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第100回2021-2022全国高校サッカー選手権
2022.1.2
3回戦
前橋育英 2−1 鹿島学園(茨城)


横棒



前橋育英2連覇目を目指して

2017シーズンに初の全国制覇を成し遂げた前橋育英の2連覇目を目指す戦いは3回戦へと駒を進めた。

これまで4−0、6−0と勝ち進んできた通り、攻守ともに充実した戦力を保持するトータルの力があり、ついにプレミアリーグ参入を勝ち取った今年の前橋育英には期待が持てる。
まだまだ、こんなところで敗退するわけにはいかない。

2022年は寅年、まさにタイガー軍団の年。
2017の全国制覇の時は白のアウェイユニだったが、今年は勝ち上がればタイガージャージで優勝を決められる。
しかも記念するべき第100回記念大会。
初のタイガージャージでの全国制覇に向けて、舞台は揃っている。


前線全ての選手が得点している前橋育英

前橋育英の前線は1回戦で全得点に絡みハットトリックも成し遂げたFW9守屋や、2試合連続ゴール中のMF11渡邊亮平、右のMF23小池、左の圧倒的エース、J2長崎内定のMF10笠柳と、全員が得点を決めており、隙が無い状況。

また守備でも前橋FC出身のキャプテンDF4桑子流空に加え、クロスなどのキック能力や守備のバランスも良いDF6岩立祥太、守護神でキックの精度も高い前橋FC出身のGK1渡部(わたなべ)堅蔵らが守備陣を固める。

なおザスパに内定のエースキラーと称されるサイドバックDF2岡本一真は大会前の怪我でコンディションに難があるため、2回戦から休みを取り、この試合は念のためベンチに控える。
それができるのも、2年の期待の14番を背負うMF徳永涼がボランチで2回戦も十分に力を発揮し、またスライドして右サイドバックに入ったMF17大竹も1ゴール1アシストとサイドでも好調な働きをみせている戦力の厚さにある。


9守屋
11渡邊亮平
10笠柳翼     23小池直矢
14徳永涼 7根津

6岩立          17大竹
4桑子 5柳生

1渡部堅蔵


ベンチには、FW24高足、FW20池田、FW15野本、MF18若林、MF8鈴木太智、DF22武田、DF2岡本一真、DF3徳永崇人、GK12吉野


鹿島学園

関東勢同士の戦いとなった鹿島学園は前の試合でFW11松村がスーパーゴールを決めており、警戒したいところ。
MF10鈴木仁也はトップ下も出来るボランチでまさに司令塔。
鈴木仁也の他に山田監督はMF7蜂須賀、MF8林結人を自由にさせるなと警戒する。


11松村
 9山口永遠
8林結人     18中嶋
7横須賀 10鈴木仁也

5淵          15上原
4佐々木 3杉山

1小副川(おそえがわ)


ベンチは、FW29石塚アントニオ、FW20森、FW16西川、MF17上野、MF13妹尾、MF6櫻井、DF19木滝、DF14平井、GK21木村


立ち上がりから押し込む前橋育英

立ち上がりから1、2回戦と同じくやはり押し込むのは育英。
FW9守屋らが積極的にシュートを狙っていく。

また、鹿島学園も当然カウンターを狙っていくわけだが、ボールを奪われたらすかさず2人で囲んでファーストディフェンスでしっかりとボールを奪い返す徹底ぶりは相変わらず。

19分、中央から出たスルーパスにMF23小池が抜け出しGKと1対1になりかけたが、惜しくもシュートまでいけず。

続く20分、今度は右サイドでFW9守屋が抜け出し、シュート級の速いクロスをファーに送り、MF10笠柳が詰めるも、惜しくも当たらず。


23分には中央からのFKのチャンス、キッカーを務めるDF6岩立は意表を突いた横パスからMF7根津が低く抑え伸びのある良いミドルシュートを放つも、惜しくもカットされる。


対する防戦一方だった鹿島学園は29分、ようやく育英陣地でスローインを掴み、MF10鈴木仁也が放ったロングスローからゴール前でボールを保持されピンチになるも、どうにか掻き出す。




1トップ守屋が負傷退場??スコアレスで折り返し

全体的には育英の攻撃が続くが、鹿島学園も球際のところでは負けてはおらず、これまでの1回戦、2回戦のように連続の攻撃というわけにはなかなか続けられない。

すると39分、FW9守屋が相手との競り合いで足を痛めてしまい、しばらく治療していたものの×マークが出てピッチを出ると、2年生のスーパーサブFW24高足が急遽投入される。
158cmとかなり小柄な高足だが、県大会では4ゴールとチームトップの得点を決めているストライカーに期待がかかる。

ここで前半は終了し、スコアレスで折り返しとなる。

守屋の怪我がかなり心配されるところ。
全国制覇のためには守屋の力は絶対必要だ。




後半、スーパーサブ高足の値千金の先制点!!

後半に入り、FWが入れ替わった育英は前線の組み合わせを少し変え、MF11渡邊亮平を右サイドに回し、MF23小池がトップに入る。
FW24高足が低いため、ターゲットとして小池の180cmある高さを活かすというものだろう。
小池の能力を持ってすれば十分ポスト役も期待できる。

8分、育英は右サイドからのクロスにMF23小池が飛び込んでいき、相手のDF4佐々木と接触となりイエローをもらう。

その後もフォーメーションを入れ替えた育英の前線4人が交互にポジションを入れ替え合い、次々と鹿島ゴール前を脅かす。

それにしても山田監督がハーフタイムに選手に伝えた、この試合は1点ゲームという言葉のとおり、なかなかに鹿島学園の守備も固く、なかなか得点は決めさせてもらえない。

すると17分、MF14徳永涼からのパスに右サイドからDF17大竹がショートクロスを放ちゴール前に落ちると、ここにいち早く飛び込んでいたFW24高足がダイビングヘッドでこれを決める!!!


GOOAAALLLLL!!!!


おおお!!!高足!!!
158cmの高足だが、まさに高足らしい出足の速さを活かした素晴らしいダイビングヘッドだった。

これが県リーグNo.1の得点王の実力か・・・
1点ゲームを制する、非常に大きな値千金の先制ゴールとなった。



MF6櫻井の崩しからMF8林に同点にされる!!??

FW9山口永遠、MF18中嶋に代えてFW20森、MF6櫻井を投入。
櫻井は世代代表にも選ばれ、過去の対戦時には山田監督にそのスピードを驚かされたというスピードスターとのこと。

すると22分、そのMF6櫻井が右サイドからドリブルで抜けてクロスを転がすと、これに育英守備陣も混乱を生み、左サイドからボールを拾ったMF8林結人が巧みにボールをコントロールし、出てきたGK渡部の裏を欠くゴールニアにシュートを転がして、なんとこれがゴールに!!!


・・・・・・・・・!!!????・・・・・・・・・・


な・・・!!!!???
そんな、本当にワンチャンス、櫻井の投入に鉄壁の育英守備陣が混乱してしまった。

せっかく2年生高足が先制を決めた後だっただけに、あと5分はしっかりと守りたかったところ。

今大会初の失点を受けた育英、いよいよ3回戦らしい厳しい戦いになってきた。



鹿島学園に勢いが出てくる

まさかの同点とされた育英、なんとしてでもPK戦だけは避けたいところ。
29分には鹿島学園にカウンターにされそうな中で、MF14徳永涼がうまく後方からファーストDFにいき、ボールを奪うファインプレーを見せる。
徳永涼はボールの扱い、ドリブル、守備と本当にパーフェクト。
2年生ながら山口素弘らが背負ってきた伝統の14番を背負っている意味がわかる。


しかし31分には鹿島学園の長いボールからFW20森にうまくマークをかわされてしまいゴール至近距離からのシュートを浴びるも、GK渡部が至近距離ながらも素晴らしい反応でこれをキャッチ!!


このシュート以降、鹿島学園もどんどん前からプレスにいくようになり、育英は思うようにボールを前に運べなくなり、DFラインでのパス回しの場面が増えてくる。
育英自慢の2ボランチのところにも鹿島学園がコンパクトにスペースを消してきているため、ボランチ陣もなかなかボールに絡めない。

37分、育英は選手交代、MF23小池に代わりFW15野本が投入される。
FW野本もDF桑子、GK渡部らと同じ前橋FC出身。

すると38分、育英は右サイドからのMF11渡邊亮平のシュートは相手DFに当たりコースが変わると、右のバーを直撃!!

ああああ!!!惜しい!!!

とにかく残り時間が無い・・・!!



終盤、FW高足2得点目の決勝点!!!

そんな中での39分、最初FW24高足のポストプレーとなるクサビからボールを繋ぎ、右サイドでMF11渡邊亮平が再度の起点となると右サイドにボールを渡し、ここでDF17大竹がダイレクトにクロスを送ると、ゴール前でMF10笠柳が詰めにいき、これがこぼれたところに更にファーでFW24高足が詰める!!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんと!!!スーパーサブ高足2点目!!!!!
前半終了間際に投入された2年生FW高足が、チームを救う大きな大きな先制、そして決勝点を決めてみせた。

凄い決定力、ゴールへの嗅覚・・・まさにストライカー・・・

本当に素晴らしい。これほどの得点力が158cmの身体のどこに・・・いや、158cmだからこそできる得点パターンを高足は習得している。






こうして試合は2−1でなんとか勝利となり、ついにベスト8、準々決勝に駒を進めることとなる前橋育英。

1回戦、2回戦と違い、やはり3回戦の相手は力のあるチームだったことは間違いない。

特に同点にされてからは本当に危ない展開となった。

FW9守屋の怪我だけが本当に心配だが、代わりに入ったFW24高足が補って余りある活躍をみせ、日替わりヒーローとなっている点も心強い。

それにしても高足も2年、チームを支える徳永涼、根津の2ボランチも2年、トップにも入れる小池も2年と、さすが前橋育英、2年生もこれだけの戦力が出てくる戦力の層の厚さが凄まじい。

いよいよ準々決勝、あと3回勝てばタイガージャージでの優勝となる。

前回はさいたまスタジアムだったが、今回は新国立競技場での優勝ともなる。

新国立競技場で、そしてタイガージャージで優勝を決めるその日まで、あと3回だ。



(22.1.2UP)






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