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バクチク本人達が認めるように、バクチクの変革期となったバクチクを語る上で外せないアルバム。
それまでとにかくメジャー路線を突っ走るために、まさにビジュアル系バンドのハシリとして時代を駆け抜けてきたバクチクが、本当に自分達のやりたい音楽を見い出した、脱皮しようとしたアルバムがこの”狂った太陽”だった。
自分がバクチクの事をなんとなく好きな方だ、と思っていた頃から、一気にバクチクしかない、とまで決定付けさせたのは間違いなくこのアルバム。
このアルバムの収録曲はどれも名曲ばかりで、何回リピートで流して聞いても飽きません。
自分が常々、バクチクを聞くのなら何十回でもリピートで繰り返して聞け、と周りに言っているのはまさにこのアルバムの頃のイメージが強いからです。
初心者の入門用としても優れ、コアなファンの中でも認められる、バクチク史上最高のアルバムといえるでしょう。
01.スピード
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(人指し指を頭に突き立て ブッ飛んでいる)
スピードという名前の本当の意味はバクチクファンなら誰でも御存じでしょう。
あまりに露骨すぎるネーミング、決してスピード感の無い曲。
男の子も女の子もスピードによって自由になろう、という曲。
このアルバムの中で唯一ポップな曲といえるでしょうか。
なんというか、まだビジュアル系時代の名残りがあるという、ある種このアルバムの中では異色の曲。
そしてこの曲を最後にバクチクはこれほどのポップな曲調は全て捨て去っていった・・・
そう、別に売れるためではない、真のバクチクたるための、存在意義を見い出すためだけの曲作りに・・・
02.MASHINE
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(飛び込んで行く光速に まぶし過ぎる星になるまで)
最初は櫻井のヴォ−カルがわざと低いキーで歌い出し、2小節目から急にキーを高く上げハイテンポに歌い上げる。
1人で車運転している時に、これほどテンション上がる曲はそうそう世の中に無い事でしょう。
1曲目のスピードよりよっぽどスピード感のある曲。
03.MY FUNNY VALENTINE
〜詩:櫻井 曲:今井〜
(サヨナラ愛しのValentine I want Valentine)
このアルバムの中ではバラード調の静かな曲調。
でも櫻井が妙にポップ調に明るく歌うので、そこのアンバランスさがまさにバクチクらしい不思議な心地よさを感じます。
04.変身(REBORN)
〜詞:櫻井 曲:星野〜
(そう・・・生まれ・・変わる・・・ああ お前に見せてあげたい)
星野の曲にしてはスピード感のある曲。
そもそもこんなにドラムを打鳴らす曲は珍しい。
この曲も結局はスピードと同じく今の現状を打破していこう、違う世界に行こうという気概が感じられます。
05.エンジェルフィッシュ
〜詞:櫻井 曲:星野〜
(ちょっと抱いて〜 哀れな〜人だね〜)
星野らしいバラード調。
歌自体はこの愛に沈みこんでいきたい、といった甘えたイメージで。
男よりも女性の方がウケがいいでしょう。
06.JUPITER
〜詞:櫻井 曲:星野〜
(どんなに人を傷つけた 今夜は優しくなれるから?)
CMにも使われ、バクチクファン以外にも当時圧倒的な支持を受けた誰もが認める名曲。
ジュピターというと木星という意味や天地を支配する最高神、生死を司る神など様々な意味がありそうですが、全体的に生死を通り越した宇宙を感じる、どこか厳かなイメージ。
星野の最高傑作であり、なおかつバクチクの中でも最高傑作に常に推される名曲中の名曲。
また、当然のことながらこの曲がバクチクの代表曲とまで称されるのは櫻井の詞もいいからで、内容からいってこのアルバムが出る前年に他界した櫻井の母親への追悼の念が強く入っている事は間違いない。
この事もバクチクが一皮脱皮した大きな要因だろう。
(ちなみにこれはJUPITERのB面に入った”さくら”にも言えるので、下に続く)
07.さくら
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(さあ 安らかに 眠るように瞳閉じておくれよ)
人によってはこのアルバムの中でJUPITERよりも名曲に推す、これまた名曲。
なんといってもJUPITERよりも優れている点として何度繰り返し聞いても飽きない。
この、飽きない、という点が全てにおいて優ると思っている自分にとっては、やはりある意味シングルでA面に入ったJUPITERよりもこのB面のさくらの方が名曲です。
”さくら”なんて一言も、花に関連する単語すら出てこないのに、この曲は暗闇の中でさくらが舞い散るイメージがはまります。
何かに偽わる必要なんてない。最後は愛と納得すればいいのだから。この曲は間違い無くバクチクのベスト5に入る曲。
JUPITERの続きとなるが、この曲も櫻井の母親に対する鎮魂歌としての想いが込められている。
クスリは虚しいだけ・・・櫻井の母親に対する愛情を考えれば、悲報を受けた後から相当ヤッたんでしょうが、結局はそんな事母が悲しむだけ、意味がない、と悟ったんでしょうね。
これ以降の櫻井の作詞は母に対する想いが随所に見え隠れするようになる。
まさにJUPITERとこのさくらからバクチクと櫻井は一皮剥けた。
08.Brain,Whisper,Head,Hate is noise
〜詞:今井 曲:今井〜
(あなた〜の宇宙(ソラ)の中〜 絶頂へ統一さ〜)
今井の作詞なので、相変わらず意味深でいて、実は意味なんてあるのか?、という曲。
人間が生まれながらに持つ本能、破壊の真実。それに気付くかどうかだ、という本質を訴える曲。
宗教じみた、バクチク教たる不思議な曲。
バクチクの場合、このようなバラードなのかなんだかよく線引きのわからない曲が多い。
だから良い。
09.MAD
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(ああ ただ星が綺麗だね 僕はお前にはなれない)
もう完全にクスリでイってしまっている人物の破壊の曲です。
スピード感があり、曲調は比較的さわやかですが。
アルバムも中盤で名曲、不思議系と続いているのでまたスピード感を上げるために持ってきた曲でしょうか。
10.地下室のメロディー
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(ココハドコダ ソシテコノオレハダレダ)
ドラムがまさにロック調に激しく打ならされ、かなり速い曲調かと思いながら、ギターはそんなに激しくはない。
考えてみるとバクチクはツインギターのはずなのに、そんなにギターで引っ張る曲がない。
バクチクはヤガミとユータの兄弟のドラムとベースがあるから持っている、と音楽に詳しい友人が言っていたことを思いだす。
そのとおりなんでしょうね。
今井なんてまともにギター弾いているのか怪しいし。
この曲は題名からしてダーク。詞の中身も破滅的なものばかり。
それとこのアルバムのジャケットにある地下室っぽい写真もこの曲がイメージされての事でしょう。
つまり、このアルバムからはっきりとダーク系を意識したことがわかります。
11.太陽ニ殺サレタ
〜詞:櫻井 曲:今井〜
(太陽ニ殺サレタ・・・サヨナラヲ言ウ前ニ・・・)
曲名のとおり、このアルバムの表題曲にして、この名アルバムの最後を飾る曲。
中盤まではかなり好きですが、最後のサビの繰り返しにはさすがに飽きるものが・・・
前述したとおり飽きるか飽きないかが非常に重要な私にとってはこの曲はそうでもないんですが、平野至上主義者友人Mはかなり好きらしいので、音楽に精通した彼が好きなのなら何かを秘めた出来のいい曲なのでしょう。
(2005.12.30UP)
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