TOPへ戻る>>その他群馬サッカー関連について




2018-2019第97回全国高校サッカー選手権
2019.1.2
第2回戦前橋育英 2−0 宇和島東(愛媛)


横棒



前橋育英連覇への道、まずは鬼門の初戦

2017年度、ついに悲願の全国制覇を成し遂げた前橋育英は、今年は当然連覇を狙う事となる。

なんといっても、全国での選手権より過酷だった桐生一らとの群馬県大会を勝ち抜いた事が大きい。

その全国での対戦の初戦は重要だ。

かつて2009年度に、FW陣に西澤、皆川、中盤に中美、そして2年生ながらエース番号14を託された小島秀仁と、素晴らしい戦力を擁しながら、明らかに格下の香川西に初戦を敗れた苦い記憶はまだ残っている。

どうしても久々の公式戦となる初戦は浮足立つものであり、その足元をすくわれないように、引き締めていかなくてはいけない。

まずは目の前の一戦。

大事な初戦が始まる。




全国連覇を狙う前橋育英

育英の主力は、昨年も2年生ながら中盤のレギュラーを担った新潟内定のMF14秋山(渋川市・前橋FC出身)がまさに司令塔として攻撃の核となり、そして、全国制覇の決勝弾を2年生ながらに決めた松本山雅内定のFW榎本と、シャドーの位置でFW室井が点取り屋としてすっかりとチームのエースへと成長している。

右サイドハーフだったMF8近藤はこの試合では→サイドバックに回り、ロングスローにも磨きをかけ、育英の得点パターンのバリエーションを増やしている様子。

しかしこの試合では、群馬県大会でレギュラーだったキャプテンDF2若月や、左サイドハーフだったMF13森隼平、そしてなんと大黒柱MF14秋山もベンチに回り、群馬大会から随分と布陣を入れ替えてきた。

なぜ秋山がベンチなのか・・・コンディションの問題などなのだろうが、このスタメンの入れ替えがどう出るか。

9榎本
11室井
25水多    10高橋尚紀
5岡本 18鏑木

6塩田        8近藤友喜
28府川 4山原

12山口瞬




宇和島東

宇和島東はヘディングでの得点を得意とするFW10豊田らを擁するが、育英相手となるとまずは守って速攻、カウンター狙いが主体となるだろう。



10豊田
 11清家
14武内    9宮本
8藤谷 7立木
4岡崎       3山口慶二郎
5野田 2田邑

12武下



立ちあがり圧されるも、CKから室井の先制ゴール!!

初戦立ちあがりという浮足立つ時間を狙って前線から激しく当たってくる宇和島は、開始4分、縦パス1本から抜け出したFWにループシュートを撃たれ、飛び出したGK山口の背後を狙われるも、無人のゴールのわずか左を逸れる。

やはり初戦の堅さというものはあるのだろう。
先に1点入れるまでは本当に気が抜けない。

11分にも中盤でボールを奪った速攻から、ペナルティ右にボールを送り、FW11清家のシュートはバーのやや右上。

予想外に宇和島に圧される展開が見られる。


だが、一回受けた育英も、時間を追うごとに自分たちのリズムも攻撃に見え始め、右サイドバックに入った近藤が積極的にゴール前まで上がる。

すると18分、右サイドからMF11高橋尚紀が積極的に仕掛け右CKを掴むと、MF25水多からの低いクロスからニアで受けたFW11室井が、ハーフボレーの形でシュートを放つと、これがゴール右隅に見事に決まる!!

GOOAAALLLLL!!!!


よく決めた、室井!!
さすがエース、チームの得点王。
ニアで受けてからのシュートまでが滅茶苦茶早い。
これが優勝候補のストライカーというものだという精度を見せつける。

立ちあがり圧されていた時間帯の中だけに、この先制点は相手にとって2倍のダメージとなり、大変大きな先制点となった。




前半は1点リードで折返し

この先制点で一気に流れを掴んだ育英は、23分には左サイドで初スタメンとなったMF25水多が左サイドからターンしながら相手のプレスをかわし、そのまま振り向きざまにミドルシュートを放つも、これはバーの上。

さらに25分にもペナルティライン左でボールを受けたFW11室井が強烈なシュートを放ち、バーの上と、立て続けにシュートを放っていく。


その後は互いに膠着状態が続いた中、34分には宇和島のFW10豊田が左寄りから自ら持ち込んでからの強烈なシュートは、ニアでGK山口がファインセーブで止める。

この豊田というFWは地方大会でもここぞというところで決めているエースであり、やはり要注意だ。

ここまで前半の育英の戦いぶりを観ていると、中盤の選手が一新されたせいか、皆ここで自分のプレーを出し切ろうと、積極的に自らドリブルで中盤を崩しにかかる場面が多く観られ、なかなかプロの試合では見られないような、ドリブルで3人くらいは優に抜いていく場面が何回か観られる。

その積極性から、全体的に試合の流れを掴んできた前半の流れとなっている。


こうして前半は1点リードで折返しとなり、後半の更なる追加点が期待される。

立ちあがりで押し込まれ、そして最初のループシュートではヒヤリとしたが、首尾よく先制点が取れてまずまずの前半となった。





後半、育英は秋山、森を投入

うまくいかない部分が多かったと山田監督から檄が飛んだ前橋育英は後半立ち上がりから激しく宇和島に攻め込み、後半3分、左サイドから積極的にMF25水多がミドルシュートを放ちにいき、これはGKに抑えられる。

すると6分、前橋育英は最初の交代で、MF5岡本に代えてMF14秋山を投入。

そもそもなぜ秋山がスタメンでなかったのかが分からないが、何らかのプランがあったのだろう。


秋山を得てますます勢いが出た育英は、10分には右寄りの位置でFKを得て、MF25水多の送ったクロスからファーでDF4山原が相手を身体でブロックしながらトラップし、そこからのバイシクルシュートは惜しくもバーの上。
このDFリーダーのDF4山原の対人の強さも育英の強みの一つ。


15分、右サイドからFW9榎本が素早く入れていったスローインから起点となり、MF25水多のパスを受けたFW11室井がペナルティ左に入ったところから、左足での強烈なシュートもバーの上。

室井、ここは浮かせないで枠を捉える決定力が欲しい。
自分で絶対に決めようと力まずに、枠さえ捉えればこぼれ球も狙える。

とにかく追加点が欲しい。
1点リードではどうなるかわからない。


18分、育英は2人目の交代、MF25水多に代えて、ロングスローを武器にするMF13森が投入され、これで群馬県大会決勝のメンバーが出そろってくる。

ここで宇和島東も交代、MF9宮本に代えて、MF18増田が投入される。




左サイド森の突破から榎本が追加点!!

投入されたばかりのMF13森が左サイドから相手を置き去りにするスピードに乗ったドリブルで突破し、ゴールライン際からの折返しのクロスに、FW11室井が決定的なシュートをフリーで撃つも、なんとこのシュートが右上のクロスバーを直撃!!!
なに〜???これが入らない???
室井、エースならばこれは決めなければいけない。


23分、前線で無理にボールを追ったFW9榎本にイエローが提示。
前線の起点となるべき榎本がこの1試合目からイエローとは、この先の勝ち上がりを考えると手痛いカード。

ここで宇和島東は2枚目のカード、FW11清家に代えてFW25芝を投入。

県大会ではレギュラーだったという芝の投入により、攻撃が活性化された宇和島は反撃に撃って出てくる。
この辺はまだ追加点が獲れていない育英にも責任がある。

先ほどの榎本の無理なスライディングブロックからのイエローも、そんな育英側の焦りの表れだろう。


しかし、投入されてから何度も強引な縦への突破で宇和島東を手こずらせていたMF13森が34分、何度目かの縦への突破を左サイドで見せて、全ての選手を置き去りにする突破からのGKをもスルーさせる低い折り返しのクロスから、ファーでFW9榎本が押し込むだけのシュートでついに追加点!!!

GOOAAALLLLL!!!!

これで勝負ありとなった。
この試合、森の突破力だけは22人中、群を抜いていた。
なぜスタメンではなくベンチに置いたのかは分からないが、この試合だけでいけば、後半に森という異次元の突破力とスピードを持つアタッカーが入った事で、宇和島東を完全に混乱させる事に成功した。

育英はここで選手交代、DF28府川に代えてDF3吉田を投入し守備固め。




室井のPKは止められ2−0で試合終了

あとは試合終了を待つばかりだが、38分、縦パス一本に抜け出したFW11室井がペナルティエリア内で突破に入ったところで、DF4岡崎に後ろから倒される形でPKをゲット。

このPK、自ら蹴りにいったFW11室井の左隅を狙ったシュートは、GK武下にファインセーブで止められる。
よく、あのコースを止めたな・・・


FW11室井とMF8近藤という攻撃の軸をお役御免の交代で、MF17長澤、そしてキャプテンDF2若月を投入。


ロスタイムは3分、PKを止めた勢いで宇和島東も最後の突破に来るが、育英DF陣も身体を張って止めにかかる。
ここで失点するようでは優勝候補とは言えない。

そして試合終了、前橋育英の初戦は2−0という結果でまずは初戦突破となった。




とりあえず初戦ということで、試合の批評も何も無い。
とにかく初戦を勝った、それだけだ。

内容的には、やはり秋山らのいない中盤の安定感の無さはあったのかもしれない。

一つはっきり言える事は、左サイドの森の突破力は、この先も大きな武器となるだろうということ。
あれだけ2人、3人いようとも、引きずりながらサイドからえぐれるアタッカーはそうはいない。
というか、ザスパに是非とも欲しい。
スカウトすべき選手だろう。

気になるのは、エース室井も要所要所で自らドリブル等で打開に入った姿勢は評価できるが、いまいちシュートが浮き気味だったので、自ら決めるという思いだけでなく、まずは枠に入れてセカンドをチーム全体で狙うという意識も、この先勝ち上がるためには必要だろう。


次の試合は明日に迫る。
明日の相手は東福岡相手に2−0で勝った福島代表の尚志との戦いとなる。

この試合では反省点が多いかと思うが、これを活かして本来の試合を明日は演じて欲しい。






(19.1.2UP)






TOPへ戻る>>その他群馬サッカー関連について


inserted by FC2 system