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2008-2009全国高校サッカー選手権
第1回戦 2008年12月31日
前橋育英 2−0 京都橘


〜盤石の試合運びで勝利〜

横棒



悲願の決勝進出を賭けて・・・前橋育英の新たな船出

私のHPの常連さんなら十分ご承知の事と思うが、現在のザスパ草津キャプテン、MF松下裕樹がキャプテンをやっていた頃の前橋育英の2年連続準決勝進出、そして2年連続準決勝で敗退という頃から、私のこの高校サッカー選手権へ馳せる思いは強い。

あの史上最高の鉄壁を誇った市船とのスコアレスドロー、そしてもしその後のPK戦で勝っていれば、その後の決勝もあの時のチームならいけたのでは・・・という無念の思いは強い。

結局は大会の借りは大会で返す他ない。

その後もタレント集団を送り出しながらも、やはり決勝への道がなかなか険しい前橋育英であるが、今年こそはと思う。



佐藤穣はじめ、黄金の中盤擁する前橋育英

一番の注目選手は、やはりザスパ草津に内定しているMF10佐藤穣。
そして、穣と共に1年生の頃からレギュラーとして活躍しているキャプテン米田弟(賢)はボランチの位置から迷わずゴール前まで一気に上がって、その強いフィジカルから得点を狙い、昨年の全国大会でも実力の片鱗を見せた六平(むさか)の中盤の底での華麗なゲームメイクも光る。また残る中美の攻撃力も群馬大会を見る限り、育英の中盤の名に恥じない切れ味があり、4人の中盤はいずれも実力揃い。まさにこの”黄金の中盤”がチームの生命線ともいえる。

また、昨年の全国大会で1年生ながら活躍したエースFW13西澤の決定力も鍵を握るし、コンビを組む同じく2年のFW25皆川のポストプレーにも期待がかかる。

2ヶ月前の負傷が気になるも、穣、米田と共に1年から活躍する先発のDF6笛田はじめ、両サイドバックの上がりも含め攻撃力は申し分ないが、問題は最近の育英に見られる守備の脆弱性か・・・


13西澤 25皆川

20中美     10佐藤穣
7六平 14米田賢

6笛田       18木村
23代田 2藤崎

12志村



4−5−1の京都橘

京都はナンバー10の長谷川を1トップに据えた4−5−1。
守備陣には双子の藤井兄弟がいる。
全体的に2年生が半分を占める。


10長谷川
14河井
8中村      11安田
16松本 6中尾

18槍田      2藤井琢馬
4藤井悠馬 7重松

1片岡


いきなりのキャプテン米田の先制!!

立ち上がり1分、ファーストシュートは中央混戦の中でボールをキープしたMF7六平のミドル。
これはDFに当たる。

その後の2分、センターライン右寄りからMF10佐藤穣がドリブルで起点となると、ペナルティライン中央に送られたボールをFW13西澤が折り返したところにDFの間を割って入り抜け出したキャプテンMF14米田の左足での巻いたようなシュートはGKの右手をかすめつつゴールに。


GOOAAALLLLL!!!!


なんといきなりの先制!!!!

穣が起点となり、中央を上がる米田が決めるという、まさに黄金の中盤、攻守の鍵となる2人での得点。

幸先のいいスタートとなる。



試合は育英から京都のペースへ

その後も攻守共に個々の球際で優位に立つ育英の押し気味に試合は展開。
6分、右サイドバックDF18木村のシュートはバーの右上。

8分、右サイドからMF10穣がキープし、一回ゴール前に送ったボールがはね返ったところを素早くコントロールし、右足アウトサイドでのシュートはバーの上。

10分も縦パスに抜け出したFW13西澤が飛び出してきたGKもかわして無人のゴールを狙うも、これは戻ってきたDFに阻まれる。

先制での勢いのまま、序盤からかなり厚みのある育英らしい攻撃を見せつける。


その後は両チームとも落ち着き、互いのDFラインを越える事はなかなか難しくなる。


京都も1トップのFW10長谷川にクサビのボールが入ると、フィジカルとキープ力がある長谷川相手には育英DF陣も手を焼き起点を作られるも、シュートチャンスまでは与えない。

20分過ぎからは京都のペースに。

22分、FW10長谷川に左サイドを押し込まれる形の際に、スライディングにいったDF2藤崎がイエローを受ける。
この大会を勝ち進むとしたらイエローの累積も痛い要素となる。



オフサイドの判定で追加点ならず前半終了

京都の時間帯を耐えた育英、30分付近から再びペースを握り、28分、左サイドを上がったDF6笛田が縦パスに対し粘りをみせCKを得ると、その後のスローイングの流れの混戦からループシュートを送るもバーの右へ。
先制が早かった割には、思ったように追加点とはいかない。
やはり全国の相手は初出場とはいえ甘くはない。


34分、京都は前線で粘りをみせ右サイドからのクロスにゴール左でMF14河井のヘディングは左に逸れる。
この日初の京都のシュートらしいシュートの場面だった。


36分、ペナルティ手前で混戦となった中でFW13西澤が抜け出してスライディングシュートをゴールに流し込み、やっと追加点か!?と思われたが、惜しくもオフサイドの判定。
う〜ん、これは惜しい!


37分、MF14米田の攻め上がりから左サイドMF20中美が抜け出しクロスを送るも、DFがぎりぎりクリア。


高校サッカーの40分は早く、あっという間に前半もタイムアップ。

追加点が取れなかったのは気になるものの、1点リードで折り返しとなる。



後半、互いに選手交代

後半、京都は立ち上がりから選手交代、MF11安田に代え、MF13阪口を投入。

後半開始2分、中盤のボール争いでMF14河井が後ろからのチャージの形でイエロー。
互いにこの立ち上がりの時間帯でのゴールを狙った激しい展開。

3分、育英は中盤のテンポの良いパス回しで中央を崩すも、最後のシュートは力無く。

4分、京都はFW10長谷川がスルーパスに抜け出すも、飛び出したGK志村がいち早くこれをキャッチ。

5分、育英はMF20中美に代えMF15小牟田を投入。
時間が短い高校サッカーは交代のタイミングも早い。


立ち上がりの時間帯が過ぎると試合は中盤のボール争いの膠着状態に。

13分、京都は左サイドバックの1年DF18槍田が足をつらす。



拙攻目立つ育英

それにしても育英、なかなか前半のようには攻め込めない。
京都の3列目とDFラインの間でいつも挟まれきれいにボールがとられてしまい、2次、3次攻撃に移れない。
苦し紛れの縦パス1本も目立ち、前半の流動性、連動性が全く見られない。
1点リードゆえの消極性かはわからないが、攻撃がウリのはずのチームにとってこの拙攻は頂けない。


23分、久々の攻撃らしい形がみえ、左サイドをMF15小牟田が抜け出し、飛び出してきたGKもかわすが、その後粘られ、最後は右サイドからシュートを放つもバーの右上。


ここで京都、2人目の交代、先ほど足をつらせたDF18槍田に代え、MF9森崎を投入。

育英も2人目の交代、エースFW13西澤に代え、FW9森を投入。



六平、貴重な追加点!!

閉塞感漂う後半だったが、27分、ついに拮抗が崩れる。
中盤、センターライン付近でのボール争いの中でショートパスを繋いだ育英、最後はFW25皆川の前へのパスに混戦の中を抜け出したMF7六平、そのまま左寄りの位置から長い距離を独走し、GKとの1対1もGKをかわしてから落ち着いてゴールに流し込む。


GOOAAALLLLL!!!!


試合の内容、時間帯からいってこれでほぼ決まりだろうという貴重な追加点がようやく決まる。

後半は長い時間我慢の内容が続いたが、やはり決めたのは黄金の中盤の一角、六平だった。
スタンドに応援に来ていた父で俳優の六平直政も手を叩き喜ぶ。
ボランチながらにしてこの落ち着いたゴール前での得点感覚はさすが。


後の無い京都は3人目の交代、MF6中居に代えMF5金谷を投入。

この後、攻撃の要、MF14河井も足をつらせる。
初出場ながらここまで育英を手こずらせる運動量をみせてきた京都だが、やはり初出場なりの緊張もあるのだろう、それが足にきている。



京都のパワープレイも退け、1回戦突破!!

もう残り時間も5分ちょっととなる中、京都はDF7重松を前線に上げてのパワープレイ。

36分、育英はFW25皆川に代え、DF3田中を入れて守備固め。

逆転に転じたい京都だが、育英も2点のリードを受けてかえって伸び伸びとしたプレーが戻り、攻撃力が更に発揮されゴール前に押し込む場面も目立つ。
DF7重松が上がり、FW25皆川も下がった事で京都のゴール前に広大なスペースが広がっている事もある。

そして育英もパワープレイには屈しないゴール前の固さには培ってきた伝統がある。


時間はいよいよ3分のロスタイムに入り、押し気味のままタイムアップ。

2−0という盤石の試合運びで1回戦突破となった。


まだまだ戦いは続く

何よりもゼロで抑えたというのが大きい勝利だったのではないだろうか。

京都のFW10長谷川のフィジカル、キープ力、MF14河井の球捌きを見る限り、初出場校ながら強敵だったはずの相手に、きっちりとゼロで抑えられた事は守備の完成度の高さを表す。

相手には決定機もほとんど無かった。

結局、ボランチでありキャプテンのMF14米田が守備重視でいくのか攻撃参加にいくのかで守備の固さも大きく変わるような印象も受け、その辺が表裏一体の危うさもある。

追加点がなかなか奪えなかった攻撃の稚拙さも気になるところだし、課題点はあるが、しかし米田、六平の2人のボランチでの得点という、まさにこのチームを象徴する点の取り方は理想的だった。

この後の試合では2年生2トップや穣の得点にも期待しつつ、次の試合に注目したい。





(08.12.31UP)






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