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2011-2012全国高校サッカー選手権
H23.11.13
群馬県大会決勝 桐生第一 3−2 前橋育英


桐生一初の全国進出

横棒



ザスパ内定の横山擁する育英、新潟内定の武蔵擁する擁する桐一の決勝戦

毎年悲願となっている群馬県勢の全国制覇の夢。
特にここ近年は前橋育英が常に優勝候補のチームを送り続け、それでも悪しきPK戦での敗退などで運にも恵まれず涙を呑んでいる。

その全国への切符をかけた群馬県大会決勝は昨年と同じ育英と桐生一。

特に育英にはザスパ内定が決まっているMF横山、桐生一には新潟内定が決まっているFW鈴木武蔵がおり、互いにどうその攻撃を止め、決定機を決めていけるかの戦いとなる。


現在5年連続全国進出中の王者育英の6年連続なるか、新興勢力桐生一が阻止するか。


育英としては大先輩である松田直樹の今夏の訃報を受け、是非とも全国で松田の思いを胸に戦いたいところだろう。




横山、白石らを擁する前橋育英

前橋育英はザスパ内定の横山がトップ下に入る4−2−3−1。

特に戦力としては左サイドの白石が昨年も全国選手権でレギュラーとして活躍しており、この大会でもかなり得点を挙げているとのことで得点源。

その他はあまり昨年からの引継ぎのメンバーは見あたらない。
そういえば昨年はFW松井がいたと思うが、怪我で欠場らしい。



11外山 

14白石  10横山  7斎藤
13高森 18廣瀬

2山田           6山本
3新谷 17小川

1川原


FW武蔵擁する桐生一

冒頭に述べたとおり桐生一はジャマイカ人とのハーフで新潟内定の武蔵を擁する。
前線は1トップの武蔵が左右にフリーで動くため、それに連動して前線4人のポジションも流動的に変わる。


両サイドバックは双子の古沢兄弟。



10鈴木武蔵
7吉森
6池田      19横堀
14金田 11磯部

8古沢友       5古沢圭
4堂前 3渋澤

1鯨井



互いに激しい攻撃の応酬

立ち上がりから押し込むは王者育英。
やはり白石、横山といったところでボールが収まり、そして獲られないので分厚い攻撃を仕掛けられている。

そうした中で何本も続けてCKを得るも、桐生一もよく守る。

そうして桐生一もCKのチャンスを掴むと、8分、左CKからゴール前での武蔵のヘッドが炸裂するもGKなんとかはじき、こぼれ球を堂前が拾い再度クロスを送ると、詰めた横堀に対しGK川原も身体を張って守る。

10分にも桐生一が右サイド寄りからFKを掴むと、MF11磯部の左足からの良いボールにMF19横堀のヘッドは惜しくもバーの上。


最初はやはり育英が強いかと思ったが、さすがは決勝、桐生一もなかなかやる。


しかし育英もすかさず11分にゴール前右に縦パスを送ると、外山が落としたところで後方からMF7斎藤のペナルティ右隅外からのシュートはなんと左のバーを直撃!!

このこぼれ球を再度MF14白石が左足でシュートを放つもこれは右に外れる。


18分にはゴール前で武蔵が起点となり桐生一がシュートするもブロック、19分には育英の横山がペナルティ左をドリブルで切り裂きクロスもブロック。


更に21分、桐生一は左サイドを起点に武蔵が身体をうまく使ってマークをガードしつつゴール前左に抜け出し、決定的なセンタリングをゴール前の横堀の前に転がすも、横堀、これに詰められず。
触っていれば1点の決定的場面だった。


やはり両チームともに攻撃力が高く、いつ点が入ってもおかしくない決定機の連続となる。




外山の抜け出しから斎藤が詰めて先制!!

そんな中の22分、左サイドバック山田からの長い縦パスに反応して抜け出したFW11外山が後ろから追いすがってきたマークをキックフェイントでかわしてからの右足でのシュートは決まったろ!!と思われたがGK鯨井がファインセーブ!!

しかしこのはじいたボールを後方から走り込んだMF7斎藤が詰めて、GK鯨井の脇を抜けてDF8古沢の足にも当たりながらもゴール右隅に決まる。

GOOAAALLLLL!!!!


唯一の1年生、斎藤の今大会初得点が貴重な先制ゴールとなる。

なんといっても外山の抜け出しが良かった。
まさにストライカーの動き出しだった。



前半は育英の1点リードで折り返し

その後、試合はやや落ち着いてきた中、33分にFW外山が左サイドからゴール前左奥まで攻め入り、マイナスに折り返したところをMF10横山の左足でのダイレクトシュートは至近距離だったがGKが抑える。


続けて37分にもペナルティ左でボールを受けて鋭い切り返しからのシュートをニアに放つも、これもGKが抑える。


桐生も38分、ペナルティ右で横堀が落としたボールをDF5古沢圭がスイッチしゴールニアに迫ってからのシュートは惜しくもバーの左。
角度が無いながらも決定的なシーンだった。



前半はロスタイム無くタイムアップ。

育英の1年生斎藤が獲った1点のリードで折り返しとなる。






後半開始、横山のドリブルからPKで新谷が追加点!

後半開始早々、左のスローインの流れからペナルティ左で後ろから上がってきたボールをそのままダイレクトにボレーという体勢ながらも勢いのあるシュートをMF10横山が放つもGKファインセーブ。

更に1分、右サイドを起点にゴール前で斎藤が落としたボールを再度横山がシュートを放つも、再度GKファインセーブ。

横山の立て続けの積極的なシュートが光る。


育英の後半の勢いは止まらず、2分、育英は右CKでショートコーナーを使い、横山がペナルティライン内側をドリブルで中央に切れ込もうとしたところをDF8古沢友が足をかけて倒してしまい、イエローと共にPKを献上。

これを蹴りにいくのはゲームキャプテンDF3新谷。
GK鯨井の動きを落ち着いて見ながらの右足でのシュートは見事にゴール左に。


GOOAAALLLLL!!!!


育英は後半立ち上がりの横山を中心とした攻撃の流れをそのまま得点に繋げる事に成功。

やはり育英が最後のところは強いか・・・
そう感じる攻撃の勢いだった。

それにしても追加点のPKを獲得した横山。
ドリブルだけでなく積極的なシュートへの姿勢が良い。

ザスパでも楽しみな存在だ。




金田のFKはバーを直撃。

後半9分、横山が左サイドでのファールでイエローをもらったところで、桐生は選手交代でMF7吉森に代えてDF2宮崎を投入。

この交代でMF6池田のポジションを更に上げるなどして攻勢を強めた桐生は13分、左サイドから横堀の切り返してから右足でのシュートはGK正面に収まる。


しかし育英も2点のリードを受けて余裕を持って持ち前の攻撃力を更なる得点に繋げようとする。

16分には左サイドのFK、白石の左足から送られたボールからゴール前直前で混戦となり、あと一歩のところまで育英も詰めるも間一髪のところで桐生も防ぐ。


17分、今度は白石が中央手前30mのところでファールしイエローと共にFKを与える。
これをMF14金田の右足で狙われた直接シュートは鋭い弧を描いて落ち、GKの手も届かずにバー上を直撃!!

かなり惜しいFKだった。
この試合、さすが全国への決勝というだけあってレベルが高い。



桐生はその金田をトップ下の位置まで上げて、代わりにDF5古沢圭をボランチに上げ何とか2点を追いつこうとする。



白石痛恨の退場、桐生が池田のヘッドで1点返す!!

26分、右サイドで武蔵が身体の強さを活かしボールをキープし、後ろのDF2宮崎に戻したところでMF14白石が強く当たりにいきイエロー。

ん?ということは??
なんと白石が2枚目のイエローで退場となり、横山と並ぶ攻撃の起点となっていた白石がいなくなり、更に1人少なくなる事で2点リードながらもこの試合分からなくなる。


28分、右サイドから強引に力強いドリブルでマークを振り切ったMF14金田のドリブルシュートはわずかにバーの右。


29分、左サイドからMF19横堀の上げた柔らかいアーリークロスに、ゴール前でヘディングにいったMF6池田のジャンピングヘッドで後ろに反らし気味に放ったシュートがGKの手を越えてゴール右に。


GOOAAALLLLL!!!!


見事な横堀の逆回転のクロスと池田のヘディングだった。

1人少なくなった育英の足元をさらうこの逆襲の1点で俄然桐生が盛り返す。


金田の突破から宮崎の同点ゴール!!

育英は失点となったプレーの前から用意していたDF5リ・ジョンスを先制点を入れたMF7斎藤に代えて投入。


33分、桐生は2人目の交代で先ほどのアシストのクロスを送ったMF19横堀に代えてスピードのあるレフティーのMF15伊東を投入。


育英は横山が外山がボールを持って攻め入っても孤立無援となり攻撃が繋がらない。

当然攻勢を強めるのは桐生。

そして36分、左サイドからのスローインからMF14金田がペナルティ左を駆け抜けゴールライン際からマイナスの折り返しを送ると、ゴール前に走り込んだDF2宮崎が合わせる!!


GOOAAALLLLL!!!!


なんとこの7分間で同点に!!

育英は1人少なくなってから残り10分強という時間を抑えきれる事が出来なかった。

これで1人少ないままの育英に対し勢いに乗る桐生。
いよいよ桐生一が初の全国に行くのか?と応援席も俄然盛り上がる。



試合は延長戦へ

後半も40分となる中、育英はペナルティ手前左でFKを得て久々のチャンスとなる。
これをMF10横山が左足で狙うもこれは蹴り損ね大きくバーの上。
やはり距離が近すぎたか。


ここで育英は選手交代、MF18廣瀬に代えて1年ながら馬力のあるFW25小口を投入。

ロスタイムは3分。

2分を過ぎたところでペナルティライン右からDF5古沢圭の放ったミドルはバーの上。

こうしてまさかの同点劇となった試合は後半40分間を終えて2−2のまま10分ハーフの延長戦となる。



延長前半、ついに桐生がリード!!

延長前半2分、右サイドでMF14金田が落としMF6池田が送ったクロスにゴール前でFW10武蔵のヘディングにDFもマークにいきバーの左へ。

更に3分、ペナルティ手前に入っていったMF11磯部のミドルシュートはバーの左。


6分、育英は久々に攻め入り、FW11外山が左で粘ったところでDF3渋澤がファールでイエロー。


8分、右寄りの位置から桐生はFKを得て、MF11磯部が左足で送ったボールをゴールファーでMF6池田が頭で落とし、そこに詰めたMF14金田が放ったシュートをGK川原がいったんは止めるものの、再度詰めた金田がゴールに押し込む!!


GOOAAALLLLL!!!!


つ、、、ついに3点目!!!

育英も1人少ないとはいえ、全国を制しようというのならばそれをはね返す力を見せて欲しかったが、結局こらえきれなかった。

これで俄然桐生一の全国進出が現実的なモノとなる。



全国への切符は桐生一に決定!!

延長後半開始にMF10横山を下げFW20三橋を投入。

2分、桐生は右スローインからFW10武蔵がペナルティライン中央に絞っていったところからのシュートはわずかにバーの右。

残り時間も少なくなる中、桐生一も1人多いのに安全を優先して時間稼ぎ気味に試合を進め、試合は蹴り合いに。

1人得点に貪欲な武蔵が7分に左サイドを抜けてのシュートはわずかにバーの左。

8分もカウンターから武蔵の左サイドからのシュートもバーの左。

残り0分となったところで桐生はMF15伊東にDF16富田を投入。


これで試合終了。



こうして年末からの全国選手権への切符は桐生一が初めて手にする事となった。



前橋育英、耐え抜く強さを身につけられるか?

まさかの結果だった。

前橋育英が2点まで獲ったところで、勝負は9割以上決定していた。

しかし、あの白石の2枚目のイエローだけは本当に不要だった。

結果として消えかけていた桐生一の光が再び燃え上がり、そして育英もそれを止めるだけの力が不足していた。



自分としては、1人少ない中でも逃げる事無く、全国で戦うのならちょうどいいハンデというくらいの気概で育英にはファイトして欲しかった。

それが逃げ腰となってしまい、桐生一の逆襲を受けるばかりで、結果として耐えきる力も無かった。

横山と白石、そして期待の新星斎藤の3シャドーや外山、松井らのFW陣が織りなす攻撃をもっと見たかったのに、それがもう見られないのは残念でならない。


しかし、1人少なくなったとはいえ、10分強の時間をゼロに抑えられなかった事では全国では戦えない。

白石の軽率なプレーを代表として、全国で優勝を目指すという事はどういう事なのか、この敗戦をもってしてもう一度考え直すにはそろそろ1回休みが育英にも必要だったのではないだろうか。

攻撃ばかり磨いても優勝旗はとれない。

サッカーとはどうしても流れが相手にいく時間帯があるのは必至であり、そこをいかに耐えきれるかが本当の強さを試される。

育英はどうしても毎年、その耐え抜く強さが足りない。


この悔しさをバネに、来年以降また立て直して欲しいものだ。




悲願の夢は桐生一に託された

対して初の全国での舞台で戦う事となった桐生一。

できれば私としても真の群馬代表として決勝を勝って欲しかったし、相手の1人退場を機にようやく押し込んで逆転できた試合展開からは、まだ自分達の本当の力で勝ち取った勝利とは言い難い。


しかし”あの”前橋育英を倒し全国に来たという看板を背負うからには、群馬県勢初の優勝旗への悲願を目指して欲しい。

特に逆転劇の最大の功労者となったキャプテンのMF14金田を中心とした中盤の力強さは可能性を感じる。

そこに横堀、池田といった今日活躍した選手に武蔵が絡めれば、育英相手に通用したように全国でも戦える事だろう。


高校野球でも初の優勝旗を桐生一が持ち帰ったように、サッカーでも桐生一が優勝旗を群馬に持ち帰る事ができるだろうか・・・


松田の母校である育英は敗れたが、しかし桐生は松田生誕の地であり、松田自身も確か桐生名誉市民に選ばれた経歴を持つ。


その桐生と群馬の名を全国に知らしめ、そして群馬に優勝旗を是非とも持ち帰って欲しい。


こうして今年も群馬県勢悲願の全国制覇への挑戦がはじまる。




(11.11.13UP)






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