TOPへ戻る>>その他群馬サッカー関連について




2016-2017全国高校サッカー選手権
H29.1.2 第2回戦
前橋育英(群馬) 0−0(PK5-3) 市立船橋(千葉)


〜宿敵市船を因縁のPK戦で撃破!!〜

横棒



1回戦解消の育英、因縁の市船戦に挑む

1回戦の昨年ベスト8の明徳義塾を3−0で快勝した育英。
攻守の要のボランチで、サッカー部部長の長澤を出場停止で欠きながらも、大怪我からの完全復帰のアピールとなるFW馬場の2得点は大きな収穫となった。

勢いに乗っている育英の2回戦の相手は、あの市船。
松下裕樹率いる1999-2000全国選手権の準決勝で、どうしても点が獲れずに0−0のままPK戦で惜敗した相手。
あの試合で勝っていれば、あの黄金のメンバーなら優勝できたはずだが、実質の決勝を勝ち進んだ市船は、その後の決勝でも勝って、見事無失点優勝を果たした。

そんな因縁の相手、市船は、夏のインターハイも制し、3人のJリーグ内定者も擁するまさに優勝候補の筆頭。

2回戦の相手としてはちょっと当たるのが早すぎる相手ではあるものの、もはや優勝しか狙えない育英としては、いつか戦わなければいけない相手。

もうかなり前の因縁の対決となるが、市船の壁を破ってこその全国制覇。
19年前の借りをここで返したい。



長澤復帰の前橋育英

育英は、1回戦出場停止で出られなかった部長のMF6長澤がスタメンに復帰。
(キャプテンは大塚)
これで本来の大塚、長澤のW司令塔の形となる。

代わりにボランチに入っていたMF岩下は右ハーフにポジションを上げる。
その他は同じスタメンであり、1回戦で2得点を挙げたFW馬場はあくまでベンチに温存。
てっきりスタメンで使ってくるかと思ったが、ここは敢えてジョーカーとしての、切り札の役目を期待するということか。
どちらにせよ、後半出てくるのは間違いない。



24人見(ひとみ)
10飯島陸
9高沢      11岩下
6長澤 7大塚

15渡邊泰基        19後藤田
3角田 5松田陸

1月田




ベンチはFW26室井、FW18馬場、MF22八代、MF25田部井悠、MF8田部井涼、MF26池田、DF16金田、DF2小山、GK12松本。



優勝候補筆頭の市立船橋

優勝候補筆頭の市船の中心となるのは、新潟内定のDF原輝綺、湘南内定のDF杉岡大暉、ガンバ内定のMF高宇洋。
両サイドが高い位置に張り出し、高を中心とするパスワークで攻撃を組み立て、原や杉岡も後方から攻め上がる。

その他、インターハイ優勝の原動力となった1年生FW郡司篤也が5得点を挙げている。




12福元
6阿久津
11太田      8西羽
4金子 10高
2杉山         3真瀬
5杉岡 7原

17長谷川



序盤攻め立てる育英

共に強豪校同士、激しい中盤のぶつかり合いとなり、カウンターの応酬といった場面も見られるが、予想以上に育英の方がリズムの良い攻撃を序盤から入れていく。

6分、左サイドからの展開から育英はセカンドを拾って粘り、そこからMF9高沢のオープニングシュートが左上の枠を捉えるも、GK17長谷川がセーブ。

さらに10分にも、相手陣内でボールを奪うと、素早くバイタルエリアにボールを入れ、MF9高沢の早くも2発目のシュートが低く鋭いグランダーのシュートとなるも、これもGK長谷川がセーブするが、惜しいシュートが序盤から続く。


しかし市船もチャンスとみるや鋭く牙を剥き、15分には育英ゴール前に大量に押し寄せ、DF3真瀬のところでどうにかブロック。

さらに17分、前線へのパスからMF11太田のドリブル突破に身体を寄せて防ぐ育英DF陣相手に、倒れるも、これはPKの判定なし。
うーん、さすがいつ点を獲ってもおかしくない攻撃を仕掛けてくる。

さらに前半も半ばを過ぎてくると、市船の攻撃が育英の攻撃に耐性を持ち始め、なかなかシュートの場面まで持って行けなくなる。





前半はスコアレスで折り返し

28分、市船は自陣の縦パスをFW12福元がガッチリと身体を活かしてボールをキープされてしまい、左に出されたところからMF11太田が凄いスピードでのドリブルで切れ込んでいき、あわや決定的シュートの場面も、育英DF陣がどうにかブロック。

本当に速攻が鋭い。
これが優勝候補の力というものだろう、1回戦の明徳義塾とはやはり違うものを感じる。

しかし育英も30分、右サイド自陣からのFKがサイドチェンジで左サイドに出され、落とされたボールから一瞬の隙をついてフリーになったFW10飯島が短いモーションでの右足のシュートは見事に右上の枠を捉えるも、GK長谷川がファインセーブでこれを止める。

190cmある長谷川の壁が今日は大きい。


そして前半終了間際、ゴール前左サイドで粘ったMF6長澤の決定的なシュートは、惜しくもバーの少し右にズレて終了のホイッスル。


こうしてシュート数では育英が圧倒・・・というか、市船にはFW12福元の苦し紛れの遠目のシュート1本に抑え、あとは育英が先制点を奪えなかったといった前半が終わる。


前半を見る限りは、もはや市船が格上という事はなく、絶対勝ち上がる、という気迫が伝わってくる。

そして後半はいよいよジョーカー馬場もいる。
19年前に奪えなかった市船からの得点をもぎ取り、3回戦に駒を進めたい。






後半馬場投入の育英、執拗に攻めてくる市船

後半、やはり育英は頭からMF11岩下に代えてFW18馬場を投入。
前半はゼロに抑えたことでまずは成功とすると、ここからがいよいよ本番だ。


3分、育英は馬場を中心に攻め上がり、高沢との交換のところでチャンスを作るも、ここを最後はカットされると、一気にカウンターに入られ、右サイドからDF3真瀬の決定的なマイナスの折り返しをFW12福元らの足元に収まり万事休すも、最後の所でギリギリブロックで防ぐ。

さらに5分、これまたカウンターからDF2杉山が1人で単身ドリブルで攻め上がり、ペナルティまで攻め入ると、自らのシュートは上を越えてしまうも、ギリギリのところでの市船の危険な攻撃が続く。


さらにさらに9分、ガンバ内定のMF10がついにゴール前まで攻め上がり、福元とのワンツーからGKとの1対1の形を作ってからのシュートはGK月田が正面でセーブ。
これがガンバ内定・高の力か・・・


11分、中盤の混戦の中でMF4金子を倒してしまい、DF3角田がイエローを受ける。
この大会、初めてのイエローであり、センターバックがトーナメント途中で累積で欠場すると大変痛手となるので、これは気を付けたい。


さらに15分にもDF3真瀬の攻め上がりから、決定的なマイナスの折り返しを入れられるが、これもどうにかDF陣でブロック。

それにしても、市船の4バック、原、杉岡のJ内定2人のセンターバックに、先ほど単独突破の杉山に、右サイドの攻撃のキーマン真瀬とは、とんでもなく攻撃力の高い4バックが揃ったものだ。




市船の際どいシュートが何本もゴールを襲うも死守する育英

22分、市船は1人目の交代、MF11太田に代えてMF9野本を投入。

25分、市船は右サイドに出たボールにMF8西羽が抜け出し、マークにいった渡邊がうまく入れ替われてしまい縦に抜かれると、このマイナスの折り返しにFW福元が狙ってくるも、かろうじてその前で角田らがカットし、このボールがあわやオウンゴールになりそうになるも、かろうじてバーの上をわずかに越してギリギリ守り切る。


28分、市船は後半3本目のCK、FW12福元のキックからファーで跳んだDF7原にフリーでヘディングされてしまうも、このシュートもかろうじてバーのやや上。


劣勢の育英は30分に一気に2人交代、MF9高沢とMF6長澤の2人に変えて、MF25田部井悠とMF8田部井涼の田部井兄弟を投入するという奇策に出る。

これまでどちらかがスタメン、どちらかがベンチということが多く、ちょうど入れ替わりのように出場していたが、はじめて双子が同じピッチに立つ。


33分、市船は2人目の交代、MF8西羽に代えてFW14有田を投入。


35分、市船に右サイドでFKを与えてしまうと、DF2杉山のキックからニアでシュートを詰められるも、GK月田が身体を張るブロックでこれを死守。
本当に市船のセットプレーはどれも鋭い。




どうしても得点入らずPK戦へ

試合はいよいよ時間も無くなってくる。

育英もFW10飯島を中心に何度も市船ゴール前を脅かすも、やはりシュートまではさせてもらえない。

そして試合は2分間のロスタイムへ。

市船はここでDF3真瀬に代わってMF15郡司を投入。


こうして試合はタイムアップとなり、またしても19年前の因縁の対決と同じく、PK戦へと入る。

因縁のPK戦で、宿敵市船を撃破!!!

PK戦、先攻は育英。

最重要な1人目はキャプテンMF7大塚、しっかりと右に決める。
市船はMF9野本、GK月田の裏をつく左を狙うも、なんとこれが左バーを直撃!!!

おおお!!これは大きい!!!
やはり先攻の1人目が決めると、後攻は常にプレッシャーがかかる。

2人目、MF8田部井涼が左で右下を狙い、GK長谷川も同じ方向に飛んでいたものの、その手の下を抜いてしっかり決める。
市船はDF5杉岡、しっかりと右に決め2−1。

3人目、MF25田部井悠が右で真ん中を決めて、これで田部井兄弟両方とも決める。
後半の兄弟の投入は、これも狙いだったか?山田監督。
市船はFW12福元がしっかり左に決める。

4人目、FW24人見は右で左にしっかり決める。
市船はMF6阿久津、右で左下に決め4−3。

5人目はジョーカーFW18馬場。
これを決めれば3回戦進出となる重圧の中、右で右下にしっかり決め、これで宿敵市船を因縁のPK戦で突破!!!!


やったぞ!!!育英!!!!!

ついに・・・ついに宿敵を破った!!!!!

3回戦進出だ!!!


優勝候補筆頭を破った・・・つまり、前橋育英こそが優勝候補だ!!!

1回戦は攻撃陣が目立ったが、2回戦は守備陣の踏ん張りに助けられた。

そして、かつて何度も苦汁を飲んできたPK戦でも勝ち上がれた。

それぞれの選手達が役割を果たしてきている、このチームの総合力ならば、このまま優勝も夢ではない。

まずは明日の3回戦、相手は岩手代表の遠野となるが、しっかり勝ち上がりベスト8に駒を進めたい。







(17.1.2UP)






TOPへ戻る>>その他群馬サッカー関連について


inserted by FC2 system