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2007-2008全国高校サッカー選手権
第2回戦 2008年1月2日
前橋育英 1−2 近大和歌山


数々の決定機を逃し惜敗

横棒



まだまだ2回戦、戦いはこれから

群馬県勢初の悲願の決勝進出を賭けた全国高校サッカー選手権、1回戦の奈良育英との試合では5−4という壮絶な撃ち合いを演じ勝ちきった前橋育英。

勝つには勝ったが3点リードしながらも2度も追いつかれた守備に不安を抱えたままの2回戦進出となる。

しかし試合内容はU−19の攻撃の要・MF廣瀬と攻守の軸・MF青木がさすがの実力を示してくれるなど、タレント能力的には優勝も視野に入れられるものがある。

まだまだ2回戦。
今年の育英のメンバーからしてみればまだまだここでつまづく訳にはいかない。



好調のFW陣、U−19の廣瀬、青木

5−4という1回戦のスコアどおり、攻撃陣は好調。
群馬大会決勝に引き続き1回戦では2得点を挙げた1年ストライカーFW24西澤、そして群馬大会決勝に続き2試合連続で土壇場の決勝ゴールを挙げたFW15喜屋武と決定力は十分。

その2トップにパスを供給するのはU−19の攻撃の軸・MF10廣瀬。
持ち前のドリブル能力をベースに、安定したスルーパスを供給する。
もう一人のJ1大宮入りが決定しているMF5青木も、大型ボランチというふれこみが似合わない繊細でいてエレガントなプレーを披露し、とかく個人での突破に頼りがちな育英の攻撃陣を3列目から束ねチームを一つにしている。


守備陣では、やはり足を痛めているとはいえゲームキャプテンDF2鈴木は外せないと判断されたか、この試合ではスタメンに復帰。


24西澤 15喜屋武

8佐藤穣     10廣瀬
5青木 14米田賢

23田中         6笛田
2鈴木 4米田淳

12志村


近大和歌山

キャプテンMF10尾崎と前の試合で得点を決めている小柄ながらスピードのあるMF8浦島が攻撃の中心とのこと。


9谷口 11宮本

8浦島      10尾崎
6大北 7土屋

5福井        2須佐
14岩橋 3徳田

1辻


前半いきなりの失点

まだはじまって間もない3分、右サイドまだ距離があるところからの和歌山MF6大北のキックからファーゴール左側深い位置でMF8浦島がうまくボールを折り返し、再度ファーのゴール右サイドでFW11宮本がヘディングで押し込み早くも先制される。

実は前半の最初の方は機械トラブルにより録画ミス。
よって前半途中からの観戦記となります。


1点ビハインドで前半折り返し

32分、中央左寄りからFW15喜屋武が切れ込み、DFをかわしながらシュートはDF14岩橋に当たりながらゴールに向かうも、バーの左へ。

この後も立て続けにMF5青木が左CKからボールを入れるもゴールはならず。

35分、ペナルティ外左手前のいい位置からのFK、MF5青木の直接めにゴールを狙ったキックをGKはじき、そこをヘディングで詰めたFW15喜屋武のボールは入った!!!と思ったが相手DFが渾身のヘディングでのクリア。
ああ!!!惜しい!!


後半の終盤はほとんど育英が押し込んだが惜しくも得点はならず、1点ビハインドで前半を折り返す。



後半、早くも育英は選手交代

後半から押し込むのは1点リードしている和歌山。

後半立ち上がり2分、和歌山は左サイドからFKのチャンス、MF6大北のキックからはね返ったところをMF7土屋が左足を振り抜きシュートはやられた!!と思ったが、GK12志村の正面気味に飛びこれを抑える。


7分なんとか育英もMF5青木が個人技で中央突破を図り、ミドルを放ちこれはバーの左へ。
おそらく山田監督の指示だろうが、後半の青木は多少遠目でもシュートを放つようになる。

育英は早めの選手交代、後半8分、第1戦で途中交代から貴重な追加点を決めたFW9木原をMF8佐藤穣に代え投入。


14分、育英は中央でボールを奪ったところですぐさま前線への浮き球のスルーパスを送ると、これに抜き出たFW24西澤、ここに相手GKも不用意に上がっていたため、これをかわす形となり無人のゴールにぎりぎりシュートを放つも、わずかにバーの右へ。
これも惜しい!!



CKから育英同点ゴール!!

15分、育英は右CKのチャンス、FW15喜屋武の右足でのキックからファーでDF4米田兄がヘディングでシュートは右上のバーに当たるも、更にDF2鈴木がヘディングで押し込む!!


GOOAAALLLLL!!!!


まさにセンターバックコンビ2人の高さが活きた同点ゴール。
苦しい展開だったが、青木を含めた攻めの姿勢が幾度ものセットプレーを呼ぶなどゴールに結び付けた。


すぐさま和歌山再度突き放す

しかし18分、和歌山は右サイドをMF7土屋が突破していき完全に抜き出る。
余裕を持ったいいクロスを送られ、ファーでFW9谷口がこれを拾い押し込み、これが決まってしまう。

むむむっ・・・せっかく追いついた後のすぐの失点は痛すぎる。
1点入れてなおも逆転へと前がかりになった裏を突かれてしまった。

中央での個人技、テクニック、キープ力などのポゼッションの力は明らかに育英に分があるものの、和歌山はそれを補うべく、シンプルに速攻にこころがけており、そのスピードに何度かやられていた。


いつか同点には追いつけるという雰囲気はあったが、その後すぐさまの失点はあまりに苦しい展開。


廣瀬の決定機もバーに阻まれる

22分、育英は左サイドからクロスを入れ、これを相手GK辻、痛恨のこぼしでここを押し込もうとするが、相手DF陣も身体をはって止める。
どうやら相手のGK辻はまだGKとして成熟しておらず、何度か凡ミスが見られたが、和歌山DFもそれはよく心得たもので、チーム全体でよくカバーする。


23分、育英は左サイドバックのDF23田中に代え、MF7六平を入れ純粋にメンバーの攻撃力を上げる。


24分、左サイドからMF10廣瀬が得意のドリブルで突破し、マークをものともせずにゴール左サイドで左足でのシュートを放つと、これはバーの右上を直撃!!
そこを再度ヘディングで詰めるも、これはGK辻抑える。

う〜ん、どうも全般的に運がない・・・
決定機は明らかに育英の方が倍以上チャンスがあるが、和歌山の数少ないチャンスは得点に結びつき、育英のシュートは何度もバーに阻まれる。



選手交代もなかなかチャンスは訪れず・・・

27分、和歌山はそれまでキッカーを務めてきたMF6大北に代えMF15木村を投入。
どうやら純粋にボランチ同士の交代。
何度か育英の速攻にやられはじめていたため、ここで運動量を上げ残りの時間を乗り切る作戦だろう。


31分、育英は波状攻撃を浴びせ、和歌山ペナルティライン前で何度もボールを回し、MF10廣瀬にボールが渡ると普通ならいったんサイドにボールを下げるところをさすがのドリブラー廣瀬、ここをドリブル突破で試み、ゴールに迫る。
確かに廣瀬ほどのドリブルなら下手して止めにいくとPKもあるので選択肢としては合っている。
これでCKを得るが、和歌山DF陣も集中しておりもうCKではなかなか点が取れない。



34分、和歌山はMF7土屋に代えFW16薮本を投入。
あくまで決定的な3点目を狙う姿勢。


35分、育英は最後の選手交代、FW24西澤に代え、FW13佐藤大を投入。
昨年の選手権も経験するこのストライカーに最後の望みを託す。


パワープレイに出るもタイムアップ

プロより5分短い後半の40分が過ぎるのは早い。
DF2鈴木も前線に上げパワープレイに出て和歌山ゴール前に次々と攻め込むも、完全にゴール前を固めるDFの前になかなかチャンスも訪れずタイムアップ。



こうして1−2の惜敗で育英の冬は終わった。
チャンス、決定機はたくさんあった。少なくとも和歌山の倍は・・・

しかしその決定機を和歌山は決められ、育英は決められなかった。
その差は速攻時のスピードにあったように思う。
和歌山の速攻はスピード重視で一刻も早くゴール前に、という明確な攻撃だったが、育英はどこか時間のロスがあり、和歌山のDFを間に合わせてしまった。
また、和歌山は戦力差を埋めるためにチーム全体で守るという意識も強く、なかなかフリーの選手を育英に作らせなかった。

おそらく個々の力では育英が勝っていただろう。
しかしチームとして勝てる方は和歌山だった。


全国の壁は厚い・・・

4年間で3回ベスト4、国立の芝を踏んだあの黄金世代の時期からもう日が経とうとしており、育英の威光も薄れつつある。

それでも毎年多くのJリーガーを輩出している名門・前橋育英。

その名を今一度全国に轟かすためにも、全国で勝てるチーム作りを見直す必要があるのでは・・・








(08.01.02UP)






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