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ザスパクサツ群馬

平成30年12月2日(日)
J3リーグ2018シーズン第34節
ザスパクサツ群馬 VS YSCC横浜(ホーム)
観戦記 2−2

横棒


1年でのJ2復帰を逃し、来期に何を繋げるか

前節の藤枝戦で、今シーズンを象徴するような、ここぞというところで得点を奪えず0−1での敗戦となる展開で、1年でのJ2復帰の道が途絶えたザスパ。

せめて最終節まで希望を残して欲しかったものであり、本当に悔しい結果となってしまった。


しかし、この最終節のホーム戦は単なる消化試合などでは決してない。

果たしてギリギリの順位で上がれなかったと言える3位を守れるか、急遽追い上げてきた天敵・鳥取にまくられてしまい、じり貧の4位で終わるかでは、来期に繋げる意味でまるで変わってくる。

可能性がどれくらいあったかを対外的に示すのは、来期に向けてのサポータ、ファンの獲得と共に、1億2千万という降格救済金が無くなる来期に、どれくらい戦力を維持できるかの、スポンサー獲得のための大きな指標となる。

勝てば自力で”惜しかったんだ”と言える3位になれる状況であり、ホーム最終戦という、スタジアムのサポータ、ファンに来季への期待へ繋げさせられるか、非常に重要な試合と言える。


本当はザスパは強かったんだ。

このサッカーを来期は開幕からスタートダッシュ出来れば、必ずや来年は昇格してくれる。
サポータ、そしてスポンサーにどの程度アピール出来るか、この最終戦の持つ意味は相当に大きい。


実際のところ、本当に来年は最後のチャンスというか、いよいよチームの存続もかかる勝負の年となるだろう。

栃木のように2年で上がれるか、北九州らのように、J3にどっぷり漬かってしまうか。。。

もう3年以上のJ3は、クラブの体力的にもあり得ないだろうし、ギリギリJ3で留まってもチーム力を維持できるギリギリの戦いが来年は待っている。


その覚悟と希望を掴むためにも、この最終戦は本当に重要だ。

実際、J2に復帰できなかった事で、昨年から多く残った選手達のうち、相当な数がチームを去る事になるのではとも予想され、このチームで戦える最後の試合を大切に、そして勝利でシーズンを締めくくりたい。






松下裕樹スタメンのザスパ

今シーズン、攻守の軸として活躍してきたMF8風間の累積欠場のザスパは松下裕樹が代役として久々のスタメン起用。

個人的には、これが松下の引退試合とならなければ良いが・・・といった思いがどうしても頭をよぎりつつの観戦となる。

その他、ベンチメンバーにはジャンボ大久保はじめ、センターバック陣がズラリと並び、どの面々も来期の契約が厳しいか、と思われるメンバーが揃う。




27大島
7高橋駿太 6小林竜樹
5阿部巧      28長谷川巧
30松下 33碓井

40小柳 2舩津 15金城ジャスティン

21松原


ベンチにはFW50山ア、FW39大久保、DF4坪内、DF3川岸、DF22藤原、DF19一柳、GK23パクスンリ。





YS横浜

YS横浜は前線からのプレスから、とにかく後半も運動量が落ちないスタイル。

前回の対戦ではスコアレスで痛い勝ち点を逃しているだけに、この試合ではしっかり複数得点を獲って勝利したい。



10辻
15奥田
23三沢       11北脇
14後藤 6小澤

25西山        9大泉
3宗近 5中西

1浅沼


ベンチには、FW18金子、FW28リンジェ ジャブラニ、FW20進 昂平、MF8吉田、MF7宮尾、MF4土館、GK39チョウテンシ





碓井の見事な先制弾!!!

立ちあがりこそは積極的に圧し込んだザスパだったが、いまいち決定打までは到らない。

やはり前節の相模原線と同じだが、右ワイドに入るMF28長谷川巧がボールをもらっても前にいけずにバックパスばかりで、いまいち攻撃の起点となれていない。

そんな中でも16分、そのMF28長谷川巧の右サイドからのクロスに中央でFW27大島が左に流し、ファーに詰めていたFW7高橋駿太のシュートは惜しくも浮いてしまい、大変惜しい流れからのチャンスを逸す。


19分、FW7高橋駿太の右サイドからのスルーパスに抜け出したMF33碓井がペナルティ内で相手のスライディングを切り返しでかわしフリーとなると、ぽっかり空いたコースに左足でシュートを撃ちこみ、これが見事にゴールに決まる!!


GOOAAALLLLL!!!!


素晴らしい碓井!!!
さすが今シーズン後半からザスパをボランチの位置で救った碓井、その精度の高さは得点シーンでも見事に発揮された。

いつもならMF8風間の役割であるところを、この日は松下裕樹がアンカー役を務めるため、碓井は積極的に最前線まで度々上がり、オフサイドを受けるほどの前線への積極性を見せていた結果だった。

やはりこの長崎から途中でレンタルされた碓井という選手の重要性を再認識させられる先制点となった。

でかい、この早い時間帯での先制点はでかい。

大量得点での勝利を期待する先制点となった。




大島の動きの良さ、阿部巧の左ワイドでの働き

特筆すべきは、今日の1トップに入ったFW27大島の動きの良さだろうか。

いつもならチェイシングにいくタイミングも一歩遅れ、そしてダラダラと付いていくだけで全くボールを奪いにいける気配も無い、若いわりには運動量が少ない動きが毎試合気になっていたところだったが、最後となったこの試合は出だしの一歩も早く、よく走れており、相手DFラインへのプレッシャーになれている。

何か指示が変わったのか、最後の試合だからと本人の気が変わったのか・・・
とにかくもっと最初からこの走り、動きが出来ていれば、今シーズンもっと違った結果になるだろうと思えるところ。


その後もYS横浜からの攻撃はそれほど受ける事無く、ザスパペースで試合は進み、26分、MF5阿部巧のクロスにFW7高橋駿太のドンピシャのヘディングシュートは、惜しくも相手DFの肩に当たりブロックされる。
それにしても、この試合もやはり左の阿部巧からのクロスは大きな武器となっている。

今シーズン、ガンバ23に大敗した夏から急にメンバーを外され、干された形の阿部巧だったが、その後に阿部巧の代わりに起用された金城ジャスティンの、慣れない左ワイドでのクロスに苦労した経緯を考えれば、もっとあの時期に阿部巧を使えていれば、岩田が抜けた穴のダメージも軽減されただろうに、と、この点もやはり今シーズン振り返って悔やまれるところ。


その後は互いにチャンスも無く、前半も終盤に入ると40分、YS横浜にもチャンスが生じ、カウンターからFW10辻に身体をうまく入れられマークをかわされると、ほぼGKと1対1の場面とされたところからのシュートは、GK松原がどうにか足で食い止める。




駿太の追加点!!!・・・の直後にGK松原痛恨の失点・・・

44分、DFラインからの縦パスにうまく走り込んで受けに行ったFW27大島の球がこぼれ、相手DFがたまらず味方GKにバックパスも、連動して走っていたFW7高橋駿太がこれをそのまま拾い、前に出てきたGKもかわして冷静に無人のゴールに沈める。


GOOAAALLLLL!!!!


やはり、今日の大島の前線での走りは素晴らしく、その大島のチェイシング、そしてこの前線での受けにいく走りが貴重な追加点を呼び込んだ。

このザスパペースの前半で追加点を奪えないと、後半は逆に圧し込まれてくるのでは、と危ぶまれた中での、この追加点は非常に大きな意味を持つ・・・はずだった。


そのわずか1分後、前半も短いロスタイムに入ったところで、相手の縦パス一本に不用意に飛び出していたGK松原が、ボールに触る前に相手FW10辻の前線への詰めの速さを読み違え、ダメか、と一歩下がったところで先にシュートを撃たれてしまい、無人のゴールに・・・


・・・・・・・・・・!!!!!!!・・・・・・・・・・


なんてことだ・・・
今シーズン、何度もザスパを救ってきた守護神GK松原が、珍しく目測を誤り、致命的なミスでゴールを奪われてしまった・・・

このまま2点リードで前半を折り返せれば、後半も1、2点を追加しての完勝、圧勝もあっただろうが、この前半終了間際の後味の悪い失点による前半の折返しは、まだ1点リードしているとはいえ、後半に不安を残すものとなってしまい、そしてその予感は的中することとなる。



敷島・正田醤油スタジアム ザスパクサツ群馬 MF30松下裕樹のCK
この日、セットプレーの全てを託された松下裕樹の後半ロスタイム最後のCK




後半、なかなか追加点奪えず

後半、立ち上がりから連続でCKなどのチャンスを掴み、あと一歩までYS横浜ゴールに迫るも、なかなかゴールまでは割れず。

前半終了間際に致命的なGK松原のミスによる失点を帳消しにするためにも、ここは攻撃陣が試合を決定付けさせる3点目を獲らなければいけない。

その後もMF5阿部巧やFW7高橋駿太らを中心に左サイドから主に攻めるザスパだが、なかなか最後のところでFW27大島の頭などには合わない。


12分、右サイドでセカンドを拾ったMF28長谷川が右サイド深くからえぐり、ファーに送ったクロスにMF5阿部巧がヘディングで詰めていくも、わずかに頭に合いきれずだが、こういった深くえぐっていくプレーがやはり決定機を産むわけで、もっと長谷川には深くまで攻め込んで欲しい。

14分、再び右サイドでMF28長谷川、今度はそこまで深くまでいかない早目の位置でクロスを上げ、ファーでMF5阿部巧が頭で折り返したところにFW27大島のヘディングシュートは惜しくもバーの上!!


16分、YS横浜は1人目の交代、MF15奥田に代えてMF8吉田を投入。

さらに19分もYS横浜の交代策、DF5中西に代えてMF4土舘を投入、


その後は、後半に入ってもなかなか運動量の落ちないYS横浜のプレスに苦しめられ、なかなか攻め込むスペースを与えてもらえず攻めあぐねるザスパ、時間が経過していく。




ザスパ交代策も攻撃活性化に繋がらず

24分、ザスパはようやく1人目の交代、MF6小林竜樹に代えて、FW50山アを投入。
ただし、どうやらポジションはあまり代えず、山アはそのままシャドーの位置に入った様子。

それにしても、今日のセンターバックばかりのベンチ要員の揃え方だと、いわゆるカンフル剤要員がいないため、これではなかなか代えずらい・・・

やはり契約更新前の、ここまでベンチ入りできなかったメンバーも含めての恩情ベンチ策なのだろうが、さすがにこれでは攻撃の駒が足りず、なかなか交代策でも攻撃の圧力は強まらず。


32分、YS横浜はDF25西山に代えてFW18金子を投入。

ザスパも交代、FW27大島に代えてジャンボ・・・ではなくDF19一柳夢吾??

まさかもうこの時間帯から守備固めではないだろうが、、、と思ったら、どうやらMF30松下裕樹を1アンカーに、MF33碓井とDF19一柳がインサイドハーフに入る形で、おそらく中盤のプレスを強める目的だろう。


だが、なかなか試合勘の薄れている一柳を中盤に投入しても、効果的な攻撃には繋がらず、これならばいつぞやの坪内をDFラインに入れて、小柳を前線に上げた方が効果的だっただろう。


そんな戦術がちぐはぐなザスパに対しYS横浜は36分、中央で縦パスを受けたFW10辻が、そのまま身体をうまく入れ替える形でそのまま振り返って単身ドリブルに入り、ペナルティラインに入ったところでの右足でのシュートは威力は無く、GK松原が抑える。





ラストプレーで同点に追いつかれる・・・

39分、左サイドからMF5阿部巧が攻め込んでいき、決定的なクロスから中央でFW7高橋駿太が詰めるも、惜しくもわずかに合わずにシュートはバーの右。


42分、ザスパも最後の交代、FW7高橋駿太に代えてFW39ジャンボ大久保が投入される。

しかし・・・大久保が入っても、そこまでボールを届ける選手が、駿太、竜樹がいないとどうすればいいのか・・・

こうなると左の阿部巧のクロスに期待するしかない。


試合は3分のロスタイムに入り、左からのFKを得ると、MF30松下裕樹のキックにファーの大久保が落とし、MF19一柳がニアに詰めるも、惜しくもブロックされる。


ロスタイム2分、MF23三沢の中央から一気に加速を上げたドリブルの対応が遅れ、ペナルティ手前左でFW50山アがなし崩し的にファールで止める事となる。


ん???
この位置はヤバい・・・絶妙に一番ゴールになる位置だ・・・

すると、やはりFKにいったMF23三沢の右足からの直接シュートが威力、コース共に完璧な軌道でゴール左上の枠を捉え、これがゴールに突き刺さる・・・!!!



・・・こうしてシーズン最後の試合は2−2のドローに終わり、勝ち点1のみに留まることとなった。

対して、4位鳥取、5位沼津が共に勝利し勝ち点3を積み上げたため、なんと最悪のシナリオとなる、最終節で5位転落でシーズンを終える事となった。




この悔しさを来期のJ2復帰に繋げられるか

こうしてシーズンは終了。

YS横浜とは2試合ともドローとなり、シーズンを通じて勝ち点を落とす相手となってしまった。
これは逆に言えば、来年はYS横浜には2連勝で借りを返さなければいけない。

やはり、前半のGK松原の痛恨の判断ミスによる失点が全てだった。

そして、そのミスからの失点を帳消しに出来ない、追加点を獲り返してやれない攻撃陣がいた。

まさに今シーズンを象徴する、ここで点を獲れればというところで獲り切れない、まさに勝負弱さが露呈された試合だった。


しかし、逆にこれで良かったのだろう。

この悔しさがあるからこそ、来年の奮起に繋がる。

こんな後半の相手に走り負けしているような内容のまま、なし崩し的に2−1で勝利し、なあなあの3位で惜しかったね、と終わるよりも、まざまざとこの不甲斐ない現実を目の当たりにさせ、そして来年の昇格のためには何が必要なのか、今一度噛み締める必要があるだろう。


シーズンを振り返っての総括は来週にでもアップしたいと思う。


まずは、最悪の昨年から完全に新体制で立ち上がり、ここまで昇格に迫ったシーズンを戦えた事は収穫だったと思うし、奈良社長、布監督、佐藤正美らのコーチ陣、選手達はよく戦ってくれた。


降格救済金が無くなり、来期のダゾーンからの分配金はわずか3000万で、単純に9000万の減収となるという。

9000万というと、果たして選手何人分のサラリーとなるだろうか。

今シーズン末は、残って欲しい戦力も、金額の問題で泣く泣く切らなくてはいけない事となるだろう。

特にベテラン陣・・・

今後の契約発表が心配でならないが、とにかく今シーズンお疲れ様でした。

そして来年こそは、チームの運命を賭けて栃木のように2年目でJ2に復帰できないと、本当にドツボにハマる事となる。

布監督の言葉の通り、運命の来期の戦いは既に始まっている。





敷島・正田醤油スタジアム ザスパクサツ群馬 奈良社長の挨拶
ザスパ、1年でのJ2復帰ならず・・・
奈良社長無念の挨拶

敷島・正田醤油スタジアム ザスパクサツ群馬 2019年、俺達が昇格する
試合後、サポータから掲げられた「2019年、俺達が昇格する」の力強い文字
J3、2年目となる来年、ここで昇格を落とせば、ザスパはそうはJ2には上がれない底なし沼に陥る事になる・・・





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