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BUCK-TICKアルバム紹介・批評
『SEVENTH HEAVEN』(1988.6)


BUCK-TICK SEVENTH HEAVEN

横棒



BUCK-TICKが30周年を迎えた翌年の2018年現在、自分も14年前にこのHPを立ち上げて、未だに出来ていなかった事がある。

それが、BUCK-TICKの過去のアルバムの曲紹介をコンプリートすること・・・

J3に落ちてしまい、必死にJ2復帰を賭けて戦っているザスパクサツ群馬も3週間のお休み期間に入り、時間も出来たので、ようやくこのたまたま残っていた最後のアルバム紹介を仕上げとして、デビュー後2枚目のアルバムとなった、このSEVENTH HEAVENについに手掛けたいと思います。


さて、SEVENTH HEAVEN(セブンスヘブン)とは、第七天、神と天使のいる最上天、もしくは至福の状態、という事。

結局、本当の至福の状態、といった内容の歌詞は当然BUCK-TICKさんには無いが、どこか破滅と至福の表裏一体感というか、死生観というか、まさにBUCK-TICKの原点と言える内容が随所にちりばめられている。


それにしても、あまり初期のアルバムを知らなかった自分でも、結構最初の方で手に入れて聴いていたはずなのに、なぜここまで紹介ページのアップが遅れてしまったのか・・・


まあ、結果オーライというか、こうしてここでコンプリートできるのだから、14年間という息の長いHP運営の賜物ということで。


とにかくこのデビュー2作目を作る時のBUCK-TICKは極端な過密スケジュールの中での突貫工事だったらしく、今井も1日1曲作るようなペースで、いつの間にかレコーディングが終わっていたような、メンバーも困惑の一作とのこと。

だから、その後にこの頃に作った曲をもう一度見直した殺シノ調べを出すほど、メンバーとしてももう少し手を加えたかったところがあるのだろうが、でもまあ、今聴いてもなかなかにまとまりが良く、よく出来ているアルバムだと思う。
自分も当時、かなり気に入って聴いていた記憶が濃い。



01. FRAGILE ARTICLE

〜曲:今井〜

(ら〜ららら〜ら、ら〜、ららら〜)

このアルバムの表題曲のSEVENTH HEAVENを三拍子にアレンジした曲。

今井がはじめに英語の歌詞を付けていたが、仮歌で櫻井がラララと歌ったら、そのまま採用されたらしい。
1分半無い、本当に入りのためのオープニングのための曲。

FRAGILE ARTICLEを直訳すると、(もろい)はかない記事・・・う〜んまあ特に意味はないか・・・



02. …IN HEAVEN…

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(TELL ME NOW 誤ちなのか? 永遠(とわ)の眠り神々のもとへ)
(I CAN'T DO I CAN'T DO I CAN'T DO I CAN'T DO もう二度と・・・)

10曲目ラストのSEVENTH HEAVENが表題曲ならば、このIN HEAVENは代表曲。
最もこのアルバムの中でノリが良く、ファンも多い。

それにしても、歌詞や櫻井のヴォーカルなど、やっぱり若いな〜という印象。

だが、永遠(とわ)の眠り神々のもとへ、や、しなやかな細い指、など、なかなかの詩人っぷりを既に見せつけている。

まー、とにかく時間が無かった当時、ギリギリの中で急ピッチで仕上げた割には良くできた楽曲と歌詞だと思う。




03.CAPSULE TEARS -PLASTIC SYNDROME V-

〜詞:今井 曲:今井〜

(声は消えて THIS IS NO MORE THAN LOVE)

PLASTIC SYNDROMEと言えば、インディーズ時代のアルバム、HURRY UP MODEでの1曲目にPLASTIC SYNDROME Uがあり、それに続いてのVということ?と思うが、Uの方はガッチリとPLASTIC SYNDROMEと歌っているが、こちらは歌詞にも出てこないし、あまり繋がりは無い感がある。

全体的にアイルランド音楽をイメージし、詩のイメージはアンデルセン童話ということ。




04.CASTLE IN THE AIR

〜詞:今井 曲:今井〜

(乾いた時を忘れ 目を閉じて IN TO SKY)

空中に浮かぶ楼閣、蜃気楼をイメージしたという曲であり、全体的に暗いイメージで歌い上げる櫻井のヴォーカルが特徴的。

この曲がこのアルバムの中で一番個人的に気に入っている曲であり、非常にカッコいい。
特にサビの部分でバックに女性コーラスが入り重ねてくるあたりが、非常に痺れる。



05.ORIENTAL LOVE STORY

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(交わす言葉すれ違い 寄り添いただ見つめあう 忘れはしない ROMANCE)
(全て 頬に つたう)

この曲は、のちに再録アルバム「殺シノ調ベ」で最高にかっこよく生まれ変わる。
その殺シノ調べバージョンは、BUCK-TICK史上でもベスト10に入るのでは、少なくとも20には入るという名曲。

その原型となったこのオリジナルも、よく味は出ている。

とにかく櫻井の歌詞が良い。

互いに心は通じ合っていても、それでも別れなくてはいけない刹那さ、後ろ姿、手を振る影、そして、少し寒い・・・

そのあとに、全て頬につたう、ですよ。


こんな組み合わせの歌詞をいったい誰が書けるというのか、、、

それもごく短時間で書いたはずの中、もうこの頃から櫻井の詩人としての才能は確かに開花していた。

特に、この曲の切なさ、刹那さというものは、この後もずっと続いているテーマだと思う。






06.PHYSICAL NEUROSE

〜詞:今井 曲:今井〜

(AH 少しずつ SADNESS HEART IS RUN MAD)

スコーンと抜けた感じのB級ポップを目指したという、全体的にカラ元気のような明るい曲調の中、サビのところではバックコーラスが狂ったような声を上げる。

PHYSICAL NEUROSEとは、直訳すると、物理的なノイローゼ。

歌詞にあるとおり、とにかく”発狂”していくという、脳内の様を表している世界観であり、公式には世紀末をテーマにしているとか。




07.DESPERATE GIRL

〜詞:櫻井 曲:星野〜

(ONLY LONELY MY GIRL 見つめてあげる 偽るその胸消えかけたら)

メジャーデビュー後、星野が初めて作曲を手掛けた曲とのことで、早くも星野が作曲家としての才能を見せている。

楽曲もなかなかのもであり、そこに櫻井の歌詞を注文する際に、哀しいものを、ということで、DESPERATE GIRLとは絶望的な少女という意味があるらしい。




08.VICTIMS OF LOVE

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(からめあう指と指の先に 青くつやめいた傷跡)

この曲も、殺シノ調べでもっと格好良く生まれ変わるが、その原曲。

最近(2018年)になって、結構頻繁にライブでもいろいろなアレンジでやるが、どうせやるなら殺シノ調べバージョンの方でやって欲しいと願うが、こちらのオリジナルの方の曲調に本人達もこだわっている様子・・・( ̄▽ ̄;)

しかし、、、今になってそんな何回もライブでやるほどの曲だろうか?
他にもっと、たくさん、捨てるほど名曲がゴロゴロ転がっている中、なぜこの曲を今になってライブでやるのか??
ああ、それよりもオリエンタルラブストーリーの殺シノ調べバージョンをやってほしい・・・




09.MEMORIES…

〜詞:櫻井 曲:今井〜

(二度と会えないと 飛び立つ前に別れを告げるよ)

全体的にかなり明るい曲調ながら、最後のお別れの曲の歌詞であり、空に飛び立つといった、BUCK-TICKによくある刹那的な、飛び込み自殺の直前のハイな感じを表現しているようにも見える。

まあ、よく出来ている曲だと思うが、曲は今井が夢の中で聴いた曲が原曲だとか。



10.SEVENTH HEAVEN

〜詞:今井 曲:今井〜

(ふいのKISSで二人が壊れる前に)

表題曲であり、最後を飾る曲は、随分と明るいポップ調。

だが、ウィキペディアをみると、KISSは地球とミサイルのKISS、コバルトは放射能を表しているということで、ええ?と歌詞を読み返すと、なるほど恋人同士が核戦争で散っていく最後の愛の誓いを交わし合おう、といった内容なのか、と、この時から既に死生観を出してきはじめているBUCK-TICKのその後30年以上に及ぶ一貫性を既に感じる。

核戦争、その前のせめてものSEVENTH HEAVEN、至福の時・・・
絶望しかない現在よりは、一緒にあっちの世界で自由に飛び立った方がいい、といった刹那的思想ですかね。




以上、やはりデビュー2年後の、あまりに若々しいSEVENTH HEAVENの紹介でした。

これで、ようやくアルバムだけはコンプリートか・・・

あとはまだシングルでしか収録されていない曲もあるので、そちらもいずれはコンプリートさせたいところです。



(2018.8.10UP)

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