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平成22年度 第89回
全国高校サッカー選手権大会
第3回戦 平成23年1月3日
前橋育英(群馬)1−1(PK1-3)流通経済大付属柏(千葉)


横棒



決定力と粘り強い守備の育英、ついに流経大柏とあたる

1回戦はまさに育英らしいパスとドリブルからの流動的なサッカーで神村学園を撃破したが、2回戦の室蘭大谷に対し、やはり堅守に苦しめられついには試合の主導権も握られる苦しい展開だったが、その中でもチーム全体での粘り強い守備と、苦しい逆境の中での決定力の高さで堅守を撃破。

だがこの3回戦でついに優勝候補の筆頭といえる流経大柏と当たる。

名古屋入りのMF吉田と新潟入りのDF増田の攻守の軸が揃い、高円宮杯と全国選手権の2冠を制した3年前のチームよりも強いのではと評されるほどの攻守完璧な超高校級チーム。




だが、優勝するためにはいつか当たるチームであり、ここを乗り越えない限り、初の決勝進出、そして全国制覇も夢のまた夢。

特にキャプテン小島にとっては兄が2007年の流経柏にいて国立を踏んでいることから、兄を越えるためにも是非とも倒したいチームで、その想いは強いだろう。

どんなに個の力が強かろうとも、サッカーに大事なのはチーム全体の粘り強い守備、そしてここぞという所での決定力であることを証明して欲しい。




・・・ところでこの試合、あろう事か私は大事な録画を失敗してしまい、仕方なしに当時は仮アップとしましたが、その後ネットを通じて知り合った親切な方から録画したDVDをわざわざ送って頂くという、大変有り難いご支援を受けこうして観戦記を書ける事になりました。

これからビッグになっていくであろう天才ボランチ・小島や相棒のMF湯川、大いなる素質を秘めたFW小牟田らの高校最後の試合を観ずにこのまま彼らの行く末を見守るのはあまりに納得のいかない事でしたが、これでこうして観戦記としてHPに刻む事ができます。

貴重なDVDを送って下さったTさん、そして試合を録画しわざわざ編集して下さったご友人の方、本当に有り難うございましたm(_ _)m

この場を借りて最大限の感謝を述べさせて頂きたく思います。






エース小牟田連続ゴール中だが、守備の要・川岸を欠く前橋育英

育英はエースFW10小牟田が2試合連続ゴール中で高い決定力を誇る。
2戦とも4得点、合計8得点中、ほとんど別々の選手が得点しているところも、全員サッカーの成果を感じる。
ただチームの主軸の小牟田、湯川らにイエローカードが出ているので、累積欠場の危険性もある程度考慮して欲しいが、ただこの試合だけは決勝のつもりで当たらないと到底勝つことはできないだろう。

だが、ここで大きなアクシデント、古傷を背負う守備陣の中心DF4川岸が前の試合で痛めた左足が悪化しなんと欠場。
大きな柱を欠く中での決戦となってしまった。


10小牟田 11飯沼

24白石       17戸内
14小島 7湯川

3筑井          15榊原
23大平 6北爪

1牛越




守備の増田擁する流経柏、吉田は温存

流経柏は高さのある宮本が1トップの4−2−3−1。守備では新潟入りで189cmの高さを誇るDFキャプテン増田を中心とした守備陣、中盤にもMF10富田が走攻守揃う万能の良い選手とのこと。

意外だったのは名古屋入りのレフティーMF吉田がスタメンでは無いこと。
やはり連戦続きの全国トーナメントの舞台では各チームとも、必ずしも万全の状況では無いということか。



8宮本

9進藤   10富田   18菅谷
13古波津 21熊田

6八角          2鈴木
5増田 4本橋

17緒方


まさかのイージーミスから先制点を与える・・・

立ち上がり、最初のチャンスは柏、4分に左サイドからFKを得ると、MF10富田が直接右で左下を狙うもこれはGK牛越抑える。

そしていきなりの6分だった。

育英はDFラインでのパス回しでDF北爪とDF榊原のところでパスミスとなり、MF9進藤にその一瞬の隙を突かれボールを奪われると、すぐさま中央のFW8宮本へ。

育英DFラインもまさかのパスミスに応対しきれない中、宮本のシュートは至近距離でどうにかGK牛越がはじくも、そのこぼれ球を再度ゴール前左で拾ったMF9進藤がゴール左下隅に流し込み、GK牛越の右腕の下を抜けていく形でまさかの失点・・・・!!!!


・・・・・・・!!!!??・・・・・・・・・・


なんと、まさかのイージーミスからの失点・・・・・・・

これはあまりに厳しい。

やはり守備の要・川岸不在で守備ラインがまだ落ち着かない中で、相手の柏はしたたかにその連携の乱れをしっかりと決めてきたということか。




熊田をアンカーに入れ、堅固なボックスを形成する柏

対する育英は9分、右サイドからのFKを掴むと、MF14小島の精度、威力ともに十分な絶妙なボールをゴールファーポスト左に送ると、DF6北爪のドンぴしゃのヘディングシュートをGK緒方、至近距離でファインセーブ!!!

あまりに惜しいチャンスだった。

素晴らしいボールを送った小島の精度、そしてDFラインのミスからの失点ということで自ら取り返そうという北爪の意地のシュートだった。


しかし柏の攻撃も鋭い。
14分、宮本がペナルティライン上で落としたボールからMF10富田がボレーの形でシュートを放つと、これがバーの右上を直撃!!
これ以上失点をするようだと早々にゲームを決められてしまうので、とにかく失点を1で抑えながら早めに同点に追いつく他ない。


それにしても柏の守備がなかなか乱れない。

本来DFの熊田がアンカーに入り、育英の生命線である小島と湯川のボランチのところを徹底的に潰しにきて、MF13古波津もうまくスペースを埋め、増田、本橋のセンターバックと完璧なボックスを形成。
この守備陣を前に、もう前半も半分を過ぎようというところだが、ほとんど効果的な攻撃を組み立てる事ができない。





23分、中盤の競り合いの中でMF13古波津から激しいタックルを仕掛けられMF7湯川が倒されるも、なんとイエローは逆に湯川に提示??
これで湯川、この大会2枚目のイエローとなり、勝っても次の試合は出られない事となる。
う〜ん、これは痛い。
この大会、どのチームも小島に対して徹底したマークをしてくる中で、湯川の攻撃に果たす役目がキーとなっているだけに、このカードの与えた精神的ダメージはでかい。


28分、右サイドでボールをもらったFW10小牟田、MF9進藤らを相手にその長いリーチとテクニックを活かし巧みにボールを前に進めてライン際からのクロスかシュートかのボールは惜しくもアウトにかかってしまいラインを割る。
やはり小牟田は高さ以上に、この足技に長けており、将来に期待がかかる。

30分、続けて小島がセンターラインからなんとか縦にボールを送ると、これを受けたMF17戸内(とのうち)がDFのマークを受けながらも左でのシュートは惜しくもバーのやや上。


35分、左サイドから育英の速攻となり、最前線のFW10小牟田までボールが渡るが、ゴール前まで攻め上がった湯川に対するパスは出す方向の左右が逆になってしまい惜しくも合わず。


そして1分の前半ロスタイムに入り、柏の激しい中盤のマークをさすがの切り返しでかわした小島のアウトサイドでのパスから、戸内がつなぎ小牟田に渡るも、これはゴール前で手詰まりとなり、結局呆気にとられたミスからの失点によって0−1での折り返しとなる。

チャンスの数などはほぼ互角の内容だが、ここまでは柏のブロック守備が本当にうまく機能している印象。
特に湯川あたりの攻撃力がほとんど活かせてもらえなかった。





後半立ち上がり、小牟田の一瞬の隙を突いた同点弾!!!

後半1分、柏のDFラインの前で浮き球が小島の前に落ちようとするところで、これを難なくノートラップの右足のボレーでシュートを放つと、これは惜しくもバーの上。
あまりに普通に放っているが、相当難しいボールだったぞ、さっきの??
さすが小島・・・天才のプレーはあまりにも何気ない。


しかし柏も5分には育英のバイタルエリアに波状攻撃を仕掛け、潰そうと思ってもボールを繋がれてしまい、最後はMF10富田にシュートを撃たれるも、これはバーの右に逸れてくれる。
宮本のポストプレーから富田を中心とした波状攻撃が鋭い柏に対し、小島らもなかなか守備に手を抜けない。


そして6分だった。

右サイドFW11飯沼を起点とし、小島らが送ったボールが相手のブロックにもあって高くゴール前左でバウンドしたところで、増田がちょうど絡めないスペースで相手DF陣も処理に手間取り、その一瞬の隙を逃さずFW小牟田がゴール前至近距離で左足を一閃させ、これを見事にゴール左隅に決める!!


GOOAAALLLLL!!!!


まさに最初の失点が育英守備陣のイージーミスからのまさかの失点ならば、これもまた柏側にとってはまさかのイージーな処理ミスからの同点となった。

あの密集地帯の中で、増田が絡んでいなかった事も幸いしたが、小牟田の高さ、フィジカルが活きた。

これで試合は振り出しに戻る事となる。




勢いに乗る育英、エース吉田投入の柏

この同点ゴールで俄然勢いのついた育英、11分には右サイドからMF17戸内が鋭く攻め込むと、バイタルエリアでスイッチする形でボールを受けたMF24白石の鋭いシュートは惜しくもGK緒方にはじかれる。

続く12分にも、ペナルティ左隅に侵入したFW11飯沼が、相手DFラインを自ら下げさせたところで右足でのシュートは、これまたかろうじてGK緒方が右手一本で上に弾き出す。

そして13分にも、相手の攻撃をセンターバック陣が鋭くカットしたところで、小島がすかさず縦に送ったボールから小牟田がシュートを狙うが、これは潰される。


14分、同点に追いつかれかなり劣勢となった柏はここで一気に流れを変えるべく、前半は守備で大きく貢献していたMF熊田を下げ、コンディション不調からベンチ温存となっていたレフティーで名古屋内定のエースMF14吉田をいよいよ投入。


更に17分にも選手交代、MF18菅谷に代えてFW16中村を投入し、負けているわけでもないのにかなりの攻撃的な布陣を敷く事となる柏。


対する育英も同点フィーバーが終わった23分のところで、MF17戸内(とのうち)に代えてFW13柏俣を投入し、勝負を決める1点を獲りにいく。




立ちはだかるGK緒方

27分、柏が縦にボールを送ったところでFW宮本が強引にペナルティ左に攻め入り、育英DFラインもこれをブロック、宮本倒れるもPKの笛はなし。
宮本のこういった強引さ、貪欲さはやはり守っている方には恐怖だ。


31分、左サイドでFKを得た育英は、DF3筑井の左からのボールが大きくファーゴール右のFW10小牟田に送られ、小牟田の叩き付けたヘディングはGK緒方が惜しくも抑える。
正直、この日のGK緒方はなかなかの当たり日であり、この相手GKの調子がもう一つならば決勝ゴールを決められていただろう。


32分、柏は育英ゴール前に陣取ったMF14吉田にボールを送り、吉田のシュートチャンスとなるも、DF北爪も吉田の左のコースだけは切っていき、やむなく吉田は右に切り返してからのシュートは威力今ひとつで北爪が再度ブロックする。

34分も柏、右サイドから大きくサイドチェンジでゴール左にボールを送り、折り返したところでMF富田10のシュートは威力なくGK牛越に収まる。




終盤、共に総力戦へ

試合時間の短い高校サッカー、残り5分を切った後半35分過ぎからは互いに意地のぶつかり合いとなり、36分、MF14吉田がペナルティライン上で難しいボレーを左で叩き込むも、これがDFに当たったところで、決定的なシュートをMF10富田が押し込むも、これがほんのわずかバーの左を転がる!!????

あ・・・危なかった・・・
よく入らなかったな、あれ・・・

相手チームの監督含め、誰もがこれは唖然とした決定機逸失だった。


ここで互いに選手交代、育英はなんと後半投入のFW13柏俣を下げ、FW25松井を投入。

柏はFW8宮本に代えてFW19田宮を投入。

互いにスーパーサブと言えるスピードのあるFWを投入。


38分、育英は左から右からピッチを広く使っての波状攻撃から、最後はFW25松井が左でシュートを放つもバーの上。



小島の最後のFKは無情にも入らず

そして試合はロスタイムの4分へ。

ロスタイム1分、MF湯川が倒されて掴んだ左寄りからのFK、筑井の送ったゴール前へのボールにMF小島が頭で合わせたシュートはGK緒方が抑える。


2分、今度は柏が左からMF9進藤が攻め込み、ゴールライン際から直接左で狙うかのような切り返しのボールを送るもバーの上。

ここで育英は最後の交代、MF24白石に代えてMF18四分一(しぶいち)を投入。


最後の1分となるロスタイム3分、その四分一に左サイドでボールが渡ると、果敢にドリブルで仕掛けていき、ペナルティ手前左寄りというあまりに絶好の位置でFKを得る。


やはりこのシュートを蹴りにいくのはMF14小島。

壁をわずかに越え、鋭く落ちていく完璧なシュートは画面上では入ったのか?????と思えるほどの軌跡を描くが、無情にもほんのわずかにバーの右を逸れる。


ああああああ・・・・・

本当に惜しいシュートだった・・・・
まさに完璧な、小島の真骨頂をみるシュートだった。



PK戦、1人目の小島の外しで勝負あり・・・

そして運命のPK戦。

先行となった育英は、最も重要な役目となる1人目を当然キャプテン小島で行く事となる。

が、先ほどのあまりにも惜しかったFKの余波が残っていたのか、小島の蹴っていったシュートはバーの左上を越してしまう・・・!!!!

まさに弘法も筆の誤り。

この全てのプレッシャーがのしかった重圧に、さしもの小島も潰された。

そして柏の1人目、吉田は右隅に決め、育英の2人目、小島の相棒MF湯川も左に蹴った甘いボールはGK緒方に止められ、柏の2人目MF富田は左に決め、これで0−2。

3人目のDF北爪はさすがに右下に決めてようやく1点取るも、柏のMF9進藤は難なく右下に決めてノーミス。

そして4人目のFW小牟田のシュートは左に甘く飛び、GK緒方が止めて1−3で勝負が決まる。


これはもう、完全に1人目の小島に全てがかかっていた。

この後、代表がアジアカップでPK戦を戦うが、先制の日本の1人目の本田圭佑は見事に心臓の強さでこれを決め、1人目で勝負を決めた。

そう、PK戦は先制が圧倒的に有利であるが、それはあくまで1人目が決めたらの事。

小島が決めていれば、その後は常に追われる立場となる後攻側の柏に精神的なプレッシャーをかけていけただろう。



群馬勢の飽くなき挑戦は続く・・・

こうして天才ボランチ小島を擁した育英の今年の挑戦が終わった。



松下の時と同じく、またPK戦で負けるか・・・


これが高校サッカー。
これが選手権。


おそらく育英はリーグ戦でもやらせれば相当の順位にいくと思われる良いチームを作り上げるが、しかしこれはあくまで一発勝負のトーナメント戦。

その儚さ故に美しい戦いが選手権であり、全国制覇の悲願、いや、その前の決勝進出の壁は未だ打破させてもらえない。

なぜこれだけのチームを毎年送り込んで、不運で敗れ続けなければいけないのか。
いや、その不運も実力の内と割り切るしかないのか・・・


レッズに行く小島、そして大学進学の小牟田や湯川らは今後の活躍が期待される。

また、この悔しい体験を活かし、2年の白石や大平など、次のチームを担う後継者はいる。
1年には山田監督が楽しみとしている大型ボランチもいるようで、来年はお披露目されることだろう。



そういえば新潟出身の友人Mはこの前一緒にザスパのプレシーズンマッチを観に行った際に、群馬っていつも優勝候補のイメージばかりだけど、まだ優勝してないんだな???と意外だという口調で言った。

そう、優勝どころか、まだ決勝にも行けていない。
それが群馬勢にかけられた果てしなき呪い、あまりにも重い足枷。

だが、その足枷をいつか打破する時を信じる他ない。

群馬代表の飽くなき挑戦はまだまだ続く・・・






山田監督そろそろ方針転換も???

ところで試合を観ていて改めて感じたこと。

育英は伝統的に、というか山田監督の方針として、あくまで2枚のボランチのところで守備と攻撃の構築を両方とも背負わせ、常に大会NO.1のボランチで勝負するわけだが、あまりにこの戦術にこだわり過ぎている感が否めない。


世の中はバルセロナやスペイン代表、そして南アメリカW杯での日本代表のように、優れたセントラルMF2枚の後ろに、アンカーを置く布陣が既に定石となっている。

育英も、今回の小島、湯川のような攻撃にも優れたセントラルMFを2枚抱えているのならば、この2人がもっと攻撃の比重を増やせ、守備でももっと自由に動けるように後ろにアンカーを1枚置けば、相当強くはならないだろうか?

特に前半、相手の柏はDFの熊田をアンカーに入れてきたのに対し、育英はFWの飯沼らがほとんど仕事が出来なかった。

このFWのところを1枚削ってでも、アンカーを1枚入れていたならば、特に前半消えてしまっていた湯川がもっと攻撃に絡めただろうし、小島も自由なポジション取りで相手のマークをかわしやすかっただろう。


日本代表が阿部のアンカーを入れる前と後であれだけの変身を遂げたように、優れたセントラルMFを持つ育英だからこそ、そこをもっと活かせるように方針転換がそろそろ無いものだろうかと切に願う。


押せ押せの時の育英は確かに強い。
この試合でも同点に追いついてからの圧倒的な波状攻撃はあまりに強烈だった。


だが、サッカーは良い時だけではない。

もっとトータルにチームを強くするためには何が必要か。

名将・山田監督ならばそれに気付いて欲しいと願う。




天才・小島よ、軍神となれるか

最後にこれだけは書いておきたい。

やはりこの試合を観て、小島のあまりの凄さを再認識させられた。

これまでの試合では徹底したマークに遭い、そのため攻撃を相棒の湯川にやや委ね、小島は後方での役回りを積極的にこなしているように見えた。


つまりあまり目立っていなかった。

だが、この試合で熊田の徹底したマークに遭いながらも、流経柏という強豪相手に後方支援ばかりもしていられないと踏んだ小島の、マークをかわしながらのギリギリの状態での縦へのパス能力などは素晴らしいものだった。


小島の良いところは、他のテクニシャンらと違って球離れが良いところだ。

むやみやたらにボールを持つわけではなく、自分よりも良い状態の味方が周りにいれば、惜しげもなくあっさりとボールを手渡す。

画面上ではあまりに簡単に味方にすぐにパスを出すので、小島のテクニックが目立たず、どれが小島なのかも最初判別しずらかった。


だが、現代サッカーにおいて、もはやテクニシャンがボールを持つ時代はとうに終わっている事は当然であり、そんな事が通用するのはせいぜい高校サッカーくらいまで。

小島は既にプロの世界を見据え、高校サッカーに合わせる事無く、常に高いレベルでプレーしようとしているわけだ。



そして時折みせる、常人にはマネの出来ない縦パスや、ボレーシュート、あまりにも完璧な軌道を描くFKなどのキラメキ。


小島の姿を見ていて重なるものがあった。

それがあの”軍神”中田英寿だ。


視野を広く保つために、その背筋は常にピンと伸び、滅多にバランスを崩す事もない。

攻撃の時には常に相手のスイートスポットを狙い、守備ではチームのピンチの時には惜しげもなく全力で戻り身体も張る。

まだフィジカル的には伸びしろがあると思われるが、そのプレーぶりは既に軍神の片鱗を見せた。


おそらく小島は凄い選手になることが出来る。

長谷部、遠藤といった今の代表の屋台骨であるセントラルMF達の後継探しはまだまだこれからとなっており、早くも3年後に迫る事となる次期W杯までに間に合うのかが懸念されるところだが、小島にはその才覚がある。

これから先の小島の軍神への成長も楽しみで仕方がない。






(11.03.20UP)






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