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1994FIFAワールドカップ1994
決勝トーナメント1回戦 ドイツ−ベルギー
3−2

横棒


クリンスマン擁するドイツとベルギーの対決

なぜか私に贈られたDVD、それが1994年ワールドカップ・アメリカ大会のモノであり、一昨年の2011年2月に、予選リーグ戦のドイツVS韓国戦をここにアップしたわけだが、今回はその続きとなる決勝トーナメントの試合。

おさらいとして、1994年といえば日本はJリーグ人気で一気にサッカー熱が高まったものの、注目されたアジアでの予選でのドーハの悲劇によりあと一歩でワールドカップ行きを阻止され、思えばあの時の悔しさ、不完全燃焼が未だにキング・カズを現役続投に突き動かしている要因なのではと思える。
(今年の2013シーズンの先日、ヴェルディ戦で先発したカズは横浜FCの貴重な今季2勝目に貢献した。)

この17年も前の大会、日本は出ていなかったが、優勝候補ドイツに対し隣国の雄・ベルギーと対戦した試合を観戦記にまとめておきたいと思う。



マティウス、クリンスマン健在のドイツ

ドイツは攻撃ではFWクリンスマンが攻撃を引っ張り、守備ではマティウスが中央で指揮をとる。

そういえば、ドイツといえば当時はベッケンバウアーから始まる正当なる系譜による司令塔が守備の中心に陣取るという独特のスーパーリベロ方式だったことを今更ながら思い出す。

今ではもはや3バックを採用するチームはほとんど見られなくなったが、当時の主流はむしろスイーパーを中央に置く3バックだった。

そして、このアメリカ大会後に浦和レッズで活躍したギド・ブッフバルトもしっかりと名を連ねる。



18クリンスマン 13フェラー

16ザマー
17ワグナー        14ベルトホルド
6ブッフバルト 8ヘスラー

5ヘルマー     4コーラー
10マティウス

1イルグナー




ドイツ、立ち上がり早々に先制!!

立ち上がりは似たようなプレースタイルの両チーム同士、一進一退の攻防といったところだが、5分過ぎ、ドイツの左後方からのFKの際に、一度はベルギーがはね返すものの、これを拾われる形でダイレクトに縦パスを出され、ベルギーDF陣もラインを上げ掛かっていたところの裏をかく形でFW13フェラーがオフサイドラインぎりぎりを抜け出す。

完全にGKと1対1になる中、フェラーが落ち着いて左下にボールを転がし、まさにゴールにパスを出すだけのように流し込む。


GOOAAALLLLL!!!!


ベルギーDF陣の中途半端なラインの押し上げの際に、フェラーを捕らえ切れていなかった。

こうしてあまりに早い先制点が決まる。




すぐさまベルギーが同点に追いつく!!

しかしこのゴールのわずか2分後程度の8分だった。

中央後方からFKを掴んだベルギーは、縦パスを送ったところをFW13フェラーがヘディングでクリアしようとしたところが目の前のブッフバルトに当たってしまい、そこにいた13グルンが押し込む形でゴールに!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんと、こんなにも早くに同点に!!!??
フェラーのヘディングも中途半端だが、まさか味方に当たって敵の前にこぼれるとは、不運な点もあった。




フェラーの突破からクリンスマンの追加点!!

まさかの早い同点とされたドイツだが、そこからわずか1分も2分も経過しない10分、相手のボールをセンターサークルでカットすると、すぐさまFW13フェラーが中央から切れ込んでいき、FW18クリンスマンとワンツーの形から2人のマークを巧みな細かいドリブル突破で抜け、少し左にパスを出すと、ここに再度走り込んだクリンスマンが豪快にゴール右下にシュート!!


GOOAAALLLLL!!!!


まさにフェラーとクリンスマンの2トップのみでの鮮やかな崩し!!
これは素晴らしい。
フェラーという俊敏性と突破力に長けたFWと組む事で、クリンスマンがますます活きるようになった。

この短時間の間にまさか両チーム合わせ3得点も・・・

互いに守備が固いイメージがある両チームなので、これは予想外の展開だった。




CKからフェラーの2得点目

早めに2得点獲られたベルギーだが、その後はゴールを固く守り、攻めの際にはなるべく早く前線にボールを送って風穴を開けにかかる。

27分には左からのクロスにMF10シーフォが折り返し、FW17ウェイバーのシュートは惜しくもバーの上。


対してドイツは早く強いパス回しでどんどんボールを前線に繋ぎ、30分にはフェラーのペナルティライン中央からのシュートがバーの上を越す。


だが、31分にはその早めに前線にパスを送ろうと右横に出したボールをカットされ、そのままベルギーがカウンターの形でペナルティライン中央手前でFW17ウェイバーがボールを受けると、右足でのキックフェイントから左でのシュートを放つものの、これはやや雨に濡れるピッチに足を滑らせバーの上を越す。


33分、ドイツは左サイドからのFKのチャンスに、MF8ヘスラーの放った強い直接シュートは、GKの手も触れずにゴール方向に向かうが、わずかにバーの右。


38分、右サイドからのFK、ヘスラーのキックからファーでクリンスマンが倒れ込みながらもしっかりと頭に当ててのシュートはどうにかGKがCKに逃れる。

しかしこの右CK、再びヘスラーのキックから、今度は中央でフェラーが頭で見事にゴール右下に押し込む。


GOOAAALLLLL!!!!


飛ぶタイミングがうまいというか、ベルギーもマークに付いてはいたはずなのに、ドンぴしゃで飛ばれてたいして競り合う事すら出来なかった。

これで3−1。

最初は点の取り合いかと思われた試合展開だったが、これでドイツとしては楽になる追加点となった。




前半は3−1のドイツリードで折り返し

その後はクリンスマンの粘りとフィジカルからチャンスを作る場面もありつつも前半はタイムアップとなり、3−1のドイツリードで折り返しとなる。

ドイツは守備面ではしっかりと両ストッパーが守りつつ、マテウスが完全に1人余る形でことごとくベルギーのロングパスをカットし、そして攻撃に転化する際には素早くラインを上げて、DFラインからゲームを組み立てるという、まさにドイツスタイルのゲームメイクが随所に見られた。

まさにこれこそがリベロ。


それにしても、2得点1アシストのFW13フェラーの動きが特筆すべきものであり、この試合ではベルギーとしてもクリンスマンも警戒しながらフェラーはどうにも止められない。




後半頭からマテウス負傷交代

後半開始からドイツは1人目の交代、足の様子が思わしくないMF10マテウスが下がってDF3ブレーメが入る。

ブレーメは予選リーグ同様に左サイドに入るかとも思ったが、そのままマテウスのリベロの位置に入る。


後半立ち上がりから、2点を追うベルギーが司令塔のシーフォを中心にボールを回し、何回ものCKを掴むなどドイツ相手に押し込む。

それに対しドイツもDF5ヘルマーやDF4コーラーらが身体を張ったディフェンスで、最後のフィニッシュまではどうにか阻止。


そして19分にはドイツも反撃となり、ペナルティライン右からのクリンスマンの強烈なシュートが放たれるも、GKプロドームがファインセーブの横跳びでこれをギリギリ阻止!

ベルギーとしてもまだ2得点差、まだまだドイツ相手といえども逆転のチャンスはある。




ベルギー、幻のPKならずも好セーブで追加点を阻止

ベルギーの攻撃をしのぎきったドイツは24分、左サイドをMF8ヘスラーが鋭いドリブルで上がっていき、低く鋭いセンタリングをペナルティライン手前に送ると、これに後方から上がっていったMF16ザマーが受けて、短いドリブルの後に右前のクリンスマンへ。
そしてクリンスマンは決定的なシュートを放つも、これまたGKプロドームがファインセーブでこれを阻止!!!


ピンチから救われたベルギーは、素早く縦パスを送ると、この1本からFW17ウェイバーが絶妙のタイミングでボールを受け、ドイツのセンターバック2人に後ろから明らかに足をかけられ倒されるも、なんとPKの判定無し!!!???

いや、これはPKっしょ。

なぜPKで無いのか全く分からないが、とにかく試合は続行。
これには客席もブーイングの嵐。

しかも主審はドイツ系ですか・・・
なぜW杯でこんな主審選択になったのか分からない。



そしてまたしてもチャンスとピンチが入れ替わる形で、今度は28分にカウンター。
クリンスマンが中央右寄りを独走し、ペナルティに入ったところでGKもかわし、角度の無いところから決定的なシュートをゴール方向に流し込むも、なんと後方から猛追したDFがギリギリつま先に当てる形でこれをブロック!!

31分にもドイツの右CKからニアでFW13フェラーがドンぴしゃでヘディングを放つも、GKプロドームがまたしてもファインセーブ!!

あれよあれよと3失点した前半とは違い、後半は非常に好セーブと好ブロックが続いている。




ベルギー執念の追い上げも一歩届かず、ドイツ2回戦へ

試合は後半40分となり、ドイツはFW18クリンスマンに代えてFW11クンツを投入。

そして試合はロスタイムへと入り、ベルギーは相手ボールをカットしたところから一気にカウンターへ入り、度々攻撃参加していたセンターバックのDF4アルベールが強引に中央突破を図り、巧みなキックフェイント気味のドリブル突破から、右足アウトでシュートを流し込む!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんとこれで3−2と1点差!!!

その直後に得た右サイドからのFKでも、GKプロドームも上がり、ヘディングの競り合いに加わる執念を見せる。




その後もベルギーは諦めずに攻め続けるも、時間は少なくタイムアップ。


前半は完全にドイツ、それもFWフェラーの1人舞台、いや、クリンスマンとの2人舞台といったところだったが、後半はベルギーの猛攻とGKプロドームを中心とした堅守が光った試合だった。

特に、あの幻のPKの場面、どう見てもPKだが、主審が違っていればベルギーは十分に同点に追いつける可能性は高かった。


ベルギーで忘れられない選手はもう1人、DF4アルベールの姿があった。

4バックのセンターバックでありながら、当時の常識を打ち破るような積極的な攻撃参加で、ついにはドイツをあと一歩まで追いつめる追加点を挙げてみせた。


3点差から一気に1点差まで追い上げた韓国戦同様、ドイツ相手にここまで戦えた事は記憶に残る名勝負となった。







(2013.05.05UP)








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