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ザスパクサツ群馬

2024年2月25日(日)
J2リーグ2024シーズン第1節
ザスパクサツ群馬 VS 鹿児島ユナイテッドFC(ホーム)
観戦記 1−1

横棒


いよいよ大槻ザスパ3年目が開幕!!

シーズン前の下馬評では降格候補No.1だった昨年のザスパだったが、2年目となった大槻采配がズバリ的中し、リーグ屈指の堅固な守備陣による最少失点に抑えるサッカーでとにかく連敗をしない粘り強く戦うことで勝ち点を積み上げ、シーズン終盤まで夢のプレーオフ圏内にあと一歩届くところまで戦い抜いた大槻ザスパもいよいよ3年目となるシーズンが開幕する。

戦力としては躍進した昨年の主力がほとんど残る中、昨年のFW長倉がJ1新潟に抜かれて以降のアキレス腱となった得点力、決定力不足を受けて、かつてザスパをJ2に復帰させたエース高澤をはじめ、多くの攻撃陣を補強し、その攻撃陣の組み合わせは無限大となっている。

昨年のあの守備に、攻撃陣が点さえ決めれば・・・

否が応でも期待は高まるところだが、一方中位しないといけない点として、今シーズンからJ2もJ1とJ3と同じく20チームとなり、そして降格するチームは2チームから3チームに増えてしまう。

これまで22チームの中で、21位以下がJ3に降格していた中、今年からは20チームしか無い中で、18位でも落ちるということ。

明らかに今シーズンからの残留争いは体感的に倍厳しくなることが予想される中、ザスパとしては夢のプレーオフ圏内を狙いつつ、一方では一歩踏み外すと降格の危機も口を開けて待っているという状況を忘れてはいけないシーズンとなってくる。

そんな天国に行けるか地獄に堕ちるかという激しいシーズンの予感しかしない新たなレギュレーションでのJ2新シーズンがいよいよ開幕となる。

ちなみに2チーム減るということは、年間では4試合、リーグ戦が少ない38試合だけとなるわけであり、1試合1試合がこれまで以上に重要となるし、とにかく開幕から落とせる試合など無い。

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2024.2.25 正田醤油スタジアム
2024.2.25鹿児島との開幕戦
今シーズンからチームの呼称がザスパ群馬となり、チャントのいくつかもクサツから群馬にチェンジする中、GUNMAの名をゴール裏で掲げるコアサポータ



3年目大槻ザスパの注目スタメン

ザスパの開幕スタメンの予想として、まず中盤から下は昨年をベースに予想。
ただし昨年のボランチに若手のMF中田湧大をサプライズ起用してきた実績もある大槻監督、MF15風間宏希がしばらく負傷離脱中であることを考えると今年も新人1人くらいはスタメンにぶち込んでくる可能性もあり、MF35玉城あたりの起用も十分考えられるし、攻撃面を考慮するとMF27藤村怜あたりも考えられるが、まずはベテランのMF33細貝萌を開幕は固めに起用を予想する。
また個人的にはMF22高橋ユリヤがコンディションが戻っているなら是非開幕スタメンで観たいところ。

問題は2トップであり、ヴェルディからレンタルの巨漢でありフィジカルモンスターのFW40佐川の可能性も十分考えられたが、やはりここは帰ってきたエースFW8高澤と、攻撃陣の中では目玉補強であるFW7和田晶士との2トップも十分考えられる。

もしくは自分としてはいい加減FW10佐藤亮をトップ下に起用するべきと昨年か散々言ってきているわけであり、新シーズンになりこの辺の起用の仕方、考え、方針が少しは変わってはいないものかと期待はしたいところだが、果たしてどう出てくるか・・・


以上がプレビューだったが、スタメンになんとMF15風間宏希の名が!!
開幕に間に合ったか!!
2トップには予想通りFW8高澤と、トップ下は昨年同様FW23平松・・・平松にはもうトップ下は無理だと思うが・・・
そしてMF5エドに怪我の情報もあった右サイドにはなんと高山出身のDF3大畑がいきなりスタメン!!DF4船橋とのスタメン争いをまずは制したか。

基本的に昨年をベースに、まず開幕は手堅くいきたいという様子が見られる。



8高澤
23平松
11杉本竜士      10佐藤亮
15風間宏希 6天笠

36中塩             3大畑
2城和 24酒井

21櫛引


ベンチには、FW7和田晶士、FW40佐川、FW41永長鷹虎、MF17山中、MF4船橋,DF27藤村怜、GK42石井僚




久々J2復帰の鹿児島

2019シーズンにJ2に復帰したザスパと入れ替えでJ3に降格し、2020シーズンから2023シーズンまで4シーズンをJ3で戦った鹿児島とは2017シーズン以来の戦いとなる。

その昇格に導いた大島康明監督の采配はまだ観たことがないので未知数ではあるが、まずは残留争いが厳しくなるJ2での残留が一番の目標となるであろう鹿児島相手に、きっちり開幕から勝ち点を獲れるか、ここは注目の開幕戦となる。

目玉戦力としては岐阜からFWンドカ、清水からDF井林と実績のある選手を獲得しており、その他では徳島から前橋育英出身のウィンガーMF外山凌、山形から太田出身で桐生一で主軸となったMF田中渉を、FC東京からMF西堂をそれぞれレンタル獲得、特に外山凌には松本時代など苦しめられているため、要注意な戦力となる。

昨年は左サイドのMF36米澤が攻撃の軸だった様子であり、左サイドを米澤と外山凌で組まれると、ザスパの右サイドとしては対処に厄介なことになりそうだ。

セントラルMFとして田中渉が攻撃の舵をとり、左サイドからガンガン攻め込んで、中央にはンドカがゴール前で構えているというパターンにハマらないようにいかに対処できるか。

桐生一の田中渉がトップ下を務めるのが特徴的。



92ンドカ
21田中渉
36米澤令衣     11五領
8藤村慶太 27山口卓己
28戸根          14野嶽
6渡邉英祐 5井林

1泉森



ベンチには、FW46武星弥、FW34鈴木翔大、FW24藤本憲明、MF30木村祐志、DF3外山凌、DF23岡本、GK大野チョルファン





前半から押し込まれ、相変わらずのザスパ

いかにも開幕らしい手堅い立ち上がりから入ったザスパは10分、右サイドから鹿児島に入り込まれ、跳ね返ったところをMF21田中渉にシュートを撃たれ、かろうじて櫛引が右にはじき出す。

この精度の高いプレーができる田中渉がトップ下に入るシステムが非常に面白い鹿児島。
なんて魅惑的なシステムか・・・

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2024.2.25 正田醤油スタジアム
2024.2.25鹿児島との開幕戦
鹿児島の前線で躍動するMF21田中渉(中央)


その後も攻め込まれるのはザスパ、17分には左サイドからMF21田中渉のクロスから良いボールを放り込まれるが、MF11杉本竜士がヘディングでCKに逃げる。

23分、ようやくカウンターからFW8高澤が持ち込み、左足でシュートも惜しくも阻まれる。


前半全般的にだが、昨と同様、とにかく相変わらず低調。
ボールをやたらとゴールに近いペナルティ内で回すが、普通はこれは相手を喰いつかせてから裏を狙ってこそ意味があるのであって、結局縦にボールを出せないので、全く意味がない。

そもそも山中もエドもいないので、縦にいける駒が無い。
だからサイドから縦に攻め込めない。

相変わらず、この前半は何のためにあるのかわからない、とにかくゼロにさえ抑えられれば御の字の展開がずっと続く。

シーズン変わってもこれですが・・・やっぱり平松がトップ下の段階でだいたい攻撃の形としては終わっている。



前半はスコアレスで折り返し

41分、相手の左サイドからの攻撃を3人で囲みながらFW10佐藤亮がイエローと共にファールをもらうという対応の悪さも観られる。

このFK、ニアに放り込まれたボールにFW8高澤があわやオウンゴール。

続く右CKからこぼれたところを直接シュートを撃たれ、DF2城和が気迫の顔面ブロック。

前半終了間際、ようやく右からDF3大畑がスペースを前に攻め上がることができ、大きく左に展開するとMF11杉本がこれを見事に受け、再度ゴール前に折り返すも、これは大きくなりすぎ、そして再度大畑のところで相手DF14野嶽にイエロー。

こうしてあまりにも見どころの少ない前半はスコアレスで折り返しとなる。

後半、左に山中、右に鷹虎がいつの段階で投入されるかがカギとなるだろう。




後半、佐川投入で流れ変わり高澤の先制ゴール!!

後半、大槻ザスパは珍しくまだスコアレスなのに交代、FW23平松に代えてFW40佐川を投入。
鹿児島もDF5井林に代えてDF23岡本を投入。

後半開始後いきなり左CKを得ると、ファーでDF3大畑のヘディングは惜しくもGK泉森に阻まれる。

14分には鹿児島の左サイドがぽっかり空き、MF36米澤の狙いすましたシュートはかろうじてバーの右上で助かる。

16分、左サイドからのクロスにDF3大畑がヘディングで詰めて、さらにGKに詰めたところでイエローを受けるが、あれでイエローなのか??
さすがカードコレクター上原主審・・・

18分、ザスパは2枚目の交代、MF11杉本竜士に代えてMF17山中を投入。

すると20分、左サイドでFKをもらうと、FW10佐藤亮のキックからファーでFW8高澤がドンピシャで合わせる!!!

GOOAALLLL!!!!


この場面、GK1泉森が前に出ていきながら触れなかったのはミスだった。おそらく佐藤亮のキックの質が高く、思ったより球が伸びた形。
そこをドンピシャで決めるとは、さすが高澤!!!
移籍早々の開幕戦でいきなりの得点、やはりザスパの中においては高澤は持っている男だ。
このゴールの背景としては、後半投入のFW40佐川が効いている。存在感が半端ないため、特にこういったセットプレー時は嫌が応でも敵のマークが集まるわけだが、そうなると高澤などへのマークが薄まる。
高澤と佐川がゴール前で並ぶ迫力は今後も活きてくることだろう。

この直後に鹿児島は2枚目の交代、FW11五領に代えて、FW46武星弥を投入。



攻撃的な采配の鹿児島に対し消極的な采配の大槻ザスパ、同点弾を決められてしまう・・・!!??

前半圧倒的に攻めながら後半に手痛い先制を喰らった鹿児島はさらに29分にはFW92ンドカ、DF14野嶽に代えて、FW10藤本憲明、DF3外山凌を投入。

さらに33分にも立て続けに交代、MF27山口卓己に代えてFW34鈴木翔大と明らかな攻撃的な最後の交代を仕掛けてくる。

攻撃的な交代で明らかに鹿児島に流れが変わり、押し込まれはじめる。

こうなるとザスパもまだ2枚しか代えていないわけで、イエローをもらっているFW10佐藤亮に代えてMF41永長鷹虎、DF3大畑に代えてDF4船橋といったところの交代が考えられるところだが、ここで昨年までと同じく大槻監督の悪癖で、下手に1点リードしているものだから守りのベクトルにいってしまい交代が入らない。

すると36分、ザスパはDFラインのゴール回しのところでFW10藤本ら前線のプレスがはまった形でDF2城和からDF24酒井、そして酒井のMF6天笠へのパスのところで天笠が瞬時に囲まれてしまい、FW10藤本にボールを奪われると、藤本はそのまま右足を振り抜き、ゴール左上隅にズドンを決められる・・・

・・・・・・・・・・・・・!!!!??????・・・・・・・・・


うーん、痛恨だ・・・
相手は前線にフレッシュな選手が多いだけに、こういった勢いのあるプレスを仕掛けるのに対して、ザスパはあまりに腰が引き過ぎた。

やはり交代のカードを出し惜しみするから・・・
相手はカードを使い切ったのに、対応が遅すぎる。
ハッキリ言って大槻監督の采配ミスだ。
本当にガッカリな失点、相手の同点弾となってしまった。



遅すぎた鷹虎の投入

この同点弾を受けてあまりに遅すぎた3回目の交代、FW10佐藤亮、FW8高澤に代えて、MF41永長鷹虎、FW7和田晶士を投入。

すると右サイドでキープできる鷹虎を中心に急にチームが生まれ変わり、43分には鷹虎が何度もマークを相手に折り返し翻弄すると、中央の風間を経由して左に、左の山中のクロスから再度ゴール前に折り返し、こぼれたところをMF6天笠がクロスを入れると、ゴール前でのFW40佐川のヘディングがゴール左隅を捉えるが、これはGK1泉森がファインセーブで止める。

さらにこのセカンドを拾うと、ペナルティ内の鷹虎に渡り、鷹虎の前を向きながら仕掛けシュートを撃ちに行くという相手にとって一番嫌なプレーでゴールに迫る。

ザスパクサツ群馬vsブラウリッツ秋田 2024.2.25 正田醤油スタジアム
2024.2.25鹿児島との開幕戦
鹿児島DF陣をきりきり舞いにさせたMF41永長鷹虎


その後もしっかりとポストでキープできるFW40佐川から右の鷹虎、そして連動するように上がっていくDF3大畑という右の攻撃の形がハッキリ出来、これも鷹虎の高いキープ力と突破力にチームの期待が集まる証拠。

試合は3分のアディショナルタイムへ。

するとロスタイム2分、左サイドでMF17山中の折り返しからDF36中塩がダイレクトでクロスを上げると、ファーで待ち構えていたMF41永長鷹虎、利き足の左でのボレーで狙うも、押しくもミートせずバーの上をふかす!!

惜しい!!!鷹虎!!!
あれをミートできていればヒーローだったが・・・

こうして試合は終了し1−1のドローで終わりとなる。



攻撃に必要なものは明らかとなった

鷹虎、和田晶士の投入後のザスパの生まれ変わったような流動性の嵐、攻撃の鋭さは本当に素晴らしいものだった。

なぜあれが後半40分からだったのか、まさに昨年までのMF14白石智之の投入がいつも遅すぎることへのジレンマを、この日の鷹虎と和田晶士に感じた。

とにかくMF41永長鷹虎のキープ力、突破力は素晴らしい。
明らかにJ2のレベルとは違う。
そしてそれに連動できるように和田晶士の機動力のある動きも素晴らしく、鷹虎と和田晶士のアタッカーコンビは今後も楽しみなものとなる。

当然左サイドのMF17山中もそうであり、本当にこのアタッカー陣の起用を後半にしかできないものなのか、なぜ相変わらず前半はあんなにつまらない試合しかやろうとしないのかがわからない。

監督のコメントも、後半の攻勢は前半に巻いてきた種が実ったものと、昨年と同じく前半はとにかく守ってゼロに抑えるのが重要であることを示唆しており、大槻采配の根底はこの無駄に思える前半にあるのだろうが、それではいつまでたってもこの試合のように同点止まりで、プレーオフのための勝ち点3をとっていくことには繋がらない。

まあ前半をとにかく抑えていきたいのはいいとしても、とにかく後半の交代のカードはしっかりと早めに切ってもらいたいものだ。

鷹虎にあと5分、10分長く時間を与えてやれればと思ったし、あと交代枠を4枚しか使っていないわけであり、DF4船橋やMF27藤村怜といった新戦力も是非観たかった。

高澤が活きることとなったFW40佐川といい、とにかく後半からの攻撃陣の方が魅力的なことは確かであり、この明らかな攻撃に必要なものをどう大槻監督は考えるのか。

自分はやはり魅力的なサッカーを観たいし、そして勝ち切ってプレーオフ圏内を狙って欲しい。




(24.2.25)





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