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2005-2006高校サッカー選手権

第1回戦 伊勢崎商業VS東福岡


強豪の前に虚しく散る・・・

横棒



育英、前商を破った群馬代表伊商

これまで長年に渡り群馬の代表といえば前橋育英、前橋商業の2強であったが、その2校を全員サッカーで破り、ついに全国への切符を手にした伊商。

伊商の中島監督いわく、群馬を制すれば全国がみえる。
そう、決勝進出はなぜかまだ無いが、これまで何度もベスト4、8を成し遂げている育英や前商は今や誰もが認める全国の強豪であり、毎回の優勝候補。

その2校を破ったのだから、それはつまり伊商も強豪の仲間入りということになる。

2強を破ったのは偶然ではない。2年連続で群馬大会決勝まで進んだその実力は決勝を見ただけでもわかった。

もしかしたらやってくれるかも・・・
いや、群馬の代表ならばやってくれなくては困る。
伊商には大いに期待がかかる。


初戦の相手はあの東福岡・・・

しかし運命の神はあまりに無情だ。
なんとこの初の全国大会を戦う伊商の相手は、”あの”東福岡。
全国大会で2年連続優勝をも成し遂げてしまっている強豪中の強豪。
今や、この東福岡、市立船橋、そして鹿児島実業の3校だけは高校サッカー界の中では別格だ。

まさか初戦から東福岡とは・・・

果たして、群馬大会で前商、育英を破ってきたように、その全員サッカーで相手を封じ込み、一級品の須藤のFKなどでワンチャンスを掴めるか。

それに期待したい一戦となった。


群馬大会決勝とほぼ同じメンバー

伊商の武器といえば#8須藤のFKとエース#9FW関。
そして#10福島はチームの攻守の要として4−4−2の重要であるゲームメーカーの役割を負う。(ちなみに前橋の芳賀中出身)

11小林 9関

18守田      8須藤
3根岸 10福島

6西澤       7小山
4萩原(彬久)5萩原(麻人)

1女屋


立ち上がりはなんと伊商ペース

さて注目のキックオフ。
なんと最初はまず守りからか、と思われた伊商がペースを掴み、何度も東福岡ゴールに迫る。

特に#11小林のチャンスメークが冴え、ポストプレーでは相手DFに競り勝ち、スピードも活かして何度も左サイドを破りクロスを上げる。
残念ながらそのクロスの精度は今一つで中央の関にはジャストでは合わず。

そして#9関も中央でパスを受け取ると、相手DF2枚を引きずりながらも強いフィジカルでドリブルしシュートまでいく。

特に#18守田は上手い具合にゴール前でパスを受けられたのでシュートを決めて欲しかったが、惜しくもはじかれる。

結局この立ち上がりの猛攻で点が入らなかったのが結果的には敗因となった・・・


東福岡の先制で形成逆転

この立ち上がりをしのいだ東福岡は徐々に攻勢に出はじめ、右サイドを中心に崩しはじめる。

伊商はこの流れの変わりを捉える事ができなかった。
あくまで攻勢のまま行こうとし、前がかりとなり、プレスの場所がセンターラインより前になってしまった。

4−4−2のフラットな中盤のラインでのプレスならセンターラインより手前周辺が理想だ。
中盤とDFラインの間隔をコンパクトに保ち、プレスがかかりやすく、奪ったボールを前線のFWに空いたスペースに出せる。

しかし、このセンターラインより前にかかったプレスのラインをかいくぐられ、前半13分、伊商の右サイドの広大なスペースをつかれる。
そこからシンプルにゴール前に出され、そこに詰めたのは#11松井。
ワンタッチでDFラインをかわし、前に出たGK女屋が触る前にシュートし、これが決まる。


DFラインは完全に混乱

全体的に、守備がDFラインのみになった時は東福岡の攻撃に対処はできなかった。
GK女屋もこの序盤の判断ミスによるいきなりの失点で完全にリズムを崩し、これまであれだけ前商、育英の猛攻を防いできたセーブも全く冴えない。

そんな伊商DFライン相手に、東福岡の速攻は冴え渡る。
一つ突破すればチャンスになり、中央に送る。
2点目はそんな攻撃の中、前半28分またしても#11松井が今度は右サイドを突破し、中央に送り、相手FW千代原が決める。

更に、その余韻も覚めぬ30分、3点目が決まり完全に勝負あり。

守りのチームである伊商にとっては、やはり先制点があまりに痛かった。

もはや得点の経過を書きたくもないが、ロスタイム、終了直前の失点を含む後半の3失点で結果的には0−6の歴史的な大敗となった。


自分達のサッカーができず・・・

伊商はやはり全員サッカーからのプレスによる守備をまずは重視すべきだった。

それが立ち上がりに思わず攻撃が上手くいってしまったものだから、ついつい攻撃的になってしまった。
この前半10分までに点が入らなかった時点で、伊商はリズムを切り替え、本来のフラットな4−4−2からのプレスにより東福岡の攻撃をまずは受け止めるべきだった。

失点はいずれも中盤が前がかりになってしまったために、いったん後ろのスペースを使われると途端にDFとの一騎討ちの場面を作られてしまい、そして中盤のフォローも間に合わないまま決められてしまった。

走り負けたら負けのチームが、失点の場面ではいずれも数的に負けていた。
完全に自分達のペースを、長所を見失ってしまった。
そう、まさに今年のJリーグ開幕当初のザスパの大量失点をそのまま見ているかのようだった。


来年こそは・・・

なんにせよ、ここ数年いつも楽しみにしていた群馬代表の決勝進出への夢が、今年は早くも終わってしまった。

やはり初の全国へ進んだ伊商にとって、最初の相手が東福岡はあまりに歩が悪かった。
せめて同程度の高校とまずは1、2戦やり、全国の舞台に慣れてから戦いたかった。

これが育英や前商ならば相手にとって不足なし!と強がりも言えたが、さすがに初出場の伊商では・・・

とにかく来年だ。
伊商の今日のスタメンのうち、4人は1年、2年だ。
そして育英、前商の現在の1年、2年もこの借りをきっちり返すべくまた県内の死闘を戦う事だろう。

今年は残念な結果になってしまったが、ザスパと共に来年の飛躍を期待したい。

群馬悲願の決勝進出。そして優勝旗を・・・






(05.12.31UP)






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