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2019年11月30日
2019 J1リーグ
第33節
湘南ベルマーレ VS サンフレッチェ広島(ホーム)
観戦記 1−0

横棒


チョウキジェ監督ショックから・・・J1残留なるか???

8月にマスコミ報道されたチョウキジェ監督のパワハラ発覚事件は、大変ショックなものだった・・・

2012年から湘南を率い、8年間ずっと湘南一筋として、まさに湘南ベルマーレの象徴として君臨し続けたチョウ監督は、その間の3回のJ2で全てJ1への昇格を果たした。

ただしJ1に上がっても、すぐにJ2に降格を繰り返す、エレベーターチームになってしまっていたが、何回かJ1に挑戦する内に、2013年は1年で降格だが、2015年は8位という好成績で残留を果たし、そして3回目のJ1では、2018年、2019年と連続で残留を果たしつつ、その視界は良好だった。


そんな、確かな手腕を持ち、毎年レギュラーでチームの軸が抜かれてしまうチーム事情の中、限られた戦力の中でチームをどうにか支えてきたチョウ監督だったが、その裏では熱血すぎる指導がそのままエスカレートしてしまい、一線を越えたパワハラまで及んでしまっていたとは・・・

サポータの誰もがショックを受け、そしてその何倍も、チョウ監督の離脱は選手達にショックを与えた。


絶対的なエースがいない湘南にとっては、チーム全体が切り替えの早さで相手を押し切るしかない。
そんなチームがチョウ監督という屋台骨を無くしたことで、チーム全体で戦えなくなった。

クラブの方針もまた中途半端で、9月中旬からは6連敗を記録。
特に、残留争いのライバル、清水相手にホーム戦で0−6で大敗し、翌週の川崎とのホーム戦でも0−5で連敗するという結果は、まさに湘南の混乱ぶりを示していた。

その連敗の後、10/10にようやくチームはチョウ監督の解任と、下部組織から浮島監督をトップチームの監督に昇格させ、チームは少しずつ立ち直っていき、そして11/23のFC東京戦では、首位相手に湘南らしい出足の速いサッカーで堂々の戦いを演じ1−1のドローとなった。

そして迎えたホーム最終節、広島戦。

この試合を含めてラスト2試合となる中、自動降格圏のゲビ2からじわじわ寄ってきたのは、勝ち点1差で松本。

この試合でひっくり返って、そして次の最終節はその松本との直接対決で、あの超アウェイのアルウィンに乗り込まなくてはいけないという最悪のシナリオも予想された中だが、しかし前節、ついに連敗を、それも首位相手に止めた湘南にとって、この戦いは最後の、希望を賭けたギリギリの戦いとなる。


191130 湘南ベルマーレ 広島戦 
ビッグフラッグが掲げられたサイドスタンドホーム側



GK富居スタメンの湘南ベルマーレ

湘南は前節のFC東京戦から元ザスパのGK富居がゴールマウスを守る。
長年、正GKに君臨してきた秋元からの、いよいよの世代交代を感じる。

注目は、今シーズン売り出し中の左サイドのMF28鈴木冬一(といち)。

左の杉岡、右の岡本が絶対固定だった湘南のサイドに割って入ったこの19歳の小柄な若手に注目が集まる。


対する右には、ザスパで武者修行をしたMF50古林将太が入る。




9指宿(いぶすき)
10山田直輝 18松田

28鈴木冬一      50古林将太
19金子 16斎藤未月

13山根 4坂 6岡本

21富居


ベンチにはFW20クリスラン、FW15野田隆之介、MF7梅崎、MF14中川、DF8大野、DF23小野田、GK1秋元。




元代表の青山擁する広島

正直、自分はJ1という世界から離れているので、最近の広島の陣容は知らなかったが、元代表のMF6青山がキャプテンマークを巻き、横浜FCでの覚えがあるDF6青山の姿は見覚えがある。



39ペレイラ

14森島   40川辺
18柏          44ハイネル
15稲垣 6青山

19佐々木 23荒木 2野上

38大迫


ベンチにはFW20ドウグラス、FW16渡大生、MF5吉野 、MF30柴崎、MF27清水、MF24東、GK1林。


191130 湘南ベルマーレ 広島戦 
この日は湘南サポの友人が”暴れん坊シート”というピッチレベルのチケットを抑えてくれたことで、選手達が目の前でピッチアップ!!!




立ちあがり、いきなりの先制ゴール!!

立ちあがりから、チーム一丸で残留にかける思いと、ホーム最終戦という思いが強い湘南が、優勝争いも残留争いも無縁で消化試合状態の広島を圧倒。

そんな立ち上がりからの9分、やや右サイドからのFKで、MF28鈴木冬一のキックから、一度は跳ね返されるも前線左にボールが送られ、MF10山田直輝がマークを振り切ってゴールライン際からマイナスの折り返しを入れたところで、その裏で迫っていたFW9指宿の影を感じながら、DF23荒木が決死のクリアにいくも、このクリアボールがそのままネット上に突き刺さる!!!


GOOAAALLLLL・・・!!!!


なんと、こんなに早い時間帯に先制を奪えるとは!!
やはり前節、首位FC東京相手に善戦したチーム内の自信は本物だった。

常に相手の陣地で素早いプレスを仕掛け、得意のショートカウンターで相手を圧倒していく湘南スタイルが結びついたゴールだった。


15分も湘南は速攻からFW9指宿の突進から右に展開し、MF50古林のシュートは惜しくもバーの右。


17分も左サイドでMF28鈴木冬一が粘って相手からボールを奪うと、そこから右に展開しFW9指宿のポストの動きから、折り返しにFW18松田のシュートはわずか左。


しかし、この湘南の圧倒的な時間帯に是非とも先制点が欲しいところ。
このまま1点だけではもったいない。



追加点奪えず、1点リードで前半折り返し

対する広島はボールを保持してペナルティ手前まで攻め込んでも、それ以上は侵入はできずに、結局は遠目からのシュートを撃つ程度でほとんど怖さが無い。

とりあえずFW39ペレイラにボールを当てて、そこからセカンドを狙うか、右サイドのMF44ハイネルの快速に頼るか、というものだけで工夫が見られない。


28分、右からのニアへの折り返しに、MF10山田直輝のシュートは惜しくもバーの上。


その後は試合も落ち着いて時間が経過していくと、やはり追加点が獲れない湘南に対して広島もチャンスが巡ってくるようになり、44分には右サイドのMF44ハイネルから押し込まれ、中央で戻したところからMF6青山がペナルティ前のFW39ペレイラの強靭なポストを活かし、ワンツーの形からスルッとゴール前に抜けていく決定機を与えてしまうも、DF4坂が後ろから猛追して、これを見事にカバーして防ぐ!!

この場面はさすがは元代表・青山というプレーであり、そしてそれを後ろからの猛追でカバーしてみせたDF4坂もさすがだといったところ。


すると、その直後にすかさず湘南にもチャンスが巡り、相手ゴール前に入っていったMF19金子がマークを半身でかわすシュートを決定的なシュートを放つも、ほんのわずかバーの右に逸れる。



こうして前半は終了し、湘南は立て続けの追加点が欲しかったところだが、1点だけのリードで折り返しとなる。





後半は一転、広島ペースに

後半に入り、広島は早速1人目の交代、MF15稲垣に代えてFW20ドウグラスを投入。


後半3分、ペナルティ内左でガッチリボールを持たれたFW39ペレイラが、マークを背負いながらも回転しながらのシュートがゴール右を襲うが、これはGK21富居がファインセーブ!!!!


後半は反撃したい広島ペースとなる中、9分に選手交代、FW10山田尾直樹に代えて、FW14中川を投入。


15分、広島は左CKから、DF2野上がニアで逸らし、ゴール前でDF23荒きがヘディングするも、これはかろうじてバーの上。
ああいう、ニアで逸らされるとマークが付きにくくなり非常に怖い。


その後も広島ペースで試合は進み、何度かゴール前へ押し込まれる。
ダメだ、このまま守っていてもやられる。

その中でもMF28鈴木冬一だけは孤軍奮闘し、24分には1人でショートカウンターから持ち込み、久々にチャンスを作る。

24分、ここでFW9指宿からFW15野田隆之介に交代。

その交代で入った野田は、早速26分、左スローインから左サイドの敵陣深くまで攻め入り、マークにきた2人のDFの裏にボールを出して自らとっていく1人スルーパスで見事に抜け出すと、そのまま角度が無いながらもゴール左からシュートを放ち、これはバーの右に逸れるが、ようやく後半の広島に向いていた流れを引き戻せてきた。



ロスタイム5分を守り抜き、3か月ぶりの勝利!!!

32分、広島はベテランMF6青山に代えてMF30柴崎を投入し、最後の攻勢へ。
対する湘南はMF50古林将太に代えてDF8大野を入れていよいよ守備固めといったところだが、元々右アウトが本職でもあるDF6岡本が上がる事になるので、それほど守備的でもないというところが湘南の強み。


湘南は時折、このDF6岡本やDF13山根といった3バックの一角がサイドバックばりに攻撃に参加すると一気に攻撃に幅が広がるのが特徴だが、広島に押し込まれる事が多くなったこの後半は、その回数が少なくなってしまった。

この辺の、後半はなかなか前からいけなくなるというのは、湘南スタイルゆえの永遠の弱点、テーマではある。


その後は、もうどうにか1点を守りつつ、時折MF23鈴木冬一やFW14中川、FW18松田といったところが速攻を繰り返す湘南に対し、怒涛の攻撃を見せる広島といった展開になるも、とにかく湘南の3バックは集中力が高く、ことごとく広島の攻撃の芽を摘む。


そしてロスタイムだが・・・なんと5分??
え?いくら今年規定が変わり、J1の試合のアディショナルタイムが長くなったといっても、5分??
どうやら、後半10分過ぎになぜか給水タイムがとられたが、それで2分くらいは時間が伸ばされてしまったらしいが・・・それにしても長すぎる。
GKも倒れていないし、タンカも出ていないのに・・・

案の定、ロスタイム1分には左からの折り返しのボールが危険に湘南ゴール前に入るも、ここはどうにかGK富居が抑え、その後もひたすらに長く感じる5分が経過していき、そしてタイムアップ!!!


こうして8月11日、磐田戦以来の勝利をついに手にした湘南。

ホーム最終戦を見事に勝利で収め、残り1戦、松本に出向くことになる。



勝つしかない最終戦

この日の試合で、ゲビ2の松本はガンバとのアウェイで1−4の大敗を喫し、湘南が勝ったため、松本と磐田のJ2降格が決定となった。

そしてゲビ3だとJ2上位陣とのプレーオフが待っている事になるが、湘南が勝って下位陣が軒並み負けたことにより、特にゲビ4、ゲビ5の鳥栖、清水との勝ち点は1差に詰め寄った。

そして、よくできたシナリオで、最終戦はその清水と鳥栖の直接対決・・・
つまり、湘南は次の最終戦、松本に勝ちさえすれば、清水と鳥栖のどちらかは勝ち点3以上にはならないため、湘南はプレーオフからも回避できる事となる。


勝つしかない最終戦。
非常にシンプルな構図であり、それでも今の時点で自力残留がまだ可能なところで踏ん張れた意義はある。


前節から復活した湘南スタイルの戻った湘南ベルマーレなら、きっとやってくれることだろう。

チョウ監督ショックから3カ月余り、ようやく今シーズンはリスタートされ、そして早くも最終決戦を迎える。


191130 湘南ベルマーレ 広島戦 MVP GK富居大樹
MVPはGK富居大樹!!!
今後の湘南の正GKはお前だ!!富居!!!





(19.11.30UP)




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