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絶対に負けられないサウジとの一戦
最終予選は早くもこの試合で一巡となり、現在日本は２勝１分１敗。
特に先月のオーストラリアとのアウェイ、あと少しで勝てたところを、ＰＫで同点に追いつかれるなど、不運も重なり引き分けとなったのは結果として痛い。
やはり初戦のＵＡＥ戦の１敗のダメージはまだまだ残っている。
そこで重要なのが今日の一戦。
おそらく最後は２つの枠を取るであろうオーストラリアに対し、残る１席を奪い合う直接のライバルがこの試合の相手、サウジアラビアであり、現在サウジは３勝１分と、日本の１勝先を行き、未だ無敗での首位。
特にこの試合はホーム戦であり、ホームでサウジに勝って逆転２位に入らなければ、もう来年の後半戦の戦いは極端に苦しくなる事となってしまう。
初戦を負けたチームは最終予選を突破できないジンクスを打ち破るとすれば、この試合は引き分けではダメだ。
絶対に勝たなければいけない。
なんと久保起用のハリルジャパン
元々、報道でもあったが、所属チームで出場機会の少ない香川、そして本田を敢えて外し、代わりに右サイドに入るのはなんと岡崎でもなく、スイスのヤングボーイズの久保裕也！！
それぞれ、所属チームでのコンディションを最重要視したメンバーで挑む事となり、特にこの大一番での今日となった、大迫と久保の２人のニューカマーには期待がかかるところ。
まさに世代交代を象徴するゲームとなる。
１５大迫
８原口元気 １４久保
１３清武
１６山口蛍 １７長谷部
５長友 １９酒井宏樹
６森重 ２２吉田
１２西川
名将ベルト率いるサウジアラビア
サウジの注目選手というか、一番のストロングポイントは、監督かもしれない。
その名はオランダ人の名将・ベルト・ファン・マルバイク。
元々オランダ代表もつとめ、ブンデスリーガではドルトムント、ハンブルガーなども率いる実績豊富な監督。
しかもその内、２０１０年の南アフリカＷ杯では準優勝という、本当の名将。
主力は怪我から復帰の点取り屋のＦＷアルサハラウィ、切り札であり２２歳の小柄な若手エース・ＦＷファハド、そして攻守の鍵を握ると言われる３２歳ベテランのＭＦアブドゥルマリク、最後にこちらも３２歳ベテランのキャプテンＤＦオサマがセンターバックで守備の主軸。
それにしても、オランダ代表を準優勝に導いた名将がサウジの監督とは・・・
どおりで急に強くなるわけだ。
１０アリサハラウィ
１８ナワフ １７タイセル ８ヤヒア
７アルファラジェ １１アブドゥルマリク
１３ヤスル １２ムアズ
５オマルハウサウィ ３オサマ
２２アルオワイス
立ち上がり押し気味の日本も、強さの片鱗を見せるサウジ
立ち上がり１分を過ぎ、早速１トップのFW大迫に縦パスが入ると、これを大迫見事なトラップでビタッと止め、すかさず清武に落とすと、清武は早速ファーストシュートを放っていく。
早速見事なポストプレーをみせた大迫、良いファーストタッチとなった。
押し気味に試合を進める日本に対してサウジは１０分にはMF１１アブドゥルマリク、１１分にはDF１２ムアズが連続でイエローをもらう。
１トップで存在感をみせる大迫、そして２列目の清武、原口らがどんどん縦に速く攻めていくため、サウジとしてもこの立ち上がりは慌てている様子。
しかしサウジも立ち上がりの時間帯の日本の攻撃をしのぐと、どんどん前からのプレッシャーを強め、１８分には左サイドでボールを奪ったサウジは一気にカウンターに移り、FW１０アリサハラウィが抜け出しての角度の無いところからのシュートはGK西川が抑える。
対して日本もMF８原口が一気に中央から加速してドリブルを入れ、ゴール前の大迫に入れたところに大迫のシュートは惜しくも相手ＧＫが正面で抑える。
惜しい！！！
さらに２２分にはDF１９酒井宏樹が見事なコンビネーションから抜け出し、マイナスの折り返しにFW１４久保のダイレクトでのシュートは惜しくも相手ＤＦに当たりＣＫとなる。
やはり全体的に圧すのは日本だが、しかしいざサウジにボールが渡ると、どんどん前線でダイレクトにボールを入れ、なかなか捕まえられないまま攻め込まれ、２６分には右サイドからのMF８セヒアの決定的な低いクロスがゴール前に入れられるも、これはかろうじて誰も触れず。
う〜ん、この前線からのプレス、そして攻撃ではこのダイレクトでの鋭いパス回しか・・・
これが名将ベルトにより生まれ変わった無敗の首位を守るチームというものか。
清武のＰＫで１点リードで折り返し！！
３９分には日本、中央でのダイレクトでのパス回しでサウジの守備陣を翻弄し、長谷部のクサビのパスをFW１４久保が落とし、FW１５大迫のシュートは惜しくも上にふかしてしまう。
４２分にも中央のパス回しからフリーとなったMF８原口が鋭いミドルシュートを放ち、惜しくもバーの上。
この流れからいくと、この良い流れの前半にいかに先制点が獲れるかが大事となるが、しかしその１点が遠い。
後半に強いというサウジの不気味な足音を感じるような、焦れる前半が過ぎていく。
そして４３分、中央でボールを受けたFW１５大迫が見事に密集地帯の中でボールをキープし、そこから一気に素早く攻守を切り替えて展開すると、右サイドからのボールからMF１３清武のシュートをMF１１アブドゥルマリクが左の胸に当ててから左腕にボールが当たり、ＰＫを奪取！！！
長い間、サウジの選手が抗議をし、相当に重圧がかかる中、MF１３清武は右で左下隅を見事に狙い、これをゴールに突き刺す！！！
ＧＯＯＡＡＡＬＬＬＬＬ！！！！
よく決めた清武！！！！
サウジの執拗な抗議の時間などから、どんどんプレッシャーがかかり、しかもこの重要な試合というところで、これは嫌な雰囲気を感じたものだが、しかしここをきちんと決めるとは、清武の成長ぶりがうかがえる。
こうして前半を見事に１点リードで折り返す事となった日本。
前半に先制できたことは非常に大きい。
時間帯も良い。
あとはどんどん攻めてくるだろう相手の同点弾より、いかに先に追加点を後半に獲れるかだ。
ただ個人的に気になったのは、左サイドからの長友の攻撃参加、クロスというものがほとんど皆無だったこと。
原口らの調子が良いので、そこまで無理な攻撃参加が要らなかったのかもしれないが、それにしてもやはり全盛期の長友ではない、運動量やスピードの衰えというものを感じざるを得ない。
香川、本田に続き、やはり長年日本を支えてきた長友も、また世代交代の時期に来ているということか・・・
後半頭から本田投入の策に出るハリルジャパン
後半に入り、なんと勝っている日本が先に選手交代で、FW１４久保裕也に代えてFW４本田を投入する。
う〜ん、確かに好調な大迫、清武、原口に対し、久保だけ前線で空回りしていた感は多々あったものの、しかし後半頭で下げるほどだったかというと、、、それも本調子とは言えない本田をわざわざ後半頭から入れる必要があったのかと思うところ。
よっぽど久保の出来がハリル監督のイメージと違ったか。
だが、自分としては本田はサイドではなく中央で使わないと意味が無いので、やはりこの交代にはやや残念。
後半２分、左サイドから攻め込んだMF１３清武に対し、DF３オサマに無理なスライディングを受け、オサマにイエロー。
このＦＫを清武が蹴った後に、軸足の左足首あたりを抑えるように倒れ込む清武。
場内としても、攻撃の核となっている清武をここで失うのか？と緊張感が走ったが、一応〇のマークが出てピッチに戻る清武。
後半頭から既に１人交代枠を使っているだけに、ハリル監督もこれにはホッとした表情。
サウジはいよいよ１２分に、MF８ヤヒアに代えて切り札のFW１９ファハドを投入し、いよいよ追い上げモードのスイッチを入れる。
さらに１８分にはMF８原口が見事に相手守備の中央を斜めに横切って抜け出し、シュートを入れるもこれはミートしきれず。
１９分、ハリル監督は２人目の交代、MF１３清武に代えてMF１０香川真司を投入。
清武は痛めた左足も心配されるところだし、元々のプランにもあったのだろう。
同点を狙うサウジに粘り強く対応する日本
２５分、サウジも２人目の交代、１枚イエローをもらっているMF１１アブドゥルマリクに代えてMF２０アブドゥルマジードを投入。
この時間帯はかなりサウジにボールを回されるも、日本もそこは我慢して守り、２７分にはそうやって相手を囲ったところでパスコースを限定させ、一気に左サイドでMF８原口がパスカットし、そのまま攻め込んで本田へのパスへと繋げる。
このＣＫの流れから、大迫や本田らがゴール前で何本もシュートを詰めるも、惜しくも追加点はならず。
こういった流れの中で追加点を獲れると理想だが・・・
さすが首位サウジはそこまで楽には試合を運ばせてくれない。
それにしても原口、今の日本代表の左サイドに今やなくてはならない存在となっている。
３３分には左サイドからのクロスに、ファーでFW４本田がダイレクトボレーでのシュートは惜しくも相手ＧＫの好セーブに阻まれる。
３４分、サウジはいよいよ最後の交代、MF１８ナワフに代えてMF１５アルシャムラニを投入。
原口の４戦連続ゴールで大きな追加点！！
そして３５分だった。
左サイドに流れた本田と、上がってきていたDF５長友のパス交換から、長友が一気に縦に抜け出し、長友のグランダーのクロスに、ニアで香川がスルーし、さらにFW１５大迫が大外から回って相手を引きつけると、その裏でボールを受けたMF８原口がフリーで受け、右足でのシュートをゴール左に突き刺す！！！
ＧＯＯＡＡＡＬＬＬＬＬ！！！！
よ〜し！！！！！
これで勝った！！！！勝てるぞ、首位のサウジに！！！！
本田と長友がみせた、何度もダイレクトにパスを交換し合って、相手守備の穴を狙うという、長年の仲ｄからこそ出来る芸当がここにきて光り、そしてニアで潰れ役となったのも、長年の戦友・香川。
そんなベテランたちがお膳立てし、そして代わって日本を背負って立とうとしている原口が決めるという、まさに新旧噛み合った、素晴らしいゴールとなった。
これで原口は４戦連続ゴール。
まさに日本の新たな救世主と言える。
今のところ、あのオーストラリア戦でＰＫを与えたミス以外は、サイドプレーヤーとして運動量、スピードも含め攻守共に完璧。
香川をなぜか無駄に左サイドに固定し続けたザックジャパンに比べ、どれだけの発展と言えるだろうか。
終盤に圧し込まれ１点返される！！！？？
しかし、この終盤、最後の１５分でここまでのリーグ戦ほとんどの点を上げているサウジとしては、まだまだ安心はできない。
ここからいかに点を与えず、ダメ押し点を狙っていけるか。
１点返されるとわからなくなる。
４１分、前線で原口が粘ってボールをキープし、ゴール前右に攻め込んだ本田に送り、本田のダイレクトで放っていった右足でのシュートは惜しくもバーの上。
得意の左足なら決めていた場面だろう。
４４分、押し込んできたサウジに圧倒されてしまい、一度はGK西川がはじいたところを、更に詰められてシュートされ、これをかろうじてゴールライン際でDF５長友がなんとか掻き出したかに見えたが、どうやらギリギリのところでボールがラインを割ったという判定をされてしまい、なんとゴールの判定！！？？？
・・・・・・・・・！！！！！！！？？？？・・・・・・・・・
な、、、なに！！！？？
この時間帯に１点返されるだと？？？
これがサウジの終盤の粘りという奴か・・・
恐ろしい・・・
１人退場もサウジの猛攻に耐え日本の勝利！！！
試合はそのまま３分間のロスタイムへ。
２分が経過しているところで、前線右サイドでボールをキープしたFW１５大迫に対し、相手のキャプテンDF３オサマが後ろから強引に奪いにきてイエロー、、、ということでなんと２枚目のイエローで退場となる！！！
さらにこのジャッジに抗議したMF１５アルシャムラニにもイエローが提示される。
ここで日本は最後の交代、FW１５大迫に代えてFW９岡崎を投入。
しかし、１人少なくなったサウジだが、まだまだ終盤のサウジはこんなものでなく、どんどんボールを前線に送り、ロスタイム５分を迎えようかというところで、右サイドからのクロスにゴール前でヘディングシュートを放たれるも、GK西川が右飛びでのファインセーブでこれを食い止める！！！
あ、、、危ない！！！
この試合、サウジのシュート本数こそ少なかったが、こういった試合こそＧＫは集中力を途切らさせずに、いかに守れるかが重要となる。
そしてようやくのタイムアップ。
こうして首位サウジに、このリーグ戦初の黒星を付けさせ、サウジと並ぶ勝ち点３を手に入れる事となった。
試合内容としても、結果的にシュート数も圧倒し、試合運びとして完璧だった。
自分としてはどうかなと思った本田の後半頭からの投入も、後半の相手の運動量が落ちた中だからこそ、今の運動量、キレがやや落ちている本田でも、しっかりとゲームに入り込め、持ち前のシュート力から何本も惜しいシュートの場面を作りだせた事も、成功だったといえる。
この勝利で、とりあえず初戦ＵＡＥ戦の敗戦はようやくリセットに近づけたといえ、これでオーストラリアとサウジと今一度横一線に並べる。
一番大きかったのは、この試合でしっかりと存在感をみせた大迫はじめ、原口や清武らがもはや本田、香川に代わるファーストチョイスであることを示せた事だろう。
同様に、ようやくボランチも本来固定すべきである山口蛍が定着してきた感もある。
こういった、世代交代をしっかり示せた事が、来年の後半の戦いに、今度は迷いなく戦える事となるだろう。
本当、よく勝てた・・・
このまま、来年の快進撃に繋げられる事を願う。
(16.11.15UP)
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