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BUCK-TICKアルバム紹介
『SEXY STREAM LINER』(1997.12)


横棒



このアルバムは一言で言うなら”幻想”かな?SEXY STREAMLINERという流線形の夜行列車に乗って、不思議の世界を探索しよう、というようなイメージだと思う。
全体的に今井色が強めに出ている中で、幻想の部分では櫻井が自由に作詞しているような感じ。
あくまで不思議系であり、聞き手側の事については一切考慮されていないアルバムなので、これは初心者にはお薦めできませんね。MY FUCKIN' VALENTINEだけは一線を引く曲で、若い人なら誰でもノレる曲だろうけど。

このアルバムを帯同したツアーで桐生市民文化会館に平野信仰者Mと一緒に行ったのが私の初生バクチクでした。
バクチクはあまりにも完成されすぎたアルバムを毎回作るので、ライブだとどうなってしまうんだ?あのノイズは表現できるのか?と行く前はMと訝しがったものでしたが、いざライブが始ってみると唖然の一言。
アルバムでなんともないと思っていた曲が、ライブで聞くと主役級の歌に格上げされたり、ライブでしかわからない良い所を見つけたり・・・このアルバムは特にライブとCDの差が激しいかもしれません。
特にリザ−ドスキンのeverybody freedomのくだりを会場全体で合唱する時なんて、鳥肌がたちました。

だから私としてはCDとしてのアルバムよりも、ライブの思い出としてのアルバムといった印象です。
それにしてもあの桐生市民文化会館の”中”ホールは狭くって、バクチクとの距離が近かったな〜最後尾だったのに。当時あまりライブに行く気がなかった私はツアーの存在を知らず、結局チケットとったのがチケット発売の3週間後だった・・・今では信じられないな。なんで最近はこんなにチケットとりにくくなったんだろ?


01.タナトス

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(ど〜こまでも飛ぶ〜 ど〜こへでもよく〜 あ〜なたのに胸に〜 タ〜ナトスの花〜)

タナトスとはギリシャ神話で”死”を擬人化した神であり、フロイトの用語で攻撃、自己破壊に向かう死の本能をさす、とか。

タナトスの言葉どおり、全体的にダークさが漂う中、上記に書いたサビの部分で一気に盛り上がる。この箇所があまりに良いのでファンの間でもこの曲を逸品と言う人は多い事でしょう。
バクチク自身も気に入っているらしく、この前のライブでもこの曲やったし。


02.SEXY STREAMLINER

〜曲:今井 編曲:今井、横山和俊〜

今井作曲の曲だけの、そしてこのアルバムの表題曲。
ライブは当然この曲からスタートした。


03.ヒロイン-angel dust mix-

〜詩:櫻井 曲:今井〜

(あ〜な〜た〜の〜 ま〜ぶ〜た〜に〜 光る銀のしぶき〜)

先行シングル曲。つまりは表向きのこのアルバムの代表曲。

それにしても相変わらず・・・シングルにあまりいい曲を持ってこないな、バクチクは。
ホント、わざと売れないようにしているとしか思えない。
なぜファッキンバレンタインをシングルにしなかったのか、不思議でならない。

ところで純白のヒロインとか、副題がエンジェルダスト?そのままじゃないっすか。
少しは隠したり、ごまかしたりしましょうよ。
なんで警察は家宅捜査入らないのか不思議だ。
しかもこれが全国メジャーシングル発売されたとは・・・事務所はどう考えているんだ?


04.無知の涙

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(マシンガン抱いた少女、セルロイドの少女)

スローテンポな曲。このアルバムに全体的に流れる曲調を代表しているように感じる。
これもCDよりもライブの方が断然格好良い曲だな〜
ギターの低音が響き渡る、この手が好きなファンも多い事でしょう。
自分にとってはちょっとスロー過ぎるかな。

詞のテーマとしては、反戦主義といったところでしょうか。
一部の人間の気まぐれで戦争を起こし、無知なる人々を巻き込む、といった意味を感じます。


05.リザ−ドスキンの少女

〜詞:今井 曲:今井〜

(everybody freedom)

心の解放、それを偽りの自由と仮定し、そんな自由を得るために記念すべき夜に少年や少女は○○○に手を付ける。
しかし、いったんその自由を手に入れてしまうともう元に帰る事はできない。

そんなところでしょうね。

これはCDで聞くとあまりにスローテンポなのでダレがきますが、ライブだと最高にいい。
ファッキンバレンタインと同じくらいライブでは盛り上がる曲。
会場全体で「everybody freedom]」を合唱すると”バクチク教”の独特の雰囲気が最高潮に達します。


06.螺旋虫

〜詞:櫻井 曲:星野〜

(回る観覧車 それは螺旋虫)

いつもどおり、中間辺りに入る星野の2曲の1曲目。
バラード調というか静かな曲。
やはり”幻想”というアルバムのイメージをそのまま。

回る観覧車が螺旋虫・・・意味がよくわからない・・・
幻想というかイメージというか、聞く人によって勝手に想像してくれ、という感じでしょうか。


07.蝶蝶

〜詞:櫻井 曲:星野〜

(俺は高く 俺は低く 生まれ変わる踊るバタフライ)

星野の曲の2曲目。
この詞も意味を考えようにもよくわからないな〜
この蝶蝶というのは結局何を指しているのか??

曲調としてはノイズが利いていて星野の曲という感じではない。
まあ一応B−T編曲ということで今井がノイズを入れたんでしょうかね。
しかしサビの部分の俺は高く、俺は低く、という辺りがあまり盛り上がりやインパクトに欠けるため、あまり記憶に残らない曲になってしまった。
もう一ひねりあれば結構いい曲だな、もったいない、と今聞き直しみてはじめて気付いた。


08.囁き

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(あなたは〜夢〜 私は欲情する奴隷みたい〜)

ノイズ盛り沢山の今井らしい曲。
でもあまりに単調なため何度も聞きたいとはちょっと思えないですかね。
このアルバムはバクチクの中では珍しくそんなに何度も繰り替えして聞けないんだよな〜
基本的には単調というか・・・
だから初心者の人がこのアルバム聞いてバクチク、こんなものか、と思って欲しくないですね。
たぶんコアな人はこのアルバムすごく好きな人が多いんだろうけど。


09.迦陵頻伽-kalavinka-

〜詞:櫻井 曲:今井〜


(薔薇が咲き 赤く染まれと歌う)

なんとも題名のとおり仏教色が出ているような、中近東、インドっぽいというか、雰囲気が出ています。
迦陵頻伽とは美しい声を出す上半身が美女、下半身が鳥の想像上の動物だとか。
まさに幻想の世界ですね。
この頃櫻井か誰か宗教に興味があったんでしょうかね。

この曲はちょっとバクチクの中でもイレギュラー過ぎて、ファンも本人達も印象に薄いんじゃないだろうか・・・
よくわからない曲が多い、このアルバムは。


10.MY FUCKIN' VALENTINE

〜詞:今井 曲:今井〜

(BELIEVE IT FUTURE  RISE ABOVE YOURESELF )

この曲は素晴らしい!!間違い無くバクチク歴代10位には入る名曲!!
今井の作詞、作曲だけあってこのアルバム全体を支配する宗教色、幻想のイメージをいったん払拭し、今井ワールド全開でやるだけやってしまったような吹っ切れた曲。
今井のパートと櫻井のパートがほぼ同じで、2人の掛け合いは後にも先にもこの曲を超えるものはもうないでしょう。

カラオケでも一部のメーカーには入っていますが、将来もこの曲だけは残して欲しい。
そしてなぜこんな名曲を、日本中を震撼させ得るこの曲をシングルとして出さないのか。
!!そうか詞があまりに放送禁止用語が飛び交うからか?・・・

とにかくこのアルバムはこの曲のためにあるといっても過言とは思いません。
お願いだからライブでは必ずこの曲やってくれないかな〜
桐生のライブの後も、この曲をあと5回は繰り返して欲しいな、とMともしみじみ話し合ったものです。


11.Schiz・o 幻想

〜詞:櫻井 曲:今井〜


(幻想に溶けていく 幻想とひとつに)

これも好きな人は好きなんだろうけど、ちょっと単調のような・・・
アルバムが全体的にストリームライナーというとおり、流れるように、きれいにまとまり過ぎているんで、ちょっとひねりが足りないという私は純粋に音楽を楽しんでいないと言う事でしょうかね。

この歌も抑揚があまりなく、特にサビがもう一工夫欲しい気が・・・


12.キミガシン..ダラ

〜詞:櫻井 曲:今井〜


(たとえば〜 君が死んだなら〜 星にな〜れ〜)

この曲はなかなかリズム感よく、題名の死というイメージというより、死んでもなお一緒に貫いていくようなどこか前向きな生へのイメージを感じます。
まあ死と生は表裏一体といったような、この世界観を語って行くと随分奥深い話になっていくので、とてもこのライトなページでは何も言う気はないですが。
よく自分は知らないけど、何かのアニメソングにも使われたとか。
確かにサビの部分は一般ウケもするかな。


なかなかこのアルバムは初心者向けでなく、自分もそんなに何回も繰り返して聞く盤じゃないので全体的にあまりいい評価はなかったな〜こうして振り返ってみても。とにかくバレンタインが良すぎる。単純に曲が。
最近のバクチクを知らない人はあのバレンタインを聞いていないって事か・・・なんて不幸な・・・


(2005.7.10UP)






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