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ザスパクサツ群馬

2023年9月9日(土)
J2リーグ2023シーズン第34節
ザスパクサツ群馬 VS V・ファーレン長崎(アウェイ)
観戦記 1−2

横棒


11試合負けなし中の大槻ザスパ、プレーオフ圏内を賭けて地獄の長崎アウェイに挑む

11試合を4勝7分と、6月11日以来、もう3カ月負けなしの大槻ザスパ。

その間にホーム金沢戦で前半31分、そして次のアウェイ藤枝戦は試合直前と、なんと史上初の2試合連続の落雷による中止となったわけだが、その2試合消化試合が少ない中で勝ち点48で7位岡山から8位ザスパ、そして山形、甲府、千葉と5チームがプレーオフ圏内まで2差と詰め寄っているわけであり、例えば2試合の再試合のうちで勝ち点3をとれば、5位の長崎勝ち点51にも並ぶわけだ。

もう他のチームが残り9試合となる中で、ザスパはプラス2試合分の勝ち点の可能性も残しながらの、この奇跡的な位置に付けているチャンスは、本当に凄いことだ。

その夢のプレーオフ圏内に入るためにも、5位長崎を直接叩く絶好の機会が今節となる。

長崎といえば本当に天敵であり、昨年まで1勝1分14敗の相手だったが、今シーズンは前半戦のホームでMF5エドの切り返しのボールからFW10佐藤亮が先制点を挙げ、その1点を守り切る形で久々の勝利を挙げ、通算対戦戦績を2勝1分14敗としている。

11試合負けなしを支える、前節も首位町田を零封したリーグ屈指の鉄壁を武器に、昨年まで圧倒的な天敵であった長崎、それもこれまで4失点ばかりしてきたアウェイ長崎の地で、果たして大槻ザスパは真の力を示せるか。

今節のアウェイ長崎、そしてついぞ勝ったことが無い水戸とのケースタ、最終節の現在6位の大分とのアウェイと、この鬼門中の鬼門である3つのアウェイでどう勝ち点を稼げるかが明らかにプレーオフ圏内に入れるかの全てを握っていると言える。

正直、この3つの鬼門アウェイを全て引き分けでしのげれば、それだけでプレーオフ圏内がグッと近づいてくるが、できれば5位長崎、6位大分は直接叩きたいし、今シーズンは北関東ダービー3連勝を上げているザスパにとっては、水戸から勝ち点3も奪いたい。

ただし、その5位長崎、6位大分との直接対決で、相手に勝ち点3を与えることだけはあってはならない。

まさに引き分けなら勝ったと同じ戦いが今節のアウェイ長崎戦といえる。


攻撃陣にスイッチが入れられるか?

注目点としては、やはりエースFW28長倉が抜けた後、得点力が半減している感のある攻撃陣。
最近の試合で目に余るのは前半であり、ほとんどシュートも撃てない試合が続いているわけだが、怪我から復帰したFW13武颯や、ここ最近やたらとキレを増しているMF14白石智之や、MF17山中といったアタッカー達をもっとスタメンから使うような手を加える事を望んでやまない。

特に白石智之。
今の白石をトップ下に置き、右のFW10佐藤亮、左のMF47杉本竜士と絡ませれば、恐ろしいほどの攻撃力を発揮してくれると思うわけだが、そんな期待感満載の采配を心から願う。

これまで連敗を恐れるがあまり、あまりにも守備的な采配が目に余る時期もあった大槻采配だったが、前節の町田とのホーム戦では、首位町田相手に最後にDF3畑尾を投入し、また守備固めかよ・・・と一度は落胆したものの、なんとその畑尾を1トップに押し上げてパワープレイの姿勢を見せ、あと最後の一歩まで首位独走の町田を追い詰めた。

今の大槻ザスパなら、そういった攻撃的な采配すらマッチできるポテンシャルを秘めている。
夢のプレーオフに入ったとしたら、下の順位のチームはスコアレスドローではダメなわけで、点を獲りにいく必要が出てくる。
本当にプレーオフを獲りに行くのなら、攻撃的なスイッチも入れていかなくてはいけないし、今年のザスパのアタッカー陣ならば、それが出来る。



武颯スタメンの大槻ザスパ

ザスパは1人だけメンバーを代え、いよいよ怪我から復帰したFW13武颯をスタメンに戻す。

とにかく点が獲れていないザスパとしては、武颯の得点力には期待したいところ。



23平松
13武颯
47杉本竜士        10佐藤亮
15風間宏希 38天笠

36中塩          5川上エドオジョン
2城和 24酒井

21櫛引


ベンチには、FW9北川、FW7川本リヨ、MF17山中、MF14白石智之、MF6内田達也、DF3畑尾、GK42石井僚




天敵・長崎との地獄のアウェイ

長崎は昇格のチャンスである今シーズン、本気の夏の補強を行い、かなりメンバーが入れ替わっている。

まず出ていった選手としては、かなり手ごわかったMF宮城天がフロンターレに復帰し、加藤聖がマリノスへ、クリスティアーノが甲府へ、カイケが大宮へ出ていき、その代わり、FW50中村慶太が柏から、FW2マルコス・ギリェルメがロシアから、MFカルロス・グティエレスが町田から、MFマテウス・ジェズスがブラジルから補強されている。

・・・一体・・・何人ブラジル人が大枚はたいて補強されているんだか・・・
相変わらず手強い1トップFW9ファンマも前節は大分との九州ダービーで先制点を獲るなど健在であり、なんと今シーズン20得点を荒稼ぎしている。

このリーグトップクラスの得点力を今のリーグ屈指の守備力を誇るザスパがどう抑える事ができるか。

昨年までなら0−4を覚悟するべき布陣ではあるが、いよいよ大槻ザスパの守備力の本領が試される。


9ファンマデルガド
2マルコスギリェルメ      19澤田
10カイオセザール 50中村慶太
47ジェズス
23米田              8増山
18今津 25櫛引

21波多野


ベンチには、FW32ジョップセリンサリウ、MF38松澤、MF35安部、MF14名倉巧、DF5奥井、DF3岡野、GK1富澤




キックオフから圧倒的にシュートを浴びるザスパ

キックオフから、当然ブラジル人4人を入れるホーム長崎が圧倒的にポゼッションし、ザスパ陣に迫るものの、今のザスパの守備ならば十分に対応できている。

6分、中盤でボールをガッチリキープしたFW23平松に対し、MF47ジェズスが早くもイエローを受ける。

8分、長崎は左サイドからFW2マルコスギュルメに突破されてからのゴール前へのグランダーのクロスにFW9ファンマに詰められるも、これはあと一歩ファンマ届かず。

それにしても、予想はしていたが本当に圧倒的に攻められてしまっており、このままで耐えられるのか?と思うところだが、11分に右サイドからのFW10佐藤亮からの速攻からのアーリ―クロスにFW13武颯が受けてからのシュートは相手にブロックされるも、まずはシュートまで行けたことが重要だ。

しかしすぐさま長崎に反撃をくらい、13分、右サイドからのクロスからゴール中央でFW9ファンマにヘディングを喰らうも、DFライン際ギリギリでDF36中塩がクリア!!
そこからセカンド攻撃を浴びて、後方からMF47ジェズスにミドルシュートを浴びるもわずかにバーの左。


しかし15分、そのDF36中塩がパスミスで中途半端な高さのパスを酒井に送ろうとしたところを、MF50中村慶太にカットされ、そのまま決定的なシュートを浴びるも、わずかにバーの左を逸れてくれて助かる。

中塩・・・ああいったパスミスが今シーズン目に余る・・・


16分、中央、MF50中村慶太を起点に、一度ファンマにボールを預け、返されたところを中村慶太の右足アウトサイドでのシュートはかろうじてバーの右。

さらに17分も中村慶太を起点にシュートを浴び、もう何本決定的なシュートを浴びたか・・・しかし、そこで無失点に抑えるのが今のザスパの守備陣。

20分、左に右にと振られ、右サイドDF8増山の攻め上がりからクロスを浴び、一度は跳ね返すも、セカンドを拾われ、FW9ファンマのゴール左隅へのシュートはGK21櫛引がさすがのファインセーブ。

25分、前半の飲水タイムとなる。



前半はどうにか守り切りスコアレスで折り返し

飲水タイム明けからも、やはり圧倒的に長崎に攻められ、もはや書ききれないくらい。
とにかくファンマがやはり怖すぎるし、さらMF10カイオ、MF50中村慶太のインサイドハーフ2人にセカンドを拾われまくるので、なかなか防戦一方の展開が終わらない。

35分、ザスパはようやく、珍しくボールをキープし、左サイドMF47杉本竜士が緩急をつけたドリブル突破から、この試合ようやく初のCKを掴む。

36分、38分、あろうことかMF15風間宏希がDFラインでのパス回し から2回連続で相手のプレスに引っ掛かる失態。

39分、右サイドからのクロスにゴール前に詰めたFW13武颯のヘディングでそらしたシュートがわずかにバーの左。
武颯だけはシュートチャンスを作っているのがさすが。

ここから連続で左サイドからDF23米田の良いクロスを浴びるも、これまたザスパの3センターバック陣が辛抱強く耐える。


それにしてもザスパの攻撃が全然繋がらない・・・
まあ、これが勢いの差というものだろうが、やはり天敵長崎のアウェイでの戦いは厳しすぎる。

だが、確実に時間は過ぎており、ここまで無失点に抑えているという点が今季のザスパの強さでもある。

こうして前半のアディショナルタイム2分も過ぎ、見事にスコアレスでの折り返しとなったザスパ。

さて、ここまではまさにプラン通り。
ある意味ザスパペースと言える。
後半、どう持っていけるがポイントとなる。




後半開始早々、CKから佐藤亮の先制ゴール!!!

後半に入るとザスパがある程度ポゼッションできるようになり、そして3分。

左サイドでMF47杉本らが起点となりCKを掴むと、この左CK、MF15風間宏希のキックからゴール前でDF24酒井が競り合いながらヘディングで落とし、ここにゴール前に詰めたFW10佐藤亮が詰める!!!


GOOAALLLL!!!!


はああ!!!????
本当に???
あれだけ前半に10本くらい決定機のシュートを喰らいながら守り抜いた中で、このセットプレーからのワンチャンスをきちんと決めきる。

まさにこれが今季のザスパ。
まさに今期の大槻ザスパの集大成のような展開。
そして何の因果応報か、前半戦での天敵長崎からの勝利を収めたホーム戦同様、この先制点を決めたのがFW10佐藤亮というのが運命的なものを感じる。
ほんと、よく決めた、佐藤亮!!

こうなると、まさかのアウェイ長崎からの夢の勝ち点3も??と思えてしまう。



スローインからファンマに同点弾を喰らう

まさかの先制点を喰らった長崎は9分、左サイドからDF23米田が攻め上がり、ファーに送ると、MF50中村慶太のアウトサイドでのシュートはミートし切れず。

明らかに先制の効果があり、ザスパ選手の動きがよくなりパスが繋がりやすくなり、そして長崎の攻撃は精度が荒くなってくる。
やはり先制点の効果は高い。

11分、長崎陣地でボールを回すという余裕っぷりを見せるようになったザスパ、後方からのMF38天笠のミドルシュートはバーの上。

13分、ザスパは2人交代、MF47杉本竜士、FW13武颯に代えて、MF17山中、FW7川本リヨを投入。
勝っているのに相手より早めに動くという積極的采配は重要だ。

選手交代によりますます動きが増してくるザスパは、前半ほとんど無かった前からのプレスも仕掛けられるようになり、長崎もこれまでのような圧倒的な攻撃という勢いが消える。

長崎もいよいよ選手交代、MF19澤田に代えて、FW32ジョップを投入し、ファンマと2トップを敷いてくる。

19分、長崎は右サイドのスローイン、DF8増山がロングスローに見せかけ、MF47ジェズスのクロスがファーに飛び、競り合った裏にボールがこぼれ、このファー、大外いっぱいに待ち構えていたFW9ファンマが左足を振り抜き、このシュートはさすがにGK21櫛引も抑えきれず、敢え無くゴールに突き刺さる・・・

・・・・・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・・・・・・


さすが長崎、、、さすがファンマ、、、

これが長崎であり、そしてファンマだ。

やはりこのまますんなりと勝たせてはくれない。
そりゃそうだ、これが天敵だ。
これが天敵のアウェイの地だ。
そんな簡単なことがあろうはずがない。



またしても北川を右サイドに・・・この最悪の采配、どうにかならないの??マジで

22分、飲水タイムとなり、追いつかれたザスパは2人交代、DF5川上エドオジョン、MF10佐藤亮に代えて、FW9北川、MF6内田達也を投入。

・・・出たよ・・・この最悪の交代策、右サイドバックにFW9北川を持っていくという、今シーズン、まだただの1度も効果が見られない交代策を仕掛け、さらに内田まで右サイドに投入で変則3ボランチ気味か。

つまりは最近の大槻監督の後半の作戦のトレンドとしては、完全に3センターバックを3バックとして、3ボランチ、両ウィングに左に山中、右に北川に2トップという布陣がお気に入り。

23平松
7川本リヨ
17山中        9北川
38天笠  6内田
15風間宏希

36中塩 2城和 24酒井

21櫛引

・・・ということ。
これが最適解だとはとても自分は思えない。
せめて北川のところはサイドの職人であるMF14白石智之にするべきだ。



飲水タイム明けの27分、左スローインからFW23平松が落とし、MF17山中からの質の高いクロスにファーでFW9北川のヘディングがドンピシャで放たれるも、惜しくもGK波多野の正面!!

結局、北川を起用するのはこういった高さ狙いであり、決してサイドプレーヤーとしての役割ではない。

31分、長崎はMF50中村慶太、DF8増山に代えて、MF38松澤、DF5奥井を投入。

いよいよ試合も終盤、勝負の時間帯に入ってくる。




長崎FW32ジョップに逆転弾を喰らう!!??

33分、左サイドからMF38松澤、FW32ジョップの2人が攻め込んでくるも、いまいちスピードが上がらず、ザスパのゴール前で人数をかける守備は崩せず。

34分には左サイド後方から上がってきたDF23米田の鋭いミドルシュートはGK21櫛引がファインセーブでCKに逃す。

この左CK、MF2マルコスの鋭いボールからファーでDF18今津のヘディングはわずかにバーの上。

そして37分、左サイドからDF18今津が上がりクロスを送ると、ニアに詰めていたFW32ジョップがバイシクルシュート・・・・????


・・・・・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・・・・・・

なんと、、、これが見事にゴールニアに決まってしまう。
なんともでたらめな・・・強引な個人技からのシュートをねじ込まれてしまった。

おいおい、、、ドローも許されないのかよ・・・


白石が最後まで食らいつくも・・・

そんな失意の中の38分、ザスパは最後の交代、MF38天笠に代えて、切り札中の切り札、MF14白石智之を投入。

40分、長崎も最後の交代、MF2マルコス、MF10カイオに代えて、DF3岡野、MF35安部を投入。

42分、投入されたMF14白石智之が左サイドで仕掛けにいき、CKを得る。
とにかくどうにか同点に追いつきたいが、長崎もプレーオフのためにここは人数をかけてでも守りにくる。

43分には左サイド後方からMF15風間宏希が絶妙なサイドチェンジで右サイドに送ると、FW9北川がファーのFW23平松への折り返しのボールをダイレクトに入れるが、これはやや大きくなってしまう。

45分、ザスパは速攻からFW7川本リヨが中央で起点となり、左にパスを送るとMF14白石智之が左にスルーパスを送り、MF17山中のシュートは惜しくもGK波多野にはじかれる。

アディショナルタイムは5分。

いよいよ時間が無くなる。

ロスタイム2分、MF14白石が左サイドから攻め込み、山中、そして中塩を経由して再び白石がペナルティ内で受けると、白石の至近距離からのシュートは惜しくもGK波多野に止められる。
惜しいシュートだった。

こうなると最後まで諦めの悪いのが白石。
白石の気迫にチームが引っ張られ、とにかくザスパは左サイドからの攻撃の圧力を高め、最後の最後まで長崎ゴールに詰め寄るが、さすがに一歩及ばず、惜敗となる。




これが天敵長崎のアウェイだが・・・次は勝つ!!!

結局のところ、さすが天敵といったところだった。

最後の最後で、なんでブラジル人の個人技に結局やられてしまうのかという無念さが残ってしまった試合となったが、しかしあと一歩まで長崎の地でこれほどまでにやれたのは、相当な前進であるのは確か。

だが結局のところ、やはりあの後半途中からの謎の3ボランチ、北川の右サイド起用が本当にベターなのかは大いに疑問が残る。

白石投入後は完全に左サイドだけでサッカーをやることになったが、なぜあれほどまでに右からの攻撃を捨て去らないといけないのか、大槻監督はその辺のバランスの悪さをどう考えているのか、一度問いただしたいくらい。

それよりも、左に山中がいるのだから、右には白石を入れて左右から攻められるようにするとか、やり方はいろいろあるだろうに・・・北川を右サイドで起用することに固執しすぎている点がどうしても気に入らない。


とにかく、今シーズン、まだ一度も連敗していないのが大槻ザスパの長所であるのは確か。

つまり、次のいわきとのホーム戦だけは絶対に勝たないといけないということ。

この試合、確かな大槻ザスパの成長はみてとれた。
3ヵ月ぶりの、久々の敗戦とはなったが、2試合の再試合も含め、ここから最終節までまた無敗を続け、勝ち点をしぶとく稼いでいき、そしてその先にプレーオフがある。

長崎相手には、できればプレーオフで今一度戦い、今度こそ長崎の地で勝利を収めたい。

今季のもう1つの目標がここに出来た。




(23.9.9)





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