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ザスパクサツ群馬

2019年6月16日(日)
J3リーグ2019シーズン第12節
ザスパクサツ群馬 VS AC長野パルセイロ(アウェイ)
観戦記 1−0

横棒


ザスパの本領発揮はまだ始まったばかり

本物だ。

今のザスパの強さは紛れもなく本物だ。

現在はJ3にいるものの、J2にいた13年間合わせても、今のザスパが史上最強だと感じる、いや断言してもいい。

理由としては、各ポジションの選手の個々の能力が高く、そしてそれを存分に発揮できる布陣にある。


あまりに個人的にも理想的なチーム構成となっており、かつてないほどの高揚感に包まれているため、ここでいつものプレビューより長めの構成で今のザスパがいかに強いか、なぜ強いかをまとめておきたい。

そう、ただの勢いとかではない。
きちんとした哲学が、根拠がある。

だから確信がある。


強さの根拠(1)1トップFW17高澤

全ては天皇杯での右サイドバックのDF19吉田将也と、FW17高澤の大卒ルーキー2人の活躍から始まった。

それまで布監督の悪癖である亀サッカーに陥っていたザスパは、右サイドバックにセンターバックが本職のDF13久木田を起用するなんて馬鹿なまねはよして、天皇杯でアピールできたDF19吉田将也を起用し、そして天皇杯で劇的な延長決勝ゴールを決めたFW17高澤に1トップを任せる。

それにより、ポジションを失ったかに見えた開幕から前線を支える軸であったFW10青木翔大を、なんと右サイドハーフに回す。

これが大きかった。
これまで通常なら、高澤を1トップに置いたら、必然的に青木翔大は1.5列目のシャドーにでも置いて、結局はツインタワーとして前線を同じような身長の2人がうろうろすることとなっただろう。


強さの根拠(2)シャドーFW7加藤潤也

だが、青木翔大を思い切って右サイドハーフに回したことで、空いたもう1つの2トップの一席、シャドーのポジションにFW7加藤潤也を置く事ができた。

加藤潤也が1人前線のフリーマンとして縦横無尽、神出鬼没にポジションを変え、相手DFに全くマークに付くことを許さず、それに振り回される事で1トップの高澤もどうしても空くときが生じるようになり、青木翔大と2トップの頃はあれだけマークに悩まされていた高澤が急に得点を量産するようになり、2試合連続2得点ゴール、天皇杯での1点も合わせれば3試合連続ゴール中の、3試合で5得点の荒稼ぎ状態に。


強さの根拠(3)右サイドハーフFW10青木翔大

そして右サイドに回された青木翔大はというと、これがまたハマっており、右サイドバックのDF19吉田将也が右の大外から上がってくれるので、翔大は攻撃時にそこまで右サイドに固執する必要は無く、特にチームが左から攻撃している時は、躊躇なく外から一気にゴールファーに詰める事ができる。

それまではゴール前で常に2人くらいに囲まれ、ここ最近は沈黙しがちだった青木翔大も、このポジションチェンジによりゴール前でフリーで触れるようになり、前節はゴールを背にボールを受けたところから、見事にDFを背負いながら回転し、そのままゴールを決めてしまうという、まさに翔大らしい素晴らしいゴールを決めてみせた。

また、周りも驚くほど高さとシュート力だけでなく、足技もあるため、右サイドでのキープは将也も上がりやすくなるという、まさに相乗効果。


強さの根拠(4)右サイドバックDF19吉田将也

その将也は90分間途切れる事の無い上下運動とスプリントにより対峙する相手のサイドプレーヤーを圧倒し、全く止められずにゴールライン際まで攻め上がり何度も鋭いクロスを入れ、そして速攻の時には自らゴール前まで上がり、サイドバックながら2試合連続ゴールと、まさに売り出し中。


これほどまでに1トップ高澤、シャドー加藤潤也、右サイド青木翔大、右サイドバック吉田将也がハマっているところに、更にザスパはこれだけではない。


強さの根拠(5)復帰したFW9岡田翔平

左サイドには大怪我から復帰した岡田翔平が前節スタメンで復帰し、これまた岡田らしい、ゴールへの執念で倒れ込みながら、相手DF2人に挟まれながらの左足でのシュートをゴールに突き刺し完全復活を証明してみせ、そして左サイドバックの光永も、右の将也が上がる分、しっかりとバランスをとって守備をしながら、しかし上がれる時間帯は将也以上に上がり、左右のバランスをとるように左からのクロスを何度も入れていき、そして時にはそれがファーに流れ右の将也がシュートチャンスに・・・といった左右からの攻撃の幅を見せる。


強さの根拠(6)ボランチMF6佐藤祥

更にこれだけではない。

チームが苦しい時も、ストライカーばりのダイビングヘッドを決めたり、ゴール前での粘りからのシュートをねじ込んだりと、ボランチとは思えない得点能力と攻撃力を持ったMF6佐藤祥が、普段はしっかりと4バックとボックスを形成しながらも、攻撃の時は得意の上がりからゴール前まで貪欲にゴールを狙う。

上述したとおり、前線の4人や右サイドバックの将也、左の光永がこれだけ縦横無尽に前線で暴れまわる中、ボランチにまでゴールを虎視眈々と狙われては、さすがに相手がマークをしようもない。



強さの根拠(7)各選手が最大限活きる布陣

そんなチームの勢いはチーム全体に浸透し、センターバックに入るDF2舩津も、得意の攻撃参加で前節は好機を演出してみせた。

いかに現在のチームが前向きなのかがわかる。



これまで、私の中でのザスパのベスト布陣には、もう10年くらい前になるだろうが、高田保則の1トップに、トップ下に櫻田が入る布陣があったが、しょせんそれは2人のキープレイヤーが光っているに過ぎなった。

それに対し、今のザスパのチーム全体での選手の強み、そしてそれを存分に生かすシステムのベストマッチ、ハマり具合は完璧だ。

ユース世代中心のFC東京23との4−1は、まだ参考値といったところだったが、その翌週・前節のかつての天敵鳥取相手にみせた5−0は、今のザスパの強さが本物であるということを証明してみた。


本来、今シーズン集まった選手達の、本当の強さはこれだったのだろう。

開幕戦から掴んだ手ごたえは、やはり本物だった。

ただ、これだけ集まったキラ星達を活かす布陣、システムの探索に苦しんだ。

布監督の肝入りでスタートした3バック+3ボランチという変則布陣は、結局彼らキラ星達の実力を存分に活かせるものではない、システム偏重の、守備重視の布陣だったというわけだ。

亀作戦となって守り、そして前線に足が早く、決定力のある2トップを置けるなら、降格争いのチームとしては良い戦術かもしれないが、今のザスパの置かれている状況でとるべき作戦ではなかった。

どんな相手でも圧倒し、そして自ら点を獲り主導権を握り、圧勝を目指さなくてはいけない。

かつての山口や金沢、琉球といったJ3から昇格していったチーム達は、いずれも他のチームが手のつけようもない攻撃力がウリだった。
そして、現にそのままJ2でもやっていけ、未だ降格しJ3に戻ってきたチームもいない。

唯一J3に1回戻ってしまった町田も、やはりJ3で再度攻撃力を身に着けてからJ2に復帰し、その後は安定した戦いをしている。


やはりJ3というリーグは守っていてはダメだ。

あくまで選手たちの個々の能力を最大限発揮できる環境を整えてやり、そして存分に攻撃させ、相手をいかに圧倒できるかだ。


今のザスパにはそれが出来る。

今節の長野、そして4位讃岐、首位の熊本と、昨年までJ2組だった昇格争いの大本命、ライバル達との直接対決となるが、ここを連勝することで一気に昇格圏内が狙える。


サッカーという運の要素も多分に入るスポーツに絶対勝てるという保証など無いが、しかし今のザスパなら、多少の悪運も跳ね返すだけの力はある。


勝って勝って勝ち進もう。

その先にJ2復帰、さらにその先の夢、J1すら視野に入るのではと、今の私の視界には見える。


1戦も落とせない試合が続くが、とにかく今の自分たちの力を信じて、1戦1戦自分たちの実力を出し切って、そして勝つのみだ。





キャプテン窪田復帰のザスパ

ザスパはスタメンは当然圧勝した前節と変わりないが、ベンチには負傷で退いていたキャプテン窪田が復帰。

前節スタメンに復帰した岡田と共に、続々と負傷組が帰ってくることで、戦力の厚みが一層増す。




17高澤
7加藤潤也
9岡田翔平    10青木翔大
15ジャスティン 6佐藤祥

24光永        19吉田将也
32渡辺広大 2舩津

23吉田舜


ベンチには、FW18中村駿太、MF14田中稔也、MF8窪田、MF5青木翼、MF3鈴木順也、DF28福田、GK21キムチョルホ





津田、岩沼擁する長野

長野といえば、ボランチに前橋出身のレフティー岩沼がいるが、最近はベンチスタートが多くなっている様子。
岩沼は一度はザスパに来て欲しかった、私が毎年切望した郷土プレーヤーだが、いよいよそのタイミングは無くなってきたか・・・

また、ベンチにはかつて苦い経験がある津田が入り、前節もスーパーサブとして得点を決めているということで、要注意プレーヤーだ。




23大城
14東    19三上
13山口         18内田
29山田 17明神

2松原 3大島 4内野

21立川


ベンチには、FW9津田、FW27竹下、MF7妹尾、MF6岩沼、DF30浦上、DF5池田、GK16阿部




前半、互いにチャンス少なくスコアレスで折返し

立ち上がりから積極的に攻め込む好調ザスパは、右サイドからDF19吉田将也がクロスを入れたところでCKを掴み、右CKからゴール前でFW9岡田のヘディングは惜しくもバーの左。


その後も右から左からと攻め込むも、さすが長野、守りは固くそうは簡単に点は入れられない。



一方長野はほとんど攻め手が無く、1トップのFW23大城を走らせて縦パスを送るのがやっと。
元々ポゼッションのチームだけに、パスをとにかく回すわけだが、ザスパとしてはボールを持たせてやっているといった余裕の対応が続く。


37分、ようやく長野、右サイドからゴール前にグランダーのクロスを入れるも、DF24光永がしっかりとスライディングブロックで止める。


この辺の時間帯は長野にポゼッションを許し、ザスパもなかなか攻撃に転じられない。


右がダメなら左からと、岡田を起点に光永と連携して攻め込むも、長野のマークも堅く、なかなかチャンスを掴めない。


43分、左サイドから上がったDF24光永がゴール前に鋭いクロスを送るも、GK21立川がすばやく前に飛び出し、これをキャッチするファインプレーで止められてしまう。


こうして前半は共にスコアレスで折返し。

とにかく互いにシュート数も見せ場も少ない、攻撃よりも守備の方が勝る展開となっている。

ザスパとしてはこういった低調な試合でも、しっかりと点を獲り勝ち点3を稼ぐしたたかさが今後は求められる。







後半も互いにゴール遠く、長野は津田投入

後半5分、長野に左サイドからクロスを入れられ、はじいたところのセカンドを拾われると、強烈なシュートを撃たれるも、どうにかDF陣のブロックで防ぐ。

うーん、もう少しは楽な展開の試合になるかと思ったが、さすが長野、それもホームでは本当に実力を発揮してくる。


対するザスパも、右サイドからDF19将也が上がる回数を増やし、何度もクロスをゴール前に入れるも、今日の長野は本当に堅く、なかなかシュートチャンスに恵まれない。

非常に締まった展開であり、こうなるとここ最近攻撃が爆発しているザスパも、なかなか攻撃一辺倒にはならない。


互いに、まだまだゴールが遠い中、長野は19分、1人目の選手交代でFW23大城に代えてスーパーサブFW9津田を投入。

いよいよここからが勝負どころ。



次第に後半は長野ペースに

21分、右サイドMF13山口からのゴール前のクロスにFW9津田が詰めるも、わずかに触れず、危機を回避。

ヤバい、明らかに流れが長野に移っている。

23分、右サイドからFW19三上の突破から決定的なクロスをゴール前に入れられ、FW14東が詰めてシュートも、この至近距離のシュートをGK吉田舜がファインセーブで止める。


ザスパも両サイドからの攻撃から、何度もゴール前にクロスは入れていくものの、常にゴール前は5人で固める長野DF陣に手を焼く。


26分、長野は2人目の交代で、MF17明神に代えて、MF6岩沼を投入。

うーん、相変わらず布監督、交代の動きが鈍い・・・

相手はついに岩沼も投入してきたのだから、ザスパとしてもアクションを起こす必要がある。



ザスパもようやく選手交代策

29分、ようやくザスパも選手交代、前節と同じくFW9岡田に代えてMF14田中稔也を投入。

岡田は負傷明けの復活から、徐々に出場時間を延ばしている様子。


30分、長野の突破の場面でFW14東と衝突したFW10青木翔大にイエローが出るものの、リプレイを観る限り、東の方からぶつかってきて、勝手に倒れただけじゃねええか!!!

相変わらず、この辺のジャッジはJ3クオリティか・・・


35分、ザスパは2人目の交代、なんと1トップFW17高澤に代えて、MF8窪田を投入。

高澤はここ2試合の絶好調ぶりがウソのように、今日は長野DF陣のマークに苦しみ、ほとんど見せ場を作れなかった。
これでポジションをチェンジさせ、窪田が入ったボランチからMF6佐藤祥は移動して右サイドに入り、FW10青木翔大が1トップに移る。

40分、右サイドでジャスティンが粘ったところでMF6佐藤祥がゴールラインギリギリから突破し、ゴール前に上げたマイナスのクロスにニアでFW10青木翔大の渾身のヘディングも、GK21立川がスーパーセーブでこれを止める!!!??


これも入らないのか・・・
これまで2試合なら入っていたシュートが、長野のアウェイだとどうしても入らない。
これがアウェイのビハインド、相手長野のホームとしての強さか・・・

42分、ザスパは最後の交代、MF15金城ジャスティンに代えて、DF28福田を投入。

福田を前線に送り込みパワープレイにするも・・・ヤバい、もう時間が無い・・・
上位との直接対決までに3連勝できないのか???




4分間のロスタイム・・・最後のラストプレーで稔也の劇的な決勝弾!!!!

長野も43分最後の交代、FW14東に代えて、FW27竹下を投入。


試合はそのまま4分間のアディショナルタイムへ。


なんと、このままスコアレスドローか・・・この試合、長野にうまく守られたか・・・

そんな諦めムードがムンムンと立ち上る中、ついにロスタイムも3分を経過し、そろそろ最後のラストプレーかというところ、長野のロングスローを跳ね返したザスパは、MF8窪田が相手のファールを受けながらも加藤潤也にボールを渡し、そのまま中央左寄りからFW7加藤潤也が1人でスピードに乗って持ち込み、相手長野も4人くらいがどうにか追いついてマークに付く中、そのマークの間隙を突いて潤也が右前のスペースにスルーパスを送ると、ここに走り込んでいたMF14田中稔也が右でのトラップで切り返し、付いてきたマークをかわすと、すかさず左でシュートを蹴り込むと、これがゴール右に!!!!


GOOAAALLLLL!!!!


おおおおおおおお!!!!!???

本当か?????

まさに正真正銘のラストプレー、これが決まるか!!!????


そして決めたのは、攻撃陣の中でただ一人波に乗り切れていなかった、MF14田中稔也。

シーズン前は鹿島からやってきたこの今シーズン唯一の郷土出身プレーヤーに、ザスパの若きエースとしての期待感はマックスに膨らんでいたが、その期待、重圧に潰されるようになかなか結果を出せなかった田中稔也が、この絶望的な試合の流れの中で、ついに決めてみせた。


これで若きエースがついに覚醒モードに入るか。

長野Uスタジアム 2019.6.16 アウェイ長野戦 田中稔也初ゴール!!

長野Uスタジアム 2019.6.16 アウェイ長野戦 田中稔也初ゴール!!
2019.6.16 アウェイ長野戦 MF14田中稔也初ゴール!!
稔也の号泣の喜び様から、どれだけ今シーズン、これまで苦しんだかが伺い知れる・・・


そして、この決勝弾の半分は、見事なアシストとなるボール運びと絶妙なスルーパスを送ったFW7加藤潤也。

この試合、長野のバイタルエリアを埋めまくる完璧なブロックの形成に、なかなかいつものバイタルエリアを切り裂くプレーが出来なかったが、このラストでの精度はさすが。

やはり加藤潤也はザスパの前線の軸であることに間違いない。



こうして、劇的なラストプレーでの決勝弾で見事な3連勝となったザスパ。

でかい、この勝利はデカい。

勝ち点1と3では大きな差がある。

そして、やはりこの勢いは本物だと感じる。


この勝利により6位に順位を上げたザスパは、次節は2位の昇格圏内に浮上した、J2からの降格組・讃岐との直接対決となる。
そしてその次は首位で同じくJ2からの降格組の熊本。

奇しくもこのタイミングでJ2降格組、それも1位、2位との直接対決の連戦となるが、ここで勝てば一気に上位進出も間違いない。


いよいよ決戦の時だ。

このまま勝って、そしてJ2に戻らないと、もう10年は戻れなくなる。





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