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2020-2021全国高校サッカー選手権
2020.11.11
群馬県大会決勝共愛学園 1−2 前橋商業


横棒



群馬県勢の全国への切符を賭けた群馬県大会決勝・・・今年はなんと前橋育英、桐生一抜き???共愛??

今年もいよいよ全国高校サッカー選手権の季節がやってくる。

3年前、ついに悲願の全国制覇を果たした前橋育英にとって、再び全国制覇を目指した戦いとなり、それに対し鈴木武蔵の母校・桐生一や健大高崎などの強豪が、今年こそは妥当育英と激しい戦いになるのが常だった・・・

が、なんと今年はその前橋育英が3回戦で桐生一に2−3で敗れる。

J1神戸内定のボランチ櫻井を擁しながらのまさかの敗退となり、自分も全国の舞台での櫻井のプレーを楽しみにしていたのだが・・・仕方ない、今年は桐生一が群馬代表かと頭を切り替えていたところ、なんとその桐生一も準決勝で前橋商業相手に延長前半に先制するも延長後半に追いつかれ、そしてPK戦で敗れるという番狂わせとなり、ここに育英も桐生一もいない決勝戦となる。


そして反対のトーナメントを勝ち上がってきたのは、なんと共愛学園!!!
自分の世代にとって共愛学園はゴリゴリの女子高であり、サッカーのイメージなどこれっぽちもない。

しかし、共学になって設立されてから19年、ついに共愛が群馬県大会決勝に進む事となった。

正直、トーナメントのバランスおかしくない?と思うところだが、これも勝負の世界。

ザスパでもGK1清水慶記やMF8岩上などの出身者を出してきた古豪・前橋商業が2004年以来の16年ぶりの全国進出なるか。

・・・ところでこの2004年の時は、センターバックの糠谷(ぬかや)がCKでヘディングを決めまくり、センターバックなのに得点王になるのでは?というほどの勢いで準々決勝まで進むも、あの本田圭佑を擁する星稜相手に善戦するもCKから決められ、惜敗してベスト8に終わった。
そうか、あの時の前商は本田圭佑と戦ったわけか・・・
あの頃、ちょうどこのHPもはじめたばかりの頃だった。
もうだいぶ昔になるんだな・・・


そんなどちらが全国に行っても初めてかかなり久々ぶりとなる両チームの決勝の結果はどうなるか。



初の決勝進出、そして全国を目指す共愛学園

創部19年で初の決勝戦となり、これを勝って初の全国の切符を手に入れたい共愛学園。


そして監督は現ザスパ社長でかつて前橋商業の黄金期を作った奈良社長の息子・奈良章弘監督がチームを指揮する。


9須藤

14多島 11山中 18松島
10中澤 7松田翔平

3近藤快斗        2田中颯斗
4長谷川 5田中海州

12井戸


16年ぶりの全国を狙う古豪・前橋商業

16年ぶりの全国を狙う古豪・前橋商業。
準決勝の桐生一戦ではスコアレスのまま延長に突入し、延長前半に先制されるものの、その後も粘り強く守って1失点に抑え、そして延長後半、試合の終盤に追いついた力はたいしたものだった。

その貴重な同点弾をゴール前で粘って振り向きざまに決めたFW9仲宗根が攻撃の軸となるか。



23永井 9仲宗根

11山口涼太     10坂本
7石倉 8大熊

6上野         5倉林
4庄田 3本間

1長谷川


ベンチはFW25高柳、FW16今泉、MF22三ツ木、MF18樺沢、MF15木博、MF13清水、DF24櫻井涼太、DF17高橋大地、DF2松澤、GK21水村、GK12櫻井皓介



風が強めの正田醤油スタジアム

決勝だけはザスパのホームでもある正田醤油スタジアムとなる。
(コロナ禍で学校関係者以外は観客を入れないので、特にサカラグでも良いかと、そちらの方が距離感が近いと思うが・・・)

強めに風が吹く中、前半は風上に立つ共愛。

互いに風の影響も考慮してか、あまり長い縦パスなどは使わず、ボランチからサイドを使いながらボールを前に運ぼうとするも、互いに序盤はスペースを与えないため、前にボールが入った時点で潰され、攻守が交代するという展開。


序盤を観ている限り前商で特徴的なのは、ボランチのMF8大熊がボールを持てて前に運べ、キャプテンMF7石倉がダイレクトで小気味よくパスを散らし、そして両サイドバック、ここまで毎試合アシストを決めているという右サイドバックのDF5倉林と、頻繁にサイドで起点となる左サイドバックのDF6上野といった後方からボールを運んで押し上げ、前線の4人はパスのもらい手として前に走っていく事でパスコースを作っていくという狙いが見え、とにかく後ろからきちんとゲームを組み立てていくスタイルなのだなと。

あまり急いで前線にボールを当てて、という場面はほとんど観られないし、相手もFW8仲宗根らには常にマークを付けるため隙も無いのだろう。




隙を突いたロングシュートで共愛先制!!!

26分、共愛は左サイドから速攻を仕掛け、右サイドに振ってからMF18松島からの折り返しにゴール左前にFW9須藤が迫るも、GK長谷川が果敢に掴みにいき、クロスプレーとなってボールがこぼれると、さらにこれを共愛は押し込みにいくが、前商DF陣も決死のクリア。

すると続く27分、前商のDFラインのパス回しの隙を狙ってMF7松田翔平がボールをカットすると、そのまま相手GK長谷川が前に出ていたところを見据えて、風上という事もあってのロングシュートを放つと、これがGK長谷川の上を越えて見事にゴールへ!!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんと、共愛が先制するとは!!!

正直、この試合はもっと前商が押し込むものと思ったが、共愛は風上の立場をうまく利用し、そして相手DF陣のパス回しの隙も虎視眈々と狙っていたMF7松田の戦術眼も見事だった。


反撃に出たい前商は30分、MF11山口が斜めにドリブルを入れる事で共愛DF陣にギャップを作り、スイッチする形でFW23永井のシュートはGK井戸が抑えるも、前商はこれがようやくのファーストシュート。


しかしチャンスはまたもや共愛、35分に中央からスルーパスを受けた左サイドのMF14多島がマーク2人を相手に中央にスライドしながら自分のリズムに持っていき、右足で放ったシュートは素晴らしいシュートとなったが、ゴール右上のクロスバーを直撃!!!

これが決まっていれば試合を決めかねない追加点となっただろうが、これまた風上をうまく活かした長めのレンジのシュートとなった。


40分、前商はキャプテンMF7石倉を中心に右サイドから押し込み、石倉がミドルシュートを撃てそうな場面も出来るが、結局手をこまねく形となり、共愛のプレッシャーに潰されてしまう。
こういった場面でもしっかりとフィニッシュまで繋がせる事が必要だ。


こうして前半40分は終了、大方の予想を覆した共愛が先制する形で、その後も終始押し込む形での共愛1点リードでの折り返しとなる。

風上が変わる後半、前商はどう撃って出るか。




後半立ち上がりはシュートの応酬

後半になり、風下の共愛がやや長いボールの扱いに苦慮するところも観られるが、2分、MF10中澤からの展開から右サイドでMF18松島がゴール前にクロスを送ると、FW9須藤がうまく前商センターバックの間に入ってこれを受けてシュートにいくも、これはGK長谷川らでブロック。


対する前商は5分、DF5倉林が対人に強いところをみせてセカンドをキープし、MF10坂本が右足でシュートを放つと、これは惜しくもバーの上。
前半ほとんどシュートを撃てなかった前商だが、早くも仕掛けが観られる。

前商は6分、MF11山口に代えてMF13清水を投入。


8分、風下に立つ共愛も攻撃の姿勢は緩めず、中央から押し寄せると、ゴール前に入ったMF14多島がゴール前でシュートを放つも、GK長谷川の正面。


14分、前商はDF5倉林を起点に右サイドから押し込み、MF10坂本にスイッチすると、坂本、今度は中央へスライドしながら左足でのシュートは枠の右上も早くも後半2本目の坂本のシュートとなりリズムが出てきた。


15分、共愛はMF11山中がFW9須藤とのワンツーの形で前商DF陣の中央を貫いていき、最後のシュートのところは惜しくもブロックされる。


こうして後半立ち上がりの時間帯は互いにシュートの応酬となるも、なかなか最後のところでは互いにゴールまでは割らせず。



前商CKの決定機はギリギリクリアされる

18分、前商はさらに選手交代、FW23永井に代えて、準決勝で貴重な同点弾をアシストしたMF22三ツ木を投入。

そのままの前商の右CK、DF3本間のキックから中央でこぼれたところをMF7石倉がGKもかわして決定的なシュートを放つも、なんとゴールライン際でMF18松島がヘディングで決死のクリア!!!

なんと!!これが入らない!!???

それにしても、DF3本間、センターバックなのにゴール前に入らずに自らボールを蹴るだけあって、良い球質のボールを蹴る。

20分、共愛も選手交代、先ほど殊勲のクリアをしたMF18松島に代えてFW19大谷を投入。


そのFW11大谷、早速バイタルで存在感を発揮し23分には起点となって右サイドにボールを送ってからのシュートはDFに当たりCKへと流れるが、なるほどこれが共愛のスーパーサブ、大谷か。2年生ながらなかなかの存在感。


そして飲水タイムへ。

共愛としては、残り15分を抑えれば、快挙の全国進出となるが、逆に前商は残り15分でまずは巻き返せるか。



終了間際にセットプレーから押し込み同点に!!!

給水タイム時に前商は更に選手交代、DF6上野に代えて、DF17高橋大地を投入。

前商は途中で入ったMF12三ツ木がボランチに入り、MF8大熊が1列前に上がった様子。

そのMF8大熊が持ち前のテクニックで中央の密集地帯をドリブルで上がっていき、右に渡すとDF5倉林のクロスからファーでシュートを狙いにいくが、GK12井戸が抑える。


共愛は34分、MF14多島に代えてMF13柳澤を投入。
さらに35分、DF3近藤に代えて、DF21森を続けて投入。
高校サッカーは交代の回数も含めて5人5回交代できる(Jリーグは回数は3回)ので、交代が頻繁だ。


すると39分、前商は右サイド後方からのFK、DF3本間のキックから一度はクリアされるが、それを更に拾ってDF3本間が再度クロスを入れると、FW9仲宗根、そしてMF22三ツ木がヘディングにいき、三ツ木のヘディングシュートがゴール中央に吸い込まれる!!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんと!!!!残り2分で!!!!!
もうこのまま共愛が全国に行くのか??と思われた時間帯だっただけに、これは意外な同点ゴールとなったが、前商はまさに魂で押し込んだ同点弾だった。


40分、4分のアディショナルタイムに入ってから共愛はMF11山中に代えてFW20桑原を投入。

共愛はMF10中澤が足を攣らせていったん外に出る。



坂本のスーパーシュートで劇的な決勝弾!!!

さあ、このまま引き分けで延長か・・・と誰もが思っただろう、ロスタイム3分13秒、左サイドからMF13清水が速攻から押し上げると、MF10坂本にスイッチし、坂本さすがのテクニックで左足からシュートをゴール右に押し込む!!!


GOOAAALLLLL!!!!


な!!!なんと残り5分で2点逆転弾とは!!!

坂本のテクニックが本当に素晴らしかった。
前半はほとんどボールを持てなかったが、後半の坂本のテクニックはピッチ上22人の中で異彩を放った。
正直、前商でこれだけテクニカルな選手はそうそうイメージに無く、桐生一によくいるタイプの生粋のアタッカーに見えた。

こうして前商は16年ぶりの全国への切符を手に入れる事となった。


打倒・私学を掲げて

惜しくも残り5分で全国への切符を逃した共愛だが、創部19年でここまでのチームを作り上げた奈良監督の手腕も非常に評価したい。
どうせなら、このまま父が社長を務めるザスパの監督になってくれれば、どれだけザスパは強くなれるだろうか・・・とまで思ってしまう。
少なくとも、今の奥野監督よりは100倍マシになるだろう。


そして前商は、確かに個の力としては、育英は桐生一に劣るところもあるかもしれないが、前商伝統の全員サッカーの粘りはやはり特筆すべきところがあり、そして右サイドでのテクニカルなアタッカーMF10坂本、対人にも強くセカンドを拾いまくってからのクロスが魅力のDF5倉林、前線でのボランチでも高い能力を発揮するMF8大熊、左サイドのMF11山口やMF6上野、前線で存在感を発揮できるFW9仲宗根、そしてキックの精度も魅力のセンターバックDF3本間と、タレント力としても決して育英、桐生一に引けを取らない。


戦術がハマれば全国でも旋風を巻き起こしてくれるだろう。

笠原恵太監督に率いられ、打倒・私学を掲げ、並み居る私学の強豪達を倒しての全国での活躍を期待したい。

頼んだぞ!!!前商イレブン!!!!






(20.11.8UP)






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