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2014-2015全国高校サッカー選手権
H27.1.5 準々決勝
前橋育英(群馬) 4−0 京都橘(京都)


〜攻撃陣の爆発でベスト4進出!!〜

横棒



鬼門のPK戦を制し、ベスト8へ!

初戦の初芝橋本戦は初戦特有の固さもあって、序盤から相手に圧倒されるまさかの展開となったが、前半の劣勢を耐え、後半にこれまでのらしくないCKからのDF4宮本のヘディングで接戦を制し、そして次の3回戦では山梨学院と一進一退の好ゲームを演じ、後半立ち上がりに先制される劣勢も、またしてもCKからDF4宮本のヘディングで値千金の同点ゴールを決め、ドローでPK戦となる。

過去、前橋育英は常にPK戦に負けてきた事が、未だにベスト4止まりになっている要因であったが、このPK戦を蹴った6人が全員決めるというハートの強さを見せ、それに応えるようにGK吉田が6本目に相手のPKをセーブし、6年ぶりのベスト8を決めた。


明らかにこれまでの育英とは全く違う勝ち上がり方をしてきたわけであり、この2戦とも共通して言えるのは、とにかく粘り強いこと。

どんなに奇襲を受けようとも、先制されようとも、そして苦手のPK戦に持ち込まれようとも、それをことごとく乗り越えるメンタルの強さ。

そう、このメンタル面がこれまでの前橋育英の最大の弱点だった。

メンタル面が弱いチームが、精神戦であるPK戦に勝てるはずが無い。

今年の前橋育英は何よりもそこが違う。


まだまだ悲願のベスト4越え、つまり決勝進出のためには2つ勝たなければいけないが、いつか越えなければいけない壁は今まさにここにある。



DFラインを入れ替える前橋育英

育英は過去2戦と違う点で、センターバックのDF16上原をいったん下げ、代わりにレフティーの渡辺星夢(しょうむ)が左サイドに入り、DF3岩(いわ)がセンターバックに入る。
DF16上原は今大会、調子が悪そうであり、前の試合では無理をしてイエローももらっていたが、この試合ではベンチにも入らないとなると、やはりアクシデントがあったか。

その他は特に入替なし。
いい加減、U−19渡辺凌磨を擁しながら流れの中から得点が無いので、どうにか攻撃陣も奮起したい。


9青柳
15関戸
10渡邊凌磨      11坂元
13吉永 14鈴木徳真

6渡辺星夢(しょうむ)     2下山
3岩(いわ)4宮本

1吉田


ベンチはFW7菊池、FW24野口、FW25佐藤誠司、MF8小泉、MF19金子、MF23横澤、DF17岡村、DF5河西、GK12山岸。



京都橘

京都橘とは6年前のベスト4になった際に、第1回戦で当たったが、あれからもう6年経ち、ここ3年連続で京都橘は連続ベスト8までいっており、しかも一昨年は準優勝、昨年もベスト4と、明らかなここ近年の強豪中の強豪。

だが、夏のインターハイでは前橋育英は初戦で当り、4−0で勝っているだけに、ここはリベンジを計っているとのこと。

攻撃陣のキープレーヤーは、レフティーのテクニシャン、FW10中野とMF9仙頭(せんとう)といったところか。
また、FW14岩崎はU−17の代表であり、一瞬のスピードで相手を抜き去るのが武器とのこと。

DF3ハウザー・ケンは父親がアメリカ人のハーフで、183cmのフィジカルを誇る。



9仙頭 10中野

14岩崎      11大野
7志和 6山村

5小川         2倉本
4清水 3ハウザー・ケン

1矢田



立ち上がり押し込まれるも、FW青柳の見事な先制弾!!

キックオフボールをとった京都が立ち上がりから押し込み、3分、FW10中野がペナルティ右サイド深くを巧みなドリブルで切れ込むと、DF4宮本もクリアにてこずり、決定的なマイナスの折り返しを入れられ、FW9仙頭がシュートも、どうにかバーの左に逸れてくれて命拾い。


その後も8分、相手DF5小川の左サイドからのロングスローで攻められるも、これはGK吉田が掴み、そのまま速攻に。

左サイドでMF10渡辺凌磨がボールを保持すると、一気に縦に浮き球のスルーパスを送り、ここに走り込んだのがFW9青柳。
相手GKの前でバウンドしたところにうまく合わせ、ダイレクトでの浮き球のシュートが見事にゴール中央に吸い込まれる!!!


GOOAAALLLLL!!!!


おお!!!ついに流れの中からの得点が!!!
凌磨の絶妙な、相手GKのちょうど取れない位置へのパスも見事だったが、飛び出した青柳の動きもまさにストライカーそのものだった。

立ち上がりから押し込まれる展開だっただけに、これは貴重な先制点となった。

そして相手京都橘としては、3試合目にしてこれが初失点とのこと。

時間の経過と共に守備陣も固くなっていくだろうが、早めに先制を獲れた事は2重に大きい。




互いに膠着状態気味に

まさかの早い時間帯での失点となった京都も反撃。

10分には再度左サイドからDF5小川のロングスローが飛んでくるが、今度は直線的な非常に鋭いスローイングのボールがゴール前まで押し寄せる。
こ、、、このロングスローはかつて前橋育英とザスパにも在籍した里見のロケットスロー並、いや、それ以上のものがあるか・・・

30m近くボールが伸びてくるボールで、左サイドからのスローインは常にチャンスとなるため、これはまた厄介な武器を持っているものだ。
しかも、この小川は2年??マジか?


23分、右サイドから一気に中央にカットインし、味方との短いワンツーから得意の左足での決定的なシュートを放つも、ほんのわずかバーの右。
非常に良いシュートだった。
シュートまでの綺麗さでいけば、今大会一番のものだっただけに、外したのは惜しい。


その後は稜真と共にもう1人のU−19代表であるMF14鈴木徳真が相変わらずの的確過ぎるポジショニングと、ボール奪取力で京都の攻撃をことごとく潰し、そしてその後の配球も的確。
とにかく徳真のところでは絶対にボールが奪われないので、京都としても中盤のプレスの狙いが絞りにくい。


前半も30分になると、京都はシステム変更があったらしく、3回戦までと同じMF9仙頭を中盤に下げ、FW14岩崎をトップに上げる。

その後も育英は35分にFW15関戸が勢いのあるドリブルで相手ペナルティ左をドリブルで2、3人をかわしていくも、最後のところで惜しくもブロック。
凌磨のテクニカルなドリブルとは対照的な関戸のアグレッシブなドリブル、この関戸は本当に前線で精力的に動く。



青柳の追加点で2点リードで前半折り返し!!

こうして、前半も残り5分となり、やや膠着状態となったところだったが、37分、徳真からのパスを右サイドで受けたDF2下山が、相手との球際で入れ違えるようにマークをかわし、フリーとなったところで決定的な折り返しのボール入れ、ファーに入っていったFW9青柳がマーク2人に挟まれながらもギリギリ足を届かせたシュートは、バーの右を激しく直撃しながら、ゴールイン!!!


GOOAAALLLLL!!!!


おお!!!よくやった下山、そして青柳!!!

青柳はここまでの2試合、本当によく決定機を外してきてしまったが、ここにきてまさにストライカー番号を背負う役割をやってのけた。

ここまで2試合、本当に苦しい展開が多かった前半だったが、この試合では既に2得点。

雪辱を狙う京都には悪いが、正直相性が良い言わざるを得ないほど、この試合は前橋育英の良いところを出させてもらっている。

これまでの2戦では、相手の激しい前からのプレスから、攻守の要である徳真のところなどが狙われたが、京都は4−4−2のブロックを作ってくるため、そこまで徳真にプレッシャーはかからず、徳真がボールを持たせてもらっているのが要因の一つか。


そして前半終わり、前橋育英の2点リードで折り返し。

後半も気を緩めずにしっかり守りながらダメ押し点を狙い、確実に6年ぶりのベスト4を獲りたいところ。





後半、交代策の京都の猛反撃

2点を追わなければいけない京都は、やはり後半の入りから選手交代、MF6山村に代えてMF8小出を投入。
やはり、まずは育英の良いところを出させてしまっているリズムを変えたいところだろう。

立ち上がり、思い切った京都の攻撃で、FW14岩崎のスピードから抜け出たところでペナルティ内でのパスにMF11大野のシュートはややミートせず、左に流れる。


その後も京都の猛攻を浴び、4分、ペナルティ手前中央絶好の位置でFKを与えてしまい、左のFW10中野と右のMF11大野と並ぶが、FW10中野の直接のシュートはバーの上。


続く5分にも左サイドFW10中野が崩し、ゴール前左でMF9仙頭がうまいトラップでマークをかわし、至近距離からの決定的なシュートを放つも、GK吉田がファインセーブでこれを阻止!!!!
吉田、よく止めた!!!

相手の攻撃をどうにか止めた後の6分、今度は左サイドからのゴール前へのクロスに、またしても飛び込んだFW9青柳がハットトリックとなるかと思われたダイレクトシュートを放つも、今度は惜しくもバーの上。


8分、またしてもDF5小川のロングスローから、更にCKにされ、これをどうにか防ぐと一気にカウンター、凌磨の鋭いドリブルから青柳にいったん預け、青柳からの折り返しにGKと1対1になりかけるも、相手GKにわずかに先にセーブされる。

更に9分、今後は京都のFW14岩崎が、中央で一瞬コースが空いたところで思い切ったミドルを放つと、これがブレ球の非常に良いシュートとなり、GK吉田もキャッチではなくパンチングがやっと。


11分、京都は2人目の交代で、MF9仙頭に代えてFW18久田(ひさだ)を投入。
この久田、非常に高さとフィジカルが目に見えてわかるFWであり、FW14岩崎が再び左のハーフに入る。




猛攻防ぎ、育英のポゼッションが光る

非常に激しい展開となってきた中、13分には京都の速攻からFW10中野が単身ドリブルで突破し、うまくシュートコースを空けさせると、鋭いシュートを放ち、入ったか??と思われたが、どうにか右外のサイドネットを揺らされただけで助かる。

京都は前半のシュートが2本だけだったが、後半15分間だけで7本ものシュートを浴びせる猛攻。

いや〜厳しい。
2−0は相手に1点入れば一気に崩されてしまう得点差。
先にダメ押しの3点目を決めたいところだが、京都の後半の勢いが凄まじ過ぎる。


18分、前橋育英も選手交代、MF13吉永に代えてMF8小泉を投入するいつもの交代策。
この吉永、交代直前に相手のブロックの前で良いミドルを一本放ったので、この感触はこの後も持って行って欲しい。


21分には育英が徳真を中心に1分以上ボールを回し、一瞬の隙でクサビを入れ、一気に相手ゴールになだれ込み、青柳の右からの折り返しから、こぼれたところに関戸がフリーで入るが、惜しくもミートせず。

ハーフが40分しかない高校サッカーにおいて、この時間帯に1分以上ボールを保持できる育英のポゼッション能力は非常に大きい。


24分、前橋育英は2人目の交代、これまた常套手段である、FW15関戸に代えてのMF23横澤の投入で、横澤は左ハーフに入り、MF10凌磨がトップに入る。


25分、育英はパスを中央で受けたMF8小泉がド真ん中を抜け出し、GKとの1対1からシュートをするも、相手GKのファインセーブに阻まれる。
やはりダメ押し点はそうは簡単には獲らせてもらえない。



キレキレの坂元のダメ押し点!!

28分、育英は3人目の交代、DF6渡辺星夢(しょうむ)に代えてDF5河西を投入。
河西をセンターバックに入れ、岩を左サイドバックに回す。
星夢は怪我の影響もあるので、ここは大事をとってだろう。
この大会は4人交代が出来るので、こういった積極的な交代が出来る。


29分、MF11坂元が右サイドから中央にカットインし、良いタイミングで左足でのシュートを放つも、わずか右上。

この試合、相当に坂元キレているな〜と思った矢先の30分だった。
またしても右サイドからカットインし、相手DFの又を抜いたシュート、これが見事にゴール右下に決まる!!!


GOOAAALLLLL!!!!


よし!!よく決めた坂元!!!!!

勝った、これで絶対に、100%勝った!!!!

初戦は左サイドに坂元が入り、右に入った凌磨と共にどこかギクシャクしていたが、県大会決勝と同じこの左右の陣営になり、活き活きしてきた感がある。



横澤の4点目も決まり、6年ぶりのベスト4!!!

その後はいよいよ京都も足が止まり出したところで、育英は好きなようにボールを回し時間稼ぎに入り、最後は遠目からでも青柳がシュートで終わろうとする。

そして39分を過ぎたところで育英は最後の交代、お役御免のMF11坂元に代えてFW7菊池を投入。
良いタイミングでレギュラー番号の選手たちをここで使えるのは今後に繋がる。

試合は2分間のロスタイムに入り、ペナルティ右にうまく入っていったMF23横澤が、メッシを手本とする利き足の左足を活かした細かいステップでマークを翻弄し、ゴール前右の至近距離からのシュートがついにゴール左上に決まる!!


GOOAAALLLLL!!!!


前の試合から見せつけてきた横澤の左を活かした軟らかいテクニックからのゴールが決まり、これで今後のスーパーサブとしてもかなり計算できる結果を呼び込んだ。

これまでの2試合、点が取れなかった攻撃陣がその鬱憤を晴らすような4得点。

未だエース凌磨に得点が無いが、逆に周りがこれだけ点が取れた事が相乗効果となる。


こうして試合は4−0での準決勝、ベスト4進出。
6年ぶりの快挙となり、これで5度目の準決勝の舞台に上がる。

準決勝・・・


勝つぞ!!!!ここで勝つぞ!!!!!
もうベスト4止まりなんざまっぴらだ。
今年こそ、、、
今年こそ準決勝の舞台で勝つぞ!!!!





今年のチームならいける!!!
メンタル面が段違いだ!!!!

攻守共に、非常にバランスが良い。
凌磨、徳真といるが、決して攻守共に個人に頼らないところが非常に良い。
これまでの前橋育英とはその点が全く違う。
だから強い。
特に精神面が強い。

凌磨、徳真が中盤でチームの軸を支え、ストライカー青柳が結果を出し、レフティー坂元がキレている。
守備陣も、宮本を中心に岩や星夢らが柔軟に対応する。
守護神吉田が、これまた素晴らしい。
絶大な信頼関係が守備陣にはある。

史上最高のバランスだ。
これまでのタレント集団の悪い意味での弱点が無い。


勝とう・・・

さいたまスタジアム、絶対に応援に行きたい。

松下世代から始まった私の追いかけ続けた夢である、目の前での決勝進出の瞬間を、この目で見たい。




(15.1.5UP)






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