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平成24年度 第91回
全国高校サッカー選手権大会
第1回戦 平成24年12月31日
前橋育英(群馬)5−1 宮古(沖縄)


横棒



今年も始まる群馬県勢悲願の決勝進出への道

ベスト4までは進めても、どうしても決勝まで行けない高校サッカー選手権、群馬県勢の戦いがまた今年も始まる。

今年の群馬代表チームは、昨年は桐生一にいったん譲ったものの、再度群馬県予選で桐生一を破った常連軍団の前橋育英。

2008年の黄金の中盤や、2010年のレッズで活躍する小島など、今年は注目のタレントはいないが、その分チームとしての結束、全体の力で勝負する姿勢がこれまでの育英とは違った期待感も持てる。


もう何度ベスト4で止まってきたことか・・・

もうベスト4は要らない。
悲願の決勝進出、そして優勝旗を群馬の地に持って帰るその日まで、群馬県勢の熱き戦いは続く。





エース外山スタメン復帰の前橋育英

普段よりは2年が半分を占めるタレント不在とはいっても、チームの核となる選手が多いのはやはり育英。

特にボランチMF5小川は長身でありながら足元の技術もあり、中盤の底からゲームを組み立てる。

攻撃ではフィジカルに優れる1トップの小口と、そのすぐ下で司令塔としてチームを牽引する廣瀬の2年コンビが鍵を握る。

更に、本来はエース級の実力を擁しながらも、怪我明けのため県予選では時間限定での出場となっていたFW10外山もスタメン復帰となり楽しみなところ。

外山の復帰により、県予選では左サイドを務めていた上田は右に、永田がボランチに戻る。


20小口
15廣瀬
10外山       17上田
8永田 5小川

16高田         6廣田
3樋口 4柳沢

12蔦





宮古

宮古は名前のとおり宮古島の高校であり、育英と同じく2年が半分を占めるものの、小学校からずっと一緒にやってきた仲間がそのままメンバーという脅威のチーム。

目立った戦力は無いものの、その出場校随一のチームワークが脅威。

中心は10番のボランチ、善平(ぜんだいら)とのこと。
FW19宮国もU-16に選ばれる逸材。



19宮国 13砂川

7奥平       11下地
10善平 14神里・春

3安里         2長浜
5洲鎌 15饒平名

1神里・美




立ち上がり、エース外山の先制ゴール!!!

対戦する宮古のユニフォームは青一色、まさに県予選の桐生一と同じカラーだ。

立ち上がり2分、前線でボールを奪った育英はFW20小口がキープしたところから、左サイドをFW10外山が自慢の一瞬のスピードで一気に切れ込み、そこにDF陣がつられたところからファーにボールを出すと、MF5小川がフリーでシュートを合わせる。

まさに決定機、ボールをゴールに入れるだけだったが、このシュートは惜しくもバーのわずか右に逸れる。
惜しい!小川!というか、それは決めないと・・・

大会初戦、一発目にいきなりのチャンスで力んだか。


5分にも右から廣瀬のクロスに左からの折り返しを小口がゴール前でヘディングもGKの正面。


その後も圧倒的にボールを支配する育英は8分を過ぎたところでMF5小川のパスから右サイドでMF17上田が攻め込み、センタリングの低いボールをゴール前に出し、これを受けたFW10外山が相手のマークが来たところを冷静にターンでいなすように右に振り向き、そのままフリーとなったところで冷静にシュートを押し込む。


GOOAAALLLLL!!!!


よく決めた!!外山!!!!

立ち上がりから圧倒的に攻め込んだ育英に対し、宮古もよく耐えていた感もあったが、スタメン復帰のエースがしっかり決めてくれた。


12分にも、同じように右サイドから上田が攻め込んでからのセンタリングに、またもファーサイドで外山がシュートもこれはミートできず。


それにしても外山、スピード、テクニックを併せ持ち、サイドにポジションを変えてますますその才能が開花し、そして高さもあるという、まさに理想的なストライカー、アタッカー。

う〜ん、ザスパに欲しい・・・




小川のスーパーミドルで追加点!!

追加点を獲るべく更に続く育英の攻撃。
15分、三度MF上田が右から攻め込み、クロスに対しゴール前で小口がDFと競り合いながらのダイビングヘッドを放つも、これはGKがファインセーブ!!

惜しい!小口!!宮古も決定的となる2点目だけは死守。


16分、宮古は善平からの展開から、FW宮国がキープし、前線にそのまま走り込んだところへピンポイントでスルーパスを送り、善平が抜け出そうとするも、育英も両センターバックが左右から挟み込むようにこれをギリギリ抑えてシュートはさせず。

徐々に宮古にも攻撃にリズムが生まれ、DF2長浜やMF11下地らが積極的にロングシュートを狙うなど、ようやく本領発揮といったところ。


22分、MF5小川から絶妙なサイドチェンジが右サイドに出て、上田の折り返しから廣瀬がペナルティ中央でシュートチャンスもシュートまで至らず、結局外山に渡ってもコースを潰される。
廣瀬、、、攻撃を司るお前が撃たずに誰が撃つ?

それにしても県予選では左だったMF17上田だが、やはり右利きとしては右サイドの方が活きるか。
これだけ攻撃の起点として働きまくるとは思わなかった。


そして24分、今度はFW10外山が折り返しを入れたところをDFにクリアされたところで、そのこぼれ球をMF5小川がそのままダイレクトにミドルを放ち、なんとそのシュートがアウト気味にかかってそのままゴール右に突き刺さる!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんというグレートゴール!!!

これが山田監督が1年の時から目をかけてきた大型ボランチ小川・・・

欲しかった追加点が入った事で、この試合7割、8割は決まったか。




3点目ならず前半終了

追加点は入れられたものの、決して宮古もまだまだ闘志は消えない。

25分に右サイドから一気に右サイドバックのDF2長浜が抜け出していき、1対1のピンチとなるも、ここをキャプテンDF4柳沢が前を塞ぐようにカバーに入り、交錯して共に倒れるもPKの判定は無し。

それにしても長浜という選手は先ほどから積極的に身体を張って力強くボールも奪い獲るし、攻撃ではロングシュート、そしてこの抜け出しと、高校サッカーとは思えないスケールの大きいプレーで魅了。
これでまだ2年生というのだから、将来が楽しみな選手といえる。


31分、育英は左サイドのFW10外山が相手と競り合いながら最後一歩前に抜け出し、ここから冷静な折り返しを送ってフリーのMF8永田へ。

永田は右に持ち替えてから慎重にコースを狙いにいくも、惜しくもバーの右。

とにかく3点目のダメ押しが入ればこの試合は決まりだ。


36分、相手のボール回しの隙を突き、外山が一気にボールを奪い取るとそのままのスピードで攻め上がり、冷静にペナルティ前で切り返してからのシュートは惜しくもバーの右上を直撃!!
外山、この試合でハットトリックでも決めてやろうという意気込みが伝わる。


そして前半ロスタイムのラストプレー、育英の右CKから、こぼれ球をMF5小川がシュートも、これまた右のバーにはじかれて3点目ならず、そのまま前半終了。


3点入れていて良い内容だったものの、とりあえず2点先制出来た事は及第点といえる前半。

しかし育英は昨年の群馬県決勝で桐生一に2点リードから負けている。

3点目を入れるまでは気は抜けない。





後半、思ったように攻められない育英

肝に銘じろ、2−0が一番怖いぞ、という山田監督の檄が飛ぶ。やはり昨年の悪夢は山田監督の脳裏に未だに焼き付く。その教訓のもと後半に立ち向かう育英と、対する宮古の最悪前半は0−2で良いと想定内という後半の入りとなる。


後半はややギアを落として、まずはボールを回してしっかりと守備を確認していく育英。

7分、宮古は見事な囲い込みでボールを奪ったところから攻め込み、善平が狭い地域からスルーパスを出すも、育英守備陣もしっかり対応。

8分、今度は育英、MF15廣瀬がペナルティ手前まで攻め込んでからの思い切ったシュートは良い威力となったものの、GKがファインセーブで上に弾き出す。


後半はなかなか前線にボールが入らずに苦戦する育英は、13分にはこの試合初の宮古のCKも浴びる。
身体能力では宮古の選手も長浜などが揃っているため、あまりセットプレーは与えたくない。


15分、育英は最初の選手交代、MF8永田に代えてMF13佐藤祐太を投入。
佐藤祐太も2年ながら県予選でスタメンを務めたアンカーだ。


その投入直後、育英は右からのクロスがこぼれたところにFW20小口がシュートを狙うも、上に大きくふかしてしまう。



エース外山のダメ押し点で勝負決まり!!

17分、宮古も選手交代、FW13砂川貴司に代わり、1年のFW24砂川浩平を投入。
スタメンに1年はいなかったので、この試合唯一の1年プレーヤーという事か。


宮古に1点がいくと嫌な流れになる時間帯が続いたが、ついに後半動く。

26分、右サイドのスローインの流れからFW10外山が抜け出し、マークをあざむくようなシザースフェイントから、GKをもタイミングをずらさせてのシュートを見事にゴール右に流し込む!!


GOOAAALLLLL!!!!

やったぞ、外山!!
これでダメ押しの3点目で、残り時間からいっても試合が決まったか。


更に28分、またも左サイド外山からのクロスからファーに流れたところの折り返しに、左サイドバックのDF16高田が無人のゴールに突き刺す!

GOOAAALLLLL!!!!


やはり3点目がでかかった。
糸が切れたように4点目がすぐに入った。

更に育英は試合が決まったとみて、初戦になるべく多くの選手を入れておこうと29分、FW20小口に代えて、FW24上田竜、31分、MF15廣瀬に代わり、FW9三橋が立て続けに入る。

この辺はこれまで数多くの全国選手権を経験してきた山田監督のしたたかなところ。



途中投入のFW三橋の5点目!!

33分、ペナルティ手前、右サイドで相手と競ったDF3樋口にイエロー。
そういえばイエローという敵もこの選手権にはいる。
たぶん2枚で累積欠場となると思うが、センターバックというチームの要の出場停止は致命的となる。

考えてみれば、これまでの育英って、たいていセンターバックが累積欠場か負傷欠場となったところでトーナメントを負けている気がする・・・


このFK、MF14神里の直接シュートはGK蔦がワンハンドでどうにか弾き出す。

続く右CK、またも神里のキックからファーでMF7奥平のシュートはGK蔦の手も届かなかったが、わずかにバーの左を転がる。

宮古もどうにか一矢報いようと、まだ戦いを諦めてはいない。


37分、育英は守備ラインからの長いパスを左サイドで受けたFW9三橋がMF10善平のマークを受けながらも、縦へのフェイントでこれをかわし、難なくゴールを決める。


GOOAAALLLLL!!!!


さすがの善平も、攻守に渡って走り回り、もはやこの終盤に投入されたアタッカーのフェイントについていく体力は残っていなかった。


宮古、1点を返し試合終了

38分、MF7奥平に代わってFW25砂川鉄信が投入される。

39分、宮古は最後の力を振り絞って左サイドからのクロスに、なんとGK蔦がファンブルでこぼしてしまい、それを先ほど投入されたばかりのFW25砂川鉄信が押し込む!


・・・・!!!!・・・・・・・・・・・・


なぜ蔦がこぼしたのかがよく分からない、何でもないボールに見えたが、宮古の闘志が最後にゴールをもたらした。

1点入った事で宮古や宮古島の応援団も意気が上がる中、ロスタイムは3分。

前半からかなり飛ばしてきたDF2長浜やFW19宮国らも足をつらしていく中、長い笛は吹かれ試合終了。


こうして初戦を育英は突破する事となった。






チームのバランスが素晴らしい、2回戦もこのまま突破を!!

それにしても、左に外山、右に上田と揃い、そして1トップに小口、トップ下に廣瀬と並んだ前線は素晴らしい。

これに小川がきっちり起点となってタクトを振るう様は、チームの形、バランスとしてはかなり期待出来るモノを感じる。

自分として期待できるところが、これまでの育英は六平なり、小島なり、更に昔では松下の代まで遡るし、昨年の桐生一の金田もそうだったように、どうしてもボランチの司令塔に攻撃の軸がかかり過ぎるところがあったが、今年の育英はトップ下に廣瀬がいる事でその過度な負担が無い所が素晴らしい。

それを可能としているのが、1トップの小口のフィジカル、ポスト力であり、1人できっちりとゴール前で存在感を出せるのがまず絶対条件だし、更に両サイドの外山、上田が単独でもしっかりと突破でき、起点を作れる。

特に外山はチーム一の決定力もあるので、中央の小口らが存在感を見せれば見せるほど、外山がゴールを決めやすくなる。

当然外山をケアしても、すぐに裏に出されて今度は廣瀬なり、両ボランチなりがフリーでゴールを狙えるわけだ。



決して傑出した選手がいるわけでは無いと言われるが、しかし各個人の能力がガッチリ噛み合った形の今年の育英にはかなり期待できる。

これだけの戦力が揃う中、決してタレント不足でも何でもなく、やはり前橋育英というチームはいつ全国を制覇しても不思議ではない戦力を有するものだ。


2回戦の相手は鹿児島城西となり、毎試合強豪との試合が続くが、とにかく悲願の決勝までは負けるわけにはいかない。

頼むぞ!前橋育英!!








(12.12.31UP)






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