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2016-2017全国高校サッカー選手権
H28.12.31 第1回戦
前橋育英(群馬) 3−0 明徳義塾(高知)


〜ジョーカー馬場2得点で快勝!!〜

横棒



先輩たちの、県民の悲願を胸に前橋育英の全国での戦いがまたも始まる

2年前、渡辺凌磨、鈴木徳真擁する前橋育英は、ついに長年群馬県勢に立ちはだかっていた準決勝の壁をぶち破り、決勝進出を果たした。

決勝で星稜相手に敗れたモノの、延長までもつれたその強さは本物だった。


これで次の群馬県勢の目標は、ベスト4の壁から、ついに全国制覇あるのみとなった。

過去、何度も優勝を狙えるチームを全国に送り込んでいった山田監督率いる前橋育英の、今年のベストメンバーが昨年ベスト8に散った無念の先輩や、県民の願いを胸に全国に挑む事となる。



2年生DFラインの前橋育英

今年の前橋育英の特徴は、4バックが全員2年生であること。
特にセンターバックに1人も3年が入らないというのは、これまでの高校サッカーでお目にかかったことが無いが、それだけこの2年生4人が信頼厚いということだろう。

その他、トップ下のエース飯島陸も2年で、右サイドハーフの田部井悠も2年。
(ちなみに田部井悠は双子で、ベンチに座るMF8田部井涼が弟。群馬県大会の決勝と逆。)
このチームの半分が2年生というのが今年のチームの特徴。

意外だったのは、キャプテン大塚の相棒MF6長澤が不在であることだが、プリンスリーグの最終戦で退場処分を受けたらしく、残念ながら出場停止とのこと。

とにかくキャプテン大塚、この選手は群馬県大会決勝の後半に強行出場し、素晴らしい右足でのキックでチームをコントロールしたプレーで私は一発でファンになってしまった。
どうにかザスパで獲れないか・・・と願いつつ、この大会でのプレーに期待したい。



24人見(ひとみ)
10飯島陸
9高沢     25田部井悠
7大塚 11岩下

15渡邊泰基        19後藤田
3角田 5松田陸

1月田




ベンチはFW23吾妻、FW17馬場、MF22八代、MF14塩澤、MF8田部井涼、DF16金田、DF4浅賀、DF2小山、GK12松本。



4−3−3の明徳義塾

明徳は4−3−3で、1トップのFW9竹内に当ててから、両サイドの佐々木、大田らに展開するといったところか。

明徳義塾といえば、やはり高校野球で有名だが、サッカーでも3年連続で全国に来ているということで、昨季も育英と同じベスト8と、やはり強豪だ。



9竹内
25大田     10佐々木
6大塚 7工藤
14江口
17清水          16吉田
3濱口 4舛田

1六倉



ポゼッションするも点が獲れない育英

開始3分、MF9高沢がカットインしながら右足での強烈なオープニングシュートは惜しくもバーの上を越す。


やはり全体的には育英の方が地力に勝るのか、ポゼッションはかなり育英に分がある。

明徳はその育英の攻撃をなるべく前の方で引っ掛けて、そこからショートカウンターを狙うといった展開が続く。


それにしても、明徳のプレスの速さは特筆すべきものがあり、奪ったらどんな場所からでも即速攻を狙う、というスタイルなので、育英としても、攻撃の時でも一瞬たりとも気が抜けないといったところ。

なかなか双方思ったようにフィニッシュまで繋げないまま、前半も半ばを過ぎる。


そんな中で、育英は右サイドの田部井悠、後藤田の2人がボランチの岩下とトライアングルを組んで攻撃の起点となる事が多い。

19分には田部井のクロスから、ゴール前でFW24人見が競り合い、惜しくもヘディングはミートせず。


その後も何本かCKなどでチャンスを得るものの、なかなか点が奪えず、ジリジリする展開が続く。
とにかく明徳の最後のところの守備が集中力も高く、非常に堅い。




前半終了間際、エース飯島の先制ゴール!!

前半も30分を過ぎる頃には試合も動き出し、お互いの中盤で激しいプレスの掛け合いから、いつショートカウンターにどちらかが持っていっても良い一触即発の状況となる。


32分には、左サイドからのMF26田部井悠のロングスローからのボールをゴール前で胸でトラップしてのシュートといったところは、惜しくもミートせず。


37分にはペナルティ左サイドで人見が落としたところに、MF11岩下が後方から上がっていき、抜け出しにいくところを阻まれて倒れるも、これはPKまではもらえず。


しかし38分、相手のクリアしようとしたボールをブロックしたFW24人見のカットから、右を走るFW10飯島陸にパスを送ると、これがGKとの1対1の形となり、相手GK六倉も良いタイミングで前に飛び出し、一度は飯島のシュートをガードするも、このこぼれた球を回転しながら拾って、そのまま飯島が再度のシュートをゴール右に突き刺す!!!


GOOAAALLLLL!!!!


よし、決まったか!!!
さすが2年生ながらエース番号を背負う飯島。
群馬県大会決勝でも、反撃ののろしとなる貴重な同点ゴールを見事な個人技で叩き込んだが、この場面でも持ち前の素早さを伴ったテクニックで2発目のシュートを相手より先に撃つことが出来た。

前半、ここまでずっとポゼッションして攻撃し続けた育英としては、この前半で点を奪えないと、後半にかなりの暗雲たちこめるところだっただけに、この先制はかなり大きい。


こうして育英の1点リードで前半は折り返しとなる。





後半投入のFW馬場、早速の追加点!!

後半、頭から明徳は1人交代、MF6大塚に代えてMF16土屋を投入し反撃に出る。

かなりの猛ラッシュを仕掛けてきた明徳は後半3分、こぼれ球からMF14江口の強烈なミドルシュートがゴール左下を捉え、これをGK月田がどうにか右手一本で抑える危うい場面となる。

戦況不利とみるや、山田監督もさっそく選手交代、MF25田部井悠に代えて、FW18馬場を投入。

昨年の全国選手権でいずれも途中出場から2得点をたたき出したFW馬場は、大怪我で4カ月サッカーが出来ず、9月下旬にようやくチームに戻るといった出遅れがあったものの、かなり復調したらしく、ここで復活してくれると非常に大きい戦力となる。


10分、DF3角田が一気に前線に縦パスを送り、これにFW18馬場が攻め上がり、飛び出してきたGK1六倉と交錯したところで、こぼれたボールをMF9高沢がシュートを送り込むも、惜しくもバーのやや右。


13分、GK月田の前線へのフィードから、FW24人見が頭でそのまま前線に落としたボールを、FW18馬場がDFの間を縫うドリブルを一つ入れて、相手GKの動きをよく見ながらのシュートをゴール左に突き刺す!


GOOAAALLLLL!!!!


さすが馬場!!!
投入された直後に、もう結果を残すとは・・・
本当に頼もしい点取り屋が帰ってきてくれた。

この追加点でほぼこのゲーム勝負ありとみていいだろう。





さらに馬場のダメ押し点!!

もう反撃に撃って出るしかに明徳は、裏へのパスにFW大田が抜け出し、決定的なシュートを放つも、これをDF19後藤田がギリギリブロック。
そしてはじいたボールをDF16吉田が再度詰めてシュートを撃ちにいくも、これまた後藤田がどうにかブロックしピンチを防ぐ。


ここで明徳は2人目の交代、MF7工藤に代えてFW11後田(うしろだ)を投入。
これでMF10佐々木が2列目に下がる。

16分、CKからゴール前で相手DF3濱口にヘディングを放たれ、これはややバーの左に逸れてくれる。

これまで守備が目立った明徳だが、吹っ切れたように攻撃に来ると、やはり強い。


しかし18分、MF11岩下からの縦パスが相手DFラインの裏に出されると、ここに抜け出したFW18馬場が冷静なトラップで詰めてきたマークをかわすと、飛び出してきた相手GKの位置もみて冷静なループシュートを一閃!!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんとまあ、馬場という奴の得点感覚は凄いな・・・

この馬場が今年フルに活躍していれば、このチームは県内の前商などのライバル相手にこんなに苦戦することは無かっただろう。

とにかく、完全に相手のペースになっていたところでの、このダメ押し点は非常にダメージが大きかった。


育英はもはや余裕の守備固めといったところで、DF15渡邊に代えてDF4小山翔を投入。
これで小山がセンターバックに入り、DF3角田が左サイドバックに回る。



育英、2回戦進出!!

育英はさらに交代、27分、MF11岩下に代えてMF8田部井涼を投入。
点差が開いた中で、この大会初戦に主力級の控えをどんどん使っていけるのは、この先のトーナメントを考えると大きい。


32分、明徳はFW9竹内に代えてFW8廣井を投入。

35分、育英は4人交代できる高校サッカーの強みを活かし、まだまだ交代、FW24人見に代えてMF14塩澤を投入。


明徳もとにかくまずは1点を狙いに来るが、育英としてはもう余裕も出てきたところで、点は与えず、アディショナルタイム3分も経過し試合終了。


こうして育英は、まずは首尾よく2回戦に駒を進める事となった。



やはり前半終了間際のエース飯島の先制が大きかったし、そして途中出場で2得点を奪った馬場はまさにジョーカー的な存在となった。


ストライカー馬場も戻り、そして次の試合ではボランチ長澤も出場できる。

ここに来て盤石な状況で全国で戦えることとなる。


そして次の相手は、Jリーグ内定者3名を擁し夏のインターハイも制した、まさに今大会の優勝候補、市立船橋。

市船といえば忘れもしない、1999-2000全国選手権での前橋育英との準決勝。

今もザスパの大黒柱として活躍するMF松下裕樹、MF茂原、FW佐藤正美、GK岩丸など多くのJリーグ内定を擁し、さらに2年には青木剛もいたあのタレント集団をもってして、もういい加減優勝しかないと意気込んだ準決勝。

当時、その後の決勝も含め、なんと無失点で優勝を遂げた市船と準決勝で当り、圧倒的にポゼッションは育英にあり、何十本ものシュートを放つも、ついに点は入らず、PK戦で惜敗するという苦々しいイメージしかない。


もうあれも19年も前の事になるか・・・


時代は、世代はかなり変わったわけだが、因縁はそう簡単には消えない。

あの19年前の借りを今返そうじゃないか。

頼んだ、育英イレブン!!!




(16.12.31UP)






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