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GW連戦は不完全燃焼のザスパ
GW5連戦を2分3敗と1勝も挙げられずに終わってしまったザスパ。
一時4位だった順位もこの連戦の負け越しであっという間に16位に堕ちてしまったわけだが、まだプレーオフ圏内の6位までは勝ち点3差のみであり、連戦の不完全燃焼をどうここから活かしていけるかが鍵となる。
3敗はしたものの、2分に注目すると、当時首位を独走していた横浜FCに3点差を追いつき、前節の徳島戦では内容的にはザスパの方が上回る戦いをしたりと、J1降格の2チーム相手に内容で勝った戦いができており、決してチーム自体が下降気味というわけではない。
ただ、最低限引き分けにできたはずの秋田戦や大宮戦で負けてしまい、勝てた横浜FCや徳島相手に勝ち切れないなど、勝負弱さも出てきてしまっている点もある。
とにかく、点を獲るべきところで獲れていないのが、勝ち切れない要因だ。
連戦の間、散々このHPで書いてきたとおり、ここ最近の試合はほとんどスタメンとベンチ含めたメンバーが入れ替わることなく、同じようなメンバーで同じような戦いぶりに終始し、活性化できておらず、停滞感が否めない。
怪我でしばらく戦列を離れているMF14白石や、MF49田部井悠らの新戦力といった新しい風をそろそろ取り入れ、この停滞感を打破する起爆剤が欲しいところ。
彼らのコンディションがどう戻っているか、復帰が期待される。
前節と同じく4−4−2に戻す大槻ザスパ
連戦を考慮して前線のかなりの選手を入れ替わりで使ってきた大槻ザスパは、今節はどうスタメンを組んでくるのかが注目されたが、スタメン、サブ共に前節と全く同じ。
連戦は守備重視と言える3バックで臨んだが、結局結果は出なかったため、前節から4バックに戻し、徳島相手にも善戦していたため、しばらくはこの布陣がベースとなるか。
23平松
7加藤潤也
30山根永遠 10田中稔也
6内田 8岩上
17山中 25小島
3畑尾 2城和
21櫛引
ベンチには、FW9北川、FW39高木彰人、FW11深堀、MF38天笠、MF27奥村、DF32渡辺広大、GK44山田晃士
リーグ屈指のCBコンビの岡山
今シーズンの岡山といえば、京都からのDF23ヨルディバイスと栃木からのDF5柳という、J2リーグ屈指のCBを組ませたコンビが注目となる。
守備力もさることながら、2人の攻撃力にも注目したいところで、実際今の岡山の順位は4位と好調をキープ。
連戦で不完全燃焼となったザスパに対し、連戦で連勝を飾り一気に順位を上げてきた岡山にどう立ち向かえるか。
とにかく今シーズンはガラッとメンバーが変わっているため、なかなか戦力がわかりずらいが、ガンバからのMF7チアゴアウベスがここまで5得点挙げておりチームのトップスコアラーであり、その他もMF14田中雄大、FW8ムークが3得点、FW15デュークが2得点と、前線がまんべんなく得点を挙げているところから、なかなか守備の的を絞りにくいか。
だが、この試合はではトップスコアラーのチアゴアウベスがメンバーから外れ、これはザスパにとっては有利に働くか?
ちなみに岡山とは過去2年4連勝を遂げており、すっかりとお得意様になっているため、この試合でも勝ち点を持ち帰りたいところだし、連戦で勝利の無かったザスパとしてはここで勝利が欲しい。
15デューク
8ムーク
19木村太哉 14田中雄大
26本山 6喜山
11宮崎智彦 24成瀬
23ヨルディバイス 5柳
13金山
ベンチは、FW39白井、FW20川本、FW9ハンイグォン、MF28疋田(ひきだ)、DF16河野、DF3阿部海大、GK35堀田
立ち上がりから攻め込むも、決定機は岡山
立ち上がりから攻め込むのはザスパ、中盤でMF8岩上がセカンドを拾いまくり、2次、3次攻撃に繋げていく。
しかし最初の決定的チャンスは5分、岡山、右サイドからMF14田中雄大がライン間際まで攻め込んでの決定的なマイナスの折り返しを入れると、それはいったんスルーとなるが、再度左サイドからのクロスにさらにゴール前でMF14田中雄大の決定的なヘディングシュートは、GK櫛引が至近距離ながらもこれをしっかりとセーブ。
これは助かった・・・
いきなりのピンチだったし、左のチアゴアウベスがいない代わりに、この試合は右の田中雄大がキープレーヤーとなるか。
MF49田部井悠と同じ早稲田大出身の大卒ルーキーだが、これは新たな岡山の星となるべき選手だ。
10分、岡山は中央からMF6喜山がFW23平松に倒されたところでFKを得て、MF14田中雄大のFKにゴール前でGK櫛引が交錯し倒され、これにキーパーチャージ。
15分、ザスパは右CK、MF8岩上のキックは一度ゴール前で跳ね返されるも、後方からDF17山中の左足からの狙いすましたシュートだったが、惜しくもバーの上。
すると16分、岡山の左サイドからの連携で崩され、後方から走り込んできたMF6喜山に決定的な折り返しを送られ、ゴール前左でFW15デュークに合わせられ、ああ、これはやられたか、、と天を仰ぐが、DF3畑尾の決死のスライディングブロックの効果もあり、シュートはバーの左に外れてくれる。
デュークのシュート精度はそうでも無いと見た。
それにしても、攻め込んでいるのはザスパの方だが、いったん逆襲を浴びると両サイドから速攻で崩されてしまっている。
相手にボールを保持されてサイドからの速攻で攻めた方が勝率の高いザスパとしては、これはむしろ嫌な展開。
岡山もその辺がザスパ対策か。
前半はスコアレスで折り返し
21分、左サイドを抜け出したDF17山中の左からのクロスを、GK13金山が目測を誤ったか触った手が浅く、そのままファーに流れると、ここに入っていたMF30山根永遠がボレーで直接シュートを狙うも、惜しくもバーの右。
GKがかわされた後だっただけに、コースさえ良ければ惜しいチャンスだった。
前半も30分となるが、ここでどうしても気になるのはDF17山中の使い方。
ザスパは相変わらず攻撃のボール回しの時は左に山根永遠、右に小島を張り出して、山中を3バックの左に置く形でパスを回すが、これは明らかにミスマッチで左右逆にするべきだ。
山中が3バックの左に入っても、左でボールをフリーで受けているのに、右サイドなどに展開できず、いつも後ろにバックパスしているが、これでは全く意味がなく、相手の標的になるのもわかる。
キック力はあるはずなのだから、なぜ思い切って右サイドへサイドチェンジなり、縦パスなりを入れないのか、これでは相手に狙われるだけなのがいい加減学習できないのかと思う。
だが、左に山中を出す場合には山根永遠はインサイドハーフに入る形となり、問題は代わりに右サイドに張り出す事になるMF10田中稔也が、右サイドでボールを受けると何もできなくなることが多いのが、小島を右に張りだすしかないということか・・・
だから一度は山根永遠を右サイドで起用したりしたが、山根永遠もやはり左サイドでの方が活躍する場面が多いため、いまいち布陣が左右でミスマッチとなっているジレンマがある。
そんなわけで徐々に試合は岡山ペースとなる中だったが、そうなると逆にカウンターがしやすくなるザスパ、42分には右サイドからのマイナスの折り返しにFW7加藤潤也が先に行き過ぎて合わずにスルーの形となると、左からMF30山根永遠のシュートは惜しくもバーの右。
こうして前半はどちらもチャンスがありながらスコアレスで折り返し。
ただし決定的チャンスの枠内シュートは明らかに岡山の方が多く、後半はどうザスパもチャンスを作っていけるか、交代する控えも含めての期待となる。
後半、共に膠着状態に
後半になると岡山はDF23バイスも積極的に攻撃に絡む姿勢をみせ、攻撃を分厚くしてくる。
前線から押し上げられたことでスペースが無くなり、MF10田中稔也が無理にボールをキープしようとして敢え無く奪われてしまう場面も出てくる。
左のDF17山中が連戦の時は狙われるシーンも目立ったが、右サイドでは稔也がどうしても標的となっている。
7分、右サイドからの縦パスからFW7加藤潤也が抜け出し起点となると、後方に戻したところにFW23平松のシュートは惜しくも相手に引っ掛かる。
これは非常に惜しい展開だった。
その後は一進一退の攻防が続き、ザスパは前半あまり見られなかったFW23平松へのパスも通ることもあるが、ここにはDF23バイスがしっかりと張り付くため、平松もほとんど起点になれない。
やはりバイスと柳のセンターバックは堅いし強い。
後半ももう20分となるが、共に決定打も無いが、そんなに悪いところもないため、先に動きにくい状態、交代が共に入らないまま時間が経過していく展開。
21分、ようやくMF30山根永遠が裏へボールを出す1人フェイントスルーパスで抜け出すチャンスだったところを、DF5柳がファールで倒し、当然これにはイエローが提示。
そのFKからザスパは2次、3次攻撃まで繋げ岡山ゴールに襲い掛かるも、どうにもゴール前での決定的場面までにはたどり着けない。
岩上のCKから直接ゴールイン!!!??
そんな膠着状態が続いた26分、ザスパはFW7加藤潤也が縦に抜け出したところからCKを得る。
この左CK、MF8岩上が右足から放った軌道はニアを突き、ニアを固めていたMF19木村太哉が飛ぶがギリギリ頭に届かず、ボールはそのまま鋭く下に落ち、GK金山の目測を見誤らせバウンドしたボールがゴールに入る!!!??
GOOAALLLL!!!!
え???
なに?入ったの??
どうやって入ったの??と一瞬よくわからず、リプレイを観ても未だによくわからないが、どうやらMF19木村がスクリーンとなり、GK金山の目測がブレた中で、ボールが予想以上に強いドライブがかかっており、急激に下に落ちたことでGKのちょうど弁慶の泣き所といえるところに落ち、跳ね返ったボールがそのまま入った形になった。
もしかしたらだが、木村のバックヘッドにわずかにかすった可能性もある。
とにかく驚きの直接CKシュートとなったが、これにより膠着していたこの試合で貴重な先制点が入ることとなる。
共に選手交代、ザスパは広大投入で3バックへ
先制を決められてしまった岡山は、ここまで我慢していた交代のカードを一気に切る。
MF8ムーク、MF6喜山、DF24成瀬に代えてFW20川本、FW9ハンイグォン、DF16河野を一気に3枚代え。
ここまで岡山の決定力不足に助けられた形だったザスパにとっては、川本とハンイグォンの決定力がどう影響してくるか、どう抑えられるかがカギとなる。
対してザスパも29分に初めてのカードを切り、MF10田中稔也に代えてMF27奥村を投入し、そのまま右サイドに入れる。
31分、岡山は更に選手交代、MF19木村太哉に代えてFW39白井を投入し、攻撃のカードを全て使ってくる。
33分、ザスパは岩上のミドルシュートが跳ね返されたところから2次攻撃に繋げ、右サイドのDF25小島のクロスが相手に当たって変化したところをFW7加藤潤也が抑え、見事な密集地帯からのドリブルでゴール前右へ突破し、GKと1対1の場面を作り出すも、シュートは角度がありすぎ、惜しくもバーの左を通過していく。
さらに34分、ザスパは速攻の形で中央からボールを運び、MF27奥村の強烈なミドルシュートが放たれるも、惜しくもGK13金山の正面セーブにあう。
35分、いよいよ岡山はDF23バイスも本格的に攻撃参加してくる中、その裏を突くようにカウンターを仕掛け、FW23平松が抜け出しにいくも、後からDF11宮崎智彦に倒され、これにはやはりイエロー提示。
36分、岡山は最後の交代、MF26本山に代えてMF28疋田を投入。
対してザスパはDF17山中に代えてDF32渡辺広大を入れるハッキリとした守備固めに入り、これで3バックの構えとなる。
今シーズンのザスパは守る時は3バックという鉄則をここで採用。
アウェイ大宮戦では後半頭からこの3バックにして守りに入ったことが裏目となるが、残り10分となってきたこの時間帯ではどうか。
43分、ザスパも最後の交代、MF6内田、FW7加藤潤也に代えて、FW9北川、FW39高木彰人を投入。
奥村はボランチに下がる。
それにしても、この試合でも天笠が使われないか・・・
左サイドの山根永遠が良いのはわかるが、それにしても山根もあまりに走り過ぎで、明らかに拾うが見られる。
FW11深堀が珍しく使われない試合となったが、深堀は守備には向かないという判断か。
確かに前線で収めるには深堀より北川だ。
こうして試合は5分のアディショナルタイムへ。
ロスタイム2分、中央の競り合いで強引にいきすぎたFW39白井にイエロー。
4位でホーム戦を迎えたのに先制されてしまった岡山側の焦りが反映されている。
3分、左サイドからFW9ハンイグォンに強引にドリブルで突破され、DF2城和、DF3畑尾とザスパの誇るセンターバック陣のチャージがかわされると、これはヤバい!!という状態となるが、ゴール前での混戦の中で放たれたシュートはバーの右上。
3バックとなったザスパ、しかもDF32渡辺広大も入る3バックは2人抜かされても、それでも堅い。
そしてタイムアップ!!!
5連戦で勝利が無かったザスパは、実に6試合ぶりの貴重な勝利を手にすることとなった。
岡山がザスパを天敵化
これでザスパがJ2に復帰した2020シーズンから岡山戦だけは5戦5勝となり、完全に岡山にとってザスパが天敵と化した。
この日のゴールもMF8岩上の鋭く落ちていくCKの精度が素晴らしかったものの、ニアで飛んだ味方が壁となってGKの目測を誤らせたラッキーの要素も強いものだったし、そして前半の決定機にあまりに岡山は決定力が無さすぎた。
これにチアゴアウベスがいたらどうなっていたかと思うところだが、いまいちデュークあたりの決定力が無いところが今シーズンの岡山の泣き所か。
それにしても決勝点となった岩上だが、それ以上に中盤での存在感は凄まじかった。
やはり今のザスパは岩上抜きでは語れない。
明らかに中盤を制していたし、岩上いる限りどんなチームにも中盤の主導権は完全には渡さない。
そして、4バックに戻した後からはザスパは内容的にも上位陣相手にうまくバランス良く戦えている。
CKからの得点というのは、おそらく今シーズン初かと思うし、もっとセットプレーからの得点ももちろんだが、とにかくまだまだ決定力、得点力が足りない。
お得意様となった岡山からの勝利はあくまでボーナスだったとし、次のアウェイ町田戦でも上位陣相手に勝利が獲れるかで真価が問われる。
とにかく、やはり守備はある程度計算できる。
問題は16試合で16得点しか取れていない決定力だし、この試合、相手の岡山の新たなエースとして頭角をあらわしたMF14田中雄大と同じ早稲田大の同級、MF49田部井悠や、そろそろ怪我から復帰するという情報もあるMF14白石、MF15風間宏希、DF24光永などの復帰も待ち遠しいところ。
今節の勝利でプレーオフ圏内6位の勝ち点23に肉薄する勝ち点22となって11位と順位を戻したザスパ、次の6位町田に勝てばプレーオフ圏内へ再び戻れることとなる。
前半戦をなんとかプレーオフ圏内で折り返せるよう、前半戦もラスト5試合、ここが正念場だ。
(22.5.15)
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