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ザスパクサツ群馬

2023年4月16日(日)
J2リーグ2023シーズン第10節
ザスパクサツ群馬 VS いわきFC(アウェイ)
観戦記 1−2

横棒


天敵長崎、鬼門ナクスタで初勝利と4連勝中の大槻ザスパ

これまで通算1勝1分14敗、2016シーズン以来勝てていなかった天敵中の天敵、長崎をホームで破ったザスパは、その他でも鬼門栃木アウェイ、悪夢の日本平といったアウェイでのまさかの連勝と合わせ、3連勝中だった大槻ザスパは、なんとこれまでどうしても勝てなかった鬼門中の鬼門、大宮アウェイのナック5スタジアムでも初勝利をあげてしまい、オール鬼門連戦を4連勝としている。
J2での4連勝は実に12年ぶりとのこと。

その4連勝のうち、長崎戦と大宮戦は1−0。
この難敵2チームをゼロで抑えた守備の固さは紛れもなく本物だ。
守護神櫛引と、頼れる男DF3畑尾を中心としたDF24酒井、DF36中塩の3バックがことごとくゴール前で敵の攻撃を跳ね返し、今やザスパ相手にサイドからクロスの攻撃を仕掛けても無意味な状態となっている。
そこに右サイドバックで無類の1対1の強さを誇り、ついにはU−20の練習にも選出された期待の新星・DF19岡本や、DF陣の前で躍動し中盤のスペースを埋めまくっている狩人・MF38天笠らがしっかりと鍵をかけ、清水戦でFW7川本リヨが出られなくってから左サイドをしっかりと形成しているMF5エドオジョンを含め、守備のバランスがすこぶる良い。
そのため、前線からのチェイシングもはまりまくり、天敵長崎相手には相手のパスミスを誘いボールを奪うほどの前線からの追い込みも成功させていた。

問題は攻撃だろう。

長崎戦は左サイドでMF15風間宏希も参加し分厚い攻撃の起点を作っていたが、大宮戦では対策されたのか、それが観られなくなってしまい、あまりチャンスを作れず、結局は縦パス1本からのFW23平松の個の強さだけで奪った虎の子の1点を守るのみの一方的な展開となってしまった事は大いに反省点として残った。


ベンチ要員に難があり過ぎる

後半にあれだけ攻撃が失速するのは、明らかにベンチ要員の揃え方に難があるからだ。

FW7川本リヨ、FW9北川とセンタ―FWを2枚、MF6内田、MF33細貝とボランチを2枚、さらにDF2城和とセンターバックも1枚で守備固めに3枚の枠を使い、一番消耗が激しく、また後半に投入しないといけないはずのサイドアタッカーはMF17山中1枚のみ。
おそらく、こんなベンチ要員を並べているチームはそうは無い。
普通、サイドハーフとサイドバックの2枚くらいはサイド要員を入れるべきだろう。

結果、大宮戦のように無意味にFW9北川が不慣れな右サイドでの守備に奔走し、ほとんど攻撃時には機能せず、MF17山中もドリブラー基質であまりスピードで勝負するタイプではないため、結局のところ誰もカウンターが発動できずに、ただただ10分、20分と大宮の猛反撃をまともに受けるだけの時間帯があまりに長くなってしまった。

どう考えてもセンターFW2枚か、ボランチ2枚の枠のどちらかを削り、MF14白石智之やMF41田部井悠、FW18岩元ルナといったサイドアタッカーをもう1枚入れるべきだ。

大槻監督は昨年から見ていても、そうは手をいじらないタイプであり、4連勝中となっている中で、連戦とは言えどもスタメンは変えずらいだろう。

ただ、本当にその先を目指すのならば、勝ちながらマイナーチェンジできるのが本当の柔軟な名将のやることだ。
もし、連戦ということも考慮して、ここで上記のようなサイドアタッカーをもう1枚入れ替えられるようなら、大槻監督も本当の名将になれるのだが・・・


そしてザスパといえば初物に弱く、これまで初対戦となる相手には分が悪かったわけだが、今シーズン、数々の天敵、鬼門を乗り越えているザスパとしては、この初対戦となるいわき相手にも勝って、J2初の5連勝を成し遂げたい。
(ちなみにJ3では7連勝している)



連戦を考慮するか?大槻ザスパ

とにかく連戦となっている中で、大槻監督が少しは手をいじってくるかが問われるところ。

注目は左サイドで消耗が激しいMF5エドオジョンをいつまでスタメンで引っ張るかだろう。
ただ、エドも後半10分過ぎでMF17山中と交代するのは自分でもわかっており、そのために前半から思いっきり飛ばしているため、この試合でも同じ作戦か。

・・・と、ここまではプレビューだったが、実際のところ、やはり同じスタメン、ベンチのメンバー。

さすがに連戦の影響が心配でもあるが、やはり大槻監督は連勝している間は変えない。

U−20代表候補に呼ばれているDF19岡本一真は、この試合の後に練習に集合となる。




23平松
28長倉
5川上エドオジョン     10佐藤亮
15風間宏希 38天笠

36中塩           19岡本一真
3畑尾 24酒井

21櫛引


ベンチには、FW9北川、FW7川本リヨ、MF17山中、MF33細貝萌、MF6内田、DF2城和、GK42石井僚




連戦に備えてきたいわき

いわきはこれまでFW17谷村が3得点といった以外は、昨年J3で17得点と大暴れした国士舘大卒のFW11有田も含め、思った以上に得点が獲れず、ここまで2勝2分5敗の19位と低迷している。

とにかくアンダーアーマーの資本による圧倒的なフィジカルの強さを全面に押し出してくるイメージがあったいわきだが、今のザスパ相手にどういった戦いとなるか。

実際のスタメンとしては、やはり連戦を考慮してか、前節ベンチスタートで温存した形のエースFW11有田や、MF13鏑木、DF16河村といったところをスタメンで入れ替えてくる。



11有田
17谷村
13鏑木       15加瀬
24山下 6宮本

16河村          2石田
3遠藤 4家泉

21高木和


ベンチにはFW9近藤、FW26坂元、MF20永井、MF25芳賀、DF29辻岡、DF5速水、GK31鹿野



立ち上がりに失点を喰らってしまうザスパ

立ちあがりから縦に速く攻めてくるホームいわきを迎え撃つ形のザスパ、開始2分でDF3畑尾が相手選手と交錯し2分間ほど倒れるも無事プレーに復帰。

しかしいきなりの6分だった。

右サイドでボールを奪われたところからショートカウンターの形となったところでMF6宮本からカットインしてきたDF2石田が受けてボールを持つと、3バックのDF24酒井、DF3畑尾らがそこにつられた中、スルーパスを見事に入れられ、これに抜け出したFW17谷村にMF38天笠らもつききれず、ゴール前に折り返されたところでFW11有田が難なく詰めてゴールへ・・・


・・・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・・・・


久々の失点は、あまりにあっさりと決まってしまった。
やはりフレッシュな戦力が躍動するいわきの左サイドからやられた形であり、ザスパは立ち上がりからのいわきの勢いに屈してしまった形。
FW11有田のゴールへの嗅覚、DF2石田の見事な引き付けてからのスルーパス、抜け出したFW17谷村と、相手を褒めるしかないといった先制点を喰らってしまった。

うーん、やはり初のJ2での5連勝は甘くはない。
このいきなりの先制は相当に手厳しい1点となってしまった。


激しく続くいわきのプレスの嵐

失点してからも押されっぱなしのザスパは防戦一方。
何本ものCKを浴び、決死で追加点を防ぐDF陣達。

その後、左サイドからMF5エドを中心にようやく縦に攻める事ができるようになり、13分には右サイドからもパスが回ったFW10佐藤亮に対し、MF13鏑木が後ろから倒す形でイエローが提示。

だが、その後も1点獲って波に乗るいわきの全体的な圧力の高い攻撃が続き、なかなかザスパはクリアしきれず、2次、3次攻撃を受け続ける。

かなり激しい戦いとなっている中、20分にはMF38天笠が中盤で粘りボールをキープすると、MF15風間の縦パスから前線でFW10佐藤亮が抜け出しCKを掴むといった攻撃のリズムをようやく掴んでいく。

しかし、なかなかいわきの前からの激しいチャージの嵐は止まず、驚くべき持続力でザスパの守備ラインでのパス回しに食らいついてきて、30分にはそれに屈する形でMF5エドが思わず中央のMF15風間に横パスを送ると、そこを狙っていたいわき選手にまんまと拾われ、さらに2次攻撃を受けるという展開が続く。

なんなんだ、この激しいサッカーは・・・
これまでJ2では秋田の代名詞だったサッカーだが、それを上回る激しいペースでこの前半30分まで持続させるという、これぞアンダーアーマーの力といったサッカー。

32分にはDF36中塩がセンターラインでMF15加瀬に奪われ、そのまますかさずカウンターを浴び、横のFW17谷村にパスを送ると、谷村の決定的なシュートは入ってしまったかに見えたが、かろうじてバーの右を逸れる。




1点にどうにか抑える形で前半折り返し

38分、相手の右サイドからのクロスをまともに至近距離で顔面ブロックしたMF5エドが倒れ込み、しばらく試合が止まり、3分後にピッチに復帰するも、再び倒れこんでしまう。
おそらく脳震盪だろう。
そこで急遽MF17山中が出場となる。

エド以上に最近ノッテいる山中が入ったことでチームは一気に活性化し、左の山中、右の岡本一真を起点に攻め込むようになり、この試合ここまでほとんどとれなかったCKも掴めるようになる。

前半は3分のロスタイムに入り、いわきの左サイドからのスローインからペナルティ左で起点を作られ、折り返されたボールにMF13鏑木の決定的なシュートはわずかにバーの右を逸れ、致命的な追加点をどうにか回避する。

こうして押されっぱなしだった前半は、どうにか1失点に留めたといった内容で折り返しとなる。

とにかく衝撃だ。
今の好調のザスパ相手に、ここまで圧倒し、リードまでするとは・・・
これがシーズン前に自分も上位に予想したいわきの実力か・・・

ここまで下位に低迷しているのが信じられないほどの、驚くべき内容の前半だった。

だが、この圧力が90分間もつとは思えない。
ザスパはこの圧倒的ビハインドの中、後半に反撃に出る点を獲れるか。





後半立ち上がり、ついに追加点を奪われる・・・

後半に入り立ち上がり4分だった。
いわきの左サイドからのスローインから両ボランチで起点を作られ、後方に戻したところからDF3遠藤の一気に縦に出したスルーパスからFW17谷村が抜け出し、ゴール前左からの折り返しにFW11有田にあっさりと押し込まれる。


・・・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・・・・


なんと・・・またしても谷村、そして有田の2トップにやられたか・・・
なんだ、この完璧な得点パターンは・・・
ザスパはほとんど成す術もない形での2失点となってしまった。

この後半、どちらが先に点を獲るかが重要だったが、先にやられるとは・・・
正直厳しい。
山中も出した後でのこの追加失点、もはやどうにか出来る内容ではない。



風間のアーリークロスから長倉のスーパーヘッドで1点返す!!

もはや崖っぷちのザスパは8分、一気に3枚代え、FW23平松、FW10佐藤亮、MF38天笠に代えて、FW7川本リヨ、FW9北川、MF6内田を投入。


10分、投入されたFW7川本リヨはペナルティ左に入り込み、全体的に押し下げた中での中央への折り返しにFW9北川のシュートは惜しくも抑えられる。

17分には右サイドからDF19岡本一真が攻め上がり、マークを集めてからFW9北川のクロスにゴール前のFW7川本リヨに届くも、惜しくも相手にブロックされる。

すると19分、左サイドで相手からボールを奪ったところでカウンターとなり、右サイドからDF19岡本一真が持ち上がり起点となると、横にパスを出し、そこからMF15風間宏希からのアーリ―クロスに、ゴール前で相手に挟まれながらも、MF28長倉が身体を捻りながらの凄い勢いのヘッドをゴールに叩きこむ!!


GOOAALLLL!!!!


凄い・・・・・
なんだ、あれ?本当にヘディングか???といった非常に強烈なスーパーヘッドを見事に決めて見せたMF28長倉。
今シーズン、これまで攻撃の軸にはなりながら、自らの結果は出ていなかった長倉に素晴らしい得点が生まれる。

これで一矢報いる1点を返し1−2。
次こそ先に1点を奪えるかがこの試合を握る。




後半、やはりいわきのプレスに陰りが見える

1点返されたいわきは25分に選手交代、FW17谷村、DF16河村に代えてMF20永井、DF29辻岡を投入。

26分、相手のバックパスに猛追したMF28長倉が、GK高木和のクリアを見事にカットし、マイナス方向にボールを転がせるも、惜しくもゴール方向には向かわず。
この時間帯にあそこまでのスプリントでボールを追えるのは素晴らしいし、やはり長倉自身、得点によって身体が動けるようになってきたのだろう。


28分、相手のMF15加瀬が完全に足を攣らせて倒れ込み、FW9近藤に交代となる。
やはり前半からの猛プレスの先陣を切っていた加瀬も、もうさすがに限界だろう。
この攣らせるまでプレスを仕掛けるいわきの戦術、恐るべしだ。

だが、この風下に立った後半、明らかに2点決めてからのプレスが弱まり、プレスがかからなくなるとチームとしての指針が弱くなってしまい、ザスパの反撃の1点に繋がった感がある。
このプレスをどう90分間という中で落とし込むのかといったところが、今のいわきの順位にあるのだろう。
あの前半のプレスが90分間続いたとしたら、どのチームも相当に苦戦するはずだが、サッカーとはそんなに簡単ではない。


31分、MF17山中が一気に左サイドを駆け上がりマイナスの折り返しにゴール前左でFW7川本リヨがヒールで押し込みにいくも、惜しくも合わず。
そろそろFW陣の中でも川本リヨに得点が欲しい。

33分、FW9北川を競り合いで倒したDF3遠藤にイエロー。

そして34分、加瀬と共に攻撃でも躍動し、相当に消耗したDF2石田に代わりDF5速水を投入。




案の定サイド要員不足で攻めきれずタイムアップ

40分、ザスパは交代でDF19岡本一真に代えてDF2城和を投入。

この攻めなくてはいけない場面で、なぜ右サイドの起点となっていた岡本に代えてセンターバックの城和を投入しなくてはいけないのか・・・???

この城和は守備陣の中央に入り、DF3畑尾を前線に上げてパワープレイに出るが・・・そのクロスを送る起点となっていた岡本一真を下げては意味が半減だ・・・


アディショナルタイムは5分。

いわきもサイドで時間を使ってくる。

右サイドFW9北川からファーに出し、山中が拾って折り返しも、相手に阻まれシュートまではいけず。

ここについても、そもそもなんで北川がサイドをやっているのかも、やはり理解できない。

ここまでの交代策を見ても、どう考えても冒頭に述べたとおり、サイドアタッカーが足りなすぎ、こういった盛り返さないといけない展開の時の武器があまりに少ない。


こうしてタイムアップ。

1点返した長倉のヘディングは見事だったが、初物に弱いザスパのジンクスは撃ち破れなかった。




いい加減わかったでしょう、ベンチ要員がおかしいって。狂ってるって。

試合内容としては、まずはいわきに拍手を送りたい。
前半のあの猛プレスは完璧だった。
昨年のJ3を圧倒した、そのサッカーを私も観たかった。
あれを仮に90分間できるのなら、J1での優勝すら夢ではない。

・・・だが、サッカーとは非道なものだ。
やはり風下に立った後半は、ほとんどそのプレスの勢いは無くなった。

その後半のいわきに対し、長倉の個人技での得点以外、ほとんど決定機を作れなかったザスパ、特に最後の畑尾パワープレイ作戦はあまりにも滑稽だ。

結局のところ、FW9北川が無駄にサイドでのプレーを余儀なくされ、畑尾を前線に上げようともサイドからクロスを送る選手がいない。

冒頭で力説したとおり、どこの世界に、どこのチームに限られたベンチ枠をボランチ2枚とセンターバックで埋めるチームがあろうか??
本来はセンターバックもできるMF6内田1枚入れておけば十分だ。
もしくは攻撃やセットプレー時、ロングスロー等でも武器があるMF8岩上を入れておくのならばわかる。
だが、これだけ守備的なベンチ要員を揃えるチームは他に見た事が無い。

なぜサイドアタッカーが山中1人だけなのか?
その山中がエドのアクシデントで前半に出た瞬間、ザスパには切り札が無くなった。

FW7川本リヨはやはり後半からの投入は有効だ。
リヨのあの、3人に囲まれながらもボールをキープし起点となれてしまうプレーは、後半の反撃しなくてはいけない時間帯、非常に有効だ。

問題は、そのリヨからボールを預かり、サイドを仕掛けられる選手がいない。

どう考えてもMF14白石智之がベンチに入らないのはおかしい。


エド選手の脳震盪、もしかしたら連戦の疲れも含め、次の試合は大事をとるかもしれない。

そうなれば白石智之、FW18岩元ルナ、MF41田部井悠といったサイドアタッカー達をもっと積極的に試すべきだ。
開幕戦からのFW7川本リヨを左サイドに置く作戦をはじめ、大槻監督はサイドアタッカーを軽視する向きがあるのだろうか?
そんな非現実的な幻想、全く内容も結果も伴っていないのだから即刻捨てて欲しい。
サイドアタッカーの再考。
それが必要だ。
というか、私は当たり前の事を当たり前に言っているだけだ。

天笠のボランチ起用を2年前から声をからして叫んだのも、川本リヨが左サイドなんて馬鹿げていると、第2節から訴えているのも、全て当たり前のことを当たり前に言っているだけだ。
なぜ当たり前のことをしてくれないんですか?大槻監督?



(23.4.16)





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