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ザスパクサツ群馬

2023年5月17日(水)
J2リーグ2023シーズン第16節
ザスパクサツ群馬 VS 水戸ホーリーホック(ホーム)
観戦記 2−1

横棒


今シーズン初の大量失点でプレーオフ圏内から脱落の大槻ザスパ

14節を終わったところで5位という、プレーオフ圏内をキープといった大健闘をみせてきた大槻ザスパだったが、前節のアウェイ磐田戦では早々に4失点を失うという、今季のベースとなってきた14試合14失点の堅守が崩れ、その後に風間のFKなどで2点返すも2−4の大敗となってしまった。

やはり開幕からメンバーを固定しすぎ、どこかマンネリ気味だった点は、これまでこのHPで散々言ってきたとおりであり、特に前節は明らかにDF36中塩のところが狙われ、4失点のうち2失点は中塩のミスから生まれてしまったという結果に終わった。

この左サイドバックのところにしても、本来は昨年まで貢献してきたDF22高橋ユリヤや、新戦力のDF菊池もいるわけであり、もっと試しておくべき戦力はまだまだいる。

右サイド候補のMF41田部井悠もいるし、開幕以来すっかりとメンバー入りしなくなってしまったFW18岩元ルナなども、どういう事なのか。

FW39高木彰人が昨年の靭帯断裂の重傷から戻ってきたのは明るいニュースだが、残念ながらその高木彰人も1回も攻撃に絡めない、何もさせてもらえなかった磐田戦となってしまった。

前から散々言ってきたとおり、FW7川本リヨの左サイド起用が全くの無駄であったように、最近やたらとお気に入りのFW9北川の右サイド起用もいい加減やめるべきだし、もっと保有戦力を適材適所でしっかりと使い切って頂きたい。

そうすれば、再びザスパは上に行ける。

そんな中でやってくる北関東ダービー、水戸戦。
今季は北関東ダービーの栃木か水戸、どちらかがJ3に落ちるのではと私は読んでおり、そしてその栃木、水戸に負けるということは、プレーオフ争いどころか、残留争いに再び引きずり込まれる事を意味する。

絶対に負けられない戦い、それがダービーだ。




なぜまだ中塩にこだわる?大槻ザスパ

注目としては、いい加減DF36中塩の左サイドバックのところを代えてくるのでは、ということ。
また、右サイドでのFW9北川起用も見直しが入るようで無ければ困る。
とりあえず前節もFKで復調をみせたFW10佐藤亮が先発復帰だろうか。

連戦となるため、サイドやボランチのところも再考が必要であり、いい加減MF8岩上祐三の出番は無いものかとも思う。
MF33細貝萌を含め、ここで中堅、ベテランによって今一度チームを引き締めるべきだ。

以上が試合前のプレビューだったが、結果的にはまだDF36中塩は継続使用。
DF22高橋ユリヤやDF菊池はどうした??
ボランチも相変わらず全く代えるつもりもないし、そもそもMF27奥村はベンチにもしばらく入っていないが、内田より攻撃に貢献できる奥村をなぜ使おうとしないのか・・・
メンバーが固定しすぎている。

ただ、前節から復活した高木彰人は川本リヨに代わって継続起用で、ワントップには平松、両サイドを山中と佐藤亮に入れ替え、一応前線のメンバーだけは連戦考慮か。



23平松
39高木彰人
17山中    10佐藤亮
15風間宏希 38天笠

36中塩           19岡本一真
3畑尾 24酒井

21櫛引


ベンチには、FW13武颯、FW9北川、MF14白石智之、MF5川上エドオジョン、MF6内田、DF2城和、GK42石井僚




現在16位の水戸

水戸はエースFW木下が京都に行き、MF椿もジェフ千葉に行くなど相変わらず1 年でメンバーが代わる水戸だが、今年は大卒大型ルーキーのFW23寺沼がここまで4得点と前線で存在感を見せ、さらに琉球から補強したFW11草野が前節の栃木との北関東ダービーで今季初得点も決めており、この2トップには要注意となる。

昨年の対戦の経験からはサイドバックのDF40黒石なども鋭い攻撃参加で仕掛けてきて、昨年最終節もPKを誘発させられている。

その水戸は現在16位。ザスパとは勝ち点7差のみであり、これに負けると一気に勝ち点4差まで詰められるわけで、ここで負けるとズルズルいってしまう、分け目、節目のダービーマッチとなる。


ここまで試合前のプレビューだったが、FW23寺沼は連戦考慮かベンチスタート、右サイドには武田英寿、ボランチには新里、さらにDFラインは3人入れ替え。
危険視していたDF40黒石は出場停止?


20梅田
11草野
14小原       7武田英寿
10前田 17新里

16井上怜          5楠本
29田辺 22長井

41中山


ベンチにはFW23寺沼、FW38唐山、FW8安永、MF25鵜木(うのき)、DF4タビナス、DF21山田奈央、GK45遠藤



立ち上がり、いきなりCKから失点・・・

立ちあがりから攻め込まれたザスパはそのままの流れで7分、水戸の右CKからMF7武田英寿の左から放たれたボールから、ゴールファーに入ってきたFW20梅田に綺麗にドンピシャで決められる・・・

・・・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・・・・


は??もう失点???

あまりに綺麗に、ドフリーで決められてしまったが、一体どういう守備の約束になっていたのか、訳がわからない。

そもそもゾーンディフェンスの割にはゴール中央に集まり、そして前に集中しすぎ、全く人にマークできていなかったのは大いなる問題だ。
これではCKの度に決められてしまう。

冷静に見るに、まず守備陣のほとんどが前、ニアにばかり集中し、裏をカバーしているのがDF19岡本のみ。
DF36中塩の裏に入ってきたFW20梅田に対して、岡本だけ見えていたが、MF17新里に前でブロックされて阻まれたところでドンピシャで決められてしまった、という形。


前節ジュビロ戦でも4失点と守備が崩壊したザスパだが、急にここにきて自慢の守備陣が瓦解している。

やはり前節致命的パスミスを連発したDF36中塩などを連続起用しているツケもあるだろう。
中塩はもはや周りが見えていない・・・岡本以外に、中塩も裏への意識を持たなければいけなかったポジションだったはず。
やはり連戦もあるし、いったん休ませるべきだった。
スタメンからして不安だったところがそのまま試合に反映されてしまっている。


また15分にはDF3畑尾のタックルをかわしてボールを奪取したFW20梅田がそのまま1対1気味のところまで持っていくが、このシュートは力なくGK櫛引が抑える。




全体的に動きが重い連戦のザスパ

反撃したいザスパ、21分にようやく前線のFW23平松がボール奪取したところからショートカウンターとなり、そこから左に出したところでFW39高木彰人の左足からのシュートはバーの上にふかしてしまう。
せっかく前でボールを獲れたので、ここは枠に欲しかった。

やはり前節を観ていても思ったが、高木彰人が全盛期には程遠い出来。
試合勘も何も無く、正直本人も何をやればいいのか、よくわかっていない状況にしか見えない。

というか、他に選手はいくらでもいると思うが・・・本当にFW7川本リヨを見限ってまで、今、高木彰人を使うべきなのだろうか?
それよりはよほどMF14白石をスタメントップ下で使うなり、いまだ出番が無いMF41田部井悠の方が期待できる。
正直、可能性を感じない。

26分、うまく左サイドからMF17山中が起点となり相手を崩したところでMF15風間からのファーへのボールは長すぎて流れるが、風間ならなぜ撃たない??
風間の今季ミドルシュートがほとんど見られないが、本来はミドルレンジからのシュートの威力、精度が魅力だった選手だったはず。
だったらMF27奥村やMF8岩上祐三ではないかということを私は言っている。

全体的にとにかく動きが重いし遅い。
右サイドバックの若手DF19岡本一真すら、いつものキレが無い。
いったい何をどう選考してこの連戦を戦おうとしているのか、やはり意図が見えない。



前半は何もできず1点ビハインドで折り返し

39分、ようやく右サイドにサイドチェンジの良いボールが出て、DF19岡本の折り返しからゴールに迫るも、惜しくもブロックにあう。

その後も攻撃の出しどころが無く、ほとんどチャンスを作れないザスパ。

ダメだ、疲弊している両ボランチ、そして高木彰人と、センターが全然作れない・・・

前半ロスタイムに入ったところで、水戸の右サイドから押し込まれ、折り返しにFW20梅田のファーからのシュートを浴びるも、これはミートせずに助かる。

こうして何も出来ない前半が終わり、1点ビハインドで折り返しだが・・・

ほんと、これがダービーなのか?という内容であり、前節のジュビロ戦と同じく早い時間帯の失点といい、全く反省が活かされていない誠に残念な前半となってしまった。




後半、2人交代のザスパ

後半になり、劣勢だったザスパはさすがに選手交代、FW39高木彰人、FW10佐藤亮に代えて、FW9北川、MF5川上エドオジョンを投入。
エドが左に、MF17山中が右に入るが、普通に利き足同士、逆で良いのではと思うが・・・

勝っている水戸もなぜか交代、DF22長井に代えてDF21山田奈央を投入。

選手代わり、前半よりはボールが繋がってきたザスパだが、どちらかというと持たされている印象も否めない。

9分、左サイドからの起点から一度跳ね返ったところをMF38天笠が左足でシュートするも、これはバーの右。

12分、共に選手交代、MF38天笠に代えてMF6内田を、水戸はFW11草野に代えてFW23寺沼を投入。

14分、ザスパは左サイドから起点を作り、一度バイタル中央に入れてからDF19岡本が一度右に流し、左にもう一度入ったところでFW9北川がゴール左で折り返しFW23平松が詰めるも、惜しくも先にGKに抑えられる。

15分、右サイドに入ったMF17山中が、本来は縦にいくべきところ、右サイドではカットインしか武器が無いため、ここで一度戻してしまう。

だから山中とエドが逆だっつうのに・・・

17分もオープンに攻撃できているザスパ、右に左にと手厚く攻めて、最後は右サイドからDF19岡本が折り返したところがCKとなり、この右CKからDF3畑尾がゴール前で詰めるも、惜しくもブロックにあう。

18分も左サイドMF5エドからの折り返しから岡本を経由しシュートにいくも、これまたギリギリでセーブに合う。






平松の同点ゴールを押し込む!!!

そして19分、ザスパは右サイドMF17山中が切り替えてから左足で上げたクロスにゴール前でFW9北川が落とし、そこにFW23平松が押し込む!!!


GOOAALLLL!!!!


よく詰めた平松!!!
さすが昨年のトップスコアラー!!!

これで平松は交代となり、FW13武颯を投入し、更に追加点を狙いにいく。

正直、水戸も緩すぎる。
1点リードの意識が後半高まり、攻勢に出てきたザスパをあまりにも受け過ぎてしまっていた。
本来はもっとその裏をとっていくべきなのに、そういった狙いもあまり見られなかった。

29分、反撃に出たい水戸はFW20梅田に代えてFW38唐山を投入。

それにしてもだが、やはりなぜMF14白石の投入の優先順位がこれほど低いのか全くわからない。
後半、MF17山中は右サイドに移ってから何も仕掛けられておらず、バックパス、ダイレクトパスくらいしか出来ていないが、だったら右サイドからでも攻撃できる白石になぜ代えないのか、対して左サイドに入ったMF5エドは左サイドが板に付いてきたのか、相当に攻撃の起点となっている。
いつも思うが、MF6内田の投入の優先順位が高すぎ、それに呼応して白石の投入がおそくなる意味がわからない。



北川の折り返しからエドのゴールで逆転!!!

交代してきた水戸だが、流れはまだまだザスパにあり、29分、左サイドで起点を作ったザスパは、スイッチして左サイドを破ってきたFW9北川がゴール際でマイナスの折り返しを入れると、これにゴール前で詰めたのがなんとMF5エドオジョン!!!


GOOAALLLL!!!!


おおおお!!!!
よく決めたエド!!!!
とにかくこの試合、エドがキレキレで、久々の後半投入となった中で際立って動きが良く、相手がついてこれなかった。
そして相当意外なことだが、なんとこのゴールがエドオジョンにとってプロ初ゴールらしい。
もっと他チームでも切り札のアタッカーとして決めているイメージがあった。

北川も右サイドに入っている時はほぼ何も出来ないが、こういったゴール近くでのチャンスメイクだと本当に良い仕事をする。
やはり北川はセンターで起用しないと意味が無い。


39分、水戸は更に交代、DF16井上怜に代えてDF4タビナスを投入。
なんとタビナスは前線に上がるわけではなく、そのまま左サイドバックに入る。

それにしても、ザスパが強いというか、水戸が弱すぎるというか・・・
せっかくの先制からの流れが全く活かされず、選手交代からも反撃の意図も見つからず、そのまま逆転・・・
やはり今年の水戸の降格の危機フラグが伝わってくる。



最後は守り切りダービー2連勝!!

43分、MF17山中に代えてDF2城和と守備固めに入る大槻監督。
しかし、本当に単にセンターバック入れることが守備固めになるのか・・・
この辺もいつも疑問であり、ここから亀になって守るぞという意図が強すぎ、それを運任せ、相手任せといつも言っているわけであり、本来は山中に代えて投入するべきは白石だ。
反撃の力を持っていなければ、防戦一方となってしまうだけ。
それがダービーの、ホームの戦い方なのか??

そして試合は4分のアディショナルタイムへと入る。

ザスパはとにかく守って時間を使ってで4分間を耐え、そしてホイッスル。

こうして見事な逆転勝利をダービーで、ホームで手に入れた。
相変わらず連敗しない今季の特徴は継続された。



大きな勝利だが、DF3畑尾頼み過ぎで内容には懸念は多く残る

こうして連敗を阻止し、大きなダービーでの勝利を手にしたザスパは、8勝3分5敗の勝ち点27で、16節時点でプレーオフ圏内の5位に浮上となった。

正直、ザスパが良かったというよりは、水戸が弱かったという試合だった。
試合内容だけ見れば、よく勝ったな、という全体的な内容であり、内容的に良かったのはMF5エドオジョンが連戦の中にあって1人キレキレだったというくらいだろう。

やはり不満は交代策であり、相変わらずMF14白石智之の序列、優先順位があまりに低すぎる。
特に最後の山中を下げて城和の投入による守備固めだが、毎回思うが心臓に悪いだけで、一切の攻撃の手段を放棄して亀になり、そして結果だけ得ることが果たしてプロチームとして正解なのかが疑問だ。
アウェイならわかるが、ここはホームだぞ??
そのサッカーでホームに来た子供たちがワクワクしてくれるのか?

守るのは良いが、白石のスピードなどでカウンターの余地は残しておくべきだし、最後まで勝利を確定させる追加点の姿勢を失ってはいけない。
昨年、その守る意識が強すぎ、どれだけの試合を落としてきたのか、大槻監督は学んでいないのだろうか?

この亀になる守備固め作戦は今のうちはだいたい成功しているわけで、結果オーライで認められているが、これが可能なのはDF3畑尾がいるからに他ならない。
畑尾抜きではとうに崩壊していることだろう。
とにかく今シーズン、畑尾の存在が偉大過ぎる。
畑尾がいなければ、勝点10は少なかった事だろう。
畑尾がもし怪我などで離脱すると、ザスパは総崩れになる可能性もある。
畑尾の代えが全く見当たらない、それが今のザスパだ。
昨年もそうだったな・・・畑尾がいない間のザスパの守備の不安定さたるや酷いものだった。

そんな畑尾といった個人に頼っている間は、まだまだプレーオフなど夢のまた夢だ。
今のザスパにはプレーオフを狙いだけの戦力が揃っている。
怪我人も軒並み戻ってきた。
もっとザスパ本来の力を、もっと眠っている力を適切に掘り起こして使ってもらえれば、分厚い戦力の元に本気でプレーオフを狙える。

ダービーは結果が全てだとはよく言う事だし、この勝利はザスパをプレーオフ圏内に留め、そして水戸を降格の危機に突き落とす、まさに両チームの明暗を分ける結果だったわけだが、最近の試合の内容には疑問を持たざるを得ない。
特に勝った試合ほど。

何度も言うが、勝ちながらも代えていき、そして強さを継続できるのが本当の強者だ。
勝ったから、次も連戦だというのに、せいぜい左サイドにMF5エドをスタメン復帰させ、右サイドにはまたしても無駄にFW9北川を入れるといった程度の入れ替えでお茶を濁すのだろうが、勝ちながらも正しい選択をその都度して、マイナーチェンジしながら勝ち進めるしたたかさを大槻ザスパには強く求めたい。

DF36中塩はじめ、あまりに固定の選手にこだわりすぎ、全くチーム全体の力を発揮できていないし、これでは控えの選手が伸びず、戦力はどんどん先細る。
そんな警鐘の音が聞こえてくる、相手が弱いゆえの不思議な勝利だった。



(23.5.17)





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