|
|
盤石の1回戦を突破し、2回戦へ
初戦の京都橘戦を2−0の盤石の展開で突破した育英もまだまだ大会は2回戦。
相手は高知との1回戦を1−1のままPK戦を制した長野代表の武蔵工大二。
京都橘と同じく、またしても初出場校との対戦となるが、全国の相手に初出場はあまり関係なく、京都にも苦戦した部分があった。
ここ数年は2回戦で敗退することが多くなっており、準々決勝くらいまでは駒を進めないと、いい加減強豪の名も泣く。
この試合も盤石の試合運びで制したい。
2ボランチが好調の前橋育英
初戦で得点を決めたキャプテンMF14米田、MF7六平(むさか)の2ボランチが好調の育英。
この2人だけでなく、この試合では2年生2トップらにも得点が期待されるし、ザスパファンとしては常にMF10佐藤穣も注目したいところ。
13西澤 25皆川
20中美 10佐藤穣
7六平 14米田賢
6笛田 18木村
23代田 2藤崎
12志村
3年ばかりの武蔵工
武蔵工はMF16水谷を除いてほぼ3年ばかり。
布陣も育英と同じ4−4−2で同じようなシステムだろうか。
19萩原 11飯島
9廣瀬 8高橋
7高野 16水谷
5山田 2平沢
4本間 3酒井
1城立
序盤から一進一退の攻防
開始1分、左よりのサイドから育英はFKを得て、MF10穣が距離があるも直接右足で豪快に狙っていき、これはバーの上。
その後は一進一退の攻防が続き、8分、今度は武蔵工が左サイド寄りでFKを得ると、これまたまだ距離はあったもののキャプテンマークを巻くDF4本間が直接狙いにいくも、これはミートせずに左外に転がる。
10分、武蔵工の速攻の流れをセンターラインでスライディングタックルに行ったMF14米田がイエローを受ける。
大会が進むと徐々にカードの累積も気になる。
特にキャプテン米田は攻守共に大きい存在であるため、米田がカード累積で欠く事は考えられない。
混戦の中から西澤のループで先制!!
試合はその後もボールの奪い合いの混戦が続くが、16分、そんな中でMF14米田が相手がクリアしそこねたところを強引にかっさらい、そのままペナルティ左サイドに持ち込むと、スイッチする形でFW13西澤がダイレクトにシュート。
これが相手GKの頭上を越す絶妙のボールとなり、ゴール右隅に入る。
GOOAAALLLLL!!!!
ボールの奪い合いのせわしない中だったが、そんな中だからこそ技術力の差が出た、そんな先制点が決まる。
1回戦に続き、先制点が取れた事は大きい。
これが全国初出場の相手とはいえ、サッカーというものは点さえ取れなければ何の意味もない。
育英の圧倒的な攻撃
その後も先制した育英がそのまま押し気味に進め、21分、左サイドからの折り返しを受けたMF14米田のシュートはバーの上。
22分、左サイドでスルーパスを受けたFW13西澤が抜け出し飛び出してきたGKをもかわすシュートを放つも、DF4本間がゴール前でクリア。
24分も1人1人がしっかりとボールをキープし、ゴール前のFW25皆川らへボールを送るも、ここは武蔵工も身体を寄せてブロック。
この辺は育英の個々の技術力の高さに武蔵工も手を焼いている様子。
26分、左サイドのDF6笛田を起点に、右サイドのDF18木村も上がってクロスを送ると、最後はMF7六平がミドルを放つなど、育英得意の分厚い攻撃を見せる。
27分、スルーパスを左サイドで受けたMF20中美がペナルティ内で折り返し、FW13西澤のシュートは惜しくもバーの上。
圧倒的な育英の攻撃が分刻みで続くも、なかなかここで追加点が奪えないのは1回戦と同じ展開。
穣のアシスト、中美の追加点!!!
29分、右サイドでDF18木村と連動して崩したMF10穣が抜け出し、柔らかくも鋭いクロスを送ると、これにゴール前中央でぽっかりマークが空いていたMF20中美が落ち着いてワントラップの後、右足を振り抜いてゴール左に決める。
GOOAAALLLLL!!!!
ようやく攻撃の軸・穣のアシストが決まる形となる。
武蔵工はそれまでのFW13西澤らへのマークに寄せられ過ぎ、中美のところのマークまで付ききれなかった。
ああ、なるほど。
この試合は楽勝だ。
この追加点ではっきりした。
やはり1回戦の京都橘の方が強かった。
この日の武蔵工よりは、群馬で準決勝、決勝を戦った前商や桐生一の方がよっぽど強敵だった。
やはり群馬と長野の現段階での高校サッカーのレベルはカテゴリー的に差がある。
ここ数年は2回戦の壁に阻まれてきた育英だが、ここまではクジ運が良かったらしい。
前半は2点リードで折り返し
その後も2点を追いかける武蔵工だが、満足に前線にボールを入れられず、ほとんど決定機やシュートチャンスといったものは無い。
40分の前半もすぐに時間が過ぎ、1分のロスタイムも経過し2点リードで前半は折り返しとなる。
こうなると育英のやるべきことはシンプルだ。
無駄なイエローをこれ以上1枚たりとも貰わず、ゼロに抑えながらあと1、2点を追加すること。
できれば途中で米田などを3回戦に備え休ませたいくらい。
後半から2人の選手交代の武蔵工
後半開始から武蔵工は2人もの選手を入れ替えてくる。
やはり前半を見る限り、よっぽどの事をしないとひっくり返せないと高橋監督も見たのだろう。
FW19萩原に代え、FW10滝沢を、MF7高野に代え、MF18湯本を投入。
後半開始3分、右サイドをMF10穣が絶妙のテクニックでキープしDF18木村にスイッチ、木村のスピードに乗ったクロスは相手DFがかろうじてクリア。
後半も育英のスピードと個人技が融合された攻撃に武蔵工は手を焼く事となる。
5分には守備の要であるDF4本間も中央でのファールでイエローを受け、武蔵工守備陣の苦戦ぶりがわかる。
9分、育英の速攻から右サイドの折り返しにFW25皆川のシュートは力無く左に転がる。
続く10分、MF10穣のスルーパスを受けたFW25皆川がゴールに流し込み、これで3点目!!と皆川らも喜ぶが、これはオフサイドの判定。
どうもこの日はシュートチャンスに恵まれなかったFW25皆川、この後11分に1年ながら187cm長身のMF15小牟田を投入。
笛田のクロスに米田の追加点!!
12分、左サイドを抜き出たMF20中美のアタックはいったんブロックされるも、後ろからオーバーラップしたDF6笛田が再度抜き出て、ゴールライン際からクロスを送ると、ファー側のゴール右に飛び込んできたMF14米田がヘディングを叩き込む。
GOOAAALLLLL!!!!
またしてもチャンスを逃さない、チーム全体の攻撃の意識が生んだスピード溢れるゴール。
まさに文字通りのダメ押し3点目が入る。
武蔵工の反撃も食い止める
その後も全体的には育英の攻撃ペース。
武蔵工はなんとか前線にボールを繋げたいものの、たいていは育英の中盤の網にかかり、そこからFW13西澤、MF10穣らの速攻に合う展開が続く。
25分過ぎくらいからは武蔵工もクロスを入れられるようになるも、育英DF陣もそこはしっかりとゴール前で身体を寄せてブロック。
28分、武蔵工のCKのカウンターからDF18木村がGKと1対1となるも、これはGKファインセーブではじく。
32分、育英は2人目の交代、FW13西澤に代えMF22小島を投入。
もう追加点は要らない。
失点もイエローもついでに怪我人もゼロに抑えるだけだ。
時間も潰し盤石の圧勝!
残り時間が少なくなる中、35分、武蔵工は3人目の交代。
MF16水谷に代えDF6傳田を投入。
育英も38分、DF2藤崎に代え、DF4小山を投入。
藤崎は1回戦でもイエローをもらっているため、控えのセンターバックも考慮する必要がある。
もういい加減育英も時間稼ぎに入り、持ち前のポゼッション力でサイドでパスを繋げる。
試合は3分のロスタイムに。
武蔵工の選手も足をつり出している中、しぶとくパスを回す育英、何とか1点返したい武蔵工の展開。
こうなるとボールを奪う事もままならないまま時間は経過し、そして終了のホイッスル。
こうして前橋育英は堂々の戦いぶり、まさに圧勝で2回戦突破となり、2004年のベスト8前商以来の3回戦進出となった。
明日の3回戦はなんとインターハイ優勝の市船を破った香川西との対戦となる。
2点を決めた1年生エース大西がどういう選手なのか気になるが、とにかくベスト8をかけて戦うのみだ。
(09.01.02UP)
|
|