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平成23年度 第90回
全国高校サッカー選手権大会
第3回戦 平成24年1月3日
桐生第一(群馬)4−1 奈良育英(奈良)


横棒



桐生第一の挑戦はまだまだここから

悲願の全国選手権決勝の舞台への進出を賭けた群馬県勢の戦いはまだまだ続く。

今年前橋育英からその挑戦権を引き継いだ桐生第一は第2回戦からスタートし、新潟内定のFW武蔵が見事ハットトリックを決めて大社(島根)を3−0で退けて第3回戦へと駒を進めた。

いよいよ相手も強敵となってくる中、群馬代表という誇りを胸にどこまで勝ち進めるか。

国立での決勝の舞台まで、その挑戦はまだまだ続く。



武蔵好調の桐生一

桐生一は昨日の大社戦でハットトリックを達成するなど、かなり好調な動きを見せている。

先制点のアシストをした右サイドバックのDF2宮崎の攻撃参加も素晴らしく、MF6池田は自慢の左足での威力のあるFKを披露した。

また、布陣はやや昨日の第二回戦とは変わっており、右サイドの横堀が今日はベンチで代わってFW9遠藤が入る。


そして私が個人的に一番注目しているセントラルMF金田(かねた)はさすがのゲームメイクをみせ、中盤を支配する。

それら個の力がより結びつけばこそ、勝利は見えてくる。



10鈴木武蔵
7吉森
6池田       9遠藤
5古沢圭 14金田

8古沢友       2宮崎
4堂前 3渋澤

12鯨井




パワーとスピードの奈良育英

対する奈良育英は1回戦を3得点、2回戦を5得点と得点力が際だつ。

2トップの木田、黄山(黄山は昨日の第二回戦で2得点)を軸に、1回戦で2得点を決めているMF三國もいる。

センターバックの鹿野、山田凌の高さも脅威であり、チーム全体としてスピード、パワーがあるとのこと。


徹底して武蔵を封じてくる事も容易に予想され、空中戦ではなく連携からのサイドなどからの崩しを期待したい。



7木田 10黄山

11三國    9松田
6山田真 8片山

13山本         3山野
4鹿野 2山田凌

1坂本


共にチャンスを作る立ち上がり

お互いユニカラーが青一色であるため、今日の桐生一はアウェイ用の明るいグレーにセカンドカラーの緑の帯が入る。
育英の時は例のタイガーカラー(黄色、黒の縞)がかぶる事がほとんど無いため、アウェイ用のユニでの観戦は新鮮だ。


立ち上がりに押し込んだのは奈良、FKのチャンスから最後はDF4鹿野がシュートもGK鯨井の正面。


いつもながらなのか過去観た3戦がたまたまなのか桐生一はスロースターターであり、やはりこの試合でも立ち上がりは相手の出方をまずは見て、しっかりと守りで対応するといった雰囲気。

まあつまり、攻められてはいるものの悪くはない立ち上がりの雰囲気。


8分、そんな間隙を突くようにMF6池田が左から中央へうまく抜け出してスルーパスを受けるも、惜しくもオフサイドの判定。
完璧な抜け出しに見えたので残念だった。


それを皮切りに押し込みはじめる桐生一、11分には再び池田が左サイドからスピードを上げてライン際まで攻め込み、見事なマイナスのセンタリングから最後はMF9吉森のシュートは惜しくもゴールならず。

やはり武蔵は試合開始から警戒されているのか、この辺はなかなか顔を出せないが、代わりに池田や吉森のところが空く。


14分、左CK、金田のキックは一度はね返ってファーにいき、折り返したところをFW9遠藤がヘディングで完全に入ったかというシュートを放つも、相手GK坂本のファインセーブでこれをぎりぎり防がれる。
惜しい!!


そのチャンスの後にはピンチもあり、16分には左サイドから押し込まれ2度の決定的なシュートを浴びるも、GK鯨井のファインセーブで逆にピンチを脱す。




桐生一の一方的な展開も得点ならず

試合は徐々に桐生一の一方的な展開に。

18分、ようやくエース武蔵にボールが渡り、マークをものともせずにペナルティ内で突進してから最後は上がっていたDF3渋澤のシュートはバーの上。

19分、後方からMF5古沢圭のスルーパスがペナルティ右に出て、FW9遠藤が出てきたGK坂本をかわすようにシュートも惜しくもバーの左。


22分、昨日の2点目を彷彿とさせるような金田から左サイドへの展開で池田がゴールニアにクロスを送ると、武蔵がアウトサイドで合わせにいくも、これは合わずに上に上がる。


26分、左サイドを起点にパスが中央へ渡り、金田のワンタッチでのヒールパスから武蔵のペナルティライン右からのシュートは惜しくもぎりぎりバーの上。


27分、左サイドから一気にペナルティ内でゴール方向にドリブル突破にいったMF6池田が相手の足に絡まり倒れるも、これはダイビングの判定で逆にイエロー。
主力の池田にこんな要らない形でのイエローは厳しい。



武蔵のポストから吉森の先制ゴール!!!

30分過ぎからは再び奈良がペースを掴み始め、FW10黄山を中心にスピードのある攻撃でチャンスを作っていく。

さすが奈良育英、なかなか点も入れさせてもらえないし、やはり強敵だな〜と感じていた前半も早5分を切った36分だった。

左サイドからうまく速攻に繋げられた桐生はMF6池田からのセンタリングをゴール前ニアで武蔵が3人ものマークに囲まれながらもフィジカルを活かしてキープし、やや後ろにいた吉森に戻すと、吉森がこれをコントロールして見事なシュートを放ち、これがGK坂本の手に当たりながらゴール右に突き刺さる。


GOOAAALLLLL!!!!


これだ!!
これこそが理想的な攻撃、武蔵のフィジカルを活かしてのポスト、そしてそこにマークが集中して空いたところからの2列目からの波状攻撃。

この形が決まると強い。

これで貴重な先制点が手に入る事となった。


更に38分にも金田のパスを受けた吉森が同じような場所、今度はやや遠いペナルティライン上からのシュートはややバーの右。

こうして前半が終了し、見事な先制での1点リードで折り返しとなった。


う〜ん、桐生一強いよ。

さすが前橋育英を破ったチームだよ。

最前線の武蔵、中央でゲームをコントロールする金田、常にチャンスを作り続ける左のスペシャリスト池田と、役者があまりにもピタッとはまっている。
先制ゴールを決めた吉森もノッているし、古沢兄弟も攻守に渡って相手を押し込むプレーを見せている。


つまらない点さえ与えない限り、このチームは強い。





後半立ち上がり、いきなり同点に追いつかれる

しかし先制の余韻に浸っている時間は意外に短かった。

後半に入ったばかりの1分、中央のFW10黄山を起点にパスを繋げられ、FW7木田のワンタッチでのスルーパスにMF6山田真が抜け出してそのまま絶好の間合いでのシュートがゴールに入る。


・・・・・・・!!!!????・・・・・・・・


なんとも見事な速攻からパスを繋げられてしまったものだった。
まさにワンチャンスというか、あまりにも簡単に、そして正確に繋げられてしまい、これはもはや為す術が無かった。

今日の桐生一は自分たちのサッカーが出来てはいるものの、この展開の中で同点に追いつかれるという事はやはり奈良育英も相当に強いという事だろう。



4分、奈良は早くも選手交代、MF9松田に代わってFW15光明寺を投入。
いかにも奈良らしい、群馬では滅多にお目にかかれない名前だな・・・


再び先制したい桐生は7分、MF6池田が自陣から一気にドリブルで駆け上がり、吉森とのワンツーを使いながらペナルティライン上まで攻め上がってからの渾身のシュートはGK坂本の手にやや当たってバーのわずか上。

この池田、左のスペシャリストが不在のザスパは絶対獲得した方がいいな・・・進学でも決まっているかな・・・




古沢兄弟からのパスに遠藤の得点で再びリード!!

後半10分を過ぎると互いに早く前線にボールを送ろうとする蹴り合いとなり、セカンドボールの拾い合い。

その中で14分、左サイドから中央へ絞るようにDF8古沢友がうまくボールを奪取してキープすると、バイタルエリアにポッカリと穴が空き、双子の弟MF5古沢圭があうんの呼吸でこの中央のスペースに上がってパスを受けると、すかさずゴール前にスルーパス。
これを見事に受け取ったFW9遠藤が飛び出してきたGK坂本より一瞬早くシュートを放ち、これが見事にゴール左に吸い込まれる。


GOOAAALLLLL!!!!


見事だ、本当にこれまた見事なゴールだ。

第二回戦でもそうだったが、ゴールの形がどれも素晴らしい。


この試合、スタメンに抜擢された遠藤は前半からかなりゴールに向かう姿勢が観られたが、まさにその積極的な姿勢が奏功した。



再び追う展開となった奈良育英の速攻を止める形で18分、MF5古沢圭がイエロー。
ちょっと1試合目に続きイエローが多くなってきているな・・・
2点目のアシストに観るように古沢兄弟も絶対外せない主力なので、なるべくこの先の事を考えると累積欠場は避けたい。


武蔵のダメ押し点が決まる!!

21分、桐生一は速攻の形からMF5古沢圭のパスをペナルティ左角でもらった武蔵が、やはり身体を活かしたプレーでマーカーからボールを奪取してニアへの力ずくのシュートはバーのやや上。

更に続く22分にもゴール左からのシュートはGK坂本がなんとかセーブ。


ここで奈良は再び交代、なんと後半頭に投入したばかりのFW15光明寺を下げ、MF14田中祐樹を投入。
光明寺の投入のタイミングとしては同点に追いついたところでたたみ掛けたかったのだろうが、逆にリズムを変えてしまったか。


24分、奈良の左サイドからのクロスをGK鯨井が競っている中で取り損ね、危うく押し込まれそうになるもなんとかセーブ。

そのヒヤッとした直後の25分、スルーパスを今度はペナルティ右で受けた武蔵のところにマークが空き、かなりの余裕を持ってGKとの1対1を無難に決める。


GOOAAALLLLL!!!!


やはりというか、奈良は高さの点ではセンターバック2人が挟み込んで武蔵を封じてはいたが、どうも裏のスペースへの飛び出しに対しては前半からほとんど対応できておらず、この試合まだまだビッグチャンスが武蔵に訪れそうだと思ったとおりだった。


28分、たたみ掛けるように金田が右サイドにスルーパスを送り、右サイドにポジションを代えていたMF6池田の左足からの威力がありながら巻いて落ちるシュートは惜しくもバーの左上を直撃!!
左のキック力に自信のある池田が右サイドに回るとこういったシュートが期待できる。



金田の追加点で試合終了、桐生一準々決勝へ!!

こうなると昨日の試合のように桐生一がますますペースを握る格好となり、30分には右からの金田のクロスにゴールニアで武蔵のヘディングはバー右、32分にはゴール前へのこぼれ球を武蔵が競ってGKと2人のマーカーに挟まれながらも強さを活かしてぎりぎりのシュートはバーの左とまだまだ追加点を獲れそうな気配。


33分、昨日と同じくここでいったん守備固めというか、中盤を引き締める意味でチームキャプテンのMF11磯部が貴重な2点目を決めたお役ご免のFW9遠藤と代わって入る。

こうなれば金田がトップ下の位置で自由に動けるのでボールをますますキープしやすくなる。


35分、奈良はMF11三國に代えてMF25藤本を最後の投入。

36分、桐生一も交代、DF2宮崎に代えてDF20川田を投入。


いよいよもう時間も無くなってきた39分、金田らが右サイドから起点となりボールを繋げたところで右サイドを突破し、折り返されたボールを再び金田が上がってきており、シュートを押し込む。


GOOAAALLLLL!!!!


やはりというか、こうなるとまさに桐生一のペース。
金田らが自由に動けるとこういった得点も獲れる。


ここで桐生一は最後の交代、MF7吉森に代えてMF13青木を投入。


こうしてタイムアップとなり、桐生一は第二回戦に続いての3点差という完勝の内容でベスト8、準々決勝まで駒を進めた。




う〜ん、強い。

前半終了のところでも書いたとおり、今のそれぞれの個性が結びついたサッカーを出来ている限りは本当に強い。

とにかく武蔵がエースであることは間違いないが、その武蔵につられると1点目、2点目のような得点につながる。

パスの出所も決して金田だけではなく、池田や古沢兄弟、吉森といったところからもどんどんパスなり飛び出しなりが出てくる。

後半立ち上がりの同点ゴールは余計だったが、しかし1点くらいワンチャンスから決められても、全然余裕の雰囲気すら感じ取られた。




いよいよ運命の決戦の地である準決勝まであと1勝か・・・

自分たちのサッカーで勝ってくれ!桐生一!!







(12.1.3UP)






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