にかけて一気に巻き返していくしかない。
その後は中盤の守備のところでMF11杉本竜士にもイエローが与えられ、ますます窮地に立つザスパ。
熊本も前半最後まで前線からのプレスが弱まらず、なかなか攻撃に転じられないままタイムアップとなり、前半は1点ビハインドで折り返しとなる。
もともと、前半はいかにゼロに抑えて折り返せるかがポイントの大槻ザスパ、今季はじめて先制された中、はたして後半に巻き返せる力を示せるか。
後半も防戦一方のザスパ、佐川、山中を投入
後半に入っても特に選手交代が無いザスパは、やはり熊本に主導権を握られる展開は変わらず、2分、早速熊本に右CKを与えると、こぼれたところをFW19古長谷がワンバンドでダイレクトにシュートを放つも、わずかにバーの右。
5分、この状況を打開しようとDF2城和が相手の前線からのプレスを逆手にフェイントでかわすと、一気に中央を上がり、一度MF6天笠に預けて更に自ら上がっていく積極的な姿勢も見せる。
昨年、DFラインのパス回しでボランチへのパスコースを全て防がれた時に、自ら中央から上がる作戦に出ていたが、城和は徐々にこのリベロのような技を得意にしようとしているか。
7分、FW8高澤に対して遅れて体当たりにいったDF24江崎にもイエロー。
この試合もかなり両チーム、カードが増えている。
その後も10分には左サイドから与えたFKから、ゴール前の密集地帯でMF10伊東俊に至近距離でシュートを撃たれるなどピンチが続くザスパ。
13分にも右CKを当たると、いったん左サイドに移り、MF13岩下航からのクロスにゴール前でドンピシャでDF24江崎にヘディングシュートを撃たれるも、奇跡的にGK21櫛引の正面でどうにか助かる。
ここでようやくザスパは1回目の選手交代、FW7和田晶士、MF11杉本竜士に代えて、FW40佐川、MF17山中を投入。
前線に明らかな佐川という大きな指標が入り、そして左サイドでは積極的に前を伺う山中の存在により、ようやく主体的に攻撃に転じられるようになるザスパ。
この試合においては後半頭からこの形でも良かったのでは、と思えるほど前半はこういった形がほとんど見られなかった。
やはり前半のような戦い方は閉そく感しか感じない。
佐川、山中、そして鷹虎、田頭も投入し反撃に出るザスパ
熊本も相変わらず攻撃の切れ味は鋭く、左サイドにボールが渡るとFW18石川大地が切り返しから右足での巻いていったシュートはギリギリGK21櫛引が指先に当ててCKに逃げる。
26分、左サイドから上がったクロスに一気にゴール前に詰めたDF3大畑との交錯から相手のクリアが跳ね返りあわやオウンゴールになりそうだったが、惜しくもバーの右。
開幕戦でも見せた大畑の積極的なゴール前までの攻め上がりが見られるようになる。ようやく佐川らの投入により前線に上がる時間が出来たからだろう。
29分には左サイドでMF17山中が上下へのフェイントで仕掛けクロスを入れると、跳ね返りをMF6天笠がミドルを狙うも、惜しくもバーの左上にふかす。
情勢が変わってきた熊本は選手交代、FW19古長谷に代えてMF17藤井を投入。
31分、その藤井が左サイドから突破するとゴール前で混戦に持ち込まれ、FW18石川大地のシュートをどうにか城和らがブロック。
35分、ザスパは2回目の交代、FW10佐藤亮、DF3大畑に代えて、MF41永長鷹虎、DF29田頭を投入。
鷹虎の投入により右サイドも活性化されたザスパは両サイドから攻め込むようになり、43分、左サイドでMF17山中がもらったファールのFKからこぼれ球を山中の左足からのシュートはわずかにバーの左を外れる。
劇的なFW40佐川の同点ゴールでドロー!!!
試合はそのまま5分のアディショナルタイムへ入る。
右サイドからDF36中塩がロングスローを入れるなど、とにかく同点ゴールを狙うザスパ。
昨年は中塩、そんなにロングスローを投げている印象は無かったが、今季は中塩のロングスローは武器の一つにする様子。
しかし時間は仕方なく過ぎていく中、この試合はあのしょっぱいオフサイドのジャッジミスからの1点で惜敗か・・・と覚悟を決めてきたロスタイム3分だった。
MF15風間宏希の展開から右サイドでこの試合、ようやくはじめてマイボールに出来るボールをもらったMF41永長鷹虎がついに発動し、相手マークを上下に揺さぶるフェイントで翻弄すると、風間宏希に再度渡ったボールから風間宏希が入れていったゴール前へのクロスのこぼれをゴール前右でDF29田頭が拾い、中央に折り返すと、これにFW40佐川が右足を振り抜き、見事にゴール左下に決まる!!!
GOOAALLLL!!!!
よく決めた佐川!!!
まさかその高さからの頭ではなく、利き足の左ではなく、まさか右で決めるとは!!!
そしてこの攻撃の起点となった、MF41永長鷹虎のドリブルフェイントも素晴らしく、鷹虎のフェイントにより熊本守備陣全体にギャップを作り出し、そこに隙を作ったことで風間宏希のクロスにも繋がり、大いに揺さぶった。
鷹虎の投入は開幕戦後半40分から、この試合は後半35分からだが、本来後半10分くらいから投入するくらい、時間を与えたいところ。
こうして佐川の劇的ゴールで同点に追いつき、そのまま試合はドローとなり、苦手とする熊本アウェイで貴重な勝ち点を手に入れることとなった。
2試合連続ドロー、相変わらず問題の前半、まだまだ攻撃陣はこんなものではない。
やはり前半が問題過ぎる。
なぜ守り主体なのか。
なぜ攻める気がないのか、点を獲ろうという作戦ではないのか。
とにかく前半はゼロで抑える、それが全ての戦いのベースという戦い方で昨年は連敗をしないチーム作りをしたところだが、この試合のように前半に点を獲られると一気に作戦が瓦解してしまう。
開幕、そしてこの試合を観ても、どう考えても左サイドのスタメンは本来はMF17山中ではないだろうか。
そしてさらに二の矢、三の矢でFW18岩元ルナのような活きの良いサイドアタッカーをぶつけるのではないだろうか。
上記のとおりMF41永長鷹虎の投入時間も明らかに遅すぎるし、今日結果も残したFW40佐川をもっと有効に使えないのか、最後の投入はFW23平松ではなく、MF27藤村怜を実践で少しでも使うべきではないのかなど、攻撃陣の采配に関する不満があまりに多いし、いくらでも改善すべき事項はある。
今季のザスパ攻撃陣の本気はまだまだこんなものではない。
これだけの新戦力が加わりながら、なぜやり方が昨年と同じ焼き増しなのか。
大槻監督には本来のチームの力を引き出して欲しい。
難しい試合を2試合連続ドローで乗り切ったのは確かに収穫ではあるものの、負けないチームではなく、勝てるチームに変貌し、プレーオフ圏内を目指して欲しい。
(24.3.3)
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