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2010-2011全国高校サッカー選手権
H22.11.20
群馬県大会決勝 前橋育英 3−0 桐生第一


天才小島率いる育英が5年連続の全国進出

横棒



天才小島率いる育英、湯川、近藤擁する桐一の決勝戦

群馬県勢悲願の全国大会決勝進出、そして優勝旗の凱旋はいつ果たされるか・・・

その夢を追い続け、群馬は前橋育英を軸に毎年素晴らしいチームを全国大会に送り出すも、なかなかその悲願が果たされる事無く、常にベスト4には行けるものの、そこから先の決勝の壁を突き破れない。

さて、今年はどのチームがその夢を引き継いでくれるものだろうか・・・


決勝は前橋育英と桐生第一となったが、やはり大本命は育英。
浦和レッズ入りが決まっている天才MF小島を擁し、宿敵・前橋商業を準々決勝で接戦を制し決勝の舞台へと進み、桐生第一はエースFW10近藤、アタッカーMF7湯沢を軸に得点を重ね、打倒育英に挑む。


ちなみに夏は桐生一がインターハイ予選で育英を2−1で破っている。
桐生一がどう育英の攻撃を止め、自分たちのペースに持って行くかだろう。



天才小島擁する前橋育英

小島はもはや説明する必要もないほどの圧倒的な存在だが、1年から全国大会で活躍する187cmの長身のFW小牟田、小島とコンビを組み、全国でも最強のボランチコンビであろうMF7湯川らが軸となる。



10小牟田 9宮本

24白石       17戸内
14小島 7湯川

15榊原         2大石
4川岸 6北爪

1牛越


サイドアタッカー湯沢、エース近藤が軸の桐生一

桐生一は近藤を軸にサイドアタッカー湯沢が攻撃の起点となる。

またスーパーサブ・FW11鈴木武蔵にも注目。


とにかくまずは育英の攻撃をどう止めて1点勝負に持ち込めるかだろう。




10近藤
14桜本
7湯沢        9深澤
6中村 20金田

5岡田         2高橋
4乾 3関根

1増谷



桐生一の堅守速攻に苦しむ育英

桐生一はMF7湯沢が、育英はDF2大石がロングスローを使い一気にゴールを狙う。

8分も大石のロングスローが桐生一ゴール前を襲うも、そのカウンターから一気に桐生一は攻め上がり、MF14桜本が思いきってロングシュートを放ち、これはわずかにバーの上を越えるが良いシュートだった。


10分、育英は左サイドから攻め込み、ペナルティ手前でフリーで絶好のパスを受けたMF17戸内(とのうち)だったが、フリーの状況に逆に足にボールがつかずシュートのタイミングを誤る。


14分、育英のFKのチャンスを逆にはね返した桐生一は一気にカウンターへと移り、MF7湯沢がDF2大石を背中でひきずりながらGKとの1対1へと持ち込みシュートを放つも、惜しくもボールはバーの右へ。


ここまで桐生一は小牟田をしっかりと抑える事でなかなか育英に前線でタメを作らせず、その守備からのMF7湯沢を中心とした速攻でいい形を作るペースを確保している。
育英は桐生一の激しい中盤でのプレス、堅い守備に苦しむ。



育英、CKのチャンスをモノにして先制

だが22分、右CKのチャンスを得た育英、MF14小島の低めの精度の高いキックから、ファーでヘディングで折り返したところでDF6北爪が押し込んでゴールに!!


GOOAAALLLLL!!!!


劣勢の中でセットプレーのチャンスを活かし見事な先制。

桐生一としてはそれまでうまく抑えていただけに、前半のうちは無失点に抑えたかったところ。


1点を得て育英らしいポゼッションが蘇り、小島を中心にボールを回し育英のペースに持ち込みはじめる。

だが、そこから一度建て直した桐生一はMF20金田、MF8中村といったボランチが積極的に攻め上がるなど分厚い攻撃を見せ始め、1点を取り返しに来る。

自分はもっと小島ばかりがボールを持ち、目立つ試合になるのかと思っていたが、むしろ桐生一の守備にも攻撃にも積極的なアプローチにいくサッカーの方が目立つ試合となっている。


ここで前半終了、育英は予想以上に苦しい戦いとなっているが、それでも先制した事はインターハイ予選の悪夢とは違った展開で折り返しとなる。






後半、互いに後1点を狙っての選手交代

後半開始から桐生一はサイドからの攻撃のギアを上げ、1分、右サイドからMF9深澤の鋭いクロスがニアを攻めるも、これはどうにか育英DF陣ブロック。


育英も立ち上がりの時間帯での得点を目指し、6分には小島のスライディングから中盤でボールを奪うとそのまま一気に攻め上がり、ゴール前右からのマイナスの折り返しからシュートチャンスとなるも、ここは桐生一DF陣も集中してブロック。

9分、育英はFW9宮本に代えてFW11飯沼を投入。


12分、左サイドから持ち上がろうとしたMF小島に対しDF2高橋がファールでイエローを受ける。

桐生一は17分、MF14桜本に代えていよいよスーパーサブでジャマイカ人の父を持つFW11鈴木武蔵を投入。

武蔵は高い身体能力を活かし前線でのボール争いであと一歩伸びてくる足でチェイシングをかける。
この試合ではまだ2年生ではあるが、来年の獲得の検討のためにJリーグ関係者も視察に来ているとのこと。


19分、育英は右CKからゴール前でMF湯川がボールをキープしシュートチャンスを伺うもあと一歩詰め切れず。

20分、育英更に選手交代、MF17戸内に代えてMF25松井を投入。



またしてもCKから育英追加点

27分、桐生一はいよいよ攻撃的な交代でMF20金田に代えてMF8田口を投入。


それにしてもこの試合は、中盤が互いにコンパクトで潰し合いが多く、なかなか前線までボールがいい形で回らないためお互いのエースNoを背負う、FW10近藤とFW10小牟田があまり目立たない。
FW11武蔵も最初は前線の雰囲気を変えそうな存在感をみせていたが、時間を追うごとに埋没していき、前半目立ったMF7湯沢の突破なども見られなくなり、時間があっという間に過ぎていく。


34分、桐生一は左サイドからFKのチャンスを得て、ゴール右に送られたボールにFW11武蔵らが詰めていきあわや、というところも、GK1牛越がぎりぎり先に抑える。


35分、今度は育英の左CKのチャンス。
MF14小島の蹴ったボールは伸びていくようにゴールファーポストにピンポイントに届き、そこに待ちかまえていたMF24白石のヘディングがドンぴしゃでゴールネットに突き刺す。


GOOAAALLLLL!!!!


またしてもCKからの追加点。
流れの中からではなかなか得点が得られにくい展開だったが、育英はセットプレーを多く獲得することでそこを力で打開させた。


育英更に追加点で勝負あり

この得点でMF24白石はお役ご免でFW13柏俣に交代。

これで正直言って勝負あり、36分、桐生一は最後の交代で、FW10近藤とMF7湯沢、GK1増谷を外し、GK12鯨井、15、17を投入。


しかしこの交代の直後、ゴールキックからの縦パスをFW11飯沼が繋ぎ、MF25松井がそのまま右サイドからゴール前右に走り込み、シュートを流し込むように1回GKに当たりながらゴールに。


GOOAAALLLLL!!!!


正直、桐生一は先ほどの交代を見るように既に勝負としては事切れていた。
その集中力の差が出てしまった。

この得点の後、育英はFW10小牟田に代えてFW22リ・ジョンスを投入。


なんとか1点だけでも返したいと、桐生一もFW11武蔵にボールを集め、高い身体能力で武蔵もボールを追うも、3点のリードを背にGK牛越もどんどん前に出てボールを先に抑えシュートまでは許さない。


そしてタイムアップ。


育英は5年連続の全国大会への切符を手に入れる事となった。



育英、悲願叶うか

正直言って、内容的にはもっと育英には流れの中で実力で得点を獲って欲しかった。
それはもちろん全国での戦いを見据えた場合だ。

それが最後のボーナスのようなダメ押し点はともかく、CKからの2発からしか点を獲れなかった事は得点力、決定力という点で不満が残る。

MF小島からもほとんど決定的なパスも出ず、FW小牟田も前線で孤立した。



攻撃の面では物足りなさが残った育英だが、しかし守備の面ではこれまでの育英に無い安定感を感じた。

試合の流れ自体が互いに膠着気味だったのを差し引いても、桐生一の湯沢、近藤、武蔵らをしっかり抑えられた事は大きい。
小島も決して攻撃一辺倒にいくのではなく、守備の面をしっかりとバランスをとりながらプレーをした結果が今日の守備偏重の流れになったのではとも思える。

そう、全国で戦う際にはこれでいい。

ここ近年の育英はボランチのところが守備よりも攻撃に比重を置く戦いが目立ち、ボランチが上がらないとチャンスが作れない形が多かったが、今年の育英は小島、湯川としっかりと中盤の底を守り、そして機を見ての鋭い攻め上がりを見せる、そのバランスは取れている印象だった。

昨年までのタレント揃いではなく、小島を中心にチーム全体で守り、点を獲っていくという意図を感じさせ、結果的にチームとしてのバランスは非常にとれていると感じる。

昨年までの個の力に頼り、そして自滅していく流れではなく、このチーム全体で戦うという姿勢は頼もしさを感じる。


前橋育英、君たちに今回は託した。

県民の願いを込めて、悲願達成を・・・頼む。






(10.11.20UP)






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