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残留に向け、強敵アントラーズとの一戦
まだまだJ1残留に向けた熾烈な戦いが続く湘南。
夏本番となった中、強敵アントラーズを迎え撃つ。
黄金の3バックを擁する湘南ベルマーレ
ベルマーレは右サイドに鈴木冬一の見込みが立っているため、山根を3バックのストッパーに戻せ、そうなると昨年もチームを支えた大野、坂、山根の3バックが戻っている。
元ザスパの古林、松原もベンチに控え、そして攻撃では梅崎、山田直輝、右サイドの第一人者・岡本拓也とベンチの層も厚い。
11山ア凌
15野田 18松田
5杉岡 28鈴木冬一
19金子 16斎藤未月
8大野 4坂 13山根
1秋元
ベンチにはFW9指宿、FW20クリスラン、MF10山田直輝、MF7梅崎、MF50古林、DF6岡本拓也、GK25松原。
強敵・鹿島
あの名古屋グランパスでの活躍が記憶に新しい大岩監督が率いる鹿島。
元湘南のMF6永木はキャプテンマークを巻きながら右サイドバックに回る。
・・・ただ・・・正直、J3のザスパを応援している自分にとって、J1はおろかJ2も最近よく見ない自分にとっては、鹿島のメンバーもよくは分からない。
8土居 18セルジーニョ
41白崎 11レアンドロ
30名古 20三竿
26小池 6永木
39犬飼 5チョンスンヒョン
1クォンスンテ
ベンチにはFW36上田、FW15伊藤翔、FW37小泉 、MF25遠藤、DF28町田、DF16山本、GK21曽ヶ端。
攻めの湘南、守りの鹿島
立ちあがりから全体的によくボールを拾えているのはホームの湘南。
特にMF16斎藤未月がセカンドボールを回収する場面が目立つ。
永木がいた頃は、まだまだ駆け出しの若きボランチであり、その成長を嘱望されたものだったが、ついに今の湘南の中心プレーヤーにまで成長した。
17分、湘南の右CK、FW18松田天馬からのキックは一度はじかれるも、再度、松田がボールを入れていき、ファーでDF8大野が落としたところをFW15野田がクイックモーションでの決定的なシュートを放つも惜しくもバーの少し右。
22分、今度は鹿島がペナルティ右手前の絶好の位置でのFK、DF6永木が直接狙ったシュートはバーの右上を狙うも、これがバーを直撃!!!
さすが永木、とてもGK秋元が届かない場所に鋭く狙ったが、このバーは湘南は救われた。
やはり試合の構成としては、攻めの湘南、守りの鹿島といったところで、湘南も攻めはするが、鹿島の守備がそれを上回り、なかなかシュートまではさせない。
お互い得点入らず、スコアレスでの折り返し
35分、鹿島のGKへのバックパスのボールをFW11山アがカットし、そのまま無人のゴールへ角度がほとんど無いながらも巻いてシュートするが、これをGKクォンスンテ、どうにか手に当てて防ぐ。
あれほどの狭い地域でGKへバックパスするミスは鹿島としては考えにくい。
42分、湘南の中盤での鋭いパス回しをカットした鹿島が一気に速攻を仕掛け、右サイドからFW8土居のシュートはGK秋元がファインセーブで止める。
さすが鹿島、守っているだけではなく、こういった速攻を狙ったスタイルはもはやチームに浸透。
2分の前半ロスタイムに入る中、湘南はペナルティ外左でFW15野田の切り替えしを倒されファールをもらい、FKのチャンス、壁を作りキーパーからボールを見えなくしての揺さぶりに揺さぶった中で直接狙ったシュートは惜しくも左上のクロスバーを直撃し、そのこぼれ球を再度詰めるも、鹿島DF陣もこれを渾身のクリア。
それにしても、ファールをもらったFW15野田の切り返しのプレーはなかなかのものだった。
あれはファールで止めるしかない。
こうして、結局前半はほぼ五分五分の展開といった、双方共にあまり決定機といえるほどのチャンスはバーを叩いたセットプレー以外はほとんど無かった前半が終わり、スコアレスでの折り返しとなる。
この時点では、とてもこの試合、劇的な展開があろうとは思えない内容だったが、まさかあれほどの撃ち合いのスコアになろうとは・・・
後半立ち上がり、見事な速攻から湘南が先制!!!
湘南は中盤でボールを奪ったところから、お家芸のチーム全体での切り返しの速さからの速攻が入り、右サイドから一気にサイドを変えるボールが左サイドに入ると、MF5杉岡がブッチ切り、中央からサイドへ急いで守りに戻るDF6永木も追いつけずに鋭いグランダーのクロスをゴール前に送ると、ファーでFW11山アがきっちり詰めて、これを見事にゴール!!!
GOOAAALLLLL・・・!!!!
まさに、これぞ湘南のお家芸。
ボールを奪った瞬間にスイッチが入り、一気にサイドを変えて杉岡がフリーで上がったところで勝負ありとなった。
これで拮抗を崩す貴重な先制。
またも杉岡から、今度は野田が詰めて追加点!!!
すると、そのわずか数分後の後半7分、今度も同じように右サイドでボールをカットすると、先ほどのリプレイのようにまたしても逆サイドのMF5杉岡にボールが渡され、一気に駆け抜けた杉岡からの強烈なシュートを、一度はGKがはじくも、そのこぼれ球をFW15野田が押し込む!!!
GOOAAALLLLL・・・!!!!
なんと、電光石火の追加点!!!
先制によって鹿島の堅いDF陣に動揺が走ったところの隙をうまく突くことが出来た。
それにしても、本当にこういった奪ったところからのチーム全体で連動した速攻の鋭さは、まさに湘南。
まさか鹿島相手に2点を早々にリードできるとは・・・
すぐさま、鹿島に1点返される
ここで後半9分、鹿島は早々に2人同時交代。
DF26小池に代わってDF16山本を、MF11レアンドロに代えてFW15伊藤翔を入れてテコ入れを図る。
すると、10分、早速入ったばかりのDF16山本が左サイドから上がり、マークを焦らしてからのクロスをゴール前ファーに送り込むプレーで流れを変えてくる。
ここからさすがに2枚代えの鹿島が2点のビハインドを追って一気に攻勢に撃って出てくる。
当然、2点リードの湘南も無理には攻めない様相に。
すると16分、左サイドのスローインから、一気に鹿島はゴール前になだれ込み、GK秋元が出たところをニアでMF41白崎にボールを浮かされファーにパスを送られると、ここに詰めたFW18セルジーニョが押し込んでゴールへ・・・
・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・
これが常に上位をキープする強豪の強さということか・・・!!
一気に攻勢に出るや、その勢いで強引に点を奪ってしまう。
これが鹿島アントラーズというチーム。
2点は全くセーフティリードではない事が、早くもわからされてしまった。
さらに20分、鹿島のCKの流れからMF20三竿がミドルシュートを撃たれると、これはGK秋元がファインセーブではじき出す。
秋元からはそんなところから撃たせるなと檄が飛ぶ。
1点を返した鹿島の攻撃がますます強さを増す。
PKから同点にされる!!!??
鹿島の攻勢をみて、25分、湘南も交代策でMF28鈴木冬一に代えてMF6岡本拓也が入る。
27分、セットプレーの場面でボールを拾ったMF41白崎と入れ替わる形でFW18松田が当たってしまい白崎が倒れると、やはりPKの判定となる。
このPK、代わって入ったFW15伊藤翔がタイミングをずらす浮かせたシュートを中央に決めて、これでなんと同点にされてしまう湘南。
これで2−2。
前半から見ると、まさかこれほどの撃ち合いになろうとは思わなかったが、こうやっていつの間にか同点にしてしまう辺りがさすが鹿島。
同点に追いついた鹿島の勢いは衰えず、32分、湘南のFKを跳ね返すと、すぐさまカウンターに入り、FW15伊藤翔の放ったミドルシュートはわずかバーの上。
鹿島の勢いをなんとかしたい湘南は33分、FW15野田に代えてFW7梅崎を投入。
36分、チーム全体が苦しい時間帯に入る中、代わって入ったばかりの1人元気なMF6岡本拓也がカウンターで抜け出し、強烈なミドルシュートを放つも、おしくもGKの正面ではじかれる。
39分、鹿島の左CK、永木のキックからファーでDF16山本がヘディングを叩きつけるも、GK秋元これを抑える。
湘南としては2点リードしてからのホームでの逆転負けだけはできない。
41分、鹿島は最後の交代、FW8土居に代えて、FW36上田を投入。
43分、湘南も最後の交代、FW18松田に代えて、FW20クリスランを投入し、いよいよ両チームとも最後の決戦へ。
ラストプレーでの劇的なCKからの決勝弾!!!
鹿島も2点を追いついたからには勝利を手に入れたいところ、44分にもセルジーニョを中心とした攻撃からCKを奪い、永木が良質のボールをゴール前に入れていく。
そして提示されたアディショナルタイムは、途中に入った給水タイム等を考慮しての6分!!!
J3では絶対に観られない数字だが、J1では割と普通らしい。
とにかく押し込んでくる鹿島は2分過ぎにFW15伊藤翔が左サイドから切れ込んでミドルを叩き込んでくるも、GK秋元抑える。
4分もFW36上田がクロスからヘディングを放つも、バーの上。
湘南はなんとかフレッシュなクリスランらにボールを集め、攻撃の起点を作る。
こうしたロスタイムも残り20秒となった中、左CKを掴んだ湘南はMF7梅崎のキックがファーの大外に飛び、ここにジャンプして頭に当てたDF4坂のシュートWは、そのまま上のバーの下を直撃し、下に跳ね返ってそのままゴールへ・・・
GOOAAALLLLL・・・!!!!
よく決めた坂!!!!!
2点リードし、そして2点追いつかれ逆風の中、最後の最後でのラストプレーでホームの声援を力に変えた、まさに渾身のゴールとなった。
代わって入った梅崎の力強いファーの敵マークの薄いところへのキックや、DFリーダーとして身体を張ってきた坂の気持ちのこもった決勝弾により試合は終了となり、やや低調な内容だった前半とは打って変わっての撃ち合いとなった後半での乱打戦を、見事なサッカーで決めてみせた。
試合の内容としてはイーブンな内容だったが、しかしそこの中でも、鹿島相手に勝ちを拾えた事は大きいし、これで降格ラインの16位とは勝ち点7の差の11位となり、降格争いからは抜け出した形。
岡本拓也が怪我から復帰してきたプラス要素もあるし、ベテラン梅崎をベンチで温存しつつ、野田や松田天馬がシャドーで躍動し、1トップの山アがポストプレーや得点の場面で前線で存在感を示すといった前線の層の厚さを観る事も出来、まだまだ湘南としてはここから飛躍できる可能性を秘める。
今シーズン、まだ生で応援に行けていないので、秋には応援に現地に行きたい。
(19.8.7UP)
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