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いよいよW杯本番、最重要な初戦・コロンビア戦
いよいよW杯本番が始まる。
ハリル監督の電撃解任からバトンを受け取り、わずか2カ月半でチームを新たに構築することとなった西野ジャパンだったが、船出の2試合、ガーナ戦とスイス戦は停滞するばかりの攻撃、そして共に2失点を与えるという守備の穴といったいい所無しの連敗となった。
だが、本番前最後の試合となったパラグアイ戦では、メンバーを全て控え陣と入れ替える大胆な試みで挑んだ結果、乾、香川の元セレッソコンビが躍動し、セントラルMFに入った柴崎岳は見事なタクトをふるって縦パスを入れまくり、4−2の快勝となり、本番前にようやく一筋の光明が見えた。
そしていよいよW杯本番を迎える事となるが、初戦の相手は前回ブラジルW杯で1−4とボロボロに叩きのめされた因縁の相手・コロンビア。
正直、勝てる可能性は万に一つといったところだが、しかしグループリーグ戦での初戦を落とすと、リーグ戦を突破できる可能性は極端に下がってしまう。
つまり、この試合、いかに引き分け以上に持っていけるか。
全てはこの初戦の戦い方にかかっている。
パラグアイ戦で躍動した乾、香川、柴崎岳といったメンバーを使い、長谷部らに固執した選手起用を改め、そして本田圭佑を使うのならば正しく1トップで使う。
なし崩し的な前回のザックジャパンとなるか、起死回生の布陣変更で奇跡のベスト16となった前々回の岡田ジャパンとなるか。
西野ジャパン注目の初戦となる。
香川、乾、柴崎岳スタメンの西野ジャパン
西野ジャパンはパラグアイ戦で戦列を放った香川、乾のセレッソコンビに、柴崎岳が一気に株を上げた形でスタメン起用。
1トップは大迫だが、自分としては本田圭佑か武藤かと思っていたところ。
どうも最近の代表での大迫は頼りなく見えて仕方ないが、この大一番ではどうか。
15大迫
10香川
14乾 8原口元気
7柴崎岳 17長谷部
5長友 19酒井宏樹
3昌子 22吉田
1川島
ハメスベンチのコロンビア
コロンビアの注目といえば、やはり前回対戦時には怪我で不在だったエース・ファルカオと、1人でキリキリ舞いにさせられてしまった司令塔・ハメス・ロドリゲス。
この2人をどう抑えられるかがまずはカギとなるだろうが、しかしある程度の失点は覚悟するしかない点もある。
そうなれば、やはりいかにコロンビア相手に点を獲って、引き分け以上に持っていけるかとなる。
だが、この試合ではそのハメス・ロドリゲスは先週の練習で痛めたという左ふくらはぎの影響でスタメンには入らずベンチ入り。
しかし、それはそれで、前回後半から投入されたロドリゲス1人でキリキリ舞となったので、脅威は脅威だが・・・
9ファルカオ
20キンテロ
21イスキエルド 11クアドラド
16レルマ 6カルロスサンチェス
17モヒカ 17アリアス
3ムリジョ 23ダビンソンサンチェス
1オスピナ
大迫の抜け出しから、なんとコロンビア、ハンドで1発レッド!!
立ち上がり3分、カウンターのチャンスから抜け出したFW15大迫が、マークの相手とうまく身体を入れ替える形で一気にGKと1対1の局面を作り出すと、大迫の決定的なシュートはかろうじてGKオスピナがビッグセーブで防ぐも、こぼれ球をMF10香川が詰めて再度シュートを放つと、惜しくも相手DFに阻まれノーゴール・・・
・・・と思いきや、なんとこのシュート、MF6カルロスサンチェスが右腕で止めてしまった様子であり、なんとなんと一発レッドで退場!!!!???
そしてこのハンドはペナルティエリア内であったため、そのままPKとなり、相手コロンビアも冗談じゃないとかなりジャッジに3分近く食い下がるも、ビデオ判定も導入されたこの大会において覆るわけでもなく、シュートを阻まれた香川が自ら蹴りにいく。
このPK、相手GKは右利きの香川に対し、確率の高いゴール左に飛ぶも、香川はその裏をかき、ひっかけのゴロでゴール右を狙う技ありのシュートで見事に先制!!!
GOOAAALLLLL!!!!
なんと・・・
まさかの日本先制!!!
そして、この立ち上がりに1人優位に!!!!
これはまさか、初戦から前回の1−4の敗戦を払拭するコロンビア相手の大金星なるか???
1人少ないことに加えての先制という、この上ないアドバンテージで挑むこととなる。
まさかこんな事が起きようとは・・・
これだからサッカーはやってみないと分からない。
1人少ないコロンビア相手に拮抗の試合展開
いきなり立ち上がりで1人少なくなったコロンビアだが、当然試合をあきらめるわけがない。
1人少ない事を全く感じさせない猛攻で日本を攻め立て、12分には中央右のFKのチャンスから、ゴール前に送ったボールにFW9ファルカオが頭で合わせ、これはGK川島の正面で助かるも、やはりセットプレー時には1人少ない事はほぼ関係なくなるため、コロンビアの攻撃力を考えれば決して1点で守り切れるわけではない。
だが日本も、1人少ない相手が前に出てくるという事は、つまりカウンターをしやすくなるという事であり、15分にはカウンターのチャンスに香川が中央に運び、絶妙のパスをペナルティ左に出すと、MF14乾の狙いすましたファーへのゴロのシュートは、わずかにバーの右。
こういったチャンスにきっちり決めないと、いつまでも1−0のままではまずい。
25分には相手の中央からの抜け出しに対し、逆サイド気味だったのにも関わらず、左サイドバックのDF長友がこれに猛スピードで付いていき、見事にパスをカット。
守備に攻撃に、この運動量こそが長友の真骨頂。
とにかく次の1点だ。
同点にされたら、相手はもう完全に守りに入り、カウンター一発しか狙わなくなる。
1人少ない相手に攻めさせるシチュエーションを維持するためには、とにかくリードを守らなければならず、そのためには相手の同点弾よりも先に追加点を決めないといけない。
FKから同点にされてしまう!!!???
31分、コロンビアはMF11クアドラドに代わりMF5バリオスを投入。
攻撃のキーマンのクアドラドを下げても、やはり2ボランチでのブロックの形成だけは優先させた形。
34分、コロンビアは日本のCKを防いだ直後の隙を狙っての速攻を仕掛け、中央からの浮き球の縦パスに、ゴール前でFW9ファルカオが点で合わせにきてのシュートは、勢いが弱くGK川島に収まるも、しかしこの1人でも一気にゴール前に顔を出し、ゴールを狙ってしまう、まさにストライカーといったファルカオはやはり脅威だ。
37分、浮き球に対し、FW9ファルカオに対し競りにいったMF17支部がファールをとられる。
え?これでファールか??と頭を抱えアピールする長谷部だが、ペナルティ手前右隅の絶好の位置からのFKは変わらず。
この位置だと左利きのMF20キンテロが蹴りにいき、意表を突いた壁のジャンプした下を狙ったゴロでのシュートに、GK川島が獲ったかに見えたが、確かにゴールラインを割ってしまっている。
・・・・・・・・!!!!???・・・・・・・・
マジか・・・
壁としてもジャンプするしかない状況だったかもしれないが、ちょっと不用意過ぎた。
まあ、相手のキックを褒めるべきだが・・・
しかしやってしまったか・・・
せっかく圧倒的に有利な状況を保てていたというのに、なぜ相手に先にこんな形で同点にさせてしまうのか・・・
まだ数的優位に変わりはないが、こうなるとコロンビアとしてはまず守りに集中しつつ、攻撃は縦パス一本でファルカオに当てていけばいいわけで、同点でOKのコロンビアの方がむしろ有利とも言える状況となってしまう。
こうして前半は1点を守り切れず1−1の同点で折返し。
リーグ予選突破のためにも、ここは是非とも勝ち点3を獲りたい日本、果たして1人多い状況を活かし、後半勝ち切れるか?
後半、ついにハメス投入!!・・・も?
後半、やはり攻撃のスイッチを入れてきた1人多い日本は、長谷部、柴崎岳の2ボランチも高い位置を保ち、前半はほとんど無かった柴崎岳の縦パスも見られるようになる。
やはり柴崎岳は盾パスを入れていかないと、ピッチに入っている意味がない。
9分、日本は左からの香川のパスに、FW15大迫が背中で相手を背負いながらのターンからのシュートは、角度が無く相手GKに押さえられるも、大迫らしいテクニカルで身体を活かした良いシュートだった。
12分、MF14乾が左サイドからカットインしながらのシュートは得意な形だったが、惜しくもGKはじく。
14分、コロンビアは2人目の交代で、ついにエースMF10ハメス・ロドリゲスをMF20キンテロに代えて投入する。
しかしこのハメス・ロドリゲス、明らかに身体が切れておらず、逆にチーム全体の運動量が落ちるだけの結果になり、全くプレスが機能しなくなる。
そのため、この辺の時間帯からは、日本が圧倒的にボールを支配する時間がずっと続くこととなる。
正直、1人少ない状況で1人1人のより一層の運動量が欲しいところのはずが、怪我で練習量が落ち、0.5人分しか動けないハメスの投入は意味が分からない事となってしまっている。
その間にMF14乾が再び決定的なシュートを放つも、相手DFにブロックされる。
本田投入でリズムが変わり、CKから大迫ゴール!!!
25分、日本は最初の交代、MF10香川に代えてMF4本田圭祐を投入。
香川は前半の序盤こそ乾とのコンビで積極的に崩していき、相手のハンドを誘う見事なシュートやPKを決めてみせたが、前半途中からは中央だけは極端に固めて守るコロンビア相手にボールに絡めなくなり、ゲームから消えてしまったのは残念だった。
そのため、リズムを変えるために本田圭佑に代えるのは、非常に有効な策と言える。
ここでコロンビアは同時に最後の交代枠を使い、MF21イスキエルドに代えてMF7バッカを投入。
26分、投入されたばかりのMF4本田は、さっそく右サイドから強引なシュートを放っていき、早くも仕事をする。
明らかに本田投入で日本の攻撃に一気にスイッチが入る事となる。
28分、中央からダイレクトパスを繋げ崩した日本は、MF4本田のパスからFW15大迫がゴール前で粘ってボールを落とすと、DF19酒井宏樹のシュートは惜しくも相手DFに当たり、わずかにバーの左へ。
しかしこの左CK、MF4本田のキックからゴール中央でFW15大迫のヘディングが見事にゴール右に決まる!!!
GOOAAALLLLL!!!!
あれだけ相手に挟まれ、マークされた中でよく決めた大迫!!!
このゴールは大きい。
これでただでさえ運動量の落ちたコロンビアは、それでも無理をして前に出ざるを得なくなり、日本としては圧倒的優位な立場に置ける。
前半で同点にされた時点でズルズルと行きがちだったところだが、相手のハメス投入の不発と、日本の絶妙な本田投入によるリズムの変化がマッチし、一気に日本に流れがいった形での、大迫の見事なゴールだった。
不調のハメス投入の失策
再び先制されたコロンビアは、やはり一気に攻勢に出て、33分、コロンビアの右CKの流れの中で、ペナルティ右からMF10ハメスにフリーで撃たれる場面となるも、FW15大迫が決死のブロックに入り、このシュートはバーの上へ逸れる。
続くコロンビアの攻撃で日本は左右に振られ、最後は日本ゴール前に3人が詰める中、日本のDFは長友だけ、という状況となるも、かろうじて長友ここは粘って守り切る。
34分、足を痛めたMF7柴崎岳に代えて、MF16山口蛍を投入。
この時間帯になると、いよいよ守備固めの要素が強い。
35分、日本は縦パスをFW15大迫が見事なトラップとターンでポストプレーを果たし、コロンビアに隙を見せない。
戦前は大迫の名前をみて不安視した自分だったが、今日の大迫は2得点に絡み、そして完璧なポストプレーで前線の大きな起点となるなど、ほぼ満点と呼べる出来。
確かに、1人でゴールを決めにいく強引さ、貪欲さなどは今一つだが、1トップとしての攻撃の起点という役割りを果たす力はやはり高い。
40分、そのFW15大迫は足をつらせてしまい、FW9岡崎と交代となり、日本もこれで最後の交代。
その後はじっくりとボールを回す日本、再び運動量が落ちたコロンビアには、そのボールを獲る術がなく、41分にはMF8原口についていけず、思わず後ろからファールをする形でMF10ハメスにイエローが提示される。
もはや今日のMF10ハメスに、4年前、日本にとって悪魔にしか見えず、W杯後にレアルマドリードに鳴り物入りで入団した、あの圧倒的な面影は微塵も無い。
ハメス投入は名将ぺケルマン監督にとって、完全な失策だった。
日本、W杯での南米勢相手初の勝利!!!
45分にはコロンビアも攻撃を仕掛け、日本ゴール前を脅かすが、DF3昌子らもここは粘ってゴール前を死守。
そして提示されたアディショナルタイムはなんと5分???
後半、どこでそんなに時間を使った??
前半の分が加算されたか・・・
1人少ないコロンビア、ここが最後の攻め時と、ここから攻撃一辺倒のモードに入り、人数差を軽減できるサイドで崩しては中央のファルカオらに集めるという作戦で日本ゴールを狙ってくる。
ゴールキックを遅らせたとGK川島にもイエロー提示。
とにかく日本にとって5分はあまりに長すぎる。
そして最後、DF5長友がギリギリのところで相手CKになるところを阻み、ラインぎりぎりでボールを横のタッチラインに出したところで終了のホイッスル。
日本はこれまでのW杯、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、コロンビアと、敗れ続けてきた南米勢に、ついに初の勝利を挙げる事となった。
W杯初戦の大金星!!
やはり乾、香川、柴崎岳らがスタメンに入った事で、立ち上がりからコロンビア相手に決して引かずに、積極的に自ら仕掛けていけた事が、相手の出鼻をくじき、非常にいい試合の入り方となって、最初の勢いのままに大迫の絶妙な抜け出し、そして相手のハンドを誘った香川のシュートへと繋がった。
そして後半、守備を固める相手に対して手詰まり感が生じてきた中で、秘密兵器として本田圭佑を投入できたことが非常に効果的だった。
香川、本田、岡崎、乾、長友らにのベテラン勢に、大迫、柴崎岳、原口らの若手が融合された、非常に素晴らしいチームへと、この土壇場で変貌を遂げられた。
コロンビア相手に同点にされた時点で、これまでの日本ならばズルズルといって、下手すると勝ち点1すら残せない可能性もあったが、しかししっかりとチーム全体で一丸となって守り、粘り、そして自分たちの強みを生かして見事に決勝点を奪い返した。
このW杯初戦を勝利で飾れたことは非常に大きい。
それも、グループリーグの中で頭一つ抜き出ていたコロンビア相手にだ。
これで日本は残りセネガル戦かポーランド戦のどちらかを勝てれば決勝トーナメント進出がほぼ決まるし、仮に2引き分けでも十分抜け出せる可能性はある。
とにかく勝ち点上、優位な立場で戦えるわけだ。
しかも今日見せた攻撃陣の、レギュラー、控えの差の無い若手、ベテランが融合されたタレント達のバリエーションは非常に豊富だ。
パラグアイ戦の前までは、まるでお通夜状態だった日本代表だったが、土壇場になって一気に復活を遂げた。
これまでの2回のベスト16を上回るベスト8以上のためにも、グループリーグ残り2戦をしっかりと戦いたい。
(18.6.19UP)
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