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インターハイ2009近畿まほろば総体
決勝戦 2009年8月7日
前橋育英 群馬県勢初の全国制覇!!!


横棒



冬の高校選手権の前に、夏のインターハイを群馬県勢で初の制覇!!!

8ヶ月前の冬の高校選手権、前橋育英は最強ボランチコンビと謳われたキャプテン米田、天才セントラルMF六平(むさか)を中心に、ザスパ草津に入団し至宝と讃えられる佐藤穣(みのり)、そしてサイドから中央に鋭く切れ込む攻撃力を発揮する中美(なかみ)の4人が”黄金の中盤”と大会前から称され、Jリーグ内定の司令塔がいるようなどんな強豪チーム相手にも一切変わる事無く黄金の中盤が試合を終始支配。

ポゼッション率とセカンドボールの支配率の高さから圧倒的に押し込む試合運びばかりで、ほとんど危なげなく順当に準決勝に進出。

そして鹿島アントラーズ入りし怪物と謳われたFW大迫勇也擁する鹿児島城西と対戦し、立ち上がりにCKから1失点するものの、その後はいつもどおりのゲームの支配率をみせ、その後怒濤の3得点をみせ群馬県勢初の決勝進出も問題ないと思われた。


しかし・・・その後DF陣の連携ミスなど、これまででは考えられなかった自滅から失点を喰らい、それまで抑えていた大迫にも得点を決められ3−1から3−5という悪夢の逆転負けを喫する。

本当に群馬県勢にとって決勝の壁の厚さをまざまざと思い知らされた、まさに魔物が巣くう準決勝の悪夢だった。



それから8ヶ月の時が経ち、メンバーは次の世代に交代。

その今年度のメンバー達が夏のインターハイを初制覇するという快挙を成し遂げた。

もともとインターハイもレッズのMF細貝の世代の育英がベスト4になっただけで、群馬県勢は高校選手権と同様決勝に進められていなかった。

その決勝進出を決め、そしてそのまま優勝まで勝ち取る快挙を成し遂げた。



残念ながらインターハイはテレビの放送が無いので全く試合を見られていないが、ネットや新聞で拾った情報を総合させて、今回の群馬県サッカー史上に深く名を刻んだ快挙を記録として残しておきたいと思う。





蒼々たる前橋育英のメンバー

前橋育英の今年のメンバーをネットでいろいろと調べたところ以下のとおり。


2トップは1年から頭角を表し、昨年はエースを張ったFW13西澤。
番号も昨年から敢えて変えていないようだ。
高校選手権を戦い抜いた思い出の番号でもある。

そして大会屈指のポストプレーヤーと2年生ながら評価されたFW10皆川。
こちらはいよいよエースナンバーの10を付けて前線で存在感を見せる事となる。

その他にも1年生ながら身長187cmを誇り選手権でもほぼ必ず後半の切り札として投入された小牟田も2年生となっている。


中盤は当然”黄金の中盤”の一角を2年生ながら務めた中美を中心に、かつてはU−16にも選ばれた上星、U−17に選ばれ、この大会では途中からスペイン遠征で抜けさせられてしまった小島。
この小島だけがレギュラーメンバーの中では唯一の2年。
1人だけ2年というと、かつてザスパのMF松下がキャプテンを務めた頃の黄金期メンバーの中で、ただ1人鹿島の青木剛だけが2年生でレギュラーに入っていた時のチームを思い出す。
つまり、それだけ小島が秀でている選手であるということであり、そしてその他の3年メンバーがいよいよ成熟期を迎えているという表れでもある。
ちなみに小島は冬の選手権でも1年生ながらFWやMFとして後半投入されていた。

また、MF三浦も大会後、大会優秀選手に選ばれている。


守備陣は近年希に見るメンバーが揃う。
センターバック代田は冬の選手権でもフル出場を果たした経験を持ち、キャプテン小山と共に空中戦も足下も強い鉄壁の守備を誇る。
右サイドバックは冬の選手権でもスタメン固定で、あの笛田から右のポジションを奪った形の木村。
あのクロスの能力は素晴らしい。
このチームでも貴重な攻撃力となるだろう。
左サイドバックは1年の頃からレギュラーとして活躍し、冬の選手権でも守備固めで投入された田中が入り、小山も含め全員が選手権を経験済み。
ベスト4止まりとなった悔しさを肌で味わっている。


GKは1年からずっと前橋育英のゴールポストを守り続ける志村が更なる成長を見せてくれていることだろう。


ということで、スタメンのうち、西澤、皆川、中美、代田、木村、志村となんと半分以上の6人が冬の選手権のレギュラーメンバー。

思えばこれだけの2年生が入りながら、昨年のチームはなんという完成度の高さだったか・・・
そしてその完成度の高さをそのまま受け継ぐ今年のチーム。

強くないわけがない。
そこに育英伝統ともいえる良質なボランチが加わるわけであり、今年はU−17の小島と、攻撃力にも優れる三浦というわけだ。



13西澤 10皆川

7中美    9上星(11粕川)
14小島 8三浦

3田中       6木村
4代田 2小山

1志村





8/2第1回戦 前橋育英3−1旭川実業(北海道)

1回戦はあまり注目もされないため、ほとんどネット上でもデータ拾えず・・・
得点者すらわからないが、エースFW西澤がこの大会で5得点決めているということは、逆算するとこの試合で2点決めたはず。
まあ、順当勝ちだったのでしょう。
しかし失点1というのが育英の伝統か・・・



8/3第2回戦 前橋育英4−1清水商業(静岡)
得点者【前】粕川、西沢、上星、OG【清】田村


立ち上がりは清水商ペース。MF風間希を起点に、両サイドをうまく使って敵陣深く攻め込んだ。だが、前半6分、カウンター攻撃から前橋育英に先制点を許した。

前半は12本ものシュートを放った清水商だが、得点を奪えなかった。逆に28分に再び相手の速攻を止められず失点した。
後半は前橋育英に中盤を支配されオウンゴールなどで2失点。
後半16分の給水タイム直後のプレー。清水商は一瞬のスキを突かれた。前橋育英MF上星のドリブル突破をどうすることもできず、決定的な3点目を失った。
後半17分にFW田村のゴールで1点を返すにとどまった。


(静岡新聞8/4の記事より)



以上の通り、清水商業はキャプテン風間を中心に1年の弟・風間矢らと立ち上がりからペースを掴んだらしいが、前橋育英もそこを耐えて逆にカウンターから得点を積み重ね、後半はいつものように中盤を支配した模様。



8/4第3回戦 前橋育英2−1神村学園(鹿児島)
得点者【前】田中、中美【神】田中

前半終了間際に得た、ペナルティエリア少し後ろのFKを、田中雄一が直接決めて前橋育英が先制。
後半、中美慶哉の豪快ミドルシュートで2点目を挙げ、神村学園の反撃をFKから田中祐太郎のヘディンシュートの1点に抑えて、前橋育英が勝利を収めた。


前橋育英はやはり中盤のテクニックの高さをベースに、プレスも鋭く、奪った後のショートパスで繋いでいく連携も素晴らしいとのこと。
中でも決勝点を決めた中美はドリブルがキレており、後半試合からやや消えたところでミドルシュートを決めるといった役者ぶりだったらしい。

神村学園も福野あさと、小谷健悟と両SHのドリブル突破を生かしたサイドからの攻撃は鋭かったらしいが、やはり育英がそれを上回ったという事だろう。
それにしてもここまでの3戦とも無失点で抑えられていない事が気がかり。



8/6準々決勝 前橋育英2−1神戸科学技術 (兵庫)
得点者【前】西澤、中美【神】鷲尾

10分、右サイドDF6木村のスルーパスを受けたFW13西澤が右45度からシュート。前橋育英が先制。
神戸科学技術も反撃。26分に左サイドで前橋育英のこぼれ球を拾った鷲尾がドリブルで前橋育英DFを翻弄、シュートまで持って行き同点に追いつく。
この失点を受け、山田監督は30分にMF上星に代えMF粕川を投入するという早めの動き。
しかし、この後も神戸には攻められた様子で、ここはGK志村が何度もファインセーブで救ったらしい。

後半も苦しい展開の中、15分にMF三浦に代え北爪を投入。
更に27分、前半に投入したMF粕川を下げ小牟田を投入。

これらの積極采配が功を奏したか、29分、北爪が右サイドからクロス。ファーサイドの中美が決勝ゴールを決める。



上記の試合経過を見ただけでも、かなりの苦戦だった事が伺える。
前後半40分制の高校サッカーからすれば、ほぼPK戦が視野に入ってきての終盤の決勝ゴール。

それにしてもエース西澤、チームの核・MF中美の2人のゴールとは、まさに役者が揃った感じ。
特に中美は苦しかった神村学園と神戸科技との両試合とも後半での決勝ゴールを決めるといった役者ぶり。
さすがは冬の選手権、黄金の中盤唯一2年だった男。



8/7準決勝 前橋育英1−0大津(熊本)
得点者【前】西澤

立ち上がり早々、どちらもチャンスがある中で、前橋育英は右サイドへと展開したボールをDF6木村のオーバーラップからのクロスを、ファーサイドでFW13西澤が難しい体勢ながらも、ボレーで合わせて逆サイドのサイドネットへと突き刺して先制。

両チーム中盤での圧力が強く、なかなかパスが回らないが、その中で中盤を飛ばしたサッカーをする大津の方がチャンスを作るも同点にできず、そうすると徐々に前橋育英もパスが回るようになってきて、良い形を作り攻めるが追加点ならず。
後半、大津がロングパスだけでなく、中盤での素早いショートパスも駆使するようになり、試合の主導権を握るようになるが、前橋育英の最終ラインの守備も集中しており、必ず足を出すなど、安易にシュートをさせない。
なかなか両チームとも得点が奪えないまま、時間だけが経過し、ロスタイム3分も経過して試合終了。


西澤のシュートは自分より後ろにボールが入るという難しい体勢だったが、うまく身体を捻りながらボレーで決めた値千金の一発。

対して大津は後半特に猛攻を仕掛け、サイドからのドリブル突破などから坂田、松本の身長のある2トップと、司令塔・澤田らが競り勝ってシュートを何本も見舞ったが、ここまで3試合連続1失点の育英が、この試合は代田、小山のセンターバックを中心に守りきったらしい。

他のネット上の意見などでも、この試合が事実上の決勝戦だったという熱戦。

これで育英は群馬県勢初の決勝進出という快挙を成し遂げる。



8/8決勝 前橋育英2−0米子北(鳥取)
得点者【前】三浦、西澤

前半4分、カウンターから左サイドに展開し、クロスからのDFのこぼれ球をこの日はボランチではなくサイドハーフでの起用だったMF三浦が左足でダイレクトにけり込んでゴール左に決まり先制。しかしその後は引いて守る米子北に対し、ボールを持ったが攻めあぐねる展開が続いた。
後半は、サイドを起点にした攻めが徐々に出るようになり、11分にCKからFW皆川が頭で折り返したボールをFW西澤が頭で押し込んで追加点。米子北の反撃をGK志村の好守などでしのぎきった。


(毎日新聞と上毛新聞より)



米子北はロングボールを2トップに当ててくるというオーソドックスなスタイルだったらしいが、ここでも代田、小山のセンターバックを中心にしっかりと競り勝ってあまり危なげなく勝った様子。
準決勝と同じく、早い時間帯での先制点も育英のペースに繋げやすい要因となった。
おそらく準々決勝の神戸、準決勝の大津よりはスコア通り順当に勝った試合といえるだろう。



続く高円宮杯全日本ユース選手権、そして悲願の冬の選手権へ

こうして夏のインターハイを制した育英は、高円宮杯(全日本ユース選手権)に9月出場となる。
ここでは各クラブチームのユースチームが入ってくるので、高校勢は劣勢になることが多いが、高校勢の代表としての奮闘が期待される。

そして12月までの群馬県予選を勝ち抜けばいよいよ冬の選手権。
群馬には前橋商業という永遠のライバル校がいるが、インターハイを制したからには冬も群馬の代表として出場して欲しいものだ。
私は今年の前橋育英の勇姿が見たい。


昨年まではエースの称号を受けながらも、なかなか得点という結果を残せなかったFW13西澤も大会5試合で5得点という決定力を見せ、その他にも中核・MF中美、U−17小島など楽しみな人材が揃う。
守備陣も非常に厳しかった準決勝大津戦を耐え抜いたキャプテン小山、代田のセンターバックコンビが健在ならば大崩はなさそう。

とにかく、小島を除くほとんどのレギュラーが満を持して揃って3年になっているところに黄金期の予感を感じる。


群馬県勢悲願の冬の選手権での決勝進出、そして全国制覇は今年のチームにかかっている。



おめでとう!前橋育英!!
そして頑張れ!!冬の選手権も!!
(できれば高円宮杯も含め、夢の3冠制覇も・・・)






(09.08.11UP)






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