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2013-2014全国高校サッカー選手権
H26.1.2 第二回戦
桐生第一 1−2 日章学園


〜終始猛攻も点に結びつかず〜

横棒



前橋育英を破って2回目の全国、ベスト8越えなるか?

大方の予想を裏切り、あのタレント集団の強豪・前橋育英を破って全国への切符を手にした桐生第一。

一昨年に続き2回目の全国選手権出場となった。

その一昨年はFW鈴木武蔵やセントラルMF金田らを擁し、ベスト8まで進出する快進撃を見せたが、今年のチームの目標は当然そのベスト8越え。

しかし群馬の代表である限り、ベスト8越えどころか常に悲願の決勝進出、そして全国制覇の夢がのしかかっている事は忘れてもらっては困る。

自慢の守備陣を筆頭に、上州魂を見せつけて欲しい。



チームワークと高さの桐生一

今年の桐生一は高さが特徴で、そして相変わらず小林勉監督のもと、前橋ジュニア時代から多くの主力が一緒にプレーしているチームワークの良さが一番の特徴。

高さとしては188cmのDF乾や、181cmのキャプテンDF10松島、そしてボランチも2人共に180台半ばといったメンバーが空中戦を制する。
その松島だが、昨年まではFWで活躍していたが、どうやらセンターバックにコンバートされ、10番を付けながらセンターバックに入る異例の経歴を持つ。

その他では、県大会決勝ではセンターバックを務めていた角田がボランチに上がり、FWにも桐生が入ったあたりにメンバーに変化がある。

斎藤雄大、出村、角田、乾、依田と2年生が多いのも特徴か。




11桐生
9斎藤雄大
14浦丸      7出村
3角田 6木村

5乾        2坂井
10松島 24橋場

22依田



司令塔菊池が鍵の日章学園

日章学園はゲームメーカーのMF菊池を軸に、ボランチMF松田、センターバックのDF岩切といったセンターラインがしっかりしているところが武器の様子。
とにかく強豪である事に変わりは無い。

戦前の情報では菊池はボランチ、木橋も前線だったはずだが、その木橋がサイドバックに入り、逆に河野をサイドバックからハーフに上げるなど、メンバーに変化を付けている様子。


10村田

11甲斐 8菊池 12河野
7井谷 6松田

9木橋         5大川
4鴫山 3岩切

1永本






立ち上がり押し込むも、相手と倒れ込む不運から失点

強い北風が吹くものの快晴に恵まれた中のキックオフ、立ち上がりから積極的に前から仕掛けペースを掴んだのは桐生一。
MF7出村のシュートが相手のブロックに阻まれ、最初のCKを得る。

その後もキャプテン松島の技とフィジカルを活かしたカットを見せたり、浦丸のトリッキーなドリブルであったり、斎藤雄大の積極的な前線からの仕掛けをしたりと、チーム全体で勢いが観られる。


12分、桐生一は右サイドからの攻撃からスルーパスに抜け出したFW桐生がこの試合初めて可能性のあるシュートを放つも、GK永本が抑える。


しかし14分に桐生一のCKの流れから日章がカウンターに行こうとするところをMF6木村がファールで止めにいったところがイエローを獲られたところでやや風向きが変わり、そして17分、日章の攻撃でうまくクサビのパスを入れられ、ペナルティ内にパスを出されると、いったんはDF松島が身体を使ってマイボールとしようとするも、相手ともつれるように倒されてしまい、その間にMF11甲斐に押し込まれる。



・・・・・・・・・!!!!!!!・・・・・・・・・


なんと痛恨の失点・・・!!!
ここまで圧倒していただけに、松島ももっと冷静にセーフティーにボールを出したいところだったが、下手にマイボールにしようと欲が出たプレーが仇となってしまった。


う〜ん、ホントに桐生一ペースで試合を進めていただけにこれは残念。





浦丸のスルーパスから斎藤雄大が決め同点に!!

その後は試合も落ち着いたペースとなり、互いにチャンスらしいチャンスも無いまま時計が進む中だったが、28分だった。
左サイドから中央へMF14浦丸がドリブルで中に切れ込んでいき、右サイドのMF7出村にパスを出すような方向性だったが、急にパスの矛先を中央に向けると、そのペナルティど真ん中に走り込んでいたのがFW9斎藤雄大。
その雄大がパスに反応し、オフサイドギリギリでボールを受けるや、すぐさまシュートをゴール左隅に決める!!

GOOAAALLLLL!!!!


おお!!!よく決めた!!!

本当にそれまでの時間帯、10分近く何も起きない展開が続き、このまま試合が終わるのでは、と不安がよぎるところだったが、浦丸の素晴らしいドリブルからのパスと雄大の決定力が実を結んだ。

前半に同点に追いつけた事は大きい。
これで完全に振出に戻る。

その後も右サイドからのFK、MF3角田が送ったキックにMF14浦丸のファーでヘディングがバーを直撃したりと、同点ゴールにより再び息を吹き返す桐生一イレブン。




前半は1−1で折り返し

だが日章も負けてはいない。
再び桐生一のCKの流れからカウンターのチャンスを得ると、GK依田が前に出てきたとみるや、MF8菊池が技ありのループシュートを放っていき、意表を突かれたGK依田が懸命に腕を伸ばしてかろうじてワンハンドでこれを止める。

さすが鍵を握るとされる菊池。
どことなくプレースタイルが日本代表の遠藤に似ている。


最後まで一進一退の攻防を繰り広げながら、前半40分を経過し1−1の折り返しとなる。


正直、かなり五分五分で実力伯仲。
そんな中だからこそ、桐生一としては高さを活かしてセットプレーなどをモノにしていきたいところ。
実際、前半にも何度か高さでチャンスを作りだしていたし、やはり前橋育英をセットプレーで沈めたように、桐生一の最後の武器は高さにある。






後半、数々のチャンスもモノに出来ず

後半立ち上がりも前半と同じくペースを掴むのは桐生一。
浦丸や出村の両ハーフが積極的に仕掛け、左サイドバックの乾も攻撃に参加し、全体的に厚みのある攻撃を繰り広げる。

しかしこれまた前半と同じくその攻撃がなかなか日章の厚い守備の壁を越えられない展開が続く中、13分に桐生一が先に動き、FW11桐生に代えてMF20大塚遼太郎を投入する。

だが、その代わったばかりの大塚が15分、日章の攻撃をなかなかカット出来ない流れの中で身体を当てるファールでイエローをもらってしまう。


17分、桐生一は速攻のチャンス、MF6木村からのスルーパスを左サイドで受けたMF14浦丸が、そのままスピードにノッて相手ゴールへと攻め込み、もつれるように倒されるも、これはファール、つまりPKの判定は無し。


20分には右CK、ニアでDF10松島が競り合ったボールからヘディングでファーに流し、そこにMF14浦丸がヘディングで押し込むも、ゴールラインギリギリのところで相手のMF11甲斐に頭で防がれ、そしてGKに抑えられる。
惜しい!!!本当に惜しい!!!

もう時間も時間、1点入れば勝てる流れだが・・・




桐生一、それでもゴールは遠く

その後も24分には、ルーズボールから抜け出したMF6木村が間髪入れず左足で強烈なミドルを放つも、惜しくもわずかにバーの右上を越える。

26分、更に桐生一は2人目の選手交代、DF24橋場に替えてMF8田中大輔を投入。
もともと田中大輔は県大会決勝に出ていたボランチだ。

その後も右サイドバックのDF2坂井のロングスローなどで高さを活かした攻撃を繰り出すも、ここぞというところでゴール前にドッと人数をかけて守る日章の厚い守備をなかなか突破できず、ゴール目前まで来ても決定的なシュートまでは至れない。


いよいよ試合も終盤に入った33分、日章も交代枠を使い、MF12河野に代えてMF16藤堂を投入。

35分には中央で斎藤雄大が相手を背負いながらのターンから起点を作り、左サイドの浦丸が相手ゴールに迫るも、相手GKの突進に倒される。

日章の気迫のディフェンスもなかなかのものだ。

この試合まだまだどちらに転がるか本当に分からない。


日章のギリギリのゴールに沈む

そんな中の38分だった、左サイドからDF9木橋がマークにきたDF10松島をかわして低いクロスを入れると、これがゴールファーまでギリギリ渡ってしまい、ここに詰めていたMF6松田がワンタッチで押し込む。


・・・・・・・・・・・・・!!!!!?????・・・・・・・・・・・・・・・・


なんと、こんなギリギリのゴールが決まるかい・・・・・
やはり、あまりに決定機にシュートが入らなすぎだったのが気がかりだったが、サッカーとはこういうものだ。
10回ある惜しいチャンスより、1回の決定機を決めるかどうかだ。



桐生一はここで最後の交代に賭け、MF16大塚に代えてDF20若月が投入され、188cmの長身の乾を最前線に上げる。

アディショナルタイムは2分。

だが、この間になかなか前線にボールを送る事が出来ず、無念のホイッスルを迎える。




また来年に望みを繋ぐ

こうして、群馬県勢の今年の戦いは終わってしまった。

全体的に圧倒していたのは明らかに桐生一だったが、しかし日章は2回のチャンスをきちんとモノにした。
あれだけの圧倒されていた攻撃を、ゴール前に人数をかけてしっかりと守る姿勢はたいしたものではあった。

サッカーとはこういうものだろう。

もともと、桐生一も前橋育英相手に同じようにしっかり守りながら、少ないチャンスを決めて全国の切符を手に入れた。
今日の桐生一も逆にそういった展開にもっていければ結果も違っただろうが、しかし攻めの姿勢を貫いた事は賞賛に値する。

実際、右の出村、左の浦丸のドリブル突破は見ていて非常に痛快だった。
この攻撃がもう観られないとなるのは非常に悲しい。

だが、雄大、出村、角田、乾、依田と、まだまだ2年生が多く、来年に望みが繋がる。
前橋育英もU−17のFW渡辺凌磨とMF鈴木徳真がおり、来年度は真っ向勝負となるだろう。
互いに切磋琢磨してもらいつつ、とにかくいい加減全国制覇を私は観たい。





(14.1.2UP)






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