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オリンピック代表 2008北京オリンピック
2008年8月7日 予選リーグ第1戦 アメリカ戦
(0−1)

横棒


メンバーを入れ替える賭けに出た反町ジャパンの結末は?

7月の反町ジャパンの最終メンバー選考は驚きの連続だった。

確かに、それまで反町ジャパンの屋台骨を支えてきた伊野波や広島の青山といったところは怪我などの影響もあり落選する情報はあった。

しかし、まさか清水エスパルスの、そして前橋育英出身であるDF青山が落ちるとは夢にも思っていなかった。

大分の森重や名古屋の吉田という人材がどの程度か、最近あまりJ1を見ていない自分はよく知らない。

ただ、A代表にも一時呼ばれた程の青山のフィジカルの強さ、堅い守備力はどう考えてもチームにとって必要不可欠なものであったはずだ。

私はあまりオリンピック代表にはそんなに興味がある方ではないが、結局最終アジア予選のサウジ戦のメンバーと比較すると、当時3バックと2ボランチでまずはしっかりした守備を前提に作られてきたチームの、その守備のメンバー5人は、ボランチに細貝、青山(広島)、3バックに水本、伊野波、青山(清水)となるが、なんとその内3名が落選という信じられない博打だ。

得点がなかなか奪えないチームの課題を解消するためにセレッソの香川、海外で修行を積む森本らを呼ぶのはわかる。

しかし、チームの屋台骨たる守備陣に対し、ここまでのメスをそんなに準備期間が無い中で入れるのはあり得ない。


私は元横浜FLUGELSの選手でもある反町という監督を少し見誤っていただろうか。

もっと現実的な人だと思っていたが、まさかここまでの賭博師だったとは・・・



何にせよブラジルなどの強豪国が本気でメダルを狙うこの国際大会において、日の丸を背負う若者達が戦うからには応援しないわけにはいかない。
この群馬贔屓のHPの運営者としては細貝を中心にこの大会に注目したいと思う。

アメリカ、オランダ、ナイジェリアとサッカーの強豪国ひしめく中での第1戦のアメリカを簡単に記録しておこうと思う。




やはり細貝はベンチの日本

私の注目の細貝だが、やはり先月のオーストラリア戦でヒビが入ったという肋骨の影響か、この試合はベンチスタート。
代わってメンバーに入るはFC東京の司令塔・梶山。

その他は森本のワントップを含めほぼ予想どおり。



15森本

14香川 12谷口 16本田圭
10梶山 16本田拓
5長友          7内田
4水本 6森重

1西川


ベンチにはFW17李、FW11岡崎、FW9豊田、MF2細貝、DF13安田、DF3吉田、GK18山本。


ショートコーナーの大チャンスを外す

難しい大会初戦とあってどちらのチームもまずは失点だけは避けたいという、マークを徹底させたせめぎ合い。

最初のチャンスは日本、20分の右CKからショートコーナーを内田につないだところで、内田からファーへのグランダーのセンタリングにファーで合わせるは森重。

しかしこれを痛恨のミスでタイミングが合わず、ゴールを目前にしながら先制点のチャンスを逃す。


ただ、日本はセットプレー以外ではほとんどチャンスを掴めず、アメリカの黒人選手らの強引なスピードとフィジカルで1対1をグイグイ圧してくる攻めには迫力負けの印象。

32分にはその黒人FW11アドゥが前線にボールが入った時点でワントラップ後すぐにシュートにいき、これはバーの上へ逸れるが危険だった。




谷口、ビッグチャンスを2度外し前半はスコアレス

日本は鹿島の内田がいる右サイドからは時折いいサイド攻撃が出来るものの、そこからクロスを送ってもゴール前で点が入る気がしない。


そして左サイドの鍵を握るはずのFC東京のDF5長友は本来守備のカバーに入ってくれるはずの細貝がいないためか思い切った攻撃参加が少なく、ガンバの安田からレギュラーの座を奪った実力が見られない。


39分、久々にチャンスの場面、右サイドのDF7内田が連携の中で突破し、グランダーで早いクロスを送ると、これにDFと競りながらスライディングにいったMF12谷口の足はわずかに届かず。

続く右CKから、流れの中で内田の低めのクロスにまたしてもファーで谷口がヘディングを合わせにいくも、わずかにバーの左へ。

やはりこの試合、右サイドからの内田のチャンスメイクが非常に優れていた。

ただ、それに合わせるのが本職ではない谷口でいいのかという点がやはり疑問だ・・・


FWを1人削ってまで本職はボランチの谷口をトップ下に置くこの作戦は、果たして得点力不足の解消に繋がるものだろうか?
それよりは李などをFWに入れておいたほうがよっぽど得点力は上がると思うが。



前半終了間際にはアメリカのCKからのヘッドが右に逸れるというピンチもあった。


チャンスメイクは右サイドバックの内田1人のみ、という偏った日本の攻撃が際だった前半がこれで終わりスコアレスでの折り返しとなる。




後半開始、立ち上がりの失点

後半の立ち上がり1分、右サイドバックのDF2ウィンからの低めの鋭いクロスが一度はね返ったところで、後ろからMF7ホルディンがシュートを放つを、GK西川これを止めるものの、ボールはそのまま後ろに逸れ、そのままゴールイン。


・・・・・・・・・・・・・・・・あ〜あ・・・


入ってしまった。
たった1発のクロスからたまたま逸れた球をシュートされ、しかも西川はいったん止めたのにボールはそのまま転々と入ってしまった。

やはり前半にあれだけの決定機を何度も外した事が痛かった。

サッカーとはやはり決定機に決められないと、逆にこういったワンチャンスで決められてしまうものだ。


難しい初戦の中で、これは手痛い失点となる。




停滞気味の日本

まさかのビハインドとなった日本、なんとしてでも同点に追いつきたいが、決定機はおろか、なかなかシュートにすら持って行けない。

MF14香川が時折引いてから鋭いサイドチェンジを右サイドの内田に送ったり、長友との連携で左サイド深くを攻め込んだりと足下の攻撃力の高さは見せつけるものの、右ハーフの本田圭などはほとんど攻撃に絡めず。

結局フル代表でも同じ事が言えるが、足下でのプレーばかりを好む選手ばかりで、フリースペースに動き、そこで勝負できるアタッカーがこのチーム編成では少ない。


19分、そんな動きの少ない日本攻撃陣をどうにかしようと、MF10梶山に代えFW17李を投入し、単純にFWを1枚多くする。

梶山にはボランチの位置でのゲームメイクにもっと期待したかったのだろうが、やはり連携の熟度が低いせいか逆にパス回しでのブレーキとなる場面が目立った。

せっかく司令塔の梶山がボランチで、ボランチの谷口がトップ下で起用されているのだから、ともっと縦のポジションを入れ替えるなどの流動的な工夫があっても良かった。



活かされない本田圭佑の左

25分、日本はカウンターの形から右サイドをMF8本田圭がペナルティ右サイドゴールライン際深くまで切れ込むが、左足でのラストパスにこだわるあまり、中央に入れるタイミングを誤って手詰まりとなる。

・・・もう素直に本田を左で使おうよ・・・

本田の能力がこのチームでは全く活かされていない。
本田も、左のスペシャリストが右で使われているということは、明らかに遠目からでもいいのでシュートを撃て、という事だと思うが、そういったシュートがほとんど見られないのはなぜ?



27分、FW15森本に代わり、FW9豊田が投入される。
セレッソの香川に続き、豊田もJ2の山形からの選考となり、これについても反町監督の博打やいかに、といったところ。


28分、アメリカはFW17マクブライドに代わりFW12アルティドルが投入される。



共にカードを使い切る

35分、日本はパス回しによりアメリカを崩しにかかり、左サイド深くにボールが戻ったところでMF16本田拓也からの思いきったゴール右サイドへサイドチェンジ。

このボールをベストの状態で受けたMF8本田圭佑、シュートを放つものの、惜しくも前にいたFW9豊田に当たってしまい、そこで粘ろうとするも潰される。


37分、アメリカはMF7ホルディンに代えMF10フェイルハバーに交代。


38分、日本は最後のカードを切り、MF14香川に代えFW11岡崎を投入。


41分、アメリカはMF14ロジャースに代わりMF8スツェテラを投入。

共にカードを使いきり、残りのラストスパートへと入る。



何もできずタイムアップ

いよいよ残り時間も少なくなってきた43分、パワープレイ気味に強引に前線に入ったボールに岡崎、豊田と身体を張ってゴールを狙うも、パワープレイにはアメリカDF陣もそうは負けない。


4分のロスタイムに入り、アメリカも当然時間を稼ぐプレイに入りながら時間は経過していく。


・・・こうして、負けるべくして負けた大事な第1戦は終わった。



反町監督は最終選考の際に2年間の集大成となるチーム、という言葉を使った。

しかし、その集大成は一体どこに表れていたというのか?

特に攻撃面においては右サイドバックの内田の個人の力のみがやたらと光るだけで、後は何だっただろうか?

中盤にはフル代表の抱える悩みと同じく、やたらとパス回しにだけ長けた人材ばかりが揃い、それが相手チームへの脅威となるのだろうか?


ピッチ状態が端から見ても悪かったのは明らかに日本に不利だった。
体力勝負となれば、当然アメリカなどが一枚上手だ。
しかし国際社会で戦うからには、その体力勝負を日本のスキルとスピードでかわさなくてはいけない。



・・・次の試合には我らが細貝も出るかもしれない。

ただ、もはや誰が出ても今のままのやり方を続けていくスタンスしか反町ジャパンには無いのだから、もう何を言っても始まらないのかもしれない・・・


既に希望の光も何もないが、一応次の試合も観戦するとしよう。


万が一でも訪れるかもしれない奇跡を願い・・・
そしてその奇跡が訪れる可能性があるのも、またサッカーの魅力だ。

せめて次の試合では細貝が存在感のあるプレーをしてくれることを願う。





(2008.08.08UP)







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