TOPへ戻る>>その他群馬サッカー関連について




第100回2021-2022全国高校サッカー選手権
2021.11.23
群馬県大会決勝前橋育英 1−0 桐生第一


横棒



群馬県勢の、次の全国への切符を賭けた群馬県大会決勝

今年もいよいよ全国高校サッカー選手権の季節がやってくる。

2017シーズンに前橋育英が群馬県勢初の全国制覇を成し遂げてから、2度目の全国制覇を狙うも、ここ最近は2019シーズンの前橋育英、2020シーズンの前商と、2年連続で鹿児島代表の神村学園に1回戦で惜敗している。

今一度、強い群馬県勢が全国で戦うためにも、今年も群馬県の代表を決める決勝が開かれる。

なお、今大会が記念すべき第100回。
この第100回の群馬県代表は前橋育英か、桐生第一か。


2度目の全国制覇を狙う前橋育英

ザスパに内定のエースキラーと称されるサイドバックDF2岡本一真、前橋FC出身のキャプテンDF4桑子流空に加え、クロスなどのキック能力や守備のバランスも良いDF6岩立祥太、守護神でキックの精度も高い前橋FC出身のGK1渡部(わたなべ)堅蔵らが守備陣を固める。

攻撃ではU-18にも選出されVファーレン長崎に内定した左サイドのドリブラーMF10笠柳翼が絶対的エースの存在となり、それに加え2年生ながら高い得点能力を誇るMF23小池直矢もいる。




9守屋
11渡邊亮平
10笠柳翼     23小池直矢
14徳永涼 7根津

6岩立         2岡本
4桑子 5柳生

1渡部堅蔵


ベンチには、FW24高足、FW20池田、MF18若林、MF17大竹、MF16中村、MF15小松、MF13鈴木楽維夢、MF8鈴木太智、DF22武田、DF3徳永崇人、GK21雨野





3年ぶりの決勝進出の桐生第一

準決勝で高経付属相手に、CKの場面での相手の決定機阻止のハンドが一発レッドとなり、そこからのPKなどで流れを掴んで決勝進出した桐生第一は3年ぶりの決勝進出。

かつてFW鈴木武蔵らを擁し全国を席捲した桐生第一の旋風を今一度全国に見せられるか。

桐生一は前橋FC出身のFW11吉田が171cmと決して上背は無いながら1トップを張り、後ろから10寶船(ほうせん)、FW9関根らが絡んでくる。


11吉田
 9関根 10寶船(ほうせん)
14小林凌大
7浅田 6金沢
2倉上        5梅ア
3丸山 4椋野(むくの)

1竹田


ベンチは、FW19大谷、MF25大津、MF23木場、MF22中西、MF18原嶋、MF17吉澤、MF15青木暖、MF8坂本拓馬、DF16白山、DF13大隅、GK12竹川


互いにシュートの嵐の立ち上がり

今年はプリンスリーグなどの戦いでスコア上は1勝1敗、育英の方が他にPK戦勝ち決めている、つまり1引き分けといった互角の戦いを演じている2チームによるキックオフ。

開始2分、いきなりGK1渡部が相手FWの詰めに対してフェイントを入れてかわすという足技をみせるが、うーん、あまりGKではやらないかな、Jリーグでは。。。高校サッカーならではの場面か。


6分、左サイドからMF10笠柳がさすがの柔らかいクロスを上げると、これにファーでMF23小池がダイレクトにシュートにいき、惜しくもバーのわずか上。
早速、笠柳、小池といった育英自慢の両サイドハーフの共演となる。

すると7分、今度は桐生第一、左サイドからのクサビのパスを受けたFW9関根が相手を背負いながらうまくターンしてのシュートはバーの上も、これまた育英相手に見事なターンとシュートだった。

なるほど、お互いのチームがライバル同士であることがよくわかる立ち上がり。

やはり群馬県大会決勝はこうでないといけない。
この激しい戦いを勝ち抜いてこその群馬代表。


10分、速攻から攻め上がったMF7根津が自ら右足を振り抜いたシュートは相手GK竹田も前にはじくしかなく、再度2次攻撃からシュートも、これはGK竹田が抑える。

11分、桐生第一は右寄りからのFK、MF14小林の送ったファーへのキックにヘディングシュートを送るが、GK渡部が見事なキャッチ。

12分、育英は左サイドからDF6岩立のクロスからゴール前でヘディングに競りにいき、跳ね返ったこぼれ球をMF10笠柳が再度シュートを撃つも、桐生一DF陣にブロックされる。

これにはハンドのアピールも受け入れられず。

まだ前半も立ち上がりだというのに、かなりのシュートが両チームから放たれ、それもかなり惜しいシュートばかり。

やはりシュートのうまいチームが強いんだな、とシンプルに感じる両チームの立ち上がり。




際立つMF10笠柳の精度の高さ

22分、育英は左サイドからMF10笠柳がペナルティ左でキープすると、相手が一歩引くとみるや吸い付くようなボールコントロールから右足での柔らかいクロスに、ファーにMF23小池が飛び込むも合わず。

ここまで、笠柳のさすが長崎入りを決めたプレーの精度の高さ、レベルが際立っている。
前評判通り、ドリブル以外でも何でも高次元でプレーできてしまう万能型、素晴らしいアタッカーだ。
この笠柳の対応には桐生一も散々手を焼いている。


24分、桐生一はキャプテンの大黒柱、MF6金沢が前のプレーで右足を痛めたらしく、しばらく桐生一は10人でのプレーを強いられる。

桐生一はこの金沢とMF7浅田のボランチコンビのレベルの高さが生命線。
それだけに金沢が万全でプレーできない事はチーム全体に影響が出る。




前半はスコアレスで折り返し

30分も左サイドからDF6岩立が攻め上がり、左足でのスマートなクロスが桐生一ゴール前を襲うも、これは合わず。
育英は右サイドバックのDF2岡本が守備的に下がり気味に、代わって左の岩立が積極的に攻め込むスタイルとなっている。


34分、左サイドからDF6岩立がサイドバックらしからぬ巧みなドリブルで中へ入っていき、桐生一のギャップをつくると、MF10笠柳が受けて積極的なシュートはGK竹田どうにかはじく。

続けて35分、育英は切り替えの早さからのプレスでFW9守屋がボールを奪い取ると、そのままショートカウンターの形からのシュートはわずかにバーの左。


こうして前半は互いにスコアレスで折り返し。

桐生一はキャプテン金沢のアクシデントもあり、前半はまずはゼロで抑えられたのは望み通り。BR>
育英は違いを終始見せつけた笠柳を中心にゴールを獲りきりたかったところ。

また試合を観ていて終始目についたのが、GK渡部(わたなべ)のキックの精度の高さ。

かつての前橋育英出身でザスパの守護神でもあった現大分のGK吉田舜を彷彿とさせるほどの精度の高さだし、パントキックも吉田舜の後継ともいうべき素晴らしさ。

下手にフィールドプレーヤーにボールを預けるより、GKが自ら蹴った方がロングパスがうまいのだから、これは武器になる。






後半、FW守屋のゴールで育英先制!!

後半6分、連続のCKとなった育英は、左CKからDF6岩立の低いクロスから逸らしてゴール前で混戦となり、最後はMF7根津のヘディングは惜しくもバーのわずか左。

8分、前半は目立たなかったDF2岡本が上がると、MF23小池とのコンビで相手陣地深くでチャンスとなるが、シュートには繋げず。
しかしこのプレーだけでもわかるが、ザスパ内定の岡本、足元のテクニック、球際の強さは確かなものがある。

すると9分、桐生一は右サイドからFW10寶船が攻め上がると起点となり、中央に折り返したところにFW9関根がダイレクトにシュートにいくと、これがほんのわずかバーの右!

桐生一の一番のチャンスとなった。

12分、育英は右サイドからMF23小池が右足アウトを使った巧みなプレーでチャンスを作ると、小池からのパスからFW9守屋のシュートはGK1竹田がファインセーブでこれを止める!!


ここで育英は先に動き、MF23小池に代えてFW24高足を投入。
小池はここまで左の笠柳と連動して非常によく攻めていたが、2年生という体力面もあってか、山田監督としてはプレー時間は限定的扱いか。

するとその直後だった。

桐生一の縦パスを高い位置で奪った育英はそのまま速攻に繋げ、MF10笠柳のスルーパスをうまく相手桐生一のセンターバックの間に入っていったFW9守屋が受けて、そのままシュートがついにゴール左に決まる!!


GOOAAALLLLL!!!!


ついに決まった最初の得点は前橋育英。
やはり笠柳が最後のプレーに絡み、FW守屋も見事に1トップの役割を果たした。



桐生一の反撃に対応する育英センターバック陣

反撃したい桐生一は18分、縦パス一本からFW11吉田が抜け出しGKと1対1になりそうになるも、ここをDF4桑子が間一髪スライディングでカットする。
吉田も転倒しPKもあるかと思われたが、リプレイをみると確かにしっかりとボールにいっている桑子のファインプレー。

この吉田も桑子も前橋FCでの、中学では同じチームメイトの対決。

このプレーで完全に足をつらせたFW11吉田に代えて、MF18原嶋が投入され、代わってFW10寶船が1トップに移行する。


22分も桐生一は左サイドからFW9関根が単身切り込むも、今度はDF5柳生が鋭いスライディングでこれをしっかりと止める。

育英はこの桑子と柳生の2人のセンターバック、そしてGK渡部のセーブ力と、ほとんど隙が無いとあらためて感じる。



育英、2年ぶりの全国進出!!

しばらくチャンスが無かった両チームだが30分、桐生一は右サイドからの攻撃から出たパスに左サイドでDF2倉上が決定的なシュートを放つも、惜しくもバーの右へ。


桐生一はここで選手交代、MF14小林に代わり13が入り右サイドバックへ入り、DF5梅アがボランチに、7浅田が2列目に上がる。


32分、今度は育英が左サイドからのクロスにゴール前に入ってきたMF7根津のヘディングに対して桐生一DF陣もしっかりと対応する。

根津は運動量が非常に多く、チャンスという場面だとこうしてゴール前まで上がってくる積極性も持ち、これはまた大きな武器となる戦力だ。



37分、桐生一は奪ったボールからとにかく速攻、1トップに移行したFW10寶船にボールを送ると、寶船は左から中央にカットインしてからの右足でのシュートを放つも、わずかにバーの右。
なかなか見事なプレーだったが、ゴールはまだ遠い。

38分、桐生一は更に選手交代、FW9関根に代わってDF16白山が投入される。


ロスタイムは3分。
育英もいよいよコーナーで時間稼ぎに来る。

攻め急ぐ桐生一に対して、FW9守屋が相手GKへのパスが遠くなったところを狙ってカットにいき、シュートにいくがバーの右。

ここで育英は2人交代し時間稼ぎと守備固めに入り、そしてタイムアップ!!


こうして両チームチャンスがありながら、育英が1点を守り切る形で前橋育英の2年ぶりの全国進出が決定した。



前橋育英、全国で旋風を!!!

前橋育英は、とにかくMF10笠柳のプレーが別格。
まるでフロンターレから日本代表に至った三苫(みとま)を彷彿とさせるほどのプレーの精度ぶりだった。

そこに連動するように2年生アタッカー小池や、1トップ守屋のシュート力、左サイドからガンガン上がる岩立、チャンス時にきっちりゴール前まで上がる根津など、攻撃のバリエーションも豊富。

桑子、柳生、渡部のトライアングルも固く、そしてザスパ内定の岡本もまだまだ全国の舞台で楽しみな存在と、見どころが多い今年の前橋育英。

是非とも全国の舞台で旋風を起こしてもらい、再び優勝旗を群馬に持ち帰って欲しいと切に願う。





(21.11.23UP)






TOPへ戻る>>その他群馬サッカー関連について


inserted by FC2 system