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下馬評覆した関塚ジャパンの４４年ぶりのベスト４を追う（パート２）
４４年ぶりのベスト４達成を果たしたロンドン五輪での関塚ジャパンの軌跡を追うパート２。
前回のパート１にて、メダル獲得が確実視される女子のなでしこに比べ、全く希望無しと戦前から嘆かれていた関塚ジャパンがまさかの開き直った前線からの連動したプレスと速攻を武器に初戦のスペイン戦、そして続くモロッコ戦と勝利し、最後はホンジュラス戦で引き分けて堂々の予選リーグ１位通過を果たしたところまでは書きました。
そして１位通過を果たした事で準々決勝の対戦相手となるのは優勝候補ブラジルを回避してのエジプト。
当然予選リーグを勝ち抜いてきた相手で手強い事に間違いは無いが、この前の試合でレギュラー陣を５人スタメンから外し休ませる事ができた効果も期待したいところ。
永井１トップに望みを賭ける関塚ジャパン
平成２４年８月４日マンチェスターでの準々決勝のエジプト戦のスタメンは以下のとおり。
この前の試合でスタメンから外れて休めた永井、東、清武、扇原、徳永といったところもスタメンに復帰。
またスペイン戦で負傷した酒井宏樹も２試合の休みを経てこの試合で復帰となる。
よって、結果的にはスペイン戦と同じメンバーのまま↓
１１永井
７大津 １０東 １７清武
３扇原 １６山口
２徳永 ４酒井宏
１３鈴木大 ５吉田
１権田
素晴らしい清武のプレスから永井のスピードで先制！！
前線の４人が連動して積極的にプレスを仕掛け、エジプトの苦し紛れのパスをカットしてセカンドを拾い、そしてすかさず前線のスペースへボールを送るという関塚ジャパンのお家芸はこの試合の序盤から見られ、何度もエジプトＤＦラインの裏を脅かす。
更に押し込んだところでＣＫやＦＫも多く獲得し、上がっていったDF１３鈴木大輔の惜しいヘディングも立ち上がりから何回も続くという完全な日本ペース。
本当に、よくこれだけ前線からのプレスが続くものだ・・・
更に奪ったと思ったらもう永井らは一直線に相手ゴール前に向かって走り始めているわけで、いったいどんな体力を持っているんだと確かに海外メディアが驚くのもわかる。
そして１４分、MF１７清武が右サイドでの驚くような速さのプレスで相手を追いつめると、華麗にボールを奪うやいなや、あっという間にペナルティライン中央へ低いクロスを送り、ここに走り込んでいたのがやはり驚くべきスピードで突っ込むFW１１永井。
後ろから追いすがるマークと飛び出してきたＧＫをあざ笑うように先にボールに触った永井は、そのまま無人となったゴール右にスライドし、難なくゴールを決める！！
ＧＯＯＡＡＡＬＬＬＬＬ！！！！
凄い！！！
これは本当に凄い連携のゴール！！！
清武の今大会一番といえる鋭いプレスも見事だったし、そして素晴らしいタイミングで走り込んだ永井、そこを信じてパスを出したという清武のパスの判断の速さ、そして正確さとどれもがパーフェクト。
おそらく今大会ベストゴールだろう。
だがこのプレーの直後に後ろから別に追いすがってきたＤＦにぶつかられ、なんと左足に強烈なダメージとなり永井は早々に負傷退場となり、前半２０分にFW１５斎藤学が投入される。
斎藤は左に、大津が永井に代わって１トップに。
斎藤学の突破でファールされ、エジプト１人退場に！？
日本の攻撃の鍵であった１トップの永井が抜けた事と、どうにも連動したプレスという流れについていけない斎藤学のチグハグさとで日本の勢いが弱まり、次第にエジプトに流れが傾く。
特にセットプレー時は体格に勝るエジプトの方に分があり、かなり際どい場面も続くが、吉田、鈴木大輔、そして権田のトライアングルを中心にゴール前だけは鍵をかける。
そして粘った日本は４０分、清武が中盤右サイドでボールを奪い、東へ、そして東はＤＦラインの裏を走る齋藤にダイレクトでパスを送り、齋藤が抜け出しかけるが、戻ってきたDF１５サード・サミルが後方から齋藤を倒してしまい一発レッドを受けてまさかの退場。
このＦＫは壁に当たり、そして鋭いカウンターを受けるも、徳永がイエローを受けつつも身体を張ってブロック。
続く４４分にも相手の右からのクロスをＧＫ権田がパンチングするも、これがちょうど相手の目の前に当たってしまい、そこから権田もクリアしきれずに混戦となるも、最後は山口螢が決死のブロック。
こうしてエジプトは１点ビハインドで１人退場という泣きっ面に蜂の状態からの起死回生の攻撃も日本が粘って止める形で前半は折り返しとなる。
後半は１人多い日本ペースでＤＦ吉田のヘディングからようやくの追加点！
後半はやはり１人多い日本がほぼポゼッションし追加点を狙うも、エジプトもまずはしっかり守って１失点に抑えつつ、セットプレーなどからワンチャンスを狙っていく方針が見え、高いＤＦ陣の壁を敷いてゴールに鍵をかける。
もともとフィジカルに勝るエジプトに堅守速攻の形を作られ日本もなかなかチャンスを作れないまま、後半２７分に東に代え左に酒井高徳を入れた後の３３分だった。
ペナルティ手前右サイドから得たＦＫのチャンスに、清武の送った低いクロスをニアでＤＦ吉田麻也が飛び込んで見事にゴールへ！！
ＧＯＯＡＡＡＬＬＬＬＬ！！！！
１人少ないエジプト相手に苦しんだところもあったが、ようやくの追加点となった。
エジプト、まさかの負傷退場で９人へ・・・そして４４年ぶりのベスト４、準決勝進出へ！！！
やっと追加点を決めた日本に対し、１人少なくどうにか起死回生の同点を狙っていたエジプトにとっては精神的ダメージが図り知れず、続く３４分にも斎藤学が右サイドから一気にフリーで抜け出し、ＧＫと１対１の場面を余裕を持ってシュートを放つも、あろうことかゴール左に。
しかしその直後、今度はエジプトのDF６アハメド・アラーが足を痛めて負傷退場。
この時点でエジプトは既に３人の交代枠を使ってしまっており、なんとエジプトは２点ビハインドの中の９人でのプレーとなり、これはもはや奇跡が起きてもどうにもならない状況。
そして後半３７分、左サイドのＦＫから、扇原が左サイドを抜けてのクロスに、ニアで大津がマーク２人の間から頭でニアに決めて３点目の本当のダメ押し点。
こうして日本は３−０で試合を終え、４４年ぶりのベスト４進出を決めた。
とにかく先制の清武から永井の得点が全てだった。
この関塚ジャパンで不動の主軸と化したエース清武の献身的な前線のプレスがそのまま得点に繋がった、今大会の日本の快進撃を象徴するような得点だった。
だが、次のメキシコ戦を前に負傷退場を余儀なくされたＦＷ永井の怪我だけが日本に暗雲をもたらし、今の日本のシステムの中で永井のスピード抜きでどうなるのかと誰もが不安視する中のメダルがかかる準決勝となった。
・・・ところでパート２で終える予定でしたが、とてもそんなボリュームになりません。
パート３、なんならパート４までいくかもしれませんが、この続きはまた次に。
〜パート３へ続く〜
(2012.8.29UP)
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