|
|
執念のホーム初勝利を挙げ、最大の敵オーストラリアに挑む
初戦のUAEとのホームで黒星発進となったハリルジャパンだが、その後のタイ戦で辛勝し、そして先週のホーム戦では宿敵イラク相手に同点に追いつかれながらも、ロスタイムの山口蛍のシュートで執念のホーム初勝利を挙げた。
これで意気の上がるところだが、今節の相手はリーグ最大の強敵オーストラリア。
明らかにリーグの中で圧倒的な1位抜け候補No.1だが、先週は2位のサウジアラビア相手に同点に追いつかれ、ドローと終わり、勢いには差がある。
だが、日本代表は相変わらず香川、本田といった主力組の、所属クラブでの出場時間の短さなど、コンディションの不調が懸念されるに加え、頼みの岡崎も左足首を痛め、この試合は欠場濃厚。
長友も練習中の脳震盪でオーストラリアには帯同無しとなったのに加え、前節2枚目のイエローをもらってしまった酒井宏樹が出場停止となってしまい、オーストラリア相手に宏樹の高さも無いという非常事態。
しかもオーストラリアでのアウェイでは、未だに勝ち星の無い日本と、マイナス要素ばかりの日本だが、初戦を落としてしまった日本にとっては、落としていい試合など、もはや1試合も無い。
本田1トップ、香川トップ下起用のハリルジャパン
ハリル監督は岡崎らの相次ぐ離脱が目立つ攻撃陣の対策として、岡田ジャパン以来の本田1トップ策を採用。
さらに、香川をトップ下に置く。
おお、これぞまさにザックジャパンの時に、私が切望した理想の布陣じゃないか!!
何度このHP上で叫んだことか。
しかし・・・問題はこのかつてのエース2人が、所属チームでのプレー時間と同様、明らかにザックの時よりピークを越えてきている事か・・・
しかし、両サイドには原口、そして小林悠と、新進気鋭の2人が揃い、機動力は十分補える。
更に、先週の劇的ゴールの強運を買って、山口蛍がいよいよスタメン起用。
私の考えとしては、明らかに再来年の本番までには、蛍のような次世代が長谷部に代わってレギュラーに就いていなければ、日本は終わりだと考えているので、ここで世代交代の波を掴みたい。
右サイドバックの酒井宏樹の代わりには酒井高徳が入り、代わって左にはセンターバックも出来る槙野が入る事で、宏樹の高さの代替えとする作戦か。
4本田
8原口元気 14小林悠
10香川
16山口蛍 17長谷部
20槙野 21酒井高徳
6森重 22吉田
12西川
ケーヒルが控えのオーストラリア
オーストラリアといえば、8試合で5得点という日本キラーのケーヒルがまず真っ先に思い当たるが、それ以外にはキューエルなども代表を去り、いよいよ世代交代が進んでいるとのことで、セルティックで活躍する、高さと足元の技術を兼ね備えたMFトム・ロギッチや、昨年のアジア杯のMVPとなった24歳のMFマッシモ・ルオンゴらが中心選手に成長しているとのこと。
その証拠として、ついに36歳のケーヒルが日本戦なのに控えに入るという、私の記憶の中では初めての事態となる。
日本と同様、いよいよオーストラリアも次の時代に移るか・・・
9ユリッチ 17ヤヌ
23ロギッチ
21ルオンゴ 13ムーイ
15ジェティナク
14スミス 19マクゴーワン
6スヒラノビッチ 20セインズバリー
ライアン
立ち上がり、原口のいきなりの先制ゴール!!!
立ち上がり4分、左サイドでボールを持ったMF10香川が、すかさずゴール前に良いクロスを送り、小林悠のヘディングは厚くは当たらなかったが、日本がオープニングシュートを放つ。
さすが香川、ボールを持ってからの素早いスマートなクロスへの流れは、全く試合勘の鈍りを感じさせない。
するとその直後の5分、相手DF陣の縦へのボールをMF8原口がカットすると、長谷部から前の本田にパスが渡り、本田はトラップもせずにややタメて、すかさずワンタッチで前線に柔かいボールを送ると、先ほどカットした原口がそのままの流れでショートカウンターで走っており、その原口に見事にボールが渡り、GKと1対1になると、落ち着いてGKの左脇をすり抜けるボールを流し込む!!!
GOOAAALLLLL!!!!
よく決めた原口!!!!
さっそく決まった、本田1トップ効果!!!!
原口は自らのパスカットから、そのまま貴重な先制を奪うという、値千金のゴールとなり、武藤や宇佐美らが怪我で欠場となる中、結果を出しまくるこの予選で、原口は確固たる地位を築きつつある。
そして早速1トップの場面でアシストを決めた本田。
本田というフィジカルも強い天才が前線でタクトを振るえるという意味の重要性を再認識させられる。
いまだ、このオーストラリアの敵地で勝ち星の無い日本だが、この先制を契機にどうにか歴史を動かしたい。
セットプレーが怖いオーストラリア
首尾よく先制を獲った日本に対し、まさかのホームでの先制をくらったオーストラリアは攻勢を強め、特にセットプレーともなると平均身長185cmという、日本より5cm高い高さにどんどん合わせてくる。
正直、過去の苦い経験を踏まえても、このセットプレー、高さで1点を獲られるのは仕方ない。
問題はそれを上回る追加点を奪えるかだ。
それにしても、やはり本田の1トップは良い。
とりあえず本田さえ狙っておけば、胸トラップなり、ヘディングなりで絶妙に味方に落としてくれるし、前線でも本田にボールを戻せば、何度でも攻撃をやり直せる。
やはり本田の天職は1トップだ・・・
これこそが私が岡田ジャパンでの南アでベスト16の快挙を果たした時に惚れ込んだ本田だ。
フィジカルとテクニックと決定力を備えた1トップ・・・これ以上の1トッププレーヤーは世界の中でもそうはいない。
その後は25分過ぎまでオーストラリアの攻勢がやや続くが、27分にMF8原口が左サイドから攻め上がっての惜しいシュートを放つと、続く29分にも原口が左サイドからえぐっていき、ゴールライン際からのマイナスの折り返しに、ペナルティ中央で待ち構えていた本田がダイレクトにシュートを撃ちこむも、惜しくもGKの正面。
非常に惜しい決定機だった。
だが31分、相手の日本ペナルティ手前右寄りでのクサビのパスが入ったところで日本はファールで止める事となり、嫌な位置でのFKとなるも、MF15ジェティナクの右足でのコースを狙ってきた直接シュートを、GK西川確実にパンチではじき出す。
うーん、とにかく追加点が先に欲しい。
どうしてもセットプレーはことごとくピンチとなってしまうわけで、いつ相手に1点が入ってもおかしくない。
前半は気迫で守り切り1点リードで折り返し
かなり攻勢を強めるオーストラリアに対し、日本の守備の気迫も凄まじく、特に原口や香川らの2列目の選手達の自陣まで引いて戻り、そして攻撃時には真っ先に速攻に走る運動量には目を見張る。
この運動量、気迫と、この試合に賭ける日本チームの思いが強く出ている。
そのまま前半もロスタイムの2分となり、前半終了。
日本は貴重な原口の1点による先制を気迫で守り切る形で1点リードで折り返しとなる。
しかし、決定機は他にも日本の方が多かったわけで、やはり追加点を先に奪えるかが後半非常に重要となる。
なんとか、このメルボルンの地で歴史を動かす1勝をもぎ取りたい。
後半、原口痛恨のPKで同点にされる
後半に入り・・・それにしてもこのメルボルン、ハト(鳩)が邪魔だ・・・
こんなにもハトが飛び交い、堂々とピッチ上に止まる光景は見たことが無い。
なんだ?気を散らせるための敵方の嫌がらせか?
その後半に入り、オーストラリアはやはり前半とは少しやり方を変えてきたか、中盤を省略して早くボールを縦に、前線に入れてくるようになる。
当然、1点負けているわけで、こうなればパワープレイ的に高さとスピード、パワーで押してくるのが効果的だ。
6分、オーストラリアの左サイドからの速攻から、ペナルティ内右にボールが出され、FW9ユリッチにマークにいったMF8原口が身体をぶつけてしまい、倒したところでPKを与えてしまう!!!?
このPK、キャプテンのMF15ジェティナクが右で右寄りを狙う技ありのコースで決める・・・
・・・・・・・・・・・・
うーん、原口・・・確かに相手の決定機ではあったものの、PKを与えてはダメだ・・・
寄せていく自体は良いが、身体をぶつけては相手の思うつぼだ。
しかし、こういったセットプレーなりで1点を与えるのは織り込み済みのはず。
やはり先に追加点を決めたいところだったが、これからまた再度の先制を奪いにいくしかない。
8分にはすぐさまDF20槙野が左サイドから中に絞りミドルシュートを放つ。
そうだ、点を奪いにいくしかない。
苦しい時間帯を交代なしでしのぐハリルジャパン
11分にはゴール前でDF21酒井高徳とFW9ユリッチが競り合い、またもユリッチが倒れヒヤリとするも、これはユリッチも引っ張っていたということで、逆のファール。
12分、同点にしたオーストラリアは1人目の交代、FW17ヤヌに代えてスピードのあるFW10クルーズを投入。
同点に追いつき、波に乗るオーストラリア相手に、この時間帯はかなり押し込まれる展開となり、これだけ押し込まれると攻撃に切り替わっても本田も孤立するし、香川はほとんどボールに触れなくなる。
本田1トップ、香川トップ下策の唯一の欠点としては、この布陣があまりに理想的であり過ぎるがゆえに、こういった微妙な時になかなか交代策を打ちずらいところだろう。
ハリル監督もなかなか動けない・・・が、やはり前半から飛ばしている原口や小林悠といった両サイドは替え時だろう。
24分、オーストラリアは2人目交代、FW9ユリッチに代えて、いよいよ国民的英雄・切り札のFW4ケーヒルを投入する。
こいつだ・・・
何度このベテランFWに苦い思いをさせられてきたことか・・・
それにしても、もう後半も30分になろうとするが、なぜ動かない?ハリル監督?
やはりこの敵地でのアウェイ、このまま引き分けも含めての守備のリズム重視か・・・
そんなジリジリした展開の中でも、同点の嫌な流れの時間帯が終わり、日本は再び良いカウンターを送るようになり、29分、右サイドからDF21酒井高徳のクロスに、ファーに詰めたMF14小林悠の決定的なヘディングがゴール枠左下ギリギリを捉えるも、GKライアンが右手一本でのスーパーセーブでこれを阻止!!!??
惜しい!!!!
この試合、流れや内容はともかく、決定機だけなら日本の圧勝だ。
そういえばこの時間帯、いつの間にか小林悠と原口のポジションを左右入れ替えていた。
オーストラリアの流れを止めるための策だったか。
交代が後手に回るハリル監督
33分、左サイドに回っていたMF14小林悠がいよいよ足を攣らせたらしく、ピッチを後にすると、それに代わって急遽MF13清武を用意する。
本当はFW18浅野が用意されていたが、小林悠のアクシデントをみて、急遽代えた様子。
うーん、交代が後手に回ったな・・・
同時にオーストラリアは早くも最後の交代、MF13ムーイに代えてFW7レッキーを投入し、ホームでの勝ち星を狙ってくる。
38分、日本は2人目の交代、FW4本田に代えて切り札のスピードスターFW18浅野を投入。
それにしても本田はやはり偉大だった・・・
本田の1トップでのプレーをもう一度観られて本当に良かった。
なぜザックは、この本田1トップ、香川トップ下をやらなかったのか、本田トップ下、香川左サイドでかたくなに固定したのか、やはり口惜しく思う。
39分、もう消耗しきっているかと思われたMF8原口がここで残る力を振り絞るように左サイドを一気にスピードを出して突破し、決定的なゴール前へのグランダーのクロスを入れると、ゴール前に詰めた浅野の足はあとほんのわずか届かず。
この時間帯になって息を吹き返す日本。
日本、最後は守備固めで敵地でのドロー
だがオーストラリアもホームでの勝利を狙い、43分には左サイドで槙野のハンドがイエローをとられ、このFKからゴール前でのヘディングがバーのわずか上を逸れて助かる。
45分になりアディショナルタイム3分が掲示されたところで、日本の最後の交代、なんとMF8原口に代えて、188cmの高身長であるDF2丸山佑市を投入。
ん?ここでセンターバックの丸山とは、どういった交代??
DF21酒井高徳も足を抑えていた中だったが、やはりこの敵地で最後の最後は守備重視に来たか。
丸山はなんとそのまま左サイドハーフに入り、ロスタイム2分には右サイドからの清武のクロスに、高さを活かしての折り返しでゴール前での浅野に合わせる場面も作り出す。
ロスタイムも3分を過ぎたところで、MF16山口蛍が最後の力を振り絞っってボールを外にはじき出し、ラストプレーとなったオーストラリアの左CKもファーでクリアし、タイムアップ。
日本、歴史を動かすメルボルンでの初勝利こそならなかったが、明らかにこの最終予選最も厳しかったオーストラリアのアウェイで、ドローをもぎ取る事となった。
オーストラリアにあと一歩まで詰め寄った成果
マイナス要素ばかりだった日本だが、しかし本田1トップの効果は高く、そして香川、原口ら2列目は気迫あふれるプレーで攻守に走り切った。
非常に素晴らしい内容だったと言えるだろう。
残念だったのは結果に結びついたとおり、決定機でもう1点が取り切れなかった事、そして原口の残念なファールでの、まさに原口の1人舞台のような試合となってしまった事か。
正直、運こそ無かったが、しかし日本は今出来る最大の戦術を用いて、この窮地で最大の強敵オーストラリアと互角以上に渡り合い、そして実力であと一歩まで詰め寄った。
オーストラリアとしては、PKでのやっとの同点となり、ほぼ負けたような印象だろうし、2試合連続のドローというのはオーストラリアとしてはあまりに不服だろう。
今年ラストは来月のサウジアラビアとのホームとなる。
同じくオーストラリアと引き分けとしたサウジ相手に、いよいよ勝利をもぎ取らなければいけない試合となるが、ここで勝てないようでは本戦で戦えるわけがない。
この試合で見せた本田1トップ、そして原口や香川らの光ったプレーを次に活かしたい。
(16.10.11UP)
やっぱりネット購入は便利ですね^^)
どうせ買うなら以下↓からクリックして入ってもらえると、サイト運営の貴重な助けになります(本当に^^;)
(アマゾンでも、楽天でも、ご協力お願いします。。。)
群馬県内どこにでもあるセブンイレブンで受け取りなら、CDも本も送料無料です!↓
|
|