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ザスパクサツ群馬

2023年7月5日(水)
J2リーグ2023シーズン第24節
ザスパクサツ群馬 VS ロアッソ熊本(ホーム)
観戦記 1−1

横棒


攻撃陣振るわず引き分けが続く大槻ザスパ

降格候補No.1だった前評判に対して考えると、確かに善戦はしている大槻ザスパではあるが、5月17日の水戸戦以来、7戦勝利が無く5分2敗、その間にあった天皇杯も負けており、もう随分と長い間煮え切れない戦いが続いており、昨年の前半戦と後半戦の間にあった1分10敗ほどではないにせよ、やはり勝利、勝ち点3を奪えないと、このままプレーオフ圏内を狙える位置からは遠ざかってしまう一方。

とにかく決定機までなかなか作れない。
相変わらず開幕から続くFW7川本リヨをなぜか左サイドで起用することは未だにやめず、FW9北川もいざとなったら右サイド要員だ。
それなのにMF14白石智之、FW18岩元ルナといったサイドアタッカーのスペシャリストは冷遇され続け、その結果、サイドから攻められなくなって攻撃がどんどん停滞している。

一方、強豪ばかりを相手に5引き分けに持ち込んだ原動力であるDF3畑尾が前節前半で負傷退場となっており、いよいよ無理をおして出場していた無理が祟った様子。

これからは畑尾頼りだったゴール前での跳ね返し、粘りといった守備力が落ちる事は否めず、そうなるとボランチ陣の人選も含めて、もっと強度をもったプレーをチーム全体に求められると考えるところ。

いよいよ後半戦に折り返してきた中、ある程度メンバーを固定化して戦ってきた選手達が、夏場を迎えてガタが出始めている。

いい加減控え陣を含めマイナーチェンジしていきながら、後半戦を乗り切るチーム作りをするべきだ。
これ以上開幕時から固定化しているメンバーに頼る事は停滞しか生まれてこない。


特に今週は前節からはじまっている3連戦中であり、ここは多少の新戦力を試す程度の工夫が欲しい。





連戦をどう考慮するかの大槻ザスパ

DF3畑尾はしばらく休みだと思われ、昨年の畑尾との絶対的レギュラーDF2城和が

注目としては連戦を考慮し、いよいよ足の具合が厳しくなってきたDF19岡本一真らのレギュラーを多少は休ませ、新戦力を試すかどうか。

ここまでがプレビューだったが、やはり連戦考慮してメンバーを入れ替えてきた様子で特に驚きは前節出場停止だったMF38天笠をまだメンバー入りさせず、DF22高橋ユリヤを連続スタメン起用してきたところ。
MF15風間宏希も連戦考慮で外してきたのは初では??
その他、DF50菊池健太がリーグ戦では初のベンチ入り。
ベンチにセンターバックを置かないのも今季初。
大槻監督もようやくやり方を少し変えてきた様子。


7川本リヨ
28長倉
17山中      10佐藤亮
6内田 22高橋ユリヤ

36中塩           19岡本一真
2城和 24酒井

21櫛引


ベンチには、FW23平松、FW9北川、MF14白石智之、MF15風間宏希、DF50菊池健太、GK42石井僚




大木武監督の元、善戦している熊本

熊本はシーズン前はあまりにレギュラー陣がことごとく引き抜かれ過ぎて、かつての北九州のようにさすがに厳しいのではと予想したが、大木武監督の元で見事に善戦しており、前節も3位ヴェルディ相手にあと一歩まで詰めながら0−1で惜敗し、現在14位に付けるが、10位のザスパとはわずか勝ち点2差であり、この試合次第では入れ替わられてしまう。

ただ熊本も開幕ダッシュを支えた9得点のトップスコアラー、FW石川大地が今季絶望の十字靭帯断裂で離脱し、なかなか次の後釜の1トップ探しには難航している感があり、トップ下のMF17平川怜次第かと思われる部分もある。

前回のアウェイでの対戦時も、その平川の個人技にやられる形で先制を喰らい、そしてFW11粟飯原に試合終了間際にダメ押しを喰らっての完敗となっているので、このホーム戦ではやり返さないといけない。
その前回の対戦でも連戦ながら強度の高いプレスで圧倒してきた熊本、このアウェイの地ではどう戦ってくるか?



11粟飯原(あいはら)
30東山    19島村
17平川
7田辺          9大本
8上村

3大西 24江崎 5阿部

1田代


ベンチには、FW29道脇、MF10伊東俊、MF14竹本、MF4藤田一途、MF16松岡、DF2黒木、GK23佐藤優也




立ち上がりプレスと早いパス回しで圧倒してくる熊本

立ちあがり2分、左サイドからFW11粟飯原が速攻で運び、逆サイドに渡すと、右サイドのMF9大本にカットインされてからの左足からの強烈なシュートに対し、GK21櫛引がわずかに右手に当てて、シュートは左のバーを直撃!!
いきなり最初から危なかった・・・

すると12分、相手の右サイドからのFW11粟飯原の低いクロスが、ゴール前で敵味方交錯した中でコース変わり、そのままゴール左に入ってしまう・・・!!!

え???何、失点???
・・・と思ったら、これはオフサイドの判定でノーゴールで助かる。
あ、危なかった・・・こういうのがサッカーはあるのが怖い。

前半はやはり大木監督ならではの出足の早いプレスに苦しむザスパ。
3トップがガンガン、守備ラインにプレスを仕掛けてハメてくるため、ボールを回すことすらままならない。

そして攻撃になると、とにかくパスのテンポが速く、なかなか捉えどころが無いのが特徴。
なるほど、選手が変わろうと、この大木戦術ある限り、そうは弱体化しないわけだ。

それに対してザスパはDF24酒井が気を吐き、何度も決定的なところを気迫のブロックで食い止める。
古巣熊本相手に酒井の士気は高い。



佐藤亮のクロスから高橋ユリヤの先制ゴール!!!

そんな劣勢の中のザスパだったが29分、左サイドに渡りいったん山中らが起点を作ると、中央への折り返しにDF22高橋ユリヤが落とし、DF19岡本一真が入れていったゴール前へのクサビのパスをFW28長倉が落としたところから、FW10佐藤亮の上げた鋭いショートクロスに後方から入ってきたのはDF22高橋ユリヤ!!!
そのユリヤのヘディングがゴール右に突き刺さる!!!


GOOAALLLL!!!!


素晴らしい先制!!!
なんとボランチに入った高橋ユリヤが得点まで決めるとは・・・
まさにユリヤをボランチに入れた効果が直接的に出た。

熊本に圧されていた流れだっただけに、この先制は非常に大きい。

佐藤亮のクロスも見事だった。
佐藤亮のクロスを信じて、ユリヤと共にこの日久々の本職トップに入ったFW7川本リヨも詰めていたが、この2人いったところも、相手のマークをブレさせた。
また目立たなかったが、素早いパス回しからDF19岡本一真のゴール前へのクサビのパスは、流れをガラッと変える素晴らしい戦術眼からのパスだった。



前半リードで折り返し

まさかの先制を受けた熊本はさらに前線からのプレスを加速させ、ボールも圧倒的にポゼッションし攻め込んでくる。

遠目からでもシュートを放ち、必ず連動してゴール前に詰めてくるので、GK21櫛引としては前にこぼすことも許されない。

こうしてゲーム自体は支配された熊本にも何本もシュートは浴びるものの、DF24酒井らの気迫のDFで防ぎきり、時折、右サイドのFW10佐藤亮やDF19岡本一真の速攻も入りチャンスも作りながら前半終わり、1点リードでの折り返しとなる。

首尾よく先制できただけに、何としてでもこの試合、久々の1カ月半ぶりの勝利をホームで掴み取りたい。




後半、一真に代わりエド投入のザスパ

後半に入り、ザスパは選手交代、DF19岡本一真に代えてMF5エドオジョンを投入。
やはり畑尾と同じく、相当無理をして連続出場してきた岡本一真も、この連戦の影響を考慮されたか。
エドオジョンは初めて徳島での本職だった右サイドバックに入る。

後半3分、後方にこぼれたボールからMF6内田のミドルは惜しくもバーの上。
余裕があっただけに、もっと抑えてシュートを撃って欲しかった。

8分には熊本の右サイドからの危険な位置でのFKとなるが、ゴール左に飛んだこのシュートが雨に濡れるピッチ上での嫌なバウンドとなったが、GK21櫛引かろうじて抑える。

13分、左サイドから起点を作ったザスパ、FW10佐藤亮のこれまた素晴らしいクロスにニアでMF28長倉が詰め、その後ろにこぼれたところをMF5エドがシュートも、これは力んだか、コースを右に外れる。


熊本は選手交代、DF3大西、FW30東山、FW11粟飯原に代えて、MF16松岡、DF2黒木、FW29道脇を投入。

21分、ザスパは2回目の交代、FW10佐藤亮に代えてFW23平松を投入。
FW7川本リヨは前線で存在感を見せていたが、これで左サイドに追いやられる。
またリヨを左サイドかよ・・・
だったら左サイドの本職MF14白石も一緒に入れればいいだけじゃないか・・・



後半も運動量の落ちない熊本

それにしても、後半になっても運動量が落ちない熊本。
中3日のザスパに対し、とても中2日でのアウェイとは思えない。
いっぺんに3枚交代してくる積極起用もあるのだろうが、これが大木武監督のサッカーというものだろう。
チーム全体での運動量の共有ができている。
正直、素晴らしい。

24分、さらに熊本は交代、FW19島村に代えてMF10伊東俊を投入し、これで3トップ全て交代となり、やはり前線からのプレスの強度は落とさない作戦。

31分、左サイドでFW28長倉が速攻のクサビのボールを受け起点となると、DF36中塩が繋いでFW7川本リヨからの素晴らしいクロスがゴール前に入り、これを右サイドから入っていったMF17山中がドンピシャでヘディングを放ち、これは入ったと思ったが、なんと相手GK1田代が右足一本残っており、これをスーパーセーブ!!???

これはもうGKを褒めるしかない。
よく入らなかったな・・・あのシュートが・・・

そして結果的にはこのビッグセーブが試合の流れを変えることとなる。


35分、左サイドから起点となると、右サイドでMF17山中が受けてペナルティ右からクロスに行くも、山中、あそこは左利きならシュートにいかないとダメだろう!!
何のためにレフティーが右サイドに入っていると思っているのか??

39分、3回目の交代、足を引きずるFW7川本リヨに代えてFW9北川を投入。
北川は右サイド要員のため、左に山中が回る。
・・・なんでここでも白石じゃないのかね・・・いつも・・・
なんで川本リヨや北川を強引にサイドで使ってでも、センターバックをそんなに入れたいのかね・・・

41分、左サイドからの速攻からMF28長倉が1人で入っていき、ニアへの惜しいシュートは惜しくもブロックされCKとなる。


あまりに守りすぎ、同点に追いつかれる・・・

本来はMF6内田に代えてMF15風間宏希も出すべきなのだろうが、守備を考えると代えずらい。
当然守り重視の大槻監督としては、この時間帯になれば守り切って逃げ切りを優先させる。

そして45分、DF36中塩がカットしたところから前線へのパスをDF24江崎に奪われたところからトップ下MF17平川に渡り、平川の冷静な左サイドへのパスから、MF14竹本のクロスにファーで後方から入ってきたMF16松岡に右足で押し込まれる・・・


・・・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・・・・


ほら・・・言わんこっちゃない・・・

いつかこうなる。

確率論かもしれないが、いつまでも守り切って逃げ切れるほどサッカーは甘くない。

あまりに攻められっぱなし過ぎた。
そして監督にもう1点獲って勝つという意識があまりに希薄過ぎた。

このホームでの終盤の同点はきつい・・・




守って勝てるサッカーなどない

当然ザスパは最後の交代のカードとしてMF17山中、MF6内田に代えて、MF14白石、MF15風間宏希を入れて攻撃モードに入るわけだが、ロスタイム4分に入る中ではもう遅い。

攻撃モードに入ると不思議と獲られっぱなしだったセカンドを獲れるものであり、ロスタイム3分、セカンドを獲ったところからMF15風間宏希が起点となり右に出すと、FW23平松のクロスからファーに詰めたMF28長倉のヘッドでのシュートが惜しくもバーの左を外れる。

やはり風間宏希をもっと早く入れておくべきだった。
そしてチーム全体をもっと前に押し出し、セカンドを拾いにいくべきだった。

こうしてまたしても同点となったザスパ。

勝てる試合を落とした。
勝点2を明らかに失った。

これがサッカーだ。

守ってばかりで、逃げきる事しかしないサッカーなぞサッカーではない。



いい加減、采配、交代策をどうにかしてください

DF22ユリヤをボランチに抜擢し、ここ最近調子を落とし良いところが出ていなかったMF38天笠をあえて休ませ、同じく疲れが出ていたMF15風間宏希も温存、DF19岡本一真も無理させずリードしているうちに早めの交代温存に、FW7川本リヨを久々にトップで起用するなどスタメンの揃え方までは良い。

しかし、交代策があまりにひどすぎる。

相変わらずFW7川本リヨを左サイドに押しやり、FW9北川を右サイドに入れ、そしてどちらのサイドもできる本職のサイドアタッカーMF14白石智之は効果的に使えない。
特に後半に投入された北川なんぞ、何かプレーが一つでも出来ただろうか?

MF17山中もゴールを狙うシーンだけは迫力があったが、サイドからのアタック力が減っているのか、ライン際でのプレーが皆無となり、後半頭から投入されたMF5エドも久々の右サイドバック起用だからか、あまり攻撃には絡めず、結果としてなんとこの試合、コーナーキックが1本も無いという珍事となってしまった。

この点からも、CKをとっていけるアタックを仕掛けられる白石を使わない意味がわからない。


とにかく、これまでのアウェイでの強敵相手のドローとはわけが違う。
あくまで、この試合はホームでの中位以下の相手との戦いだったはずだ。

それを相手をリスペクトしすぎ、1点リードしているからといって早々に守りに入りすぎ、MF15風間宏希とMF14白石智之の投入を同点にされるまでためらうとは、あまりに保守的、消極的過ぎる。

こんなサッカーではこの先も勝てるわけないし、約2カ月勝てない原因を今一度振り返るべきではないだろうか?

そりゃ点も獲れないわけだ。
監督の考えがこれだけ消極的なのに、選手が点など獲れるわけがない。

ホーム連戦となる。

次の大宮とのホーム戦、今日の負けに等しい引き分けにより、絶対に勝たなくてはいけなくなった。





(23.7.5)





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