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連勝を止めるわけにはいかない
前節までの中断後のU−23との4連戦を、3勝1敗のまずまずの戦績で乗り切ったザスパは、現在シーズン初の3連勝中で4位につける。
しかし、昇格を狙うチームとして、そもそもようやく3連勝に辿り着いたという事自体が遅すぎる。
当然、まだまだ前半戦にためてしまったツケはまだまだ重くのしかかっており、そして昇格圏内の1位琉球、2位鹿児島も全然負けてはくれず、ザスパと同じく3連勝中で差がなかなか縮まらない。
こうなったら我慢比べであり、上位陣が負けるまでには、何連勝でもするしかない。
この連勝中、ザスパが身に着けた点としては、やはり守備だろう。
ガンバ23アウェイで0−4の大敗を喫してから、守備システムをもう一度構築しなおし、そして3試合連続クリーンシートでの連勝に繋げている。
これぞ守備から入る布サッカーの真骨頂という事だろうが、問題は残留を目指すチームなら布サッカーは最適だが、昇格を目指すチームとしては、もっと獲れるときに得点を量産する体制を作っていかなくてはいけない。
現に、勝ち星も3つ先行し4位に付けているというのに、未だに得失点差はわずか1のみ。
昇格を争うチームの中でダントツで少なく、このままだと最後のギリギリの昇格ラインのところで、得失点差で泣かざるを得ない状況が懸念される。
とにかく引き分けでの勝ち点1など、負けに等しい。
勝利を、勝ち点3を獲っていくしかない。
10月に秋田、沼津、福島、琉球、鳥取と、上位との5連戦が待っている。
それまでの3戦、今節の富山、次節の盛岡、次の相模原とは、もはや勝ち点3以外は考えられない。
上位との直接対決までに、いかに相手にプレッシャーを掛けられる勝ち点差まで詰められるか。
そのためには9人のガンバ23相手に追加点を獲れなかったり、前節の守備がぬるいセレッソ23相手に2得点のみで止まったりといった、もっと5点以上稼げたとのでは、という展開を逃しているのは残念でならない。
ガンバ23とのホーム以降、3−1−4−2から変えて、風間を3列目に下げた3−4−3に切り替え、相手をリスペクトする守備から入るサッカーに転じているが、いつまでもそんな引け腰で勝ちきれていけるとは思えない。
自分はやはり風間を2列目に上げた3−1−4−2こそがザスパのサッカーだと信じる。
状況によって、風間を下げて耐える時間帯もあるだろうし、その時は3−4−3に変えてもいいが、ベースとしては自分たちから圧力をかけて点を獲り切っていく、3−1−4−2を軸として持って試合に臨んで欲しいと願う。
ベンチメンバーベテラン重視のザスパ
スタメンは変わらないザスパだが、ベンチは山ア、ジャンボ、松下、崇文、坪内と、ベテラン勢が揃う。
左サイドでゴリゴリに仕掛けてくれていた岩田が膝の怪我で今季絶望の公式発表となり、いよいよ今のメンバーに頑張ってもらうしかない状況、特に攻撃陣では左の岩田がいない中、右の星原がいかに前線に上がれるかがチームのバロメータとなる。
27大島
6小林竜樹 7高橋駿太
15金城ジャスティン 29星原
33碓井 8風間
40小柳 2舩津 13久木田
21松原
ベンチにはFW50山ア、FW39大久保、MF8鈴木崇文、MF30松下裕樹、DF28長谷川、DF4坪内、GK23パクスンリ。
ドリブラー新井、アンカー差波擁する富山
富山のキーマンは、2列目に入るレッズユースで海外での武者修行も経ている、まだ21歳のFW10新井が若き天才肌ドリブラーとして危険な存在。
また、ベガルタ仙台からレンタル移籍中の25歳・MF6差波(さしなみ)が、アンカーの位置から中盤の鍵を握る。
他にも前線で起点となるFW11才藤、前回対戦で決勝点を獲られたFW41木村もおり、14位の富山といえども、やはり侮れない。
11才藤
10新井 41木村
20進藤 14川上
22椎名 6差波
3代 28谷奥 19柳下
1永井
ベンチには、FW27大谷、FW18瀧谷、MF7佐々木、MF2脇本、MF16弓崎、DF15ルーカス、GK21太田
立ちあがり、ホーム富山に主導権を握られるザスパ
3連勝中のザスパ、それに対し連敗中の富山という図式となったが、それがザスパにとっては慎重な立ち上がりとし、富山にとってはホームで何としてでも連敗を止めるという迫力となり、その結果ホーム富山に立ち上がりから押し込まれる展開となる。
特に厄介なのが前線のFW10新井と、アンカーのMF6差波。
差波にセカンドを拾われまくり2次攻撃に繋げられると、FW10新井がシャドーの位置からゴリゴリにドリブルで仕掛けて押し込んでくる展開が続き、何度もヒヤリとさせられる場面が目立つ。
また、、押し込まれているだけにFKなどのセットプレーを与えるわけだが、MF6差波のキックの精度と威力が高く、非常に微妙な良い位置に鋭いボールを送り込まれ、GK松原もなかなか前に出てボールを取れず、そして時折鋭いミドルシュートも放ってくるので、非常に厄介。
この新井と差波のプレーはJ3の枠のレベルを明らかに超えている、とてもJ3・14位のチームにいる戦力ではない。
この2人に連動するように、前線ではFW11才藤が、1人ボールを収めてから、反転してシュートを放つなど存在感をみせ、右サイドではレギュラーの累積欠場によって久々の起用というMF14川上がせっかくのチャンスを活かそうと、積極的に仕掛けてくる。
そんなホーム富山に対し、ザスパは全く攻め手が無いまま試合時間だけが経過し、15分、碓井のインターセプトからようやく前線までボールを運べ、FW27大島が落としたボールから、FW7高橋駿太のシュートは上に上がってしまうも、やっとのファーストシュート。
だが、まだまだ富山の勢いは止まらず、17分にはMF6差波が絶妙のボールをFKからゴール前に入れていき、DF3代(だい)のヘディングシュートはどうにかブロック。
更に18分には左サイドからFW10新井がドリブルでライン際を突破し、星原が振り切られ、決定的な折り返しを入れられるも、かろうじてこれは誰も触れず難を逃れる。
しかし本当に新井のドリブルは厄介だ。
21分には右サイド前線でボールを受ける時にヒールで上に上げ、マークする舩津をかわしにいくなど、J3では滅多に見られないファンタジスタなプレーも披露する。
この新井は、近々J2、J1へとステップアップしていく選手だろうし、今の富山の攻撃陣は、まるで新井にドリブルをさせるために存在しているような、新井のためのチームの形となっている。
竜樹の決定機、大島らのシュートも決まらず・・・
まだ開始時はあまり振っていなかった雨が、25分頃からかなり雨脚が強くなってくる。
この時間帯からは、いよいよザスパも右サイドの星原も上がるようになり、攻める気配をみせるも、富山はエース新井を左から右にポジションを移してゴールを伺い、差波は強烈なミドルシュートを放ってくる。
30分、ザスパは速攻からチャンスを得て、左サイド前線を駆け上がったFW7駿太が抜け出し、ペナルティ左からマイナスの折返しから、フリーで駆け上がったMF6竜樹が決定的なシュートを放つも、GK永井の好セーブに阻まれ、惜しくもゴールを逃す。
これは惜しかった・・・竜樹もフリーなので、これは決めなければいけないシュートだったが、しかしきちんと枠に強いシュートを入れただけでも良しとするしかないかもしれない。
とにかく相手GK永井を褒めるしかないし、コースがもう少しズレていれば、というシーンだった。
それにしても雨が強い。
一時だけで止むかと思ったが、意外にそのまま本降りとなり、画面を通じても強い雨がはっきりと分かる、まるで滝のような状況。
35分、今度はFW7駿太が右サイドを抜け出し、ペナルティ内へのマイナスの折返しに、ニアに詰めたFW27大島はマークを気にしてスルーするが、後方を上がってきたMF33碓井にはわずかに合わず。
大島もそこはシュートを狙って欲しかった。
すると続く37分、またしてもFW7駿太が右サイド前線を抜け出し、今度は明らかに大島に送ったパスから、FW27大島の左足でのシュートは、鋭く相手ゴールを襲うものの、相手GK永井がファインセーブでこれを止める。
前半は明らかに富山のポゼッションの流れだったがザスパの方が決定機は多い。
駿太の決定的シュートも外れ、豪雨の中、前半はスコアレスで折返し
さらに雨が強くなり、まるで滝行となる中の43分、右サイドから星原が粘って右サイド前線を上がると、迷いなく早めに送り込んだクロスから、FW7高橋駿太のダイビングヘッドがドンピシャで放たれるも、ほんのわずか、ボール1、2個分だけバーの右の外・・・
ああ!!本当に惜しい!!!
星原のクロスも、駿太のヘディングも本当に絶妙な、良いシュートだった。
駿太は富山出身のため、ここは故郷への恩返し弾を決めたいところであり、この試合もかなりザスパの攻撃の活性化に尽力している。
45分、中盤での争いの中でMF33碓井が相手を後ろから倒してしまい、イエロー提示。
碓井はあまりイエローをもらわないイメージがあるが、これは雨にも触発されたか、らしくない危険なプレーとなってしまった。
そして前半のロスタイムは無しで、とにかくこのプレーにならない豪雨での試合をいったん止めようといったホイッスルが鳴り、前半はスコアレスで折返し。
とりあえず、ホーム富山の立ち上げの時間帯をきっちり耐え、そして攻撃に繋げていくといったここ最近の、まさに布サッカーといったある意味ザスパペースの前半はこうして終わる。
だが、とにかく勝たなければいけないのはザスパ。
もう一方で行われていた3位の沼津VS森岡の試合も結局3−0と沼津が快勝してしまい、2位の鹿児島も勝っている中、ザスパだけここで取り残されるわけにはいかない。
とにかく点を獲って勝つしかない。
後半、松原を中心に決死の守り
幸い、雨は落ち着いた後半、ザスパもボールが収まるようになり、ここからかといったところ。
だが、まだまだ富山の攻撃を後半も受ける事となり、後半9分には後方右、DF19柳下のクロスからFW41木村のヘディングシュートはかろうじてブロック。
さらに10分、左サイドからFW10新井がドリブルで仕掛けてから、ファーを巻き込んで狙ったシュートは危うく右を外れていく。
後半立ち上がりも押し込まれるとは・・・
前回、ザスパのホームでの対戦時はそんな怖さを感じなかったが、やはりホームの富山の攻撃は鋭い。
12分、相手のプレスを受けてMF8風間のバックパスが弱くなってしまったところから、相手FW11才藤が詰めていき、1対1になろうとしたところを、DF2舩津がファール覚悟で止めて、やはりこれにはイエロー提示。
良かった、、、これが前半にイエロー受けている碓井じゃなくて・・・というしかない。
続く13分、MF22碓井の左足からのFKは、誰も触れずに、そのままワンバウンドからゴール方向に向かうも、かろうじてGK松原がはじき出す。
さらに14分、この左CK、差波が入れていったボールから、FW11才藤のヘディングシュートはかろうじてゴールライン際でブロックし、さらにこぼれたボールからMF22椎名のミドルシュートをGK松原が渾身のファインセーブ!!!
この一連の危険な流れを止めたのは大きい。
特に守護神松原が、この試合でも効きまくっている。
駿太、故郷への錦弾で先生!!
18分も富山、FW10新井を起点に右サイドから左サイドに振り、MF20進藤のシュートをかろうじて足でブロック。
まだまだ富山の時間帯が続く苦しい中、19分、ザスパは1人目の交代、FW27大島に代えてFW50山アを投入。
大島は前半に要らないスルーや、ようやく利き足ではない左でのシュートなど、なかなか試合の流れに乗れなかった。
それにしても、布監督が大島を代えるのは珍しい。
そんな中の21分、ザスパは左CKのチャンスに、風間からのボールはいったんはじかれ、再度ボールを拾うと、もう一度風間に送り、風間のクロスからファーで待ち構えていたFW7高橋駿太がドンピシャでのヘディングシュートを放ち、これがゴール右に決まる!!!!!
GOOAAALLLLL!!!!
よく決めた、駿太!!!!
先ほどまでの富山の圧倒的なチャンスの流れといい、なかなかザスパの決定機が決まらない流れといい、この試合はどうも嫌な流れを感じはじめ、この試合、このままだとマズい・・・と思っていたが、山ア投入効果からか、その山アに相手守備陣がつられる形で、駿太のところがポッカリと空く形となった。
やはり富山としても、決めるべきところで決められなかったツケが回った形。
裏を返せば、GK松原が止めたおかげで生まれたゴールと言える。
駿太はまさに故郷に錦を飾る、貴重な先制ゴールとなった。
富山、積極交代から点を狙いにくるも、守護神松原が立ちはだかる
この先制を受けて富山はFW11才藤、FW41木村に代えて、FW18瀧谷、FW27大谷をW投入。
瀧谷は187cmの目立つ大型FWであるが、怪我があった様子で、この試合が病み上がりの今シーズン初出場とのこと。
28分、ザスパは富山に押し込まれ、右サイドから送り込まれたボールにMF14川上が受けて、星原のマークをかわすように強烈なシュートを放つも、これも守護神GK松原がファインセーブではじき出す!!
本当にこの試合も松原様様、まさに守護神といった大活躍ぶり。
ザスパとしては今日の富山の攻撃をこれ以上受けてばかりもいられない。
やはり追加点を入れて試合を決めたいところ。
34分も富山の左CK、差波の相変わらずの高精度なキックから、ゴール前中央でDF3代のヘディングシュートは、わずかにバーの右。
う〜ん、本当にあの差波のキックは厄介だ・・・
というか、あの差波というアンカー、本当にザスパに欲しいな・・・
ベガルタが手放してくれるかだが、ああいったアンカーがチームにいると、非常に大きい。
かつての鳥居塚や、全盛期の頃の松下裕樹と同じくらいのオーラを感じる。
37分、富山は最後の交代、MF20進藤に代えてDF15ルーカスを投入。
う〜ん、この終盤にDFを投入とは、これはパワープレイ要員か。
それに呼応するように39分、ザスパも交代、MF6竜樹に代えてFW39大久保を投入。
セットプレー時の高さ対策といったところ。
この辺からは、もう残り時間も少なくなる中、ザスパも無理に得点は狙わずに、とにかく相手に点を取らせない、まさに布サッカーの真骨頂といった雰囲気となる。
坪内久々の登場!守り切って4連勝!!!
43分、ザスパは最後の交代、FW7高橋駿太に代えてDF4坪内を投入!!!
おお!!坪内!!久々の登場!!!
そもそも、本来3バックの真ん中に入るべきはこの坪内のはずだし、もしくは3バックの左右いずれかに入れて、攻撃参加させてもいいのが坪内。
こういった終盤での起用もあるだろうが、もう少し坪内を有効的に使いたいところ。
最近は川岸がベンチにも入れないし、阿部巧、市川も含め、ザスパは攻撃陣が手薄となる一方、守備陣ばかり層が厚くなっている感がある。
そして試合はそのまま3分間のアディショナルタイムに。
2分経過したところで、相手の一か八かのロングクロスに対し、競りながらボールを取りに行ったGK松原が手を滑らせ、キャッチ漏れでボールが後ろに逸れるも、久木田が間一髪のクリア!!
そして試合終了!!!
ザスパは駿太の虎の子の1点を守り切る形で、アウェイで4連勝を飾る事となった。
上位陣との差を詰めるためには今後も勝つしかない
こうして今節は1位を独走していた琉球がついに負け、2位鹿児島、3位沼津、4位ザスパが勝った形で、1位との差が縮まった。
1位琉球とは勝ち点7差、2位鹿児島とは6差。
得失点差があるため、とにかくザスパはこれらのチームと勝ち点差で上回るしかない。
残る試合は10試合。
ザスパも好調だが、2位鹿児島も同じく4連勝しており、1位の琉球もたまたま今波に乗っているガンバ23と吹田で戦ったために、ザスパと同じく土が付いたが、他のチーム相手にはそうは負けてくれないだろう。
しいて言えば、3位の沼津はJ2ライセンスが下りなかったたため、昇格という目標は今季も無くなり、そのモチベーションの低下には期待したいが・・・
まだまだ2位以内の座を賭けた熾烈な争いは続く。
とにかく我慢比べ。
1位琉球、2位鹿児島がザスパと勝ち点が並ぶくらい負けてくれない限り、ザスパは負けるわけにはいかない。
それにしても、やはり気になるのはシステム。
風間を下げての2ボランチで、まずは守りから入り、この試合も立ち上がりからその流れが顕著だったが、はたしていつまでこれを続けるのか。
今日の富山のように攻めてきてくれる相手ならいいが、これが下位のあまり攻めてこないチームとの対戦となれば、単なる低調な展開になりかねず、そうなると点が取れないままスコアレスドローなんて試合も出てきてしまう。
今のザスパに勝ち点1などあり得ない。
昨年昇格した栃木は、負けないサッカーをしたため、敗戦は少なく、その代わり引き分けも多い中でギリギリ昇格したが、既にたくさんの借金を抱えてしまったザスパにとって、借金を帳消しにするためには、勝ち点3しかない。
相手によっては風間を1列上げた3−1−4−2で前から仕掛け、積極的に点を取りにいかないといけない場面も増えるだろう。
私はそんな、前から仕掛けるサッカーをもっと見たいし、それで点を獲って、今後の試合も勝ち切って、10月の上位陣との連戦までに勝ち点を昇格ラインまで上げなければいけない。
(18.9.16UP)
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