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第101回2022-2023全国高校サッカー選手権
2022.11.6
群馬県大会決勝前橋育英 6−0 共愛学園


横棒



群馬県勢の、次の全国への切符を賭けた群馬県大会決勝

今年もいよいよ全国高校サッカー選手権の季節がやってくる。

2017シーズンに前橋育英が群馬県勢初の全国制覇を成し遂げてから、2度目の全国制覇を狙う中、昨年2021シーズンは前橋育英が準々決勝まで進出。

そして今年の育英はプレミアリーグでも鍛えながら、夏には12年ぶりのインターハイも制し、いよいよ2度目の選手権全国制覇が目前に来ている。

対する群馬県大会決勝の相手は、一昨年2020シーズンも群馬県大会決勝に進出し、前橋商業との戦いで惜しくも1−2で敗れた共愛学園。


本命のインターハイ制覇の前橋育英が順当に全国に行くか、共愛学園が番狂わせを演じるか。




インターハイに続き夏冬連覇を狙う前橋育英

チームの中心は昨年のベスト8までいった時も2年生ながら主力だったMF14徳永涼、MF7根津の史上最高と言えるボランチコンビに、攻撃ではFW9小池直矢が軸となり、FW10高足が切り札となる。

特に徳永涼と根津のコンビは昨年から大ファンであったが、準決勝の健大高崎戦では、なんとそのMF7根津は最初は右サイドバックに入り、インターハイで右サイドバックだったDF井上が右サイドハーフに上がって起用され、インターハイでも根津の負傷気味のところからスタメンだったMF19青柳龍次郎がスタメンに入っていた。
この決勝でも同様に組んでくるかと思われたが、根津はベンチに温存となっている。

代わりに切り札FW10高足善が今大会初のスタメンに入る。

ちなみに準決勝の健大高崎戦では、前半にFW15山本がDFラインからの縦パス1本から抜け出し、相手GKが飛び出してきたところをうまくかわし、ループ気味のシュートで先制。
だが健大高崎も前半のうちにCKからオウンゴールを誘発し同点に。
その後は膠着状態の中だったが、後半終了5分前に右サイドのFKからDF4齋藤が見事にヘディングを決めて決勝進出となっている。




10高足善
15山本颯太
9小池直矢     8大久保帆人
19青柳龍次郎 14徳永涼

6山内恭輔         3井上駿也真
4齋藤駿 24ポンセ尾森

1雨野


ベンチには、FW25眞玉橋、MF11堀川直人、MF7根津、MF17山田皓生、MF23茂木碧生、MF20芦田、DF18福永竜也、DF16磯村、DF13杉山陽太、DF5齋藤航汰、GK12大澤






2年ぶりの決勝進出の共愛学園

準決勝、FW9中島音和が負傷退場で救急車で運ばれる重傷となってしまったが、最後まで一緒に戦いたいと、試合には出られないがベンチに入る。

共愛は準決勝、前橋商業相手に開始早々6分にMF14松本陽生が左サイドからの折り返しをゴール前でもらい、落ち着いてのチーム初シュートを見事ゴールに沈めると、続けて右CK、MF13竹内のボールからゴールファーで落とし、MF11松井が落ち着いてゴールに沈め追加点。
そして後半もそのまま2−0で逃げ切り決勝進出となっている。



19千勝(ちかつ)
 11松井       14松本陽生
10横井勇真
13竹内海人 7桑子
16佐藤結太          15松下晴省
5小林叶拓 4日向野

1佐藤明珠(めいじゅ)


ベンチは、FW18福地、FW9中島音和、MF24堀口、MF20青木、MF17萩原、MF6落合、DF25平石、DF22阿久津祐樹、DF3鈴木光、GK12芳賀


育英、DF6山内の先制ゴール!!

共愛は3分、左サイドからMF13竹内のロングスローがゴール前深くまで入る。
山田監督も、これは青森山田の比ではない、日本一のロングスローでは、と絶賛したロングスロー、この試合でもキーポイントになるか。

7分、左サイドからのDF6山内が上がったところからのクロスに、ゴール前ニアでMF9小池直矢の右足でのシュートはわずかにバーの左。


14分、育英は右サイドでFW10高足が起点となり、MF8大久保にスイッチしてゴール前に送ると、MF7小池直矢のシュートは共愛が決死のブロックでこれを食い止める。

すると16分、またしても育英は右サイドからの攻撃、相手DFラインの裏をとったDF3井上のゴール前への折り返しに、ここに後方から上がってきたDF6山内が左足で押し込むと、見事にゴール左に!!


GOOAAALLLLL!!!!


まさに連動した育英の攻撃がいきなり炸裂した。
起点となった後方からのMF14徳永涼のキープ、クサビに入ったFW10高足善、そして相手の裏を狙ったDF3井上と、あまりに流動的な動きで共愛も捉えきれなかった。

それにしても、右サイドバックからのアシストを左サイドバックが決めるという、今年の育英のチーム全体で戦えている事が証明される先制とも言えた。


共愛としては、なんとかゼロの時間帯を少しでも長くし、育英を焦らした中で少ないチャンスを狙いにいくというプランしか無かったと思うが、なかなか今の育英を抑えきれは出来なかった。



左サイドからの攻撃からFW15山本の追加点!!

飲水タイム明けの23分、共愛は左サイドからMF11松井が遠目からループシュートを狙い、これはバーの左を逸れるが共愛としてはファーストシュートとなり、チームに活を与えるシュートとなる。
松井は2試合連続ゴール中ということで、この試合、育英に風穴を開けるとすれば松井の一発か。

すると30分、左サイドをスピードを持って攻め上がったDF6山内が2人のマークをものともせずにゴール前に低いクロスを送ると、これをゴール前中央でしっかり受けたFW15山本がターンしながらのシュートをゴール右に押し込む!!


GOOAAALLLLL!!!!


またしてもDF6山内の突破からの得点となった。
左サイドバック山内恐るべし!!!

前半で複数得点とできた事は育英にとっては非常に大きい。



PKからFW10高足のゴールでダメ押し点

2点を追う展開となった31分、共愛は右サイドからのMF13竹内のロングスローが入り、ここからゴール前で混戦となる中、右にこぼれたところからMF13竹内の右足からのシュートはアウトにかかって惜しくもバーの右を逸れる。

やはり竹内のロングスローは否が応でもチャンスを作る。
下手なCK、FKよりもこれは脅威だ。

育英も34分、右サイドで面白いように攻撃をテンポよく繋げ、またしても最後は後方から上がってきたDF6山内の左足からのシュートはバーの左を逸れるも、山内の攻撃参加からのシュートはもはや育英にとっての大きな武器だ。
MF9小池直矢が前線で大きく相手の脅威となってマークを引き付けるため、その後方の山内へのマークが相手は出来ない。


すると36分、ゴール前に抜け出したFW10高足善に対して、相手GK佐藤も素早い飛び出しでこれを見事に止めたかに見えたが、先に高足がボールを触ったからか、なんとPK???

いや、ビデオを見る限り、それでもGK佐藤はボールに触れているので、これはPKの判定は厳しいだろう・・・

このPK、高足が落ち着いてゴール右に決めて、育英は前半で3点と早くもダメ押し点を決める。

3点を決められてしまったGK佐藤めいじゅだが、なんとこのGKはまだ1年生。
先ほどのは正直ミスジャッジからのPKであるし、この後もMF8大久保の抜け出しからの1対1を落ち着いてしっかりとコースに入って止めてみせているし、1年生とは思えないセーブ力の高さから、まだまだこの先の活躍も期待できる。


前半も2分間のロスタイムとなると、右サイドからの共愛MF13竹内のロングスローからゴール前でGK1雨野もキャッチしきれず、こぼれたところをMF11松井が押し込むが、育英DF陣もゴールライン上で決死のブロック。

竹内のロングスローはことごとくビッグチャンスを生み出す。
このロングスローがある限り、共愛には可能性がある。

こうして育英の3点リードで前半折り返しとなる。


後半、布陣を変える共愛

3点を追う展開となった共愛は後半、FW19千勝に代えて長身のMF6落合を投入する。
落合はボランチに入り、チームの主軸MF13竹内を1トップに上げて、どうにか反撃となる起点を増やそうとする共愛。


2分、左サイドからまたしてもDF6山内の突破からの折り返しとゴール前ニアでMF9小池直矢の決定的なシュートもGK1佐藤めいじゅがファインセーブでこれを止める。


8分、共愛はようやくMF10横井に良い位置でボールが入り、マーク3人を相手にいなしていくドリブル突破でシュートにいき、左に流れたところをMF11松井が押し込んでいくが、育英DF陣も決死のスライディングブロックで食い止める。

9分にも左サイドからFWに上がったMF13竹内がMF14徳永涼のマークをはねのけてゴール前に決定的な折り返しを入れていく。

14分には育英のスルーパスからのMF9小池直矢のシュートも、GK1佐藤めいじゅがしっかりとセーブ。

後半の飲水タイムで育英も1人交代、DF24ポンセ尾森に代えてDF13杉山を投入。

25分、育英は更に選手交代、FW15山本に代えてMF7根津を投入。
根津はまだ足の怪我の影響があるとのことで、かなり大事に山田監督も考えて起用している様子。
根津が右サイドに入り、MF8大久保が本来の左に、小池直矢がトップに上がる。



DF6山内の2点目!!!

後半、共愛は両サイドのMF11松井、MF14松本がプレスを強めることで育英も好きに攻撃ができなくなり、かなり切迫した展開となる。

29分には右サイドからMF14松本のシュートが惜しくもバーの左。


すると31分、交代で入ったMF7根津の突破からの左足での鋭いシュートを、GK佐藤もいったん止めるも、これのはじいたところを後方から上がったDF6山内が押し込む!!


GOOAAALLLLL!!!!

なんと左サイドバックである山内の2点目!!!
今日の山内のポジションはどこなんだ?というくらい、ほとんどの攻撃に加わっている山内の絶好調ぶりを感じさせる圧巻の2点目で4−0となる。

この失点を受けて共愛は更に交代、MF8桑子に代えてMF7青木が投入される。



MF8大久保、CKからDF4齋藤の追加点

前がかりとなる共愛の裏を突くように、33分、MF8大久保が得意の左サイドからの突破から1回マークをかわすターンをして、振り向きざまのシュートがゴール左隅に突き刺さり5−0となる。


この得点で育英はFW10高足、MF9小池直矢がお役御免の交代となり、MF11堀川、MF17山田が入る。


そして37分、左CKにMF7根津の精度の高いキックからゴール前でDF4齋藤のヘッドからゴール右下に決まり6−0となる。


こうして2分のアディショナルタイムも終わり、6−0という大差で今年の決勝は終わることとなった。

負けはしたが、ここ最近急速に力を付けてきた共愛学園、GK佐藤めいじゅがまだ1年という事もあり、来年以降も強豪として群馬県内で今後も力を誇示していくことだろう。
この試合も点差こそ離れたが、試合内容は育英相手に決して負けっぱなしという事は無かった。
やはり県内のレベルが上がる事で全国制覇する力も身に付く。

それにしても、育英は強い・・・

特にこの試合で大活躍となった左サイドバックのDF6山内をはじめ、チーム全体で守備、攻撃が徹底できている厚みが凄い。

夏のインターハイ優勝は伊達ではない。

これにMF7根津の怪我が万全の状態で冬の選手権を迎えられたなら、育英の2回目の全国制覇は十分に視野に収まる。

攻撃でもFW10高足善、MF9小池直矢の起点となる動きは本当に秀逸であり、このチームを止められるチームなど全国にいるのだろうか。

夏冬連覇に向けて、今年の育英には期待がかかる。





(22.11.6UP)






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