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第101回2022-2023全国高校サッカー選手権
2022.12.31
2回戦
前橋育英 6−1 四国学院香川西(香川)


横棒



前橋育英、夏冬2連覇を目指して・・・2回戦の相手は因縁の香川西!!

2017シーズンに前橋育英が群馬県勢初の全国制覇を成し遂げてから、2度目の全国制覇を狙う前橋育英は、2022シーズンは念願のプレミアリーグにも参戦となり、更に強さに磨きをかけ、夏のインターハイでは古豪・帝京高校を決勝で破り、2回目のインターハイ王者となった。
十分に実力を示した前橋育英は、夏冬連覇に向けての戦いとなる。

その前橋育英は1回戦、相変わらずの初戦の呪縛に捕まり、終始圧倒的に試合を支配しながらも日章学園相手になかなか点が獲れないまま後半先制を浴び、なんとか2点を獲り返して2回戦に駒を進めることとなったが、その2回戦の相手は香川西。
かつて2008年、六平、佐藤稔らを擁した黄金の中盤の前橋育英が3回戦であたり辛勝したが、その翌年2009年には小島秀仁、皆川らの前橋育英が初戦であたり、2−3の惜敗となっている。
もうあれから13年も経つわけだが、当時の優勝候補のメンバーが初戦で散った悔しさは覚えており、香川西も経営上の合併などから校名の変更などもあった様子だが、久々の対戦となるこの2回戦、あの13年前の借りも含めここで返したい。



前橋育英

チームの中心は当然伝統の14番を受け継ぐキャプテンMF14徳永涼と、2年生の時から全国で活躍している相棒のMF7根津の史上最高と言えるボランチコンビだが、根津はまだ靭帯断裂の怪我の影響が多少残っているところで、1回戦も後半早々に大事をとって交代している。
その代わりに躍動しているのがMF19青柳であり、根津復帰までの徳永の相棒を務め、攻撃面でもチーム一の積極的な姿勢で状況を打開し、1回戦の決勝点を見事に演出するアシストを決めており、そういったこともあってかMF7根津をあえてベンチに温存し、ボランチにはMF19青柳が入る。
その他攻撃のエースとなるのは2年生からエースとして活躍するFW9小池直矢と、身長が無いながらも点取り屋でパワフルな突破が魅力のFW10高足が切り札となるが、この試合では根津に代わる形で1回戦は途中出場から流れを変えるワンタッチでの落としからアシストしたFW15山本颯太が入る。
更に守備ラインでは元々攻撃的プレーヤーであるDF3井上や正確なキックが武器のレフティであるDF6山内からのサイド攻撃も魅力となる。
この試合ではこれまでスタメンを張っていたDF24ポンセ尾森に代えてDF13杉山陽太がスタメンとなる。
ポンセは1回戦でイエローを受けているため、今後のトーナメントを見据えたその辺の作戦もあるか。


10高足善
15山本颯太
8大久保帆人     9小池直矢
14徳永涼 19青柳龍次郎

6山内恭輔         3井上駿也真
13杉山陽太 4齋藤駿

1雨野


ベンチには、MF7根津、MF11堀川直人、MF17山田皓生、MF28大誉 (おおとう)、MF25眞玉橋(またはし)、DF18福永竜也、DF5斉藤航汰、DF24ポンセ尾森、GK12大澤






香川西

1回戦の羽黒との対戦では先制されつつもCKから2点を取り返しあっさりと逆転するという試合巧者ぶりをみせた香川西。
まずはそのセットプレー、特にDF辻本が蹴るストレート系の特徴的なボールにどう対応するかが育英にとって鍵となる。

またかつて川崎フロンターレの登里が付け香川西ではエース番号とされる8番を背負う左のMF8菊池亜門、右のMF10山田晃市も羽黒戦を見る限りなかなかのサイドからの突破力とゴールに迫るプレーが多いのも注意。

1回戦と入れ違いでFWにロングスローが武器のDF12竹本凜をあえて起用してくる辺りが前橋育英対策が垣間見える。



12竹本凜 11伊藤駿介

8菊池亜門     10山田晃市
7鈴木理生 6塩川

2辻本         13中島嘉人
4山西 3小島大空

1三谷虎太朗




ベンチにはFW9橋田、FW20鹿島、FW19玉田、MF28内山、DF21田中徳和、DF15岡、DF14入口、DF5福平、DF12竹本、GK17勝



こぼれ球からFW10高足の先制ゴール!!

ポゼッションは育英になるだろうという大方の予想を逆にとり、キックオフから激しく攻めてFK、CKを掴んでいく香川西はロングスローでも育英を揺さぶる。
1回戦もCKから2点獲って逆転した香川西としては、育英に勝つにはセットプレーと照準を絞っている感は当然ある。

それに対して育英は左サイドバックのDF6山内が攻撃時は積極的に中に入りインサイドハーフの位置で攻撃に厚みを加える事で香川西DF陣を翻弄する。

14分にはFW15山本がクサビに入って起点となり、右サイドからFW10高足のクロスからゴール正面でMF9小池直矢がドンピシャでヘディングを放つも、GK1三谷におしくもファインセーブされる。
さすが育英の攻撃、ダイレクトでどんどん繋いでいき、香川西でもなかなか捕まえきれない。

さらに15分、FW10高足が相変わらずの球際の強さからマークを強引にかわして右サイドでフリーとなるとゴール前への速いクロスにFW15山本が点で合わせていくヘディングも、惜しくもバーのやや上。
枠にいっていれば決まっている立て続けの決定機となった。


すると25分、右サイドからFW15山本颯太のクロスからゴール前でMF7小池直矢がヘディングを放ち、これはGK1三谷にはじかれるも、そのこぼれ球に反応したFW10高足善が右足を振り抜き、これがゴール左上に突き刺さる!!


GOOAAALLLLL!!!!


おお!!!よく決めた、さすが高足!!!
それにしても強い!今年の育英は本当に強い!!!

ボールを奪われても最初のファーストDFへの切り替えがあまりにも速く、2次攻撃、3次攻撃を繰り出し、何度でも何度でも決定機を作ってしまうため、こうしていつかは点が奪える。

これが前橋育英の強さだ。
この試合も追加点を決めて試合を決めたい。



追加点取れずに前半1点リードで折り返し

先制された香川西はギアを上げ右サイドからのスローインではFWに入るDF12竹本凜のロングスローから立て続けにゴール前で混戦となりチャンスを作り出す。
やはりロングスローだけはどうにも対処がしずらい。

33分にはそのロングスローから混戦としてセカンドも拾ったところからミドルシュートを放ち、この試合はじめての香川西のシュートを産み出す。
香川西にはこのロングスローがある限り諦めはしない。
1点リードではダメだ。
先に追加点が欲しい。


34分、育英は前線へのロングフィードにGK1三谷が迷わずダッシュしてFW15山本よりわずかに先にタッチすると、その後方からMF8大久保が無人のゴールへシュートするも、惜しくもわずかにバーの右を逸れる。

このGK1三谷はゴールキーパーながら166cmしか無いわけだが、この俊敏性を武器にゴールマウスを守る。

前半ロスタイム1分のラストプレー、縦パスで右サイドから抜け出したFW10高足善のGKとの1対1からのシュートもGK1三谷が気迫のある前への飛び出しでシュートストップし試合は前橋育英が追加点を獲れない形で1点リードのままでの折り返しとなる。

試合は完全に前橋育英のものとなっている。
後半、2点、3点目を獲って試合を決めたい。





後半、山本颯太の大きな追加点!!

後半に入り5分、MF9小池直矢が右のスペースを突いてペナルティラインで切り返すと、決定的なシュートは惜しくもバーのわずかに左。

すると続く7分、左サイドからスピードを活かし抜け出したFW15山本颯太、中央への高足へのパスも伺わせながらマークをズラすと、自らGKとの1対1となった場面でシュートを流し込みにいき、ゴール右に決まる!!!


GOOAAALLLLL!!!!


よく決めた山本颯太!!!!
スピードもそうだったが、マークを相手にしっかりと身体の角度を活かしてキープしながらのドリブル、高足の方向を見ることでマークをズラす技術など、素晴らしいものだった。

これで先に追加点を獲れた。
これは大きい。試合をほぼ決定づける追加点をスタメン抜擢の山本が決めてくれた。

これで勢いが乗った育英は続く10分も波状攻撃を仕掛け、ゴール前左からMF8大久保の決定的なシュートをGK1三谷が奇跡的なセーブで食い止める。
よくあの至近距離からのあの威力のシュートを止めた・・・これが166cmながら全国の舞台でゴールマウスを守るキーパーも実力だ。




大久保のクロスから小池直矢のダメ押し点!!

2点を追いかける事となった香川西はこれまでロングスローで何度もチャンスを作ってきたDF12竹本凜に代えて本来のレギュラーFW9橋田を投入し攻撃の形を変えてくる。

すると左サイドからDF6山内がボールを奪って中へ仕掛けたところで香川西を崩すと、左に張るMF8大久保に渡し、大久保は切り返してから右でのクロスにゴールファーでMF7小池直矢がヘディングを突き刺す!!!


GOOAAALLLLL!!!!


これでダメ押し点!!
DF6山内の仕掛けが全てだった。
大久保もスペースがあればこの精度のクロスが撃てるし、そして高さもある小池直矢はさすがだった。
この3点目で試合は決定的となる。




DF杉山痛恨のPKで1点返される

しかしその直後の18分、香川西は右サイドからMF10山田晃市が一気にペナルティ内に攻め込むと、スライディングで防ぎにいったDF13杉山陽太がわずかにボールに届かず、山田晃市を引っかけてしまうと、これがPKの判定となる!!!??

このPKは山田晃市自ら蹴りにいき、最初は左に決めるが、審判が確認前だったということで蹴りなおしとなり、2回目のPKは重圧もかかったはずだが、今度はしっかりとも右に決める!!


・・・・・・・・・・・・・!!!????・・・・・・・・・


これはDF13杉山、もったいないPKとなってしまったが、まあ仕方ない面はある。
それよりもあれだけのアタックを仕掛け、そして2回のPKともしっかり決めたMF10山田晃市を褒めたい。

この得点で勢いが出た香川西、右CKを掴むと、一度はGK雨野がはじくも、そのこぼれ球をMF7鈴木理生が左足でシュートを押し込むも、GK1雨野がしっかりとセーブ。

そう、香川西には1回戦で2点を決めたCKがある。



山本颯太2点目で4−1!!

23分、育英も交代、MF8大久保に代えてMF17山田皓生が入り、山田皓生は右に、MF9小池直矢が左にポジションを変更。

26分、育英はカウンターの速攻を華麗に右サイドで繋げ、最後はFW10高足善がペナルティ右から自分も撃てるチャンスだったが、フリーにいたファーのMF19青柳にパスを送るも、青柳はらしくないシュートミスでチャンスをフイにする。
うーん、高足が撃っても良かったが、それが前橋育英のサッカーというものか。

しかし続く28分、育英は中央でMF14徳永が激しく相手に当たりに行きボールを奪ったところから速攻となりMF9小池直矢のスルーパスから抜け出したFW15山本颯太が前に出てきたGK1三谷のわずかに空いた脇のコースを狙ったシュートというよりもゴールへの巧みなパスといえるものをゴール左隅に送り込む!!!


GOOAAALLLLL!!!!


これで再度の3点差となる再度のダメ押し!!
スタメン起用となった山本颯太は相当に冴え、この試合のヒーローとなった。


続く30分、香川西はFW11伊藤駿介が右サイドから一気にペナルティ内に入っていき、DF13杉山とGK1雨野に挟まれる形で倒れ、これはPKか??とも思われたがノーファール。

ここで2得点でお役御免となりFW11堀川に交代となる。

香川西はなんと途中交代で入ったFW9橋田を下げてMF28内山を投入。

育英はFW10高足善に代えてMF25眞玉橋が投入される。


小池直矢のこの日2点目で5−1!!

さらに35分、左サイドからのDF6山内のオーバーラップからのクロスからファーでFW11堀川のシュートをGK1三谷がいったん止めるも、それをゴール左でMF9小池直矢が押し込む!!


GOOAAALLLLL!!!!


これで5点目!!
小池直矢もこの日2点目!!

まだまだ諦めるわけにはいかない香川西は36分、FW11伊藤駿介が左サイドから抜け出し、GKと1対1からのシュートはほんのわずかゴール右。



途中交代組でFW11堀川のゴールで6−1!!

もうこの試合、香川西も守備より攻撃、とにかく1点を返したいという前がかりな体勢となる中、速攻からMF25眞玉橋のパスからFW11堀川がズドンとゴール左に決める!!


GOOAAALLLLL!!!!


これで6−1!!
もう余裕となった育英はMF14徳永、DF6山内に代えてMF7根津、DF18福永を投入し、もう次の試合に向けての調整に入る。

こうして試合は3分のロスタイムも過ぎ、6−1の圧勝で前橋育英は3回戦に駒を進めることとなった。

2−1の逆転勝ちとなった初戦に比べると、終始前橋育英の強さを見せつけての圧勝となった。

全てにおいてパーフェクト。
攻撃も守備もバランスが非常に良い。
特に攻撃の隙の無さはどうだろうか。
昨年は笠柳や小池直矢といった個の力に頼るところが多く、手詰まり感もあったわけだが、その小池直矢がかすむほどの1回戦はベンチスタートだったFW15山本颯太の躍動や、左サイドバックDF6山内の攻撃面での貢献度、その山内に代わり左サイドの外側から数々のクロスを演出したMF8大久保など、県大会まではそこまで注目していなかった選手が輝きまくっている。

そこにFW10高足善、MF9小池直矢のダブルエースや、MF19青柳なども加わるわけであり、右サイドバックのDF3井上も本来は攻撃の選手だ。

どこからでも点を獲ってしまえる。
MF7根津が不在でこの強さだ。
おそらくここからの勝ち上がりで強豪と当たる時は、今度はMF14徳永、MF7根津の守備の強さが重要となってくるのだろうが、トーナメントを勝ち上がるという意味では、この攻撃陣なら点を獲っていける。

これは今回の全国選手権、ここからまだまだ楽しみだ。




(22.12.31UP)






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