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2018-2019全国高校サッカー選手権
2018.11.18
群馬県大会決勝前橋育英 2−1 桐生第一


横棒



ついに全国を制した群馬県勢の、次の全国への切符を賭けた群馬県大会決勝

今年もいよいよ全国高校サッカー選手権の季節がやってくる。

昨年、ついに悲願の全国制覇を果たした前橋育英にとっては、全国連覇を賭けることになり、そして今年こそは全国への切符を奪還したい桐生一も、今年こそはと意気込む。

実際、ここ近年の前橋育英と桐生一の決勝戦は本当に接戦だ。

昨年も接戦の中で紙一重で終了間際に育英が1点を決め、全国の切符を掴んだところから、悲願の全国制覇の道がはじまった。

つまり、桐生一も全国相手に相当なところまで進めたはずだ。


今年の育英は新潟内定の秋山を、桐生一は仙台内定の田中渉を共に擁し、まさに中盤の司令塔対決となる。

今年はプリンスリーグ含め5回対戦し、2勝1分2敗と互角の戦績、かなり実力が拮抗している両チームの、非常に激しい試合が予想される。

果たして、今年の群馬代表の座を奪うのはどちらのチームか。





全国連覇を狙う前橋育英

育英の主力は、昨年も2年生ながら中盤のレギュラーを担った新潟内定のMF14秋山(渋川市・前橋FC出身)。

まさに司令塔として攻撃の核となる。

そして、全国制覇の決勝弾を2年生ながらに決めた松本山雅内定のFW榎本に、シャドーの位置でFW室井が点を狙いにいき、DFラインからはキャプテン若月らが主力となる。



9榎本
11室井
13森隼平    8近藤友喜
14秋山 7渡邊綾平

6塩田          2若月
3吉田 4山原

12山口瞬




レフティー田中渉が主軸の桐生一

桐生一はJ1仙台内定のレフティー田中渉(太田市・前橋ジュニアユース出身)が司令塔として主軸を担う。

布陣としてはキャプテンDF5中野を中心とした5−4−1で、最終ラインを厚く敷く。



13小池
 
11小澤    7松下
6梅林 10田中渉
16田代       8熊谷(くまがい)
4角野 5中野 3本間

1杉浦



前半は育英が圧し気味も、ゴールは割れず

立ちあがりから育英はMF13森、MF8近藤の両サイドからのロングスローを武器に桐生一のゴールを狙う。

どちらかというと育英の方が圧していた展開だが、崩すというほどではなく、互いに立ち上がりはDFラインも集中し、なかなか穴が開かない展開が続く。

しかし15分を過ぎると試合が動き始め、桐生一のDFラインのパスが乱れたところをFW11室井がカットしてからの左でのミドルシュートは相手に当たりCKへ。

そして右CK、秋山のキックから一度跳ね返ったところに再度クロスを入れていき、ニアでダイビングヘッドにいったMF8近藤のシュートはわずかにバーの右。
これは今日の試合、最初の決定的なシュートだった。


その後も育英がアグレッシブにいく場面が目立つが、その反動でMF8近藤ら2選手が前半からイエローをもらうというマイナス面も見られる。


また、桐生一もGK杉浦の好判断での前への飛び出し等で、育英の攻撃を寸断する場面もあり、やはり育英といえどもそう簡単にはゴールは割れない。


だが桐生一もいつでもゴールへの意識は失うことなく、37分、一瞬空いたバイタルのスペースに、左サイドから入っていったFW11小澤が右にスライドしながら右足を一閃させたミドルシュートは鋭くバーの少し上を越える。

これは非常に良いシュートだった。
さすが桐生一、ここぞという時のシュート力を攻撃陣も持っている。
これが桐生一、今日の最初のシュートとなった。


前半ロスタイム、育英の左サイドからの低いクロスに、ニアでヘディングにいったFW11室井のシュートはGK杉浦に収まり、前半は終了。

スコアレスで折返しとなる。

やはり戦前の予想通り、実力が伯仲した中、前半は育英の攻撃が目立つものの、桐生一の厚い守りで渋い展開となった。

後半、どう試合が動くか。




後半、CKから桐生一が先制!!!

後半立ち上がり、育英はFW11室井がペナルティ内の混戦となった中でボールをキープし、右にスライドしながらのシュートはGK杉浦の手も届かず、バー左をわずかに逸れる。


後半6分、桐生一はこの試合はじめてのCKを掴む、この右CK、MF10田中渉が左足で入れていったボールにFW11小澤がファーで競って落としたボールに、DF5中野が詰めてゴールに!!!


GOOAAALLLLL!!!!


おお!!先に決めたのは前半圧されていた桐生一か!!!

昨年はスコアレスのまま、試合終了間際の1失点に泣いた桐生一にとって、これは非常に大きな先制点となる。

これにより、育英は全国2連覇のためにも、堅守の桐生一のDFライン相手に、とにかく点を獲り返すしかなくなる展開に。


さらに11分には左サイドを攻め込んだFW11小澤からのヒールパスを、FW13小池が落とし、MF10田中渉がシュートを狙っていくと、これが左バーのわずか外にズレる。

先制点によってガラリと試合展開も変わり、桐生一に勢いが俄然出てきた。




PKから育英が同点に追いつく!!

劣勢になってきた育英だが13分、DF4山原の縦パス一本からFW11室井がDFラインの裏を抜けだし、うまくDFラインよりも身体を先にいれたところに、後ろからDF8熊谷がうしろから引っ掛ける形で倒してしまい、これでPKの判定!!

このPKはFW11室井が自ら蹴りにいき、ゴール左隅を狙い、GK杉浦も狙いは当たっていたものの、そのままゴールに!!


GOOAAALLLLL!!!!


育英、さっそくPKで点を奪い返す事となり、これで試合は振り出しに戻る。

やはり1−0で終わる試合ではないかと思われたが、さすが実力拮抗の両チーム、まだまだ試合はもつれそう。


同点に追いつかれた桐生一だが、攻撃のリズムは止まる事無く、15分には左サイドからFW11小澤が抜け出していき、これにDF4山原がファールで止める事となり、これにもイエローが提示。

桐生一、ペナルティ手前左の絶好の位置でのFKとなり、MF10田中渉は壁がジャンプした足元を狙った低いシュートを選択するも、育英DF陣の壁もそこは読んでしっかりとブロック。

続く育英ゴール前での混戦で、至近距離から桐生一がシュートを放つも、かろうじてDF陣がブロック。

この後半はすっかりと桐生一の攻撃のペースとなっている。




互いにジョーカー投入の両チーム

22分、育英は桐生一の攻撃の流れを止めるべく、MF8近藤に代えてMF17長澤を投入。
この長澤は準決勝でも点を決めたジョーカー的存在であり、育英としてはプラン通りの交代策。

それに対し、桐生一は1トップFW13小池に代えて2年生のFW15若月を投入。
この若月はU−17にも呼ばれているスピードが武器のFWとのこと。


28分、さっそく投入直後のFW若月を起点に桐生一は左サイドから小澤らが圧し込み、最後はゴールライン際からの折返しに若月のシュートをDF6塩田がブロックし、足を痛めた様子だが、その後ピッチに戻る。


37分、育英は左サイドからMF13森のロングスローからのセカンドを拾ったところから、DF2若月のクロスにFW9榎本のヘディングシュートはGK杉浦が抑える。


対して桐生一は代わって入ったFW15若月にボールを合わせ、速攻から若月がDFラインの裏を狙っていく。

この時間になり、いよいよ次の1点が勝負を決める中、本当に拮抗した展開が続く。




室井の2ゴール目で決勝弾!!

後半も40分となり、ロスタイム4分に入る中、これはこの試合、このまま延長だろうと思われた中のロスタイム1分だった。

育英は速攻の流れの中で中盤がどうにか右サイドに繋げ、右サイドDF2若月のクロスから、ペナルティライン上でボールを潰れながら受けたFW11室井が、素早く立ちあがってからのターンしながらのシュートが、見事にゴール左に決まる!!!!

GOOAAALLLLL!!!!


なんと、この時間で決まるか・・・
それもまた昨年と同じ、この終了間際の時間帯に・・・

この日、本当にFW11室井は絶好調であり、両チームの誰よりもシュートを放ってきたが、PKももらい、自ら決め、そして試合も自ら決めてしまった。


桐生一はMF7松下に代えてMF9楠を投入し、最後の攻撃を2次、3次と繋げるも、さすがに育英DF陣もここはしっかり守り抜き、試合は終了。

育英は実力が拮抗し、そして先制もされるという苦しい展開の中、全国2連覇を賭けた全国行きの切符も今年も手にすることとなった。




そして全国2連覇の夢へ・・・

正直、今年は田中渉らを擁する桐生一の年だろうと思っていた。
育英としても、昨年全国を制し、その前の年2年生時からも半分以上がレギュラーだった偉大な松田陸世代の先輩たちを失い、秋山、榎本は残ったものの、ほぼ一からのチーム作りで、かなりのマイナスからのスタートだったはずだったし、さらにメンバーには全国王者のプレッシャーが常にかかっていた。

しかし、育英はそのハンデも乗り越え、波に乗る桐生一を振り払った。

おそらく、全国との戦いよりも、この桐生一との戦いが全国2連覇の最大の壁だったはずだが、しかしその壁を見事に乗り越えた。


それも、昨年全国制覇したメンバーの秋山、榎本の活躍ではなく、昨年はわずかな出番しかなく悔しさも味わったFW11室井という新たなエースの活躍による、この群馬県大会の優勝の価値は大きい。

本来レギュラーではなく、初のスタメン起用となった2年生ボランチの渡邊綾平も、本当に2年生で、本当に本来のレギュラーではないのか?というくらい、良いインターセプトなどでセカンドボールを拾いまくり、そして正確無比なロングボールで試合を作り、秋山以上のゲームメーカーとなり、また両サイドからロングスローを入れられる森、近藤の両サイドアタッカーも、試合を通じて両サイドで貴重な起点となって育英の攻撃のリズムを作り出した。

そこに加え、今年も育英DFラインは堅く、また右サイドのキャプテンDF2若月のクロスは、決勝ゴールを生んだとおり、かなりの武器となる。


今年も育英は良いメンバーが揃っている。
何よりも、その良いメンバーがチーム一丸となって、攻守に一体感を出している点が重要だ。


今年こそはとの想いが強かったはずの桐生一の想いも含め、育英は全国連覇の夢に向かって年末から年明けに渡っての戦いに挑む。





(18.11.18UP)






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